熟年離婚とは?原因やメリット・デメリットを弁護士が解説

熟年離婚とは、結婚してから長年月が経過した夫婦が離婚することを指します。
熟年離婚をすれば夫婦関係から生じる悩みから解放される一方、経済面や生活面で新たな悩みが生じる場合もあります。
離婚後に後悔しないためには、ポイントを押さえて周到な準備をしておく必要があります。
そこで、ここでは熟年離婚の原因、準備すべきこと、後悔しないためのポイントを中心に、熟年離婚のメリット・デメリットや手続きについても解説していきます。
目次
熟年離婚とは?
熟年離婚とは、結婚してから長年月が経過した夫婦が離婚することを指します。
結婚生活が長い(多くの場合20年以上)こと、お互いに年齢を重ねている(多くの場合50代よりも上)こと、子育てがひと段落していることなどが特徴といえます。
熟年離婚の原因
当事務所の50歳以上の離婚相談者の男女割合については、女性の方が多い結果となっています。
そして、50歳以上の女性の離婚相談者の離婚を決意した理由としては、多い順に「性格の不一致・精神的虐待・相手の不倫・生活費を渡さない・浪費」となっています。
このことから、妻が夫の行動や夫との生活に苦痛を感じることが離婚の原因になっているケースが多い傾向にあるといえそうです。
また、若い頃から離婚を考えていたけれども子どもが独立するまでは我慢していたり、子どもの独立・夫の退職などをきっかけに離婚を考え始めたりするため、熟年になってからの離婚になると考えられます。
女性の離婚したい理由トップ5
| 1位 | 性格の不一致 | 39.4% |
| 2位 | 精神的虐待 | 38.8% |
| 3位 | 相手の不倫 | 25.6% |
| 4位 | その他 | 22.5% |
| 5位 | 暴力 | 16.3% |
(デイライト法律事務所2024年12月から2025年11月の50代以上の女性相談者)
男性の離婚したい理由トップ5
| 1位 | 性格の不一致 | 47.8% |
| 2位 | 精神的虐待 | 21.0% |
| 3位 | その他 | 19.8% |
| 4位 | 自分の不倫 | 14.7% |
| 5位 | 性的不調和 | 13.4% |
(デイライト法律事務所2024年12月から2025年11月の50代以上の男性相談者)
熟年離婚の原因について、詳しくはこちらをご覧ください。
熟年離婚の特徴|熟年離婚と通常の離婚との違い

熟年離婚は、通常の離婚(年代的には20代から40代までを想定)と比べて、以下のような違いがあると考えられます。
- 親権が問題となりにくい
- 財産分与が比較的高額化しやすい
- 年金分割が問題となりやすい
- 妻側からの離婚が多い
後悔しないための熟年離婚の準備

以下でご紹介する準備の項目や順番は、実際の状況に合わせて柔軟に調整してください。
離婚後の生活設計と住まいの確保を具体化する
まずは、離婚した後の生活について具体的にイメージしてみましょう。
どこに住むのか、毎月いくら生活費がかかるのかを書き出して、生活の不安を整理することが第一歩です。
別居を前提に、まずは婚姻費用(こんいんひよう:別居中の生活費のこと)の請求をする
離婚前の別居期間中も、夫婦は互いの生活費を分担する義務があります。
これを「婚姻費用」といい、収入が多い側は、少ない側に一定の生活費を支払う必要があるのです。
金額は夫婦間の協議で決定できますが、通常は裁判所が用いる「婚姻費用算定表」を参考に計算します。
別居後の生活設計のため、婚姻費用の概算を把握しておきましょう。
【 婚姻費用算定表はこちら ⇒婚姻費用算定表(PDFファイル) 】
なお、当事務所は婚姻費用のシミュレーターをウェブサイトに掲載しており、無料で利用可能です。
財産分与(ざいさんぶんよ:夫婦が協力して築いた財産を分けること)のために退職金や自宅を含む共有財産を洗い出す
財産分与とは、結婚生活で築いた財産(共有財産)を離婚の際に分け合って清算するものです。
収入の多少や名義にかかわりなく、結婚生活において取得した財産であればお互いに同程度の貢献により築いたものとして、原則として2分の1ずつの割合で分け合うことになります。
財産分与は、まず共有財産を全てリストアップし、それぞれの評価額を算定し、評価額の総額(=財産分与の対象となる金額)を確認し、それを半分ずつになるように分け合うという手順で行います。
特に、熟年離婚では、退職金や自宅、預貯金などが大きな金額になることが多いため、漏れなく洗い出すことが重要です。
財産分与の準備として、まずは共有財産を漏れなくリストアップするようにしましょう。
また、上記の手順に従って試算し、財産分与によって大体どの程度の金額が確保できそうかを確認し、どのように分けたいかについても検討しておくとよいでしょう。
「どのように分けたいか」とは、たとえば、「自宅(持ち家)を取得したい」、「自宅は相手に譲ったり売却したりして構わないので金銭で取得したい」というようなことです。
財産分与について、詳しくはこちらをご覧ください。
年金分割(ねんきんぶんかつ)のシミュレーションで老後の受取額を確認する
年金分割とは、離婚する際、夫婦が加入していた厚生年金の保険料給付実績のうち、報酬比例部分(基礎年金部分は対象外とされています)について、多い方から少ない方へ分割する制度です。
熟年離婚の場合は、特に年金分割の影響が大きくなりがちです。
したがって、離婚後の生活設計において、年金分割のシミュレーションをして将来受け取ることができる年金について調べておくとよいでしょう。
なお、当事務所は年金分割のシミュレーターをウェブサイトに掲載しており、無料で利用可能です。
不貞(ふてい:浮気や不倫のこと)やモラハラなど相手に有責(ゆうせき:落ち度があること)があれば慰謝料を請求する
相手の浮気やモラハラが原因で離婚する場合、法的な責任として慰謝料を請求できる可能性があります。
精神的な苦痛に対する正当な対価を受け取るためにも、証拠をしっかりと集めておきましょう。
熟年離婚に強い弁護士へ早めに相談する
これまでご紹介した手続きを自分一人ですべて進めるのは、とても大変です。
後悔しない離婚を迎えるためにも、まずは熟年離婚の解決実績が豊富な弁護士へ相談することをおすすめします。
熟年離婚の女性のメリットとデメリット


メリット
夫が原因となっている悩みから解放される
夫が自宅にいることでストレスや不安を感じている方は、離婚することでこのような悩みが無くなります。
新しい生活を始められる
マンネリ化したこれまでの生活から心機一転し、新しい人生のスタートを切ることができます。
配偶者の親族と関わる必要がなくなる
嫁姑問題で悩まれている女性は多いですが、離婚すれば、嫁姑問題から解放されます。
デメリット
経済的な安定を得づらくなる
これまで生活費の大部分を夫の収入に頼っている場合、定期的な収入が大幅に減少することが予想されます。
もっとも離婚することで、夫から財産分与や慰謝料を受け取ることができる可能性があるため離婚に強い弁護士に相談すると良いでしょう。
働く必要性が高くなる
夫とわかれて生活を始める場合、生活費が必要となるため多くの方は就職することとなります。
衣食住の質が下がる
就職後の賃金が十分ではない場合、居住費、食費等のコストを抑える必要があります。
老後の生活が保障されない
夫の収入や資産に頼らず、自分の収入等を前提に老後のことを考える必要があります。
熟年離婚の男性のメリットとデメリット


メリット
冷めきった夫婦関係から脱却できる
夫婦の関係が冷え切っている場合は離婚した方が気持ちが楽になるでしょう。
新しい恋愛がはじめられる
他の異性と交際することができるようになります。
デメリット
世間体が悪くなる
会社などに離婚したことがわかり、気まずい思いをする方もいらっしゃいます。
家事を自分がしなければならなくなる
これまで妻に家事を任せていた男性は離婚後自分で家事をしなければならなくなります。
孤独になる
他に家族が同居していない場合、独りの生活となってしまいます。
熟年離婚の流れと手続き
離婚する手段としては、「協議離婚」「調停離婚」「裁判離婚」があります。
まずは当事者同士で話し合い、合意によって離婚する「協議離婚」を試みます。
当事者同士での話し合いでは合意できなかった場合、裁判所に話し合いの仲介をしてもらい、裁判所で合意することによって成立する「調停離婚」の手続きに進みます。
それでも合意ができなければ、「裁判離婚」に進み、裁判官に判断してもらうという流れになります。


裁判所を利用した手続きになると多くの時間を要するので、できる限り「協議離婚」を目指すべきです。
しかし、当事者同士では冷静に話し合えない場合も多いので、弁護士に代理交渉をお願いすることをおすすめします。
代理交渉とは、弁護士が相手と直接交渉し、協議離婚を目指すものです。
裁判所を利用しないので早期解決を図ることができ、専門家のサポートを得ることで適切な解決につながります。
ご自身で直接相手とやり取りしないで済むので肉体的・精神的な負担も軽減することもできます。
熟年離婚でよくあるQ&A
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熟年離婚した方がいい妻の特徴は?
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熟年離婚が悲惨といわれる理由は?
特に熟年離婚は老後の生活に直結するため、悲惨な結果にならないよう、事前の資産調査や生活設計が不可欠です。
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熟年離婚される夫には特徴がある?
しかし、当事務所の「50代以上の離婚したい理由ランキング」によると、妻側の離婚したい理由としては、性格の不一致、精神的虐待、夫の不倫がトップ3となっています。
したがって、熟年離婚される夫の傾向としては、価値観の異なり、モラハラ傾向、浮気者などがあると考えられます。
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熟年離婚される妻には特徴がある?
しかし、当事務所の「50代以上の離婚したい理由ランキング」によると、夫側の離婚したい理由としては、性格の不一致、精神的虐待、夫の不倫、同居しないが上位にランクインしています。
したがって、熟年離婚される妻の傾向としては、価値観の異なり、モラハラ傾向、夫とのコミュニケーション不足などがあると考えられます。
まとめ
以上、熟年離婚の原因、準備すべきこと、後悔しないためのポイントを中心に、熟年離婚のメリット・デメリットや手続きについても解説しましたが、いかがだったでしょうか。
熟年離婚では、財産分与・年金分割について適切な解決をすることや、離婚後の生活を想定して周到に準備しておくことが大切です。
熟年離婚を決意されている方も、するべきか迷っている方も、お早めに専門の弁護士に相談することをおすすめします。
離婚問題に精通した弁護士であれば、離婚した場合の見通しを踏まえて準備についても具体的な助言をしてくれるでしょう。
当事務所は、離婚事件を専門に扱うチームがあり、熟年離婚を強力にサポートしています。
LINE、Zoomなどを活用したオンライン相談も行っており、全国対応が可能です。
熟年離婚の問題については、当事務所の離婚事件チームまで、お気軽にご相談ください。
この記事が、熟年離婚をお考えの方にとってお役に立てれば幸いです。
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