離婚調停とは?|手続きの流れ・ポイント・費用を弁護士が徹底解説

  
弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

この記事でわかること

  • 離婚調停の手続きの流れと期間
  • 離婚調停のやり方と費用
  • 離婚調停のメリットやデメリット
  • 離婚調停を有利にすすめるポイント

離婚調停は今後の人生を大きく変えるかもしれない大切な手続です。

ここでは、離婚調停に必要な知識や失敗しないためのポイントについて解説いたします。

 

 

離婚調停とは

離婚調停とはなにか

調停とは、当事者間の紛争について、裁判所(調停委員会)の仲介によって、当事者が互いに譲歩し合い、合意による解決を目指す手続です。

つまり、簡単に言うと「裁判所での話し合い」です。

離婚調停の場合、離婚に関する様々な問題について、家庭裁判所で話し合うこととなります。

 

離婚裁判となにが違うの?

離婚調停と離婚裁判は、同じ家裁での手続きですが、次の点で大きく異なります。

調停委員会が間に入る

離婚裁判は、手続きのはじめから終わりまで、裁判官が訴訟指揮(裁判のまとめ役のような役割です。)を行います。

これに対して、離婚調停は、調停委員会が間に入ります。

調停委員会は、3名の調停委員で構成されており、その中の1名は裁判官です。

しかし、実際には裁判官はほとんど話し合いの場に現れません。

すなわち、裁判官はとても忙しいため、調停が成立するときなどの重要な局面にしか調停室には来ないのです。

そして、残りの2名の調停委員は男性1名と女性1名で、離婚調停の場合、通常弁護士資格を持たない一般の方となります。

したがって、離婚調停では、法律の専門家ではない素人の調停委員が双方の言い分を聞き、仲介役を担っているというのが実情と考えて良いでしょう。

 

法的な問題についての決定権がない

離婚裁判は、原告と被告の間の法的な争点(例えば「離婚が認められるか否か」など)について、最終的に裁判官が判決という形で決定的な判断を下します。

これに対して、離婚調停の場合、申立人と相手方の法的な争点について、決定権をもちません。

調停委員会の職務は、話し合いを仲介することであって、法的問題について決定することではないからです。

したがって、話し合いの結果、合意がまとまらない場合、調停は不成立となります。

なお、調停の内容(例えば、面会交流や婚姻費用など)によっては、調停不成立と同時に審判に移行することもあります。この場合、裁判と同じように審判という形で裁判官(家事審判官)が決定を出すこととなります。

 

本人が家裁に行くことが多い

離婚裁判は、通常、代理人である弁護士が裁判所に行き、主張や反論を行います。

当事者本人は尋問や和解などの場面を除き、裁判所に行くことはあまり有りません。※

※法的に本人が裁判所に出廷できないというわけではありません。実務上、争点整理においては弁護士のみが出廷することが多いという意味です。

これに対して、離婚調停の場合、弁護士に依頼していたとしても、本人も同席することが多いです。

これは、離婚調停が「話し合いによる解決」を目指す手続きであるからです。

特に、離婚が成立する期日では、家裁の実務上、特段の事情がない限り、本人の出席が強く求められています。

離婚は身分関係の変動という重大な影響を及ぼす手続きです。

そのため、可能な限り本人を手続きに関与させて、本人が納得した上で事件を解決するべきという考えが背景にあるからと思われます。

 

離婚裁判との違いのまとめ

項目 離婚調停 離婚裁判
手続きの進行 調停委員会 裁判官
最終的な解決 話し合いがまとまらなければ解決しない 判決という形で判断が示される
本人の出席 基本的に出席が求められる 尋問などの場合を除き弁護士のみが出席する

 

離婚調停ではどんなことを話し合う?

家庭裁判所での調停手続では、離婚そのものだけでなく、離婚後の子どもの親権者を誰にするか、親権者とならない親と子との面会交流をどうするか、養育費、離婚に際しての財産分与や年金分割の割合、慰謝料についてどうするかといった財産に関する問題も一緒に話し合うことができます。

また、相手が生活費を支払ってくれない場合は、婚姻費用の分担調停という調停を別に申し立てることも可能です。

 

調停委員からどんな質問をされる?

調停における調停委員会の質問は裁判の尋問とは異なり、後々証拠となるようなものではありません。

しかし、どのような質問があるか事前に検討して準備しておくと緊張が和らぐかと思います。

調停委員からは問題点に応じた質問がされますので、様々なパターンがありますが、一般的に想定される質問は以下のようなものです。

共通 ・離婚についての意見
・現在の生活状況
子供がいる場合 ・親権についての希望
・面会交流についての意見
・子供の生活や学校の状況
親権について争いがある場合 ・過去の監護の状況及び実績
養育費や婚姻費用の請求がある場合 ・収入について:年収の資料(源泉徴収票や確定申告書)の提出を求められる
・家計の状況:収支の内訳の提出を求められることがある
・希望する金額
財産分与の請求がある場合 ・希望する内容
・財産の有無と内容:財産目録の作成や資料の提出を求められることがある
慰謝料の請求がある場合 ・希望する金額
・事実関係(不倫など)の有無等

なお、弁護士がついていない案件の場合、調停の最初に調停委員会から手続きの簡単な説明がなされることが通例ですが、弁護士がついている場合、省略されることがあります。

 

 

離婚調停の流れ

① 申立てから第1回まで

調停を申し立てると、1か月後くらいに第1回目の話し合いが行われます。

この話し合いの期日については、弁護士が代理人についている場合、事前に代理人の事務所に裁判所から連絡があり、日時を調整します。

第1回期日の日時が決まると、裁判所から相手方に調停期日の日時等が記載された通知書が送付されます。

② 第1回期日

まず、申立人の方から言い分を聴きます。

次に、相手方と交代して相手方から言い分を聴きます。

調停はこのようにして、相互に言い分を聴く運用がなされており、言い分を聴く際は、相手方は同席しません。

したがって、離婚調停では、当事者同士が顔を合わせることは、成立のときをのぞくとほとんどありません。

1回あたりの所要時間は、2時間程度と考えてよいでしょう。ただし、裁判所によって時間は若干異なります。

なお、平成25年1月1日に施行された家事手続法により、双方当事者の立会いが増える運用がされています。

具体的には、各調停期日の冒頭と終わりに、申立人と相手方を調停室へ呼び入れ、調停員の前で立ち会わせ、手続の説明や、次回期日までの当事者双方の課題を整理して説明することなどがなされています。

もっともこれらについては、対面を避けたい理由を説明することで、同席を免除してもらえます。

③ 第1回期日以降

第1回目で調停が成立することはほとんどありません

そのため、次回期日が決められ、また出頭することになります。

次回期日は、通常、1か月ほど後に指定されますが、裁判所の諸事情で2か月ほど後に指定されることも多くあります。

内容は、第1回目と同じで、当事者の言い分を相互に聴きながら、可能であれば調整していくというものです。

調停の回数は、ケース・バイ・ケースですが、平均的には3回~5回程度です。

 

④ 調停の終了

離婚調停は、当事者間の合意がまとまれば成立しますが、合意に達しなければ不成立となります。

また、場合によっては、申立人が調停を取り下げるという形で終了することもあります。

成立する場合、調停調書が作成されます。

この調停調書には、合意事項が記載されており、法的な拘束力があります。

例えば、養育費、慰謝料や財産分与のなどの合意内容について、義務者が合意のとおりに義務を履行してくれない場合、この調停調書に基づき強制執行も可能となります。

 

 

離婚調停にかかる時間、期間

離婚調停は、お役所(裁判所)での手続きですので、平日の日中に行われます。

1回あたりの時間は、概ね2時間程度ですが、話し合いの状況次第で、これよりも短くなることも、長くなることもあります。

離婚調停の開催時間は裁判所によって異なりますが、多くの場合、午前中に一コマ(例えば9時から12時までの間など)、午後に一コマ(13時から16時までの間など)が多いです。都市部で件数が多い裁判所では午後二コマ(13時から15時と15時から17時など)の場合もあります。

調停期日は、上記のとおり、1ヶ月から2か月に1回程度開催され、3回から5回程度が平均と思われます。

司法統計によれば、家事調停の既済事件の平均審理期間は7.2か月と発表されています。

また、全家事調停の既済事件約12万5000件のうち、1年以内のものが約3万7000件、2年以内のものが約1万5000件、2年を超えるものが約1800件程度となっています。

引用元:司法統計(令和2年度)|最高裁判所

家事調停事件の中には、離婚事件以外のものも含まれています。

筆者の個人的な感覚では、離婚事件で2年を超えることはあまり経験がありませんが、1年を超える事案は珍しくありません。

 

 

離婚調停の手続きについて

管轄

管轄とは、簡単に言えば、全国各地にある裁判所のうち、どこの裁判所で調停や訴訟などの手続を行えるかという問題です。

離婚調停については、相手方の住所地の家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所となります。

例えば、夫婦が別居していて、相手方が福岡県、自分が東京都に住んでいるとします。この場合、自分の方から離婚調停を申し立てるとしたら、管轄は福岡の家庭裁判所となります。

夫婦が合意をすることで東京の家庭裁判所や中間の家庭裁判所(例えば、大阪など)などを管轄とすることもできます。

 

必要書類

調停を申し立てるには、次の書類が必要となります。

必要書類
  • 当事務所は、離婚調停申立書のサンプル・雛形をホームページ上に掲載しており、無料で閲覧やダウンロードが可能です。
  • ・夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • ・(年金分割割合についての申立てが含まれている場合)年金分割のための情報通知書(各年金制度ごとに必要となります。)(*)
  • (*) 情報通知書の請求手続については、離婚専門弁護士や年金事務所(厚生年金の場合)又は各共済年金制度の窓口にお問い合わせください。情報通知書は、発行日から1年以内のものが必要になります。

 

離婚調停を申し立てるタイミング

弁護士の中には、まずは離婚調停を申し立てるという手法を取る方もいます。

しかし、後述するように離婚調停にはデメリットがあります。

そのため、弊所ではいきなり離婚調停を申し立てるのは基本的にはお勧めしていません。

まずは協議での解決を目指し、難航しそうな場合に離婚調停を申し立てる方法が望ましいと思われます。

 

離婚調停を申し立てる場所

離婚調停を申し立てるべき場所は、管轄のある裁判所です。

管轄とは、その事件を、どの裁判所が担当するかということをいいます。

すなわち、裁判所であればどこへでも申し立てられるというわけではありません。

離婚調停、面会交流の調停、婚姻費用や養育費の調停等を申し立てる場合、基本的に相手方の住所地を管轄する家庭裁判所となります(家事手続法245条)。

参考:裁判所の管轄区域

 

 

調停に持っていくものや準備について

離婚調停に持参するもの等については、事案の性質によって異なります。

そのため、具体的には離婚問題に詳しい弁護士に事前に確認されることをお勧めいたします。

一般的には次のようなものを持参・準備しておくと良いでしょう。

離婚について争いがある場合
  • 離婚原因を裏付ける資料(例:不倫の証拠など)
  • 離婚までの経過(メモ)
親権について争いがある場合
  • 過去の監護の状況及び実績を裏付ける資料(例:母子手帳など)
面会交流について争いがある場合
  • 面会交流の必要性又は制限すべき理由を示す資料(例:虐待の写真など)
養育費や婚姻費用の請求がある場合
  • 年収の資料(例:源泉徴収票や確定申告書)
財産分与の請求がある場合
  • 財産内容を示す資料:財産目録やその裏付け資料(例:通帳の写しなど)
慰謝料の請求がある場合
  • 不法行為の事実関係を示す資料 (例:不倫の証拠など)
年金分割の請求がある場合
  • 年金分割のための情報通知書

 

調停の雰囲気

離婚調停は上述のとおり、話し合いでの解決を目指す手続きです。

したがって、テレビや映画の法廷のイメージとは異なり、調停室は話し合いを行いやすいように設計されています。

具体的には適度な大きさ(広すぎず、狭すぎず)の部屋(調停室)に、テーブル(4人から6人がけ程度)と椅子(4脚程度)が設置されています。

また、当事者が理解しやすいように説明用のホワイトボードや各種説明資料も設置されています。

 

調停委員の雰囲気

調停委員の雰囲気は、個人の性格等にも左右されますので一概には言えませんが、緊張をほぐすために穏やかに接するように努めている方もいるように感じます。

 

もっとも、「調停委員から冷たい態度を取られた」「相手の味方ばかりする」などの相談を受けることも多く、事案によって異なるのが実情です。

また、調停委員の中には、その職務権限を超えて、法的な争点について判断し、確定的に伝えるような方もいます。さらに、ひどい場合は、その判断が誤っていることすらあります。

離婚に強い弁護士に依頼し、調停手続きに同席してもらう場合、そのような調停委員の不適切な対応があれば間違いであることを指摘してもらうことが可能です。

しかし、弁護士が同席していない場合、「調停委員の言うことだから正しい」と思い込まないように注意された方がよいでしょう。

 

 

離婚調停にかかる費用

弁護士に依頼しない場合

離婚調停を弁護士に依頼されない場合、裁判所に収める費用として下記の実費がかかります。

項目 金額 注意点
離婚調停の申立手数料 1200円 婚姻費用の調停を別に申し立てる場合は別途1200円
切手代(郵券といいます。) 1000円程度 裁判所によって異なる。
調停調書謄本 1000円程度 調停成立時のみに必要。裁判所によって異なる。

 

離婚調停を弁護士に依頼する場合の費用

弁護士に調停を依頼される場合、上記の実費に加えて、弁護士に支払う着手金や成功報酬が必要となります。

着手金とは、ご依頼時に支払う費用で、成功報酬は終了時に出来高に応じて支払う費用となります。

具体的な金額については、法律事務所によって異なるため、相談時にお見積りを出してもらうようにすると良いでしょう。

 

 

離婚調停のメリットとデメリット

離婚調停のメリット

離婚調停のメリットとしては、離婚裁判と比べて、話し合いによる柔軟な解決ができる可能性があるという点が挙げられます。

すなわち、離婚裁判では通らない請求でも、相手が応じてくれれば合意が成立します。

例えば、不倫をした有責配偶者の離婚請求の場合、裁判では離婚が認められないケースがほとんどです。

しかし、離婚調停では、相手が離婚に応じてくれれば離婚を成立させることができます。

 

離婚調停の3つのデメリット

離婚調停には、以下のようなデメリットが考えられます。

デメリット① 時間がかかる

離婚調停の最大のデメリットは、解決までに長期間を要するということです。

期間については、弁護士のスタンスや事案の内容にもよりますが、上述のとおり、半年以上は覚悟しておいた方がよいでしょう。

財産分与や親権等でもめた場合は、1年以上かかる場合もあります。

しかも、調停は平日の日中しか開催されませんので、仕事をされている方は、調停の期日に仕事を休まなければなりません。

また、離婚事案は、通常、強い精神的ストレスが伴います。すなわち、離婚調停中は、当事者双方がそれぞれの言い分を主張し合います。

相手の一方的な主張には虚偽の内容が混在していることがあります。そして、こちら側を強く非難する内容のものもあります。

さらに、離婚調停は、「最終的にどのような結果となるのか不明」という不安定な状態におかれることとなります。

このような状況が長期間にわたって継続すると、精神衛生上よくありません。

 

デメリット② 適切な解決とならない可能性がある

調停委員会の委員について、裁判所の説明では、「一般市民の良識を反映させるため、社会生活上の豊富な知識経験や専門的な知識を持つ人の中から選ばれます。具体的には、原則として40歳以上70歳未満の人で、弁護士、医師、大学教授、公認会計士、不動産鑑定士、建築士などの専門家のほか、地域社会に密着して幅広く活動してきた人など、社会の各分野から選ばれています。」とされています。

確かに、調停委員の方の中には、人格的に優れ、良識を持った方もいらっしゃいます。

しかし、家事事件の調停委員のほとんどの方は、弁護士ではない一般の方であり、法律の専門家ではありません。

前述したように、調停員会は、裁判官を含む3名で組織されますが、裁判官は調停が成立するときしかお目にかかれません。

つまり、調停は素人の方が進行させているようなものなのです。

また、調停委員の方々は、できれば、和解を成立させようとするので、基本的には、申立人の主張と相手方の主張の中間点に落ち着かせようとする傾向があります。

例えば、申立人が慰謝料として300万円を請求し、相手方が100万円と主張していれば、200万円での解決を進めるなどです。

したがって、自分の主張が法的にいくら正しくとも、調停ではそれが認められない可能性があります。

 

デメリット③ 弁護士費用が割高になってしまう

離婚調停は時間、労力がかかる手続です。

そのため、調停手続を弁護士にご依頼された場合、どうしても弁護士費用が割高になってしまいます。

上記のメリットとデメリットをまとめると、下表のとおりとなります。

 

メリット デメリット
柔軟な解決の可能性がある
  1. ① 時間がかかる
  2. ② 適切な解決とならない可能性がある
  3. ③ 弁護士費用が割高となる

 

デメリットへの対応策

上記のようなデメリットを考えると、いきなり離婚調停を申し立てるよりも、まずは裁判所を通さず、協議による解決を試して見られた方がよいでしょう。

ただ、協議による解決は、離婚に関する専門知識がないと、損をしてしまう可能性があります。

また、相手が離婚に応じない場合や親権、養育費、財産分与、慰謝料などの条件面で合意できない場合も考えられます。

そのため、当事務所では「弁護士による代理交渉」による解決をお勧めしています。

これは、離婚専門の弁護士が依頼者に代わって相手と直接交渉するという方法です。

離婚調停と異なり、短期間で解決できる可能性があり、弁護士費用も大幅に抑えることができます。

また、交渉による解決ですので、調停のように柔軟な解決も可能です。

さらに、離婚専門の弁護士が対応するため適切な条件での解決も可能です。

すなわち、調停と同じメリットをもちながら、調停のデメリットを回避できます。

以上から、代理交渉で解決できない場合に、次善の策として離婚調停の申し立てを検討されるとよいでしょう。

 

 

離婚調停を有利に進めるには?

離婚調停を有利にすすめるためには、個別具体的な状況を踏まえて的確に対応する必要があります。

ケース・バイ・ケースでの対策が必要となるため、すべてを網羅することはできませんが、ここでは、不当に不利益を被らないようにするために、押さえておくべき重要なポイントをご紹介します。

①適切な条件を知る

離婚調停で損をしないために、まず、重要となることは、争点に関しての「適切な条件」を知ることです。

例えば、養育費の金額が争点になっている場合、裁判基準での金額がいくらになるかを把握することがポイントとなります。

養育費の適正額として、月額10万円が適切である場合、それ以外の金額で合意すると損をしてしまうからです。

離婚問題では、養育費以外にも、離婚の可否、親権、面会交流、財産分与、慰謝料、年金分割、婚姻費用などが争点となります。

したがって、これらについての適切な条件を離婚問題に強い弁護士に相談し、助言してもらうことを強くお勧めいたします。

 

②証拠資料を準備する

上記①の離婚の条件で争いがある場合、自分の主張の正当性の根拠として、証拠を示さなければなりません。

例えば、不倫慰謝料が争点となっているケースで、不倫をした方がその事実を否認している場合、慰謝料を請求する側が不倫の事実についての証拠を示さないと、調停委員会を説得することができません。

その結果、相手も不倫を認めずに慰謝料を請求できないということになります。

このような悔しい思いをしないようにするために早い段階から証拠を集めておくことがポイントとなります。

 

③裁判官の評議を活用する

当方が適切な条件を提示しているにも関わらず、相手が不合理な主張を繰り返している場合、裁判官との評議を調停委員会にお願いすることで、膠着状態から抜け出せることもあります。

例えば、養育費の適正額として、月額10万円が適正な事案で、相手(義務者側)が月額8万円が適正であると主張し、説得に応じないような場合、裁判官との評議を行ってもらい、調停委員会としても「月額10万円が適正」との意見を示してもらうと、相手が諦めて応じてくれることもあります。

調停委員会は上述したように、基本的には双方の言い分を相手に伝えて仲介するだけですが、法的な争点について、裁判官を交えて意見を示してくれる場合もあります。

この評議をうまく活用することで、適正な条件での合意が可能となるケースも多くあります。

 

④譲歩することも検討する

離婚調停は、「話し合い」の手続きであって、自分が法的に正しいことを証明する手続きではありません。

たとえ自分の意見が法的に適正であっても、相手が応じてくれない場合、調停は不成立となって、離婚裁判を起こす必要が出てきます。

離婚裁判まで行うとなると、解決が遠のきますし、弁護士費用の増加という負担も懸念されます。

そこで、状況次第では、相手に譲歩してあげることも検討されると良いでしょう。

例えば、養育費の適正額として、月額10万円が適正な事案で、相手に一定程度譲歩し、月額9万円で合意する、などです。

その他に、金額面では譲歩しなくても、その条件で譲歩する場合もあります。

例えば、面会交流に関して、親権者側が非親権者の要望(宿泊付きの面会交流の希望など)を聞き入れてあげるなどが典型です。

 

⑤調停条項を慎重に吟味する

離婚の諸条件について合意がまとまった場合、離婚調停ではその合意内容を調書化します。

この書面に記載されている様々な条件等の記載を調停条項といいます。

調停条項は、離婚が成立すると拘束力が生じるため、文言の一つ一つに最新の注意を払うようにしましょう。

例えば、養育費の金額について月額10万円での合意が成立したとして、その金額をいつまで支払うのか(20歳までなのか、大学卒業までなのか等)という点も重要となります。

調停条項の適正については、専門的な知識と経験が必要です。

そのため、できるだけ離婚に強い弁護士に相談されることをお勧めいたします。

上記の他に、当事務所では離婚調停で失敗しないための10のポイントを公開しています。

ぜひ、こちらのページもご覧ください。

 

 

まとめ

以上、離婚調停について、くわしく解説しましたがいかがだったでしょうか。

離婚調停は話し合いによる解決を目指すため離婚裁判ほど厳格ではなく、利用しやすいイメージがあります。

しかし、離婚調停には解決まで相当な期間を要するなどのデメリットがあります。

そのため、当法律事務所では、弁護士による代理交渉で解決できない場合に、次善の策として離婚調停の申し立てをお勧めしています。

いずれにせよ、今後の見通しを立てることが重要ですので、まずは離婚問題に強い弁護士へご相談されてはいかがでしょうか。

この記事が離婚問題でお困りの方にとってお役に立てば幸いです。

 

 

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