モラハラ夫とは?特徴や対処法を弁護士が解説【チェックリスト付】

弁護士法人デイライト法律事務所 弁護士  

モラル・ハラスメント(略してモラハラ)とは、精神的な暴力のことで、簡単に言うと言葉や態度による「嫌がらせ」です。

モラハラ夫とは、妻に対してモラハラをする夫のことをいいます。

  • 「夫はモラハラ加害者なのか?」
  • 「モラハラ夫に対処するにはどうしたらいい?」
  • 「夫の言動に悩んでいるけれど、どこに相談してよいかわからない」

といったお悩みを抱えていませんか?

ここでは、モラハラ夫の特徴、モラハラ被害の実情、モラハラ夫への対処法、モラハラの相談窓口などについて解説していきます。

また、夫がモラハラ加害者なのかどうかを確認したい方のために、チェックリストもご紹介しています。

ぜひ参考になさってください。

モラハラ夫とは?

モラハラ夫の定義

モラハラ夫とは、妻に対してモラハラをする夫のことをいいます。

モラハラとは、精神的な暴力のことで、簡単に言うと言葉や態度による「嫌がらせ」です。

モラハラの内容は様々ですが、相手の人格を否定して自尊心を奪ったり、相手を脅して恐怖心を植え付けたりすることによって、相手を支配し精神的に追い詰めるというのが典型です。

モラハラ夫は、妻と出会った頃・交際を始めた頃は、知識が豊富、年収が高い、頼りがいがあるなど、魅力的な人に見えることも多いです。

しかし、多くの場合は、結婚や妊娠といった、妻が夫の元を容易に離れられなくなったタイミングでモラハラをするようになります。

 

モラハラ夫の特徴

モラハラ夫の特徴としては、①自己中心的であること、②妻を支配しようとすること、③外面が良いことなどが挙げられます。

具体的には、次のような言動等が見られることが多いです。

ご自身の夫に当てはまるかチェックしてみてください。

チェックリスト:モラハラ夫

モラハラ夫の特徴について、詳しくはこちらをご覧ください

 

モラハラの可能性がある発言例

相手の人格を否定したり、相手を一方的におとしめたり、脅したり、威圧するような発言は、モラハラに該当する可能性があります。

モラハラ夫にありがちな発言例としては、次のようなものが挙げられます。

妻の人格を否定するような発言

発言の例

    • 「不細工」「デブだ」「頭が悪いな」
    • 「頭がおかしい」
    • 「お前は役立たずだ」
    • 「何をやらせてもできない」
    • 「お前には価値がない」
    • 「(妻の)親の育て方が悪かった」
    • 「母親失格だぞ」
    • (子どもに対して)「お母さんのようにはなるなよ」

 

妻を脅したり、威圧するような発言

発言の例

    • 「殺してやる」
    • 「別れるなら自殺してやる」
    • 「出ていけ」

 

妻の罪悪感をあおるような発言

発言の例

    • 「お前が俺を怒らせているんだぞ」
    • 「お前のせいでこうなったんだ」
    • 「俺に恥をかかせる気か」

自分の優位性を強調して妻をおとしめるような発言

発言の例

    • 「誰のおかげで生活できているんだ」
    • 「主婦は暇でいいな」
    • 「主婦のくせに・・・」「女のくせに・・・」
    • 「大した仕事もしてないだろ」

モラハラ夫の発言例について、詳しくはこちらをご覧ください。

 

モラハラと精神的虐待の違い

モラハラと精神的虐待は言い方が異なるだけであり、意味は同じです。

「虐待」とは、弱い立場にある者に対して酷い扱いをすることをいいます。

嫌がらせの意味である「ハラスメント」よりも、虐待の方が悪質なものというイメージがあるかもしれません。

また、モラハラ夫の中には、普段はおとなしく、優しいときもあり、怒鳴る・暴言を吐くというような暴力的な行為はしない人もいます。

このような人に対しては「虐待」という言葉が当てはまらないようにも思えるかもしれません。

しかし、モラハラは、相手の人格を否定したり、威圧して恐怖を植え付けたりすることで相手を支配し、さらにその力関係の不均衡を利用して相手を精神的に追い詰めていくものです。

これはまさに虐待です。

なお、家庭内でのモラハラは、「精神的DV(ドメスティック・バイオレンス)」とも同じ意味となります。

 

 

モラハラ被害の実情

モラハラ被害は多い?

モラハラ夫から被害を受けている妻は多いのが実情です。

当事務所での統計では、女性側の離婚理由として、「精神的虐待」、すなわち「夫からのモラハラ」が全体の27.8%を占めています。

モラハラの被害を受けて離婚を考える女性は、離婚を考える人のうちの4分の1以上を占めていることになります。

離婚の理由ランキングとしては、「精神的虐待」は「性格の不一致」(35%)に次いで2位となっています。

「性格の不一致」の内実は様々ですが、夫婦のいずれかに原因があるというわけではないケースがほとんどと考えられます。

そのため、夫婦のいずれかに原因があるようなケースでは、離婚理由のトップはモラハラということができます。

ちなみに、離婚理由の3位は「異性関係(相手)」(わかりやすく言うと「不倫」)で、割合は19.9%となっています。

不倫が原因となって離婚をするというケースは、比較的イメージしやすいのではないでしょうか。

しかし、モラハラは不倫を8%程度上回っていますので、このことからも、モラハラの被害を受けている方は多いと感じられると思います。

 

モラハラ被害は増加している?

国の調査によると、公的な相談窓口(配偶者暴力相談支援センター又はDV相談+)へのDV相談件数は増加傾向にあるようです。

参考:内閣府男女共同参画局|配偶者暴力相談センターへの相談件数の推移(年次)

こちらの統計は、身体的な暴力などの相談件数も含まれており、モラハラの相談件数のみを示すものではありません。

しかし、2021年度前期における相談窓口(DV相談+)への相談のうち、精神的DVに関する相談は約6割を占めていたとのことですから、モラハラの相談件数も増加傾向にあるといえるでしょう。

参考:内閣府男女共同参画局|男女共同参画白書 令和4年度版 

もっとも、これらの統計は相談件数の増加を示すものであり、モラハラ被害それ自体が相談件数と同程度に増加していることを示唆するものではないと考えられます。

すなわち、モラハラ被害は以前から一定程度あったけれども、以前は被害を自覚して助けを求める人が少なかったものと推察されます。

それが近年、モラハラについて、少しずつですが社会的に認識されるようになったことなどにより、被害者の方が「夫の言動はモラハラではないか」と思えるようになり、相談することができるようになったものと考えられます。

もう一つは、コロナ下が影響していると考えられます。

もっとも、コロナ下が原因でモラハラ夫に豹変する人が増えたというわけではなく、もともとモラハラ夫だった人や、モラハラ気質のあった人がコロナ下の生活(在宅勤務や外出自粛など)において、猛威を振るうようになったケースが多いと思われます。

妻としては、一日中モラハラ夫と同じ空間で過ごし、モラハラにさらされ続けるのは非常に耐え難いこととなります。

そのような状況下で、これまで我慢して相談できなかった方の相談も増えたものと推察されます。

 

 

モラハラ夫への対処法

コミュニケーションの改善方法

モラハラ夫のコミュニケーションの特徴

加害者であるモラハラ夫と、被害者である妻が対等な立場で双方向的なコミュニケーションをとることは困難です。

モラハラ夫は、通常、「自分は正しい・優れている、妻は間違っている・劣っている」という考え方を持っています。

そのため、妻と話すときは上から目線で、妻の意見を尊重しない、全否定する、バカにする、あるいは、聞こうともしないことが多いです。

また、自分に都合の悪い状況になると、話をすり替えたり、妻が悪いと言って説教を始めたり、怒鳴って妻を威嚇することなどもあります。

 

改善できるか

相手がモラハラ夫である以上は、お互いの意見を尊重した建設的な会話をすることは、基本的には期待できないでしょう。

このような会話ができるようになるためには、モラハラ夫にモラハラをやめてもらう(モラハラ夫ではなくなってもらう)必要がありますが、それは非常に難しいことです。

モラハラ夫は、「自分は正しい」という意識が強く、自分の言動・態度に問題があるという自覚がないことも多いです。

妻がモラハラをやめて欲しいとお願いしたとしても、モラハラ夫は「俺をモラハラ夫扱いするお前の方がおかしい」などと言って聞く耳を持たないことが予想されます。

したがって、モラハラ夫とのコミュニケーションを根本的に改善することは難しいと言わざるを得ません。

 

注意するべきポイント

モラハラ夫とのコミュニケーション対策として、「言い返す」「受け流す」ということも考えられますが、これらは得策とは言い難い場合もあるので注意が必要です。

 

言い返す

モラハラ夫の場合は、妻が言い返したところで、おとなしくなったり、妻の意見を聞いてくれるようになる可能性は低いです(そうしてくれる場合は、そもそもモラハラ夫ではなかったとも考えられます。)。

むしろ、妻の意見(反論)を徹底的に否定し、妻を言い負かして黙らせることに必死になってくるかもしれません。

また、モラハラ夫は、「妻は自分の支配下にある」と確信していますので、妻が反抗的であると感じると、支配力を強めようとしてモラハラをエスカレートさせる可能性もあります。

 

受け流す

モラハラ夫が妻の人格を否定したり、妻の罪悪感をあおったりする発言をしたとしても、妻がそれを真に受けずに、受け流すことができれば、モラハラの被害を軽減できる可能性はあります。

モラハラの被害の怖いところは、モラハラを受けた被害者が「自分には価値がないんだ」「自分が悪いんだ」などと思いこんでしまい、抑うつ的になり、最悪の場合は命にかかわる事態にりかねない点にあると考えられます。

モラハラ夫の発言を受け流し、「自分がダメなわけではない」と思えることができれば、上記のような事態を防止できる可能性もあるので、モラハラ夫対策としては、一定の効果があるといえるかもしれません。

しかし、既にモラハラの被害が深刻な場合は、受け流すこと自体が難しいこともあるでしょう。

また、受け流したとしても、モラハラにさらされ続ける環境が変わるわけではないため、根本的な解決にはなりません。

そのため、仮に、自尊心の低下や罪悪感に駆られることは避けられても、モラハラ夫との生活でストレスが蓄積し、心身の不調につながる可能性は十分にあります。

 

早めに見切りをつける

以上のように、モラハラ夫を相手に対策をとっても、コミュニケーションを改善することができる可能性は低いです。

改善しようと努力している間にも、モラハラの被害が深刻化してしまう可能性もあります。

そのため、状況にもよりますが、早めに見切りをつけて、別居を検討するなどされた方がよいといえるでしょう。

 

モラハラ夫との距離を置く方法

別居する

モラハラから抜け出すには、別居をして、モラハラ夫と物理的な距離を置くことが重要です。

これは、モラハラ被害を拡大させないためにも、モラハラ夫と離婚するためにも重要なポイントとなります。

離婚の決心がつかないという状態であっても問題はありません。

まずは、モラハラ夫の支配下から抜け出すことが大切です。

また、別居をすることについて、事前に夫に相談等をする必要もありません。

むしろ、夫に知られると、夫に別居を妨害される可能性もあるため、別居の準備や当日の段取りは夫に知られないように慎重に進めるケースが多いです。

 

モラハラの問題に詳しい弁護士に相談する

モラハラ夫との距離を置くためには、モラハラ問題に詳しい弁護士に相談されることをおすすめいたします。

 

別居のサポート

別居は重要なポイントとなりますが、ご自身だけで別居に踏み切るのは難しいという場合も多いでしょう。

そこで、別居前に、まずはモラハラ問題に詳しい弁護士に相談されることをおすすめいたします。

具体的にどのように別居を実行するかということや、別居後の見通しなどについてアドバイスを受けることで、不安を解消することができるでしょう。

別居のサポートについて、詳しくはこちらをご覧ください

あわせて読みたい
別居サポートについて

 

弁護士が窓口となる

弁護士に依頼した場合、別居と同時に、弁護士からモラハラ夫に対し、①今後の窓口は弁護士とすること、②妻やその親族には直接接触しないことなどを申し入れることができます。

これにより、モラハラ夫が妻を連れ戻そうとして妻に連絡し続けたり、妻の実家に押しかけたりする事態になることをある程度防止することができます。

また、ご自身でモラハラ夫と直接やり取りをせずに済むようになるため、肉体的・精神的な負担を大幅に軽減することができます。

その後も、離婚成立など解決に至るまで、全面的に弁護士のサポートを受けることができます。

 

婚姻費用のサポート

夫の方が収入が多い場合は、別居後、離婚が成立するまでの間、夫に対し、生活費(「婚姻費用」といいます。)を請求することができます。

しかし、モラハラ夫は、「妻が勝手に出て行ったのだから生活費は渡さない」などと言って、支払いを拒否するケースも多いです。

そのため、専門家である弁護士に請求・交渉してもらうとよいでしょう。

モラハラ夫が任意に支払う姿勢を見せない場合は、裁判所の手続きを利用する必要もありますが、弁護士が対応していれば、裁判所の手続きへの移行もスムーズにすることができます。

 

モラハラ夫と離婚する方法


夫のモラハラを理由に離婚をすることはできます。

しかし、モラハラ夫との離婚は、次のような理由から、労力や時間がかかることが多い傾向にあります。

  • モラハラ夫が妻の求めに応じて離婚に合意するケースは少ない
  • モラハラ夫を相手に協議を円滑に進めることは難しい
  • モラハラの事実を立証することは簡単ではない

以下では、モラハラ夫と離婚する方法と、その際に押さえておくべきポイントについて解説していきます。

 

離婚の方法

離婚の方法としては、①協議離婚、②調停離婚、③裁判離婚というものがあります。

協議離婚とは、裁判所の手続きを利用せず、当事者同士で話し合って離婚をするものです。

調停離婚とは、家庭裁判所において、調停委員を仲介として話し合い、合意による解決を目指す手続きです。

裁判離婚とは、裁判官に判断(離婚判決)をもらって離婚する手続きです。

離婚判決をもらうためには、法律で定められている条件(「離婚原因」といいます。)が必要です。

 

モラハラ夫が協議離婚に応じるケースは多くはない

モラハラ夫は、妻が離れていくことを受け入れられなかったり、妻の求めには応じたくないと思っていることが多いです。

そのため、モラハラ夫が協議離婚に応じるケースは多くありません。

協議離婚ができない場合は、調停を申し立て、調停離婚を目指すことになります。

調停になった場合は、モラハラ夫も、調停委員や裁判官の説得に応じたり、世間体を気にして裁判を避けたいと思ったりして、離婚が成立しやすくなることも多いです。

しかし、離婚の意思がないとして、依然として話し合いを拒否する場合もあります。

そのような場合は、裁判で離婚をするしかありません。

そして、裁判で離婚をするためには、モラハラが「離婚原因」として認められることが必要になります。

 

モラハラは「離婚原因」に当たるか

法律(民法)では、次の5つを「離婚原因」と定めています(民法770条1項)。

引用元:民法|電子政府の窓口

  • 相手方に不貞行為があったとき
  • 相手方から悪意で遺棄されたとき
  • 相手方の生死が3年以上明らかでないとき
  • 相手方が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

上記のうち、モラハラは「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に該当する可能性があります。

「婚姻を継続しがたい重大な事由」とは、夫婦関係が修復不可能な状態になっていることをいいます。

そのため、モラハラが原因で、夫婦関係が修復不可能な状態になったということが認められた場合は、裁判で離婚が認められる可能性があります。

 

モラハラの立証は難しい

裁判所に、モラハラによって夫婦関係が修復不可能な状態になったと認めてもらうためには、それを証拠によって裏付ける(立証する)必要があります。

モラハラの証拠としては、夫の暴言や侮辱などの発言内容を録音・録画したものや、夫から送られてきたメールやLINEなどがあります。

しかし、モラハラの現場を録音・録画するのが難しい場合もありますし、過去のメール等は不快なので削除してしまったという場合もあるでしょう。

また、モラハラは、前後の状況や夫婦の関係性を含めた全体像を見なければ判断しにくい(一つ一つの言動を切り取っただけでは夫婦喧嘩などとの区別がつかない)という特徴もあります。

そのため、夫の発言内容等の一部分しか証拠として押さえられないと、モラハラを立証することが難しい場合もあります。

また、モラハラには「無視」や「不機嫌な態度」といったものもありますが、これらは客観的な証拠として残すことが困難です。

このようなことから、モラハラの事実を立証することは簡単ではありません。

モラハラの事実を立証することができなければ、裁判所に離婚原因を認めてもらうことが難しくなるため、モラハラを理由に裁判で離婚をすることも難しくなります。

したがって、立証の点からすれば、モラハラを理由に離婚することは難しい傾向にあるといえます。

 

別居が続けば離婚は認められやすくなる

仮にモラハラの事実を立証することができなくても、別居期間が長くなれば、裁判でも離婚が認められやすくなります。

別居期間が長いこと(事案によりますが3~5年程度のことが多いです)は、「婚姻を継続し難い重大な事由」の一事情として考慮されることになります。

したがって、モラハラ夫が離婚を拒否し続けても、モラハラの証拠を揃えることができなくても、別居期間が長くなれば、最終的には離婚をすることはできるといえます。

 

専門の弁護士に依頼する

上記のとおり、別居し、時間をかければ、モラハラ夫とはいずれは離婚することはできます。

しかし、早期解決をして、ご自身の新しい生活を安心して始められる状態にすることも非常に重要なことです。

また、モラハラ夫が離婚に応じる場合であっても、離婚条件については慎重に吟味する必要があります。

モラハラ夫は、妻には絶対に負けたくないと思っていることも多く、妻にとって不当に不利な条件を提示し、譲歩させようとしてくる場合もあります。

不適切な条件で離婚を成立させてしまうと、離婚後、ご自身の生活が成り立たなくなったり、後悔したりすることになりかねないので、注意する必要があります。

そのため、モラハラ夫との離婚については、専門の弁護士のサポートを受けることをおすすめいたします。

弁護士が代理人として、裁判になった場合の見通しを踏まえて交渉をすることで、当事者本人同士で協議をする場合よりも話を進めやすくなることがあります。

そして、裁判に至ることなく、早期に、適切な条件で離婚を成立させることができる可能性も高くなります。

離婚後の生活や、子どものことを考えると離婚に踏み切れないという方も、まずはモラハラの問題に強い弁護士に相談されることをおすすめいたします。

離婚に至るまでの道筋や、離婚条件の見通しなどを説明してもらうことで、一歩を踏み出しやすくなるでしょう。

また、離婚が唯一の解決方法とは限らず、状況によっては、婚姻費用をもらいながら別居をして当面様子をみる方法などもあります。

専門の弁護士であれば、これらの点も踏まえ、具体的なアドバイスをしてくれるでしょう。

 

 

モラハラの相談窓口

モラハラの悩みは、親族や友人に相談しにくい、わかってもらいにくいといった側面もあるため、一人で抱え込んでいる方も多いと思います。

そこでここでは、モラハラについて相談できる主な窓口をご紹介いたします。

公的機関

配偶者暴力相談支援センター

公的な相談窓口で、相談や相談機関の紹介、カウンセリング、一時保護、自立のための情報提供などを行っています。

都道府県が設置する婦人相談所が支援センターの機能を担う施設の一つとして位置づけられており、その他、各市区町村が設置しているセンターもあります。

女性センター、福祉事務所などの公的施設が支援センターの機能を果たしている自治体もあります。

各自治体における詳しい支援内容などは、ホームページ等でご確認ください。

参考:内閣府男女共同参画局|相談機関一覧

 

DV相談ナビダイヤル、DV相談+(プラス)

全国共通の電話番号・#8008に電話をかけると、最寄りの配偶者相談支援センターに自動転送され、電話相談、面談等をすることができます。

DV相談+(プラス)では、電話相談(24時間受付)の他、メールやチャットでも相談をすることができます。

利用方法等については、ホームページでご確認ください。

参考:内閣府|DV相談+

 

公的機関のメリット・デメリット

メリット

配偶者暴力支援センターは都道府県に1カ所以上あり、無料で利用することができます。

どこに相談してよいかわからない場合は、まずはDV相談ナビダイヤル、DV相談+を利用することで、相談を聞いてもらえたり、窓口を案内してもらうことができます。

配偶者暴力相談支援センターでは、「配偶者からの暴力の被害者に係る証明書」という証明書を発行しています(ただし、発行してもらえるかはセンターの判断となります。)。

これがあると、住民票の閲覧制限や、新しい健康保険の加入手続きなどの自立支援も受けることができます。

 

デメリット

デメリットとしては、自治体によって支援内容や方針に差があることなどが挙げられます。

相談員の質にもばらつきがあり、モラハラへの理解が深くない人もいるため、暴力ではないと言われて相談を受け付けてもらえない場合などもあるようです。

また、モラハラの場合、身体的な暴力よりも対応が後回しにされがちです。

特に一時保護(シェルター入所)は、被害が深刻な場合であっても、緊急性がない等の理由で断られてしまうこともあります。

 

警察署(生活安全課)

「殺してやる」と脅された場合など、危害が及ぶ恐れがある場合、保護などを受けることができます。

身体的な暴力がなくても、夫の言動からその恐れがあるような場合は、迷わず相談するようにしましょう。

「配偶者からの暴力の被害者に係る証明書」は、警察署でも発行しています。

ただし、モラハラ事案への対応内容は、警察署によってばらつきがあります。

 

民間の相談機関

支援内容は団体により異なりますが、相談・一時保護・自立に向けた支援などを受けることができます。

公的機関のように決まったルールに縛られず、柔軟できめ細かい対応をしてくれることが多いです。

しかし、財政難や人材不足などの事情を抱えている団体もあり、団体によって対応にばらつきはあります。

 

弁護士

弁護士には、法律相談や、離婚成立までの全面的なサポートを依頼することができます。

法律相談では、モラハラ夫から離れるための方法や、今後の見通しについて具体的な助言をもらうことができます。

離婚に向けて進めていく場合は、本人同士の話し合いではスムーズにいかないことが予想されますので、弁護士に依頼するメリットは大きいといえます。

離婚を前提としていなくても、別居している場合、婚姻費用や面会交流に関する取り決めが必要になりますので、弁護士を入れるメリットは大きいです。

ただし、弁護士に依頼すると弁護士費用がかかります。

弁護士費用は、依頼する弁護士や、依頼する内容、得られた結果により異なりますので、詳しくは依頼を検討している法律事務所のホームページで確認したり、法律相談の際に詳しい見積もりを出してもらうようにするとよいでしょう。

また、弁護士であれば、誰に相談・依頼しても同じというわけではないので注意が必要です。

モラハラの問題を適切に解決するためには、モラハラ問題への理解と高度な専門性が不可欠です。

そのため、離婚問題に専門特化し、かつ、モラハラに理解のある弁護士を選ぶことが重要になります。

DVに強い弁護士の選び方について、詳しくはこちらをご覧ください

各弁護士会の法律相談センターや法テラスでは、地域や条件によっては無料での法律相談を実施しています。

ただし、担当の弁護士を自分で選ぶことはできません。

参考
日弁連|全国の弁護士会の法律相談センター
法テラス|DV等被害者法律相談援助制度

 

 

モラハラ夫についてのQ&A

モラハラ夫の弱点とは?

モラハラ夫には、次のような弱点があります。

  1. ① 思い通りに動かせない人には弱い
  2. ② 物理的な距離を置かれることには弱い
  3. ③ 自分よりも立場が上の人には弱い
  4. ④ 世間体や人目を気にする
  5. ⑤ コンプレックスを抱えていることが多い

 

モラハラ夫の目つきとは?

モラハラ夫の目つきには、次のような特徴が見られる場合があります。

  1. ① 目に表情がない
  2. ② 監視・威圧するような目つき
  3. ③ 人を見下すような目つき
  4. ④ 家の内外で目つきが違う
  5. ⑤ スイッチが入ると攻撃的な目つきになる

 

モラハラ夫の母親に特徴はある?

必ずしも共通の特徴があるとは限りません。

ただし、次のような場合は、モラハラ夫が母親の影響を強く受けている可能性もあると考えられます。

  1. ① 母親自身にモラハラ気質がある場合
  2. ② 母親が配偶者(モラハラ夫の父親)からモラハラを受けていた場合
  3. ③ 母親が息子(モラハラ夫)を甘やかして育てた場合

モラハラ夫は変わるのか?

モラハラ夫が変わることは、基本的には期待することができません。

 

 

モラハラ夫の離婚後の気持ちとは?

離婚したことを後悔する可能性もありますが、自分がモラハラをしたことについて反省するケースは少ないと考えられます。

元妻に執着して接触を図ったり、元妻のせいで離婚することになったと思い込んで元妻に仕返しをしようとすることもあります。

モラハラ夫をおとなしくするには?

モラハラ夫をおとなしくさせる方法としては、次のようなものが考えられます。

  1. ① 別居する
  2. ② 夫にモラハラをやめるように相談する
  3. ③ 共通の知人に相談する
  4. ④ 夫の家族に相談する
  5. ⑤ 離婚する

 

モラハラ夫の末路とは?

モラハラ夫は、離婚後も元妻に執着して破滅的な行動をとったり、誰からも見放されてしまい孤独な晩年を過ごすといった末路をたどる可能性もあります。

 

まとめ

以上、モラハラ夫の特徴、モラハラ被害の実情、モラハラ夫への対処法、モラハラの相談窓口について解説しましたが、いかがだったでしょうか。

夫からモラハラの被害を受けている場合は、早めに対処する必要があります。

特に、別居をして物理的な距離を置くことが重要です。

もっとも、モラハラ夫から解放されるため、具体的にどのように対応していくべきかは、被害者の方の置かれた環境などによって異なります。

そのため、まずはモラハラの問題に詳しい弁護士に相談し、状況を踏まえた具体的なアドバイスをもらうことをおすすめいたします。

当事務所には、男女問題に注力する弁護士のみで構成された離婚事件チームがあり、モラハラ問題を強力にサポートしています。

モラハラにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

この記事が、モラハラ問題にお悩みの方にとって、お役に立てれば幸いです。

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