不貞行為をした側は弁護士をつけるべき?費用やメリットを解説

弁護士法人デイライト法律事務所 弁護士  


不貞行為をした側は弁護士をつけるべきでしょうか?

結論としては、弁護士をつけることをおすすめします。

不貞行為が発覚し、慰謝料や離婚の問題に直面している方は、

「慰謝料をどのくらい払うことになるのか」

「家族や職場の人にもバレてしまわないか」

「穏便に解決できないものか」

など、様々な不安を抱えていることと思います。

弁護士は、不貞行為をした側のこのような不安に寄り添いながら、適切な条件で、穏便に解決できるよう、法的な側面からしっかりとサポートをしてくれます。

弁護士は、あなたの代理人として相手との直接交渉や裁判対応もできるため、精神的な負担も軽減することができます。

一方、弁護士をつけると弁護士費用がかかります。

しかし、弁護士費用をかけるだけの十分なメリットがあるケースは多いです。

この記事では、不貞行為をした側が弁護士をつけた方が良いケース、弁護士をつけるメリット・デメリット、弁護士費用、注意すべきポイントなどについて解説していきます。

不貞慰謝料や離婚の問題に悩まれている方は、ぜひ参考になさってください。

不貞行為をした側は弁護士をつけるべき?

不貞行為をした側が弁護士をつけるメリットは大きいです。

そのため、弁護士への依頼を検討されることをおすすめします。

不貞行為が発覚すると、被害者から慰謝料や離婚を求められる可能性があります。

慰謝料や離婚は法律問題であるため、弁護士による法的サポートを受けることで、適切かつ早期の解決がしやすくなります。

法外な慰謝料を支払ってしまったり、不当な条件を受け入れてしまったりすることを防ぐことができます。

また、弁護士には、慰謝料の減額交渉や離婚の手続きなどを全て任せることができます。

相手との直接接触を避けることができるため、精神的な負担を軽減することができます。

不貞行為が家族や職場の人などの第三者にバレてしまうリスクも軽減することができます。

一方、弁護士に依頼する場合の費用面が心配という方もいらっしゃると思います。

特に、不貞行為をした側は慰謝料等のお金を「支払う側」となりますから、そのうえ弁護士費用も掛かるとなると、負担が大きいと感じる方は多いと思います。

しかし、弁護士に依頼することでコストを上回るメリットが得られるケースは多いです。

以下では、弁護士に依頼するメリットや弁護士費用について、詳しく解説をしていきます。

 

 

不貞行為をした側の状況は2パターンある

不貞行為とは、一般に、配偶者以外の人と性的関係(肉体関係)を持つことをいいます。

いわゆる「浮気」や「不倫」とほとんど同じ意味ですが、不貞行為は肉体関係を伴うものであることがポイントです。

不貞行為の当事者(=不貞行為をした側)には、「不貞行為の相手」と「不貞行為をした配偶者」の2人がいます。

この2人は、共に「不貞行為をした側」であるものの、被害者(不貞行為をされた側)との関係性の違いから、異なる立場にあります。

不貞のイメージ

そこで、まずは各パターンの状況やリスクなどについて解説していきます。

 

不貞行為の相手のパターン

「不貞行為の相手」とは、既婚者の人と性的関係を持った人のことをいいます。

上記の図では「A」に当たる人のことを指します。

この立場にある人は、不貞行為が発覚した場合、被害者から不貞行為に基づく慰謝料(不貞慰謝料)を請求される可能性があります。

不貞慰謝料とは、不貞行為によって受けた精神的苦痛を補い回復させるために、不貞行為をした当事者に対して請求するお金のことをいいます。

 

不貞行為をした配偶者のパターン

「不貞行為をした配偶者」とは、自分の配偶者以外の人と性的関係を持った人のことをいいます。

上記の図では「夫」に当たる人のことを指します。

この立場にある人は、次のいずれかになる可能性があります。

  1. ① 被害者から離婚を請求される
  2. ② 離婚はせずに(夫婦関係は維持したまま)不貞慰謝料のみを請求される
  3. ③ 離婚も不貞慰謝料も請求されない

 

①被害者から離婚を請求されるケース

不貞行為は離婚原因(法律上離婚が認められる条件)に当たります(民法770条1項1号)。

引用元:民法|e-Gov法令検索

そのため、被害者(=自分の配偶者)から、不貞行為を理由に離婚を求められるリスクがあります。

また、離婚を求められる場合は、慰謝料(離婚慰謝料)も一緒に請求されることがほとんどです。

離婚慰謝料は、不貞行為を含めた、離婚に至る一連の経緯による精神的苦痛を対象とした慰謝料です。

そのため、場合によっては(複数人と不貞関係にあったり、不貞行為の他に暴力等の離婚原因がある場合などは)高額な慰謝料を請求される可能性もあります。

ワンポイント:自分から離婚を求めるケース

配偶者から離婚を求められるのではなく、自分から離婚を求めたいというケースもあります。

しかし、裁判実務では、不貞行為をした配偶者の側(専門用語では「有責配偶者」といいます。)から離婚を求めることは、原則としては認められないとされています。

離婚の原因を作っておきながら、それを理由に離婚を求めるのは正義に反すると考えられているためです。

したがって、自分から離婚を求めることは、例外的な場合(別居期間が相当長期に及んでいる場合など)でない限り困難です。

もっとも、裁判上は認められないということであり、合意によって離婚することはできます。

ただ、離婚の合意を得るためには、それ相応の金額の支払いが必要となることがほとんどです。

そのため、自分から離婚を求める場合は、相場を大幅に上回る慰謝料の支払いが必要となるケースもあります。

 

②不貞慰謝料のみを請求されるケース

離婚は請求されず(夫婦関係は維持したまま)、不貞慰謝料のみを請求される可能性もあります。

ただ、実際のところ、離婚をせずに不貞慰謝料のみを請求されるケースは多くはありません。

離婚をしない場合は、不貞慰謝料も請求されないケース(次の③のケース)が多い傾向にあります。

 

③離婚も不貞慰謝料も請求されないケース

上記のとおり、離婚せず、夫婦関係を維持する場合(夫婦関係を修復する場合)は、不貞慰謝料の請求もされないことが多いです。

夫婦の財布は通常は共通であるため、夫婦間で慰謝料のやり取りをしても、夫婦の財布からお金が出入りするだけの結果となるからです。

もっとも、夫婦間での慰謝料のやり取りがないというだけであり、不貞行為の相手に対しては不貞慰謝料が請求されるケースは多いです。

このように、不貞行為の相手に対してのみ慰謝料請求がされる場合は、後に、不貞行為の相手から「求償(きゅうしょう)」といって責任分担を求められる可能性があります。

求償については、後に解説いたします。

 

いわゆる「ダブル不倫」のパターン

不貞行為をした側の双方が既婚者のケースは、一般的に「ダブル不倫」と呼ばれています。

上記の図でいうと、「A」にも配偶者(夫)がいるケースがダブル不倫となります。

ダブル不倫

このケースでは、「Aの夫」も被害者となり、「Aの夫」から見ると、「夫」が不貞行為の相手、「A」が不貞行為をした配偶者となります。

すなわち、不貞をした側である「夫」「A」の双方とも、「不貞行為の相手」と「不貞行為をした配偶者」の立場を併せ持つことになります。

そのため、「夫」「A」の双方とも、相手の配偶者からも、自分の配偶者からも慰謝料請求等をされるリスクを負う立場に置かれ、状況は複雑なものとなります。

 

「不貞行為の相手」と「不貞行為をした配偶者」の関係

不貞行為をした側同士でも、利害関係が生じる可能性があります。

不貞行為をした側は、不貞慰謝料の支払い義務を共同で負うものとされています。

そして、どちらか一方が慰謝料の全額を支払った場合は、他方に対して、その責任割合に応じた分担額の清算を求めることができます。

これを専門用語では「求償」といいます。

例えば、下記の図の「妻」が「A」にのみ慰謝料200万円を請求し、Aが200万円全額を支払ったとします。

この場合、「A」は、「夫」に対して分担金の清算を求める(求償する)ことができます。

例えば、責任割合が2分の1ずつである場合は、100万円を求償することができます。

求償のイメージ

このような求償関係で揉めることを避けるために、はじめから「不貞行為の相手」「不貞行為をした配偶者」「被害者」の三者間で示談交渉を行い、終局的な解決を図るケースもあります。

 

 

弁護士への依頼を検討したほうが良いケース

相手(被害者)が弁護士をつけているケース

相手が弁護士をつけている場合は、こちらも弁護士をつけることを検討した方が良いでしょう。

相手の弁護士は、相手の味方として、相手に有利になるように活動します。

また、弁護士は交渉が上手です。

さらに、弁護士は、交渉が決裂しても簡単に裁判を起こすことができるため、交渉相手にそれなりのプレッシャーをかけることもできます。

そのため、相手の弁護士と直接交渉をすると、自分に不利な条件を受け入れてしまうことにもなりかねません。

そのような事態を防ぐためには、こちらも弁護士をつけた方が良いでしょう。

こちらも弁護士をつけ、法律の専門家同士で協議してもらうようにすれば、よりスムーズに、適切な条件での解決もしやすくなります。

 

相手が法外な金額を請求しているケース

相手が法外な金額を請求している場合も、弁護士への依頼を検討した方が良いです。

まず、弁護士に依頼することで、適正な金額を見極めることができるため、相手に言われるがまま法外な金額を支払ってしまう事態を防ぐことができます。

また、弁護士に依頼することで、減額交渉もスムーズに行うことができます。

弁護士であれば、過去の裁判例の傾向などに基づいた交渉をすることもできます。

そのため、減額について相手の納得が得られやすく、裁判まで争わずに済む可能性も高くなります。

 

相手が感情的になっているケース

相手が感情的になっているケースでは、相手と直接対峙するとトラブルになる可能性があります。

また、相手が職場や自宅に直接連絡を入れたり、直接訪問したりして、職場の人や家族に不貞行為がバレてしまうというリスクもあります。

そのため、相手が感情的になっている場合は、弁護士に依頼した方が良いでしょう。

弁護士は、依頼を受けたらすぐに相手に通知を送り、今後の連絡窓口を弁護士にするように申し入れます。

その後は、全て弁護士を通したやり取りとなるため、相手と直接接触することを避けることができます。

そのため、感情的な対立からトラブルになるリスクを軽減することができます。

また、弁護士が窓口となるため、相手が職場などに連絡したり、訪問したりするリスクも軽減することができます。

 

後々のトラブルを防止したい場合

  • 慰謝料を支払ったのに、後日追加で請求をされた
  • 不貞行為の事実をSNSで拡散されてしまった
  • 不貞行為の事実を職場の人や家族にバラされてしまった

上記のようなトラブルを防止したい場合は、弁護士に示談交渉を依頼した方がよいでしょう。

弁護士に示談交渉を依頼することで、口外禁止の誓約などを取り付けやすくなります。

また、清算条項(これ以上請求しないという約束)や口外禁止条項など、トラブル防止のための条項を適切に示談書に盛り込むことができます。

そのため、後々のトラブル防止に役立ちます。

万一、相手が誓約を破ったとしても、適切な示談書があれば迅速に対処することが可能です。

 

その他不安を感じている場合

上記以外にも、不貞行為の問題について不安を感じる場合は、まずは弁護士に相談されることをおすすめします。

法律相談では、ご自身の状況や今後の見通しに関するアドバイスをもらうことができます。

そのアドバイスを踏まえたうえで、依頼を検討されるのでも問題ありません。

また、費用面などが心配な場合も、法律相談の際に遠慮なくご相談ください。

「弁護士に相談したら、不貞行為を認めたことになるのでは?」と心配されている方もいらっしゃるかもしれませんが、そのようなことはありませんのでご安心ください。

「不貞行為をしていないのに、慰謝料を請求された」というような場合も、ぜひご相談ください。

弁護士に相談した事実が裁判等で不利に働くことはありません。

また、弁護士には守秘義務があり、相談内容が外部に漏れることも決してありません。

 

 

不貞行為をした側にかかる弁護士費用

弁護士費用には、主として着手金と報酬金があります。

着手金
弁護士に依頼するときに支払う費用
報酬金
解決時(終了時)に出来高に応じて支払う費用

この着手金と報酬金は、弁護士に依頼する内容で異なります。

また、弁護士費用の料金体系等は、依頼する弁護士(法律事務所)ごとに異なります。

そのため、弁護士費用の具体的な金額については、依頼予定の法律事務所にお問い合わせください。

ここでは、参考として、当事務所の弁護士費用について、依頼内容ごとにご紹介いたします。

※金額は全て税込価格とします

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弁護士費用

 

不貞行為の相手の場合

不貞行為の相手のパターンでは、不貞慰謝料の示談交渉や裁判対応のご依頼となることが想定されます。

その場合の費用は以下のとおりです。

 

示談交渉の費用

弁護士に示談交渉(裁判所を利用せず、相手と直接減額の交渉をすること)を依頼する場合の費用は、次のとおりです。

着手金
24万2000円~36万3000円
報酬金
  • 経済的利益の17.6%
  • 最低報酬16万5000円

報酬金の「経済的利益」とは、慰謝料の減額分のことをいいます。

例えば、相手に200万円を請求されているところ、弁護士による示談交渉によって100万円に減額できたとします。

この場合、経済的利益は100万円となり、その17.6%の17万6000円が報酬金となります。

また、「最低報酬」とは、報酬金の最低額のことをいいます。

経済的利益の17.6%が最低報酬額を下回る場合は、最低報酬が報酬金の金額となります。

なお、高額な請求を受けた場合や、三者間での示談交渉が必要な場合など、事案の難易度によっては別途加算されることがあります。

 

裁判の費用

裁判対応(弁護士が代理人として裁判手続を行うこと)を依頼する場合の費用は、次のとおりです。

着手金
48万4000円~72万6000円
報酬金
  • 経済的利益の17.6%
  • 最低報酬16万5000円

示談交渉から弁護士に依頼しており、引き続き裁判対応も依頼する場合、着手金は差額のみの加算となります。

すなわち、裁判に移行する際に追加で必要となるのは、差額の24万2000円~36万3000円のみということです。

 

不貞行為をした配偶者の場合

不貞行為をした配偶者のパターンでは、相手から、離婚とともに、離婚条件の一つとして不貞慰謝料を請求されるケースが多いです。

そのため、離婚対応のご依頼となることが多いです。

離婚の方法には、主に協議、調停、訴訟(裁判)の3つがあり、どれを依頼するかによって弁護士費用は異なります。

 

協議離婚の代理交渉の費用

協議離婚とは、裁判所を通さず、夫婦間での話し合いにより離婚条件等を取り決めて離婚する方法です。

弁護士には、代理人として相手と直接交渉してもらうことができます(当事務所では、これを「代理交渉」と呼んでいます。)。

代理交渉の費用は、次のとおりです。

着手金
24万2000円~36万3000円
報酬金
  • 離婚又は合意の成立:24万2000円
  • 経済的利益の11%(養育費は2年分の11%)

離婚対応における経済的利益には、慰謝料の減額分のみならず、財産分与や養育費などの獲得分(又は減額分)も含まれます。

なお、不貞行為をした配偶者(有責配偶者)から離婚を求める場合は、難易度に応じて報酬金に一定額(20万円を基準)加算する場合があります(調停・裁判の場合も同様です)。

 

離婚調停の費用

離婚調停とは、家庭裁判所において話し合いを行い、離婚や離婚条件について合意することを目指す手続きです。

弁護士に離婚調停サポートを依頼した場合は、弁護士が代理人として調停に出席し、手続対応を行ってくれます。

離婚調停サポートの費用は、次のとおりです。

着手金
  • 24万2000円~36万3000円
    ※代理交渉から引き続き依頼する場合の費用
  • 調停段階から依頼する場合:48万4000円~72万6000円
報酬金
  • 調停成立:36万3000円
  • 経済的利益の16.5%(養育費は2年分の11%)

なお、調停に何回出席しても費用が加算されることはありません。

 

離婚訴訟の費用

離婚訴訟とは、裁判官に離婚の可否や離婚条件について判断をもらう手続き(裁判)です。

弁護士に離婚訴訟のサポートを依頼した場合は、弁護士が代理人として訴訟に出廷し、手続対応を行ってくれます。

離婚訴訟サポートの費用は、次のとおりです。

着手金
  • 24万2000円~36万3000円
    ※離婚調停から引き続き依頼する場合の費用
  • 訴訟段階から依頼する場合:48万4000円~72万6000円
報酬金
  • 判決又は和解成立:36万3000円
  • 経済的利益の16.5%(養育費は2年分の11%)

なお、訴訟に何回出席しても費用が加算されることはありません。

 

 

弁護士をつけるメリットとデメリット

弁護士をつけるメリットとデメリットには次のようなものがあります。

メリット デメリット
  • 相手との交渉を任せることができる
  • 家族や職場に発覚しにくい
  • 冷静な話し合いが期待できる
  • 適正金額での解決が期待できる
  • 後日のトラブル防止を期待できる
  • 裁判対応を任せることができる
  • 離婚の手続きも任せることができる
  • 不貞行為をした側同士のトラブルもフォローしてもらえる
  • 弁護士費用がかかる

 

メリットについて

相手との交渉を任せることができる

弁護士に依頼した場合は、弁護士に相手との交渉を全て任せることができます。

自分で直接相手とやり取りをせずに済むようになるため、精神的な負担も大幅に軽減することができます。

 

家族や職場に発覚しにくい

弁護士に依頼した場合は、弁護士が相手との連絡窓口になります。

そのため、相手が職場や実家などに直接連絡したり、訪問したりするリスクを軽減することができます。

それにより、職場の人や家族に不貞行為が発覚してしまうリスクも軽減することができます。

 

冷静な話し合いが期待できる

弁護士に依頼した場合は、弁護士が代理人として相手と直接やり取りをしてくれます。

当事者本人同士での話し合いではないため、感情的な対立を緩和できることが多いです。

また、相手も弁護士に依頼している場合は、弁護士同士の交渉により感情的なトラブルを回避することができます。

そのため、冷静な話し合いが期待でき、早期かつ穏便な解決にもつながります。

 

適正金額での解決が期待できる

弁護士に依頼した場合は、弁護士が具体的な状況を踏まえて慰謝料の適正金額を判断してくれます。

そのため、法外な金額を支払ってしまうことを防止することができます。

また、弁護士であれば、過去の裁判例の傾向を踏まえた交渉をすることが可能です。

そのため、相手の納得も得られやすく、適正金額で示談ができる可能性も高くなります。

 

後日のトラブル防止を期待できる

弁護士に依頼した場合は、話し合いがまとまったら弁護士が示談書を作成します。

不貞行為の問題に詳しい弁護士であれば、後日のトラブル防止に役立つ内容の示談書を作成してくれるでしょう。

SNSでの拡散禁止や第三者への口外禁止などの条項も適切に盛り込むことができます。

 

裁判対応を任せることができる

弁護士には、裁判対応もすべて任せることができます。

交渉段階から弁護士に依頼していれば、万一、交渉が決裂して裁判になった場合であっても、慌てず、スムーズに対処することができます。

 

離婚の手続きも任せることができる

弁護士には、離婚の手続きのサポートも全般的に任せることができます。

離婚問題に詳しい弁護士であれば、不貞慰謝料のみならず、子どもの親権、養育費、面会交流、財産分与、年金分割など、他の離婚条件についても適切に取り決められるように対応してくれます。

 

不貞行為をした側同士のトラブルもフォローしてもらえる

被害者に慰謝料を支払った後も、不貞行為をした側同士で求償等を巡り争いになる場合があります。

弁護士に依頼している場合は、このような不貞行為をした側同士の争いにも対処してもらうことができます。

また、「不貞行為の相手」「不貞行為をした配偶者」「被害者」の三者間での示談を行えるように、弁護士が働きかけてくれる場合もあります。

三者間での示談ができれば、不貞行為に関する争いを1回で、終局的に解決することができます。

 

デメリットについて

弁護士費用がかかる

弁護士に依頼する場合は、弁護士費用がかかります。

不貞行為をした側は、慰謝料を「支払う側」の立場に置かれるため、そのうえ弁護士費用も支払うのは負担が大きいと感じる方も多いと思います。

しかし、弁護士に依頼することで、過大な金額を支払ってしまったり、家庭や職場での立場が悪くなってしまうことを防止できる可能性は高くなります。

そのため、弁護士に依頼することでコストを上回るメリットが得られるケースは多いです。

 

 

不貞行為をした側の注意点

弁護士にはすべてを打ち明ける

不貞行為に関しては、他人に言いにくいこと、知られたくないことも多いと思います。

しかし、弁護士にはすべてを正直に打ち明けるようにした方がよいでしょう。

弁護士は、依頼者の方のお話を前提に、最善の解決に導くための戦略を立てます。

不都合な事実だからといって隠されてしまうと、弁護士は適切な戦略を立てることはできません。

その結果、思わぬところで不利益な状況に陥ってしまう可能性もあります。

 

相手にも嘘はつかずに誠実に対応する

早期かつ穏便に解決することを目指すのであれば、相手に対しても嘘はつかず誠実に対応することが大切です。

たしかに、相手が証拠を持っていない場合は、不貞行為を否定し続けることで慰謝料請求を退けられる可能性もあります。

しかし、実際に不貞行為をしたのに、不貞行為をしていないとの嘘をつくことにはリスクが伴います。

万一、相手が証拠を温存していたり、新たに証拠をつかんだりした場合は、嘘が発覚して不利な状況に陥ることになります。

嘘をついていたことは、裁判においても不利に評価され、慰謝料が増額される可能性もあります。

また、嘘をつくことで、争いが無用に拡大・長期化してしまうというリスクもあります。

 

消滅時効を主張できる場合がある

最後の不貞行為又は離婚成立日から長期間経ってから慰謝料の請求を受けた場合は、「消滅時効」を主張できる可能性があります。

「消滅時効」とは、簡単に言うと、慰謝料を請求できる期限のことです。

具体的には、次の期間が経つと時効が完成し、慰謝料を請求することはできなくなります。

不貞行為の相手のパターン

相手が不貞行為の事実と不貞行為を知ってから3年

不貞行為をした配偶者のパターン

離婚後(離婚が成立した日の翌日から)3年

ただし、この消滅時効によって慰謝料の請求を退けるためには、「時効が完成している」と主張すること(これを法律用語では「援用(えんよう)」といいます。)が必要です。

また、援用前に慰謝料の支払い義務を認めると、それ以降は援用できなくなるので注意してください。

すなわち、いったん「慰謝料を支払います」と言ってしまうと、後で「時効が完成していることに気づいたので、やっぱり時効を援用します」と言うことはできなくなってしまうということです。

そのため、不貞行為や離婚成立日から時間が経ってから慰謝料の請求を受けた場合は、安易に「支払います」と応じてしまわぬよう、注意する必要があります。

もっとも、時効の期間は延長される場合もあり、時効の完成を正確に見極めるのは難しいと思われます。

そのため、相手から請求を受けた場合は、お早めに専門の弁護士に相談されるようにしてください。

 

 

不貞行為をした側が押さえておくべきポイント

不貞行為の慰謝料の相場を知る

不貞行為の慰謝料の相場は、不貞行為が原因で離婚に至った場合は200万円~300万円、離婚に至らなかった場合は100万円~200万円程度です。

もっとも、慰謝料の金額は、不貞行為の態様や被害の大きさなど、様々な事情が考慮されたうえで決められるため、事案によって大きく異なります。

また、交渉で解決する場合は、早期解決を優先し、あえて高めの慰謝料を支払うことを選択するケースもあり得ます。

そのため、ご自身のケースにおける適正金額について、具体的に見通しを立てたいという場合は、不貞慰謝料の問題に強い弁護士にご相談ください。

 

不貞行為=悪とは限らない

不貞行為をした場合でも、必ずしも慰謝料を支払う義務が生じるとは限りません。

例えば、次のような場合は、不貞行為をしたとしても慰謝料請求を退けられる可能性があります。

  • 不貞行為をした時点で夫婦関係がすでに破綻していた場合
  • (不貞行為の相手のパターンで)相手に配偶者がいることを知らなかった場合
  • 被害者にも落ち度があった場合(被害者側も不貞行為をしていた場合など)

ただし、上記のような反論が認められるかどうかは、具体的な事情によります。

例えば、夫婦関係がすでに破綻していたかどうかは、「別居が長期間続いていた」、「実際に離婚に向けた話し合いをしていた」などの客観的な事情の有無が重要なポイントとなります。

そのため、反論の成否に関する具体的な見通しについては、離婚問題に強い弁護士にご相談ください。

 

できるだけ裁判を回避する

裁判は解決までに多くの時間と労力を要します。

また、裁判は手続きが難しいため、弁護士に依頼する必要性は高いです。

その一方で、裁判のサポートを依頼する場合の弁護士費用は割高となることがほとんどです。

そのため、できるだけ裁判を回避し、交渉による解決を目指すことが重要です。

しかし、不貞行為をした側・された側の本人同士での直接交渉は、上手くいかないことが多いです。

また、感情的な対立からトラブルに発展する場合もあります。

そこで、早い段階から弁護士に依頼し、代理交渉による解決を目指すことをおすすめします。

早い段階から弁護士が介入することで、早期に、穏便に解決をすることができる可能性は高くなります。

代理交渉の費用は裁判サポートの弁護士費用よりも通常低額であるため、代理交渉で解決ができれば弁護士費用も抑えることができます。

 

適切な示談書を作成する

慰謝料の支払い等について、合意が成立した際には、必ず合意内容を書面(示談書)に残しておくようにしましょう。

示談書を作成することで、後で「言った・言わない」の争いになることを防ぐことができます。

もっとも、せっかく示談書を作成しても、その文言があいまいだったり、必要な事項が抜け落ちたりしていると、トラブル防止には役立ちません。

そのため、不貞慰謝料の問題に強い弁護士に相談し、適切な示談書を作成してもらうことをおすすめします。

示談書は法律文書ですから、法的な有効性を備えたものを作成するには専門知識が必要です。

また、専門の弁護士であれば、具体的な事情に基づき、将来におけるトラブル防止の視点から、適切な事項を盛り込んだ示談書を作成してくれるでしょう。

 

不貞慰謝料の問題に強い弁護士に相談する

ここまで解説したとおり、不貞行為をした側が弁護士をつけるメリットは数多くあります。

これらのメリットを最大限に得るためには、不貞慰謝料の問題に強い弁護士を選ぶことも重要なポイントとなります。

離婚問題や男女問題を専門分野とし、数多くの案件を扱っている弁護士であれば、不貞慰謝料の問題に強い弁護士と言ってよいでしょう。

そのような弁護士を探すのには、やはりインターネットが便利です。

法律事務所のホームページで、弁護士の紹介ページ、取扱分野、解決実績、口コミなどをチェックしてみるとよいでしょう。

 

 

不貞行為と弁護士についてのQ&A

不貞行為は犯罪ですか?

犯罪ではありません。

不貞行為それ自体は犯罪ではなく、刑罰(懲役や罰金など)を科される対象とはなりません。

もっとも、不貞行為の相手に性行為を強制した場合など、不貞行為に伴う行為について犯罪が成立するケースはあります。

また、不貞行為は、民法上は違法な行為とされています。

不貞行為が民法上の「不法行為」に該当する場合は、慰謝料という形で民法上の責任を追及されることになります。

 

不貞行為をしたら会社をクビになりますか?

原則としてはクビになることはありません。

不貞行為は私生活上のことです。

そのため、会社は不貞行為を直接の理由として社員をクビにする(解雇する)ことはできません。

しかし、職場内での不貞行為が発覚した場合は、配置転換や転勤などが行われ、その結果、不利益を被る可能性はあるでしょう。

また、職場内での不貞行為によって職場環境を悪化させたような場合は、降格・減給などの不利益な処分を受ける可能性もあります。

 

不貞行為をした側は相手の弁護士費用を負担しなければなりませんか?

原則としては負担する必要はありません。

ただし、裁判では、弁護士費用の一部(通常10%程度)も損害として認められ、支払いが命じられる場合があります。

この場合は、命令に従い支払わなければなりません。

 

 

まとめ

以上、不貞行為をした側が弁護士をつけた方が良いケース、弁護士をつけるメリット・デメリット、弁護士費用、注意すべきポイントなどについて解説しましたが、いかがだったでしょうか。

不貞行為をした側は弁護士をつけることをおすすめします。

弁護士をつけることで、慰謝料の減額、精神的負担の軽減、第三者に発覚するリスクの軽減など、多くのメリットを得ることができます。

「法外な請求をされた」「相手が感情的になっている」「トラブルを防止したい」その他、少しでも不安がある場合は、弁護士への依頼を検討された方が良いでしょう。

一方、弁護士に依頼すると弁護士費用がかかるというデメリットがあります。

しかし、費用を上回るメリットが得られるケースは多いです。

不貞行為が発覚し、慰謝料や離婚の問題に直面している方は、1人で悩まず、まずは不貞慰謝料の問題に強い弁護士にご相談ください。

当事務所には、離婚問題に精通した弁護士のみで構成された専門チームがあり、不貞慰謝料や離婚の問題に悩む方々を強力にサポートしています。

LINEや電話での相談も実施しており、全国対応が可能です。

お困りの方はお気軽にご相談ください。

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