離婚協議書の書き方|サンプル・雛形ダウンロード【最新版】

離婚協議書とは、離婚の方法や親権・養育費・財産分与・慰謝料などの条件を取り決め、書面に残すものです。
作成しておくことで、後のトラブルを防ぎ、法的措置をとる際にも役立ちます。
しかし、正しく作成しないと、合意内容が守られなかったり、法的拘束力が認められないこともあります。
本記事では、離婚協議書の重要性や作成時のポイントを、離婚専門の弁護士が詳しく解説します。
また、離婚協議書のテンプレートもご用意しております。
法改正により、2026年4月1日から始まった共同親権制度にも対応しているので、ぜひご活用ください。
離婚協議書とは

離婚協議書とは、夫婦が離婚する際に、離婚の方法や諸条件を取り決めるために作成する書面のことです。
離婚の方法とは、誰が離婚届を提出するかなどをいいます。
すなわち、妻が届け出るのか、夫が届け出るのか、ということです。
諸条件とは、親権者、養育費、面会交流、慰謝料、財産分与、年金分割等の内容です。
離婚協議書を作成することで、後々、言った言わないのトラブルを防止することができます。
また、相手が条件を守らない場合、法的措置が容易になるため、必ず作成するようにしましょう。
また、離婚協議書を自動で作成できるサービスもご提供しておりますのでご活用ください。
離婚協議書の主な記載内容
離婚協議書に記載すべき内容は、親権者、養育費、面会交流、慰謝料、財産分与、年金分割等の具体的な取り決め内容です。
その前提として、上記諸条件について、「正しい知識」が必要です。
例えば、養育費について、適正額が月額10万円の事案であれば、それを前提に協議すべきです。
相場が10万円であることを知らずに、月額5万円で合意するということは、権利者側にとっては不利益となるからです。
上記諸条件について、詳しく知りたい方は、以下の該当する解説ページを参照してください。
無料テンプレート一覧
ここでは、パターン別の離婚協議書と公正証書案のテンプレートを紹介しています。
すべて無料でダウンロードが可能ですので、ご参考にされてください。
もっとも、相談者の方がおかれた状況は多種多様であり、どのような文章を使うべきか一概に言えません。
そのため、最適の文章にするために、書式はあくまで参考程度にとどめ、離婚専門の弁護士への相談を強くお勧めします。
▼リンクをクリックすると該当のテンプレートにジャンプします。
| テンプレート名 | 適したケース |
|---|---|
| ① 慰謝料なし | 離婚の原因が性格の不一致などで、慰謝料の請求を行わない場合 |
| ② 慰謝料あり(夫婦間) | 相手方に慰謝料を請求する場合(夫婦間での合意) |
| ③ 慰謝料あり(夫婦+不倫相手) | 不貞相手も含めて、慰謝料を合意したい場合 |
| ④ 自宅を分与・譲受人がローン返済 | 自宅を譲り受ける側が、ローンを支払っていく場合 |
| ⑤ 自宅を分与・譲渡人がローン返済 | 自宅を譲り渡す側が、ローンを支払い続ける場合 |
| ⑥ 公正証書(案) | 養育費の不払いに備えたい、強制執行を可能にしたい場合 |
【慰謝料なし】離婚協議書のテンプレート
この書式は、離婚協議書のサンプル(記載例)です。
慰謝料についての取決めがないパターンです。
年金分割については、別に合意書を作成して、公証役場で私文書の認証を受けるのが通常です。
あくまでサンプルです。個別具体的な状況に応じた最適な協議書を作成するために、離婚専門の弁護士にご相談されてください。
離婚協議書診断サービスは、以下をご利用下さい。
【慰謝料あり・夫婦間】離婚協議書のテンプレート
この書式は、離婚協議書のサンプル(記載例)です。
慰謝料についての取決めがあるパターンです。
年金分割については、別に合意書を作成して、公証役場で私文書の認証を受けるのが通常です。
あくまでサンプルです。個別具体的な状況に応じた最適な協議書を作成するために、離婚専門の弁護士にご相談されてください。
離婚協議書診断サービスは、以下をご利用下さい。
【慰謝料あり・夫婦+不倫相手】離婚協議書のテンプレート
この書式は、離婚協議書のサンプル(記載例)です。
慰謝料についての取決めがあるパターンです。慰謝料の発生原因が不貞行為の場合、不貞の相手方も慰謝料の支払いについて連帯債務を負います。
このサンプルは、不貞の相手方も合意の当事者に加えたパターンです。
年金分割については、別に合意書を作成して、公証役場で私文書の認証を受けるのが通常です。
あくまでサンプルです。個別具体的な状況に応じた最適な協議書を作成するために、離婚専門の弁護士にご相談されてください。
離婚協議書診断サービスは、以下をご利用下さい。
【自宅を分与・譲受人がローン返済】離婚協議書のテンプレート
この書式は、離婚協議書のサンプル(記載例)です。
自宅の財産分与についての取決めがあるパターンです。また、住宅ローンが残っており、その返済を譲受人が行う場合のパターンです。
年金分割については、別に合意書を作成して、公証役場で私文書の認証を受けるのが通常です。
あくまでサンプルです。個別の具体的な状況に応じた最適な協議書を作成するために、離婚専門の弁護士にご相談されてください。
特に、自宅の財産分与については、住宅ローンの負担、明け渡し時期、所有権の移転時期、登記手続、公租公課等、考慮しなければならないことがたくさんあり、専門家に作成してもらうことを強くお勧めします。
離婚協議書診断サービスは、以下をご利用下さい。
【自宅を分与・譲渡人がローン返済】離婚協議書のテンプレート
この書式は、離婚協議書のサンプル(記載例)です。
自宅の財産分与についての取決めがあるパターンです。
また、住宅ローンが残っており、その返済を譲渡人が行う場合のパターンです。
本来、住宅ローンを当該不動産を譲り受ける人が支払うべきですが、離婚を求めている譲渡人が有責配偶者の場合(例えば、夫が不貞行為を行って、妻に離婚を求める場合)、譲渡人が支払っていくことを約束する場合があります。
年金分割については、別に合意書を作成して、公証役場で私文書の認証を受けるのが通常です。
あくまでサンプルです。
個別具体的な状況に応じた最適な協議書を作成するために、離婚専門の弁護士にご相談されてください。
特に、自宅の財産分与については、住宅ローンの負担、明け渡し時期、所有権の移転時期、登記手続、公租公課等、考慮しなければならないことがたくさんあり、専門家に作成してもらうことを強くお勧めします。
離婚協議書診断サービスは、以下をご利用下さい。
公正証書のテンプレート
この書式は、公証役場に提出する案文のサンプル(記載例)です。
公正証書は、万一、債務者(養育費等を支払う者)が金銭を支払わない場合、公正証書に基づいて強制執行できることがメリットです。
強制執行をするためにはこの書式にある「強制執行認諾文言」が必要となるので、忘れないように注意してください。
離婚協議書診断サービスは、以下をご利用下さい。
【項目別】離婚協議書の書き方サンプル
離婚協議書を作成する際は、取り決めた内容を明確かつ具体的な条項へ落とし込むことが大切です。
ここでは、条文サンプルと、書き方のポイントを項目別にご紹介します。
親権者
親権(子どもの世話をしたり財産を管理したりする権利・義務)については、どちらが親権者になるかを子どもごとに明確に記載します。
また、離婚届を提出する際にスムーズに手続きできるよう、戸籍上の表記に合わせて正確に記載しましょう。
令和8年4月施行の民法改正により、離婚後の「共同親権」が導入されました。
そのため、状況に合わせて「単独親権」と「共同親権」のいずれかを選択することになります。
第◯条(親権者の指定)
甲及び乙は、当事者間の未成年の子◯◯(令和◯年◯月◯日生)の親権者を乙と定める。
第◯条(離婚後の共同親権の合意と監護者の指定)
1 甲及び乙は、長男◯◯(令和◯年◯月◯日生)の親権者を甲及び乙の双方と定める(共同親権)。
2 甲及び乙は、長男の監護者を乙と定め、乙において長男と同居し、その身の回りの世話などの日常的な監護養育を行うものとする。
3 長男の進学、長期入院を要する医療行為、海外渡航、居住地の変更等の重要事項については、甲乙間で誠実に協議して決定する。ただし、緊急を要する場合や日常的な事項については、監護者である乙が単独で決定することができる。
4 甲又は乙が第三者と再婚する場合であっても、前三項の合意の効力は妨げられない。ただし、同居親である乙が、その再婚相手と長男を養子縁組させようとする場合には、甲の親権が喪失することに鑑み、あらかじめ甲に対し通知したうえで、養子縁組の可否及びその後の親子交流の実施等について誠実に協議しなければならない。
従前は、親権者を決めずに離婚届を提出することはできませんでしたが、新法では、家庭裁判所に親権者指定の調停・審判が係属中であることを条件に親権者を定める前に、離婚届を提出することが可能となりました(民法第765条第1項第2号)。
参考:民法|eーGOV法令
ただし、紛争の一回的解決の観点から、原則としては離婚協議において、親権についても定めたうえで、離婚協議書を交わすのが望ましいです。
また、共同親権を選択する場合、条文上は、「日常の行為」であれば単独でできる旨が規定されています(民法第824条の2第2項)。
もっとも、何が単独で決定できる「日常の行為」であり、何が合意を要する「重要事項」なのか、考え方の違いからトラブルになるケースが予想されます。
そのため、離婚協議の段階で、あらかじめ「同意が必要な重要事項」を極力具体化し、離婚協議書などに明記しておくことが望ましいです。
これにより、離婚後の「決められないリスク」を回避し、スムーズな子育てが可能になります。
また、同居親が再婚相手と子どもを養子縁組させた場合、別居親は法律上当然に親権を失うことになるため、事前の通知や協議義務を定めておくことをおすすめします。
養育費
養育費(子どもが独立するまでにかかる生活費や教育費)は、「毎月の支払額」「支払期日」「振込口座」「支払期間」を具体的に指定します。
「〇歳になるまで」ではなく、「満20歳に達する日の属する月まで」「〇歳に達した後の最初の3月まで(=高校・大学卒業時を意味)」と書くのが望ましいです。
第◯条(養育費)
1 甲は、乙に対し、長男◯◯の養育費として、令和◯年◯月から長男が満22歳に達した後の最初の3月までの間、月額◯万円の支払義務があることを認め、これを毎月末日限り、乙の指定する下記記載の預金口座に振り込む方法により支払う。振込手数料は、甲の負担とする。ただし、長男が22歳に達した後の最初の3月時点において大学等在学中のときは、長男が大学等を卒業するまで養育費を支払う。
2 当事者双方は、学費、医療費等の特別の費用を必要とする場合は、その負担について別途協議する。
将来の進学費用や病気による医療費など、特別にかかる費用(特別費用)については、「あらかじめ協議して定める」というルールを入れておくと安心です。
親子交流
親子交流(子どもと離れて暮らす親が定期的に会って交流すること)は、具体的な回数や方法を定めます。
詳細を決めすぎると柔軟性を欠く場合があるため、基本的なルールを定めた上で「詳細は子どもの利益を最優先にしてその都度協議する」と記載するのが実務的です。
ただし、当事者間の対立が強い場合は、連絡手段(専用アプリやSMS、電子メールなど)を明確に指定しておくことで、直接のやり取りによるストレスや「言った・言わない」のトラブルを防ぐことができます。
第◯条(親子交流)
乙は、甲に対し、甲が長男と面会交流することを認め、その具体的な時間、場所、方法等については、子の利益を最優先に考慮し、当事者間で協議して定める。
第◯条(連絡手段・専用アプリの利用)
甲及び乙は、親子交流の日時、場所、方法等の具体的な調整については、親子交流サポートアプリ「◯◯◯」を通じて行うものとする。
第◯条(連絡手段・SMSの利用)
甲及び乙は、親子交流に関する連絡及び日程調整について、SMS(ショートメッセージサービス)により行うものとする。
直接のやり取りが精神的な負担になる場合は、親子交流の日程調整のあり方をより詳細に定めることもあります。
最近では、親子交流のアプリを利用することもあり、具体的な日程調整の手段として、条項に盛り込むことも有益です。
財産分与
財産分与(結婚生活の中で夫婦で築いた財産を分けること)では、対象となる財産(預貯金、保険、不動産など)と、その分け方を具体的に記載します。
お互いに隠し財産がないことを前提に、取り決め完了後に「これ以上お互いに金銭を請求しない」という「清算条項(せいさんじょうこう)」も必ず盛り込みましょう。
第◯条(財産分与)
甲は、乙に対し、財産分与として◯万円を、令和◯年◯月末日限り、乙名義の◯銀行◯支店の普通預金口座(口座番号◯◯)に振り込む方法により支払う。振込手数料は甲の負担とする。
不動産
自宅などの不動産を所有している場合、売却して折半するのか、どちらか一方(例えば妻)がそのまま住み続けるのかを明確にします。
名義変更(所有権移転登記)を行う場合は、その登記手続きに協力する旨も明記します。
第◯条(不動産)
甲は、乙に対し、財産分与として、別紙物件目録記載の不動産を分与することとし、甲は、乙に対し、本日付け財産分与を原因とする所有権移転登記手続をする。ただし、登記手続費用は、乙の負担とする。
不動産を分与する際、分与する側(渡す側)に譲渡所得税がかかる場合があります。
これを回避するための「3,000万円特別控除」は親族間の譲渡には適用されないため、必ず離婚成立後(他人になった後)に所有権移転登記を行うようにしてください。
住宅ローン
住宅ローンが残っている自宅を財産分与する場合、金融機関(銀行)の承諾を得ずにすぐ名義変更することは原則としてできません。
そのため、住宅ローンの返済をどちらが続けるのか、完済後の名義変更やリスク対策をどうするのか、それぞれの状況に合わせた条項を作成することが重要です。
ここでは、実務でよく使われる3つのパターンの書き方サンプルをご紹介します。
第◯条(住宅ローン完済後の財産分与・譲渡人が返済)
1 甲は、乙が現在居住する別紙物件目録記載の不動産(以下「本件不動産」という。)に関する株式会社◯◯銀行を貸主、甲を借主とするとする平成◯年◯月◯日付け金銭消費貸借契約(借入金額◯万円)に係る住宅ローンの残金について、これを責任をもって支払う。
2 甲は、乙に対し、前項記載の住宅ローンを完済したときは、その完済の日以降速やかに、財産分与として本件不動産を分与することとし、同建物の所有権移転登記手続は当事者双方が協力して行う。登記手続費用は、乙の負担とする。
第◯条(住宅ローン完済後の財産分与・譲受人が返済)
1 乙は、乙が現在居住する別紙物件目録記載の不動産(以下「本件不動産」という。)に関する株式会社◯◯銀行を貸主、甲を借主とするとする平成◯年◯月◯日付け金銭消費貸借契約(借入金額◯万円)に係る住宅ローンの残金について、甲に代わってその全額を約定どおり返済することを約束する。
2 甲は、乙に対し、乙が前項に基づいて住宅ローンを完済したときは、その完済の日以降速やかに、財産分与として本件不動産を分与することとし、所有権移転登記手続に協力する。登記手続費用は、乙の負担とする。
第◯条(住宅ローン完済条件付き分与及び仮登記)
1 甲は、乙が現在居住する別紙物件目録記載の不動産(以下「本件不動産」という。)に関する株式会社◯◯銀行を貸主、甲を借主とするとする平成◯年◯月◯日付け金銭消費貸借契約(借入金額◯万円)に係る住宅ローンの残金について、これを責任をもって支払う。
2 甲は、乙に対し、本件離婚に伴う財産分与として、別紙物件目録記載の不動産(以下「本件不動産」という。)を分与する。ただし、所有権移転の時期は、株式会社◯◯銀行を貸主、甲を借主とするとする平成◯年◯月◯日付け金銭消費貸借契約(借入金額◯万円)に係る住宅ローンの完済時とする。
3 甲は、乙に対し、本件不動産につき、直ちに前項の財産分与を原因とする条件付所有権移転仮登記(条件:住宅ローン完済)手続をする。仮登記費用は乙の負担とする。
4 甲は、乙に対し、第1項の住宅ローンを完済したときは、直ちに前項の仮登記に基づく本登記手続をする。本登記費用は乙の負担とする。
住宅ローンが残っている不動産を完済後に名義変更するという約束で分与する場合、完済までに10年〜30年といった長い年月がかかることが多くあります。
特にパターン1やパターン2のように完済後の名義変更のみを約束しただけで、仮登記をしていないと、完済までの間に名義人(甲)が離婚協議書違反を行い、勝手に家を売却してしまったり、借金の担保に入れたりする場合、第三者(買主等)に対抗できません。
このような勝手な処分を防ぎ、完済後に確実に名義変更を行うためには、パターン3のようにあらかじめ条件付所有権移転の仮登記(順位保全の仮登記)を登記しておくことが有効です。
但し、登記手続費用がかかりますので、実務上は、仮登記までは行わず、パターン1やパターン2の条項で手当をするに留めるということも多いです。
慰謝料
不倫(不貞行為)やDV(家庭内暴力)など、相手に責任(有責性)があって離婚に至った場合、精神的苦痛に対する賠償金として慰謝料を請求できるため、金額及び支払方法が合意に至った場合は、それを具体的かつ明確に明記します。
支払方法が分割払いの場合は、支払いを怠った際のルールや、支払遅延に対するペナルティも併せて記載します。
第◯条(慰謝料・一括払い)
甲は、乙に対し、離婚に伴う慰謝料として、金◯◯万円の支払義務があることを認め、これを令和◯年◯月末日までに、乙指定の下記預金口座に振り込んで支払う。振込手数料は甲の負担とする。
第◯条(慰謝料・分割払い)
1 甲は、乙に対し、離婚に伴う慰謝料として、金◯◯万円の支払義務があることを認め、これを以下のとおり分割して、乙指定の下記預金口座に振り込んで支払う。振込手数料は甲の負担とする。
(1) 令和◯年◯月末日限り 金◯万円
(2) 令和◯年◯月から令和◯年◯月まで毎月末日限り 各金◯万円
2 甲が前項の支払を2回以上怠り、その額が合計◯万円に達したときは、当然に期限の利益を失い、乙に対し、第1項の慰謝料総額から既払金を控除した残額及びこれに対する期限の利益を失った日の翌日から支払済みまで年◯パーセントの割合による遅延損害金を直ちに支払う。
慰謝料を分割払いにする場合、合意当初は支払われていても途中で滞ってしまうリスクが高くなります。
そのため、「支払いを2回以上怠り、その額が合計◯万円(2か月分相当など)に達したときは、分割払いの権利を失い、残額を一括で支払わなければならない」という期限の利益喪失条項を入れておくことが重要です。
また、期日を過ぎた場合に年◯パーセント(民法上の法定利率)などの遅延損害金が発生する旨を明記しておくことで、相手に「期日通り支払わなければ損をする」という心理的プレッシャーを与えることができます。
分割支払いが長期間に及ぶ場合や不払いが心配な場合は、支払いが滞った際に直ちに預貯金や給与を差し押さえられる強制執行認諾条項(きょうせいしっこうにんだくじょうこう)付きの公正証書にしておくのも有効です。
年金分割
年金分割(結婚期間中の厚生年金の払込み記録を分け合う制度)を取り決める場合は、分割の割合を明記します。
裁判実務上は、ほぼ例外なく、0.5の割合となるため、0.5として記載するのが通例です。
第◯条(年金分割)
甲及び乙は、厚生年金保険法第78条の2の規定に基づき、対象期間に係る標準報酬の改定の請求をすること及びその按分割合を0.5とすることに合意する。
離婚協議書の効力
離婚協議書には、夫婦を拘束する法的な効力があります。
財産分与、養育費、慰謝料などについて合意し、適切に作成されていれば、当事者双方はその内容に従う義務を負います。
離婚協議書を作成する際に重要なのは、合意内容を明確かつ法的に有効な形で定めることです。
なんとか相手との合意内容がまとまったとしても、法的に有効な内容の協議書を作成していなければ、後々トラブルになる可能性があります。
例えば、権利者側(請求する側)では、「養育費として、月額10万円をもらえると思っていたのに、協議書の内容に不備があったため支払い義務が発生しない」といったケースもあります。
一方、義務者側(請求される側)では「慰謝料として100万円を支払う約束をしたが、協議書に不備があったため後から追加で金銭を請求される」といったケースもあります。
このようなトラブルを防ぐためにも、離婚協議書の作成は、事前に弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
離婚協議書は手書きでもいい?
協議書の作成は、上記のとおり、法的に有効な内容の書面を作成することがポイントとなります。
この点に関して、「手書きの書面は法律上認められますか?」というご相談を受けることがあります。
法律上、「手書きだから効力が発生しない」ということはありません。
しかし、手書きの場合、改ざんしやすい鉛筆等ではなく、ボールペンなどの消せないものを使うべきです。
なお、協議書の署名については、自筆がお勧めです。
記名(ワープロで印字されたもの)の場合、印鑑は認めではなく、実印を使う方がトラブル防止につながります。
離婚協議書は公正証書にするべき?
養育費や分割払いの慰謝料など、離婚後に継続的な金銭支払いが発生する場合は、離婚協議書を公正証書(こうせいしょうしょ)にしておくことを推奨いたします。
公正証書とは、法律家である公証人が作成する公的な文書のことです。
強制執行認諾条項(きょうせいしっこうにんだくじょうこう:支払いが滞ったら財産を差し押さえられても異議はないという約束)を入れて公正証書を作成しておけば、相手が支払いを滞らせた場合に、裁判を起こすことなく直ちに給料や預貯金を差し押さえることができます。
離婚協議書についてよくあるQ&A
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離婚協議書は自分で作れる?
しかし、自分だけで作成すると、法的効力のない曖昧な文章になってしまったり、自分にとって不利な条件が含まれてしまったりするリスクがあります。
自分一人で作成するのが不安な場合や、取り決め内容が複雑な場合は、作成前に離婚問題に精通した弁護士にチェックしてもらうと安心です。
一般的に、弁護士の相談時間内でのチェックは簡易的なものであり限界があるため、離婚協議書の作成のプランで弁護士と契約することもご検討されるのが良いでしょう。
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離婚協議中にやってはいけないことは?
事案によっては、やむを得ず行うという場合もありますが、事前に弁護士に相談して意見を聞いて、デメリットも考慮したうえで行うことを推奨いたします。
- 相手に無断で子どもを連れて家を出る
- 相手の同意なく共有財産(預貯金や車など)を勝手に処分、隠匿する
- 感情的になって暴言を吐いたり、DV、ストーカー行為をしたりする
- 不利な条件が書かれた書面に焦って署名、捺印してしまう
これらの行為を行うと、のちの離婚交渉や調停・裁判で著しく不利な立場に追い込まれるおそれがあります。
話し合いが難航している場合は、当事者同士で解決しようとせず、弁護士へ相談されることをおすすめします。
まとめ
以上、離婚協議書のサンプル、協議書の効力等について、詳しく解説しましたがいかがだったでしょうか。
一口に離婚と言っても、夫婦がおかれた状況は千差万別です。
それぞれの具体的な状況に応じた適切な離婚協議書・公正証書を作成することが重要です。
また、トラブルを防止するために、法的に有効な内容の協議書を作成する必要があります。
そのため、一人で抱え込まずに専門家に相談されることをお勧めいたします。
離婚書式・資料集
なぜ離婚問題は弁護士に相談すべき?弁護士選びが重要な理由とは?













