【必見】親権の獲得方法|決定基準と親権に強い弁護士の探し方

親権獲得について、裁判所が親権を決める際、最も重視するのは「これまで誰が主に子どもの世話をしてきたか(監護の継続性)」であり、弁護士を立てることで、感情論ではなく法的根拠に基づいた有利な交渉が可能になるということです。
親権問題に強い弁護士へ相談し、これまでの監護実績(子育ての実績)を正確に主張することが、親権獲得への最短ルートです。
本記事では、親権に強い弁護士が、親権者の決定基準(母親・父親が親権を取れる確率、共同親権など)や、親権獲得を有利に進める4つの対策、失敗しない弁護士の選び方まで徹底解説します。
親権とは
親権の定義
親権とは、親が子ども(未成年の子)を育て養育するための権利や義務の総称です。
親権は、大別すると以下の2つがあります。
- ① 子の身上に関する権利義務(これを「身上監護(しんじょうかんご)権」といいます。)
- ② 子の財産についての権利義務(これを「財産管理権」といいます。)
離婚の場面において、親権の取得について悩んでいる方は、親権について「子どもと一緒に生活できる権利」というイメージを持たれることが多いでしょう。
これは上記のうちの身上監護権のことです。
確かに、監護権は、大切な子どもとともに生活できる権利ですので重要といえますが、親権の正確な意味としてはこれを含む上記の内容の総称となります。
共同親権とは
法律の改正により、離婚後も父母の双方に親権を認める「共同親権」の制度が導入されました。
これまでは離婚後は必ずどちらか一方を親権者とする「単独親権」のみでしたが、今後は話し合いや裁判所の判断によって「共同親権」を選択することも可能になります。
争いがある場合には、家庭裁判所が判断することになりますが、例えばDVや虐待がある場合などは単独親権とされるなど、お子さんの利益を最優先に判断されます。
身上監護権については、民法第820条から823条に定めがある
身上監護権とは、子どもの身体的なお世話や教育を行う権利と義務のことです。
民法では、以下のように規定されています。
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 監護及び教育の権利義務(820条) | 子の監護(世話)と教育をする権利と義務 |
| 子の人格の尊重等(821条) | 子の人格の尊重と体罰等の禁止 |
| 居所の指定(822条) | 子の生活場所を指定できる |
| 職業の許可(823条) | 子が職業に就くことを許可・取消・制限できる |
参考:民法|e-Gov法令検索
財産管理権については、民法第824条に定めがある
財産管理権とは、子どもの名義になっている預貯金や不動産などの財産を管理し、代理で契約などを行う権利と義務です。
参考:民法|電子政府の窓口
離婚の場面において、親権の取得について悩んでいる方は、親権について「子どもと一緒に生活できる権利」というイメージだと思いますが、これは上記のうちの身上監護権のことです。
確かに、監護権は、愛する子どもとともに生活できる権利ですので重要といえますが、親権の正確な意味としてはこれを含む上記の内容の総称となります。
親権と監護権の違い
よく「親権と監護権の違いはなんですか?」というご質問を受けます。
監護権は親権の一部というのが答えになります。
親権のうち、財産管理権と監護権に優劣はありません。
もっとも、多くの方は、「子供と一緒に生活できること」に喜びを感じているため、これを前提とするのであれば、大切なのは監護権といえます。
従前は、稀ではありますが、親権と監護権を分離して、監護権のみを取得し、親権(この場合の親権は財産管理権が中心)は相手に譲るというケースもありました。
しかし、共同親権が認められるようになり、そのようなケースは、今後は、共同親権が活用されるようになるでしょう。
【判断基準】裁判所が親権を決める条件と獲得の確率
考慮される事情とは
父母双方が親権を譲らない場合、最終的には裁判で争うことになります。
親権は、以下の父母側・子側の考慮すべき具体的事情をもとに決められます。
| 区分 | 考慮される事情 |
|---|---|
| 父母の側の事情 | 監護に対する意欲と能力、健康状態、経済的・精神的環境、居住・教育環境、子に対する愛情の程度、親族等の援助の可能性など |
| 子の側の事情 | 年齢、性別、兄弟姉妹関係、心身の発育状況、従来の環境への適応状況、子自身の意向など |
親権者決定で重視される5つの原則
①継続性
現実に形成された親子の心理的な結びつきを重視し、これまで主として子どもを育ててきた親を優先する考え方です。
筆者の個人的な経験でも、この原則(監護の継続性)は非常に重視されていると感じています。
裁判所は、親権について争いがある場合、これまで主として子どもの養育を行ってきた方を優先する傾向にあります。
②母性優先と現在の実務傾向
乳幼児期には母親の愛情やケアが不可欠であるとして、母親を優先する考え方です。
しかし、現在ではこの原則は重視されなくなってきています。
現代社会では父母の役割が多様化しており、父親であっても育児に積極的な場合が見られるようになっています。
重要とされるニーズを満たす者は生物学的な女性に限られないため、①の「監護の継続性の原則」を踏まえて判断されるのが実務の傾向です。
③子の意思(主として15歳以上)
子どもが一定の年齢に達している場合、本人の希望が尊重されます。
特に、子どもが15歳以上の場合、裁判所は必ずその子の意見(陳述)を聴かなければならないと法律で定められています(人事訴訟法32条4項、家事事件手続法152条2項)。
また、15歳未満であっても、小学校高学年以上になれば、その意思が判断材料として考慮される傾向にあります。
実務上の経験として、小学校高学年にも至らない子どもの場合、同居している親の影響を受けやすいため、発言だけがそのまま決め手になるわけではありません。
また、裁判所の調査官による調査が行われても、「双方とも大好きで選べない」というお子さんが多いため、子の意思だけで親権が決まるケースは限られます。
④きょうだい不分離
兄弟姉妹は分離せず、同じ親のもとで育てることが望ましいという考え方です。
親の離婚によって環境が変わる子どもにとって、きょうだいまで離ればなれになるダメージを避けるためです。
ただし、子どもの年齢や意志によっては分離が認められるケースもあります。
⑤経済的能力
子どもを養育するための経済的な基盤があるかも考慮されます。
ただし、自身に十分な収入がなくても、相手から養育費の支払いを受けられるため、経済力だけで直ちに親権を失うことはありません。
親権獲得を有利に進めるために行うべき4つの対策
親権は、子どもの将来を左右するほどの大切な権利です。
以下では、親権を勝ち取るための重要なポイントについて解説いたします。
ポイント①子どもと離れて生活してはいけない
前記のとおり、親権者の判断において、監護の継続性は極めて重要な要素です。
そのため、どんなに夫婦間の関係が悪化していたとしても、親権を取得したいのであれば、子どもと一緒に生活を続けることがポイントとなります。
よく見受けられる失敗として、「一時的なつもりで別居する」ケースです。
本人は一時的なつもりであっても、その間に相手が子どもを連れて別居した場合、相手が単独で子どもを監護している実績が形成されてしまいます。
この場合、「相手が子どもを連れ去った」と主張しても、違法性が認められない可能性があります。
また、こちら側が別居していないケースにおいて、相手が子どもを連れ去った場合、親権の取得を希望したいのであれば、それを黙認してはいけません。
このような場合、相手に対して、子どもの引き渡しを求める必要があります。
「子の監護者指定・子の引き渡しの審判」を申し立てることを検討しなければなりません。
ポイント②なるべく協議で解決する
親権を争った場合、前記の判断基準に照らして親権を取得するのが困難な場合、調停や裁判等で親権を争ったとしても、勝てる可能性は低いです。
このような場合、裁判所の手続きを活用するのは得策ではありません。
当事者同士の協議での解決に全力を尽くすべきでしょう。
もっとも、交渉した場合に、相手も簡単には親権を譲ってくれないでしょう。
このような場合、相手が安心できるような条件を提示することで、協議がまとまる可能性があります。
具体的には、充実した面会交流の条件を提示することです。
相手が親権を取得したいと考える背景には「子どもと会えなくなるのではないか」という漠然とした不安感があります。
この不安感を払拭するために、例えば、「いつでも子どもと自由に会っても良い」などの条件を提示できれば、一緒に生活しているのとそれほど変わらないと考え、親権を譲ってくれるかもしれません。
ポイント③監護補助者の協力を得る
監護体制を考慮する上で、監護補助者の有無は、大きなウエイトを占めると考えられています。
特に、親権を希望する側が有職の場合、その就業中の現実の監護の態勢が整っていなければ、裁判所は子を十分に監護できないと判断する可能性があります。
監護補助者としては、父母(子どもからすると祖父母)が典型的です。
しかし、父母が死別していたり、体が弱かったり、近所に住んでいなかったりすると監護補助者となることはできません。
その場合、兄弟や親戚、親しい友人なども監護補助者となる例もあります。
適当な監護補助者の候補者がいれば、親権を主張する中で、これらの監護補助者の協力が得られることをアピールするとよいでしょう。
もっとも、親権の判断において、最も重要なのは親権を主張する者の監護適格性です。
監護補助者の監護は「親」の監護には劣後すると考えられています。
したがって、あくまで「補助者」であり、自らが積極的に監護を行っていくことが重要であることに注意しなければなりません。
ポイント④面会交流に積極的になる
前記のとおり、面会交流についての許容性は、親権者としての適格性を判断する上で、重要な要素となります。
また、離婚しても、子どもにとっては、ふたりとも「親」であることに変わりはありません。
したがって、親権を取得した場合、基本的には相手との面会交流を認めるべきです。
また、充実した面会交流を実現させるために、面会交流のルールを守り、協力体制を築けることが理想です。
親権決定までの手続きの流れ
親権についての話し合いや指定の手続きは、以下の流れで進みます。
①離婚協議
まずは夫婦同士で親権について話し合います。
合意できた場合は、トラブル防止のために「離婚協議書」や「公正証書」を作成しましょう。
②離婚調停と家庭裁判所調査官の調査
協議での解決が難しい場合や、DV等で直接の接触が困難な場合は、家庭裁判所に「離婚調停(夫婦関係調整調停)」を申し立てます。
親権争いが激しい場合、専門職である「家裁調査官」が関与し、子どもの意向調査や監護状況の調査を行います。
調査官が作成する「調査報告書」は裁判官の判断に極めて強い影響を与えるため、調査結果次第では調停段階での合意に方針転換する判断も必要となります。
③離婚訴訟(裁判での判決)
調停でも合意に至らない場合、家庭裁判所に離婚訴訟を起こします。
訴訟では、裁判官が最終的な判決(親権者の指定)を下します。なお、訴訟を起こす前には原則として調停を経る必要があります(調停前置主義)。
親権獲得が難しい場合の3つの対処法
上記の親権についての判断基準を検討し、もし、親権を取得することが難しい場合は以下の対処法が考えられます。
①自分が主たる監護者となる
形勢を逆転するために、自分が主たる監護者となるという方法があります。
しかし、これには仕事を辞めるなどの思い切った行動が必要です。
また、主たる監護者であったか否かは子どもの生育歴を全体的に見て評価されますので、長期間を要します。
したがって、自宅で仕事をしている自営業者の方などでない場合は難しいと考えられます。
②相手だけに別居してもらう
相手が子供をおいて自宅を出た場合、今後の親権争いにおいて有利な事情となります。
もっとも、相手の意志に反して追い出すような行為は不当であり、むしろ不利になるため、やめるべきです。
③面会交流を充実させる
上記のような方法で形勢逆転が難しい場合、次善の策として、面会交流を充実させることを検討するとよいでしょう。
この場合、相手に対して「親権を譲る」ことを交換条件とすることで、通常よりも面会交流の時間や頻度が多くなる可能性があります。
また、状況しだいでは、宿泊付きの面会交流の可能性もあります。
親権争いを依頼した場合の弁護士費用の相場
親権争いを弁護士に依頼する場合、一般的な弁護士費用の相場は以下のとおりです。
| 手続きの種類 | 着手金(相場) | 報酬金(相場) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 離婚協議 | 20万〜40万円 | 20万〜40万円 | 親権獲得による追加報酬が発生する場合あり |
| 離婚調停 | 30万〜70万円 | 20万〜40万円 | 協議から移行時は差額のみの場合あり |
| 離婚訴訟 | 30万〜70万円 | 20万〜40万円 | 調停から移行時は差額のみの場合あり |
| 監護者指定・引き渡し審判 | 60万円〜 | 30万円〜 | 親権問題に先立ち、監護権者を決めるための手続 |
※上記費用はあくまで一般的な目安です。事案の難易度や各法律事務所によって異なりますので、ご相談時に見積もりを確認されてください。
親権に強い弁護士を探す3つのポイント
ご自身にあった良い弁護士を見つけるには、以下の方法を参考にされてください。
①離婚問題を専門としていること
弁護士と一口に言っても、その得意分野は様々です。
また、日本の弁護士は、そもそも「専門分野がない」方が多いと考えられます。
離婚問題を専門とする弁護士と、それ以外の弁護士とでは、親権の解決実績が全く異なります。
また、「離婚を専門とする」ということは、親権などの解決に生きがいをもって取り組んでいるからと考えられます。
このような弁護士の想いは、事件の解決に大きな影響を与えます。
したがって、まずは離婚専門の弁護士であることが重要です。
専門性の有無については、インターネットで検索する方法をお勧めします。
離婚を専門としているか否かは、その弁護士のホームページを見ればわかるからです。
もっとも、「専門家もどき」には注意されてください。

②スタンスに共感できること
大切な案件を依頼される以上、その弁護士との相性も重要となります。
離婚に注力した弁護士のホームページであれば、その弁護士の離婚問題に関するスタンスや強みもわかると思いますので、参考にされてください。
③実際に法律相談を受けて見ること
良い弁護士かどうかを見極める一番簡単な方法は、実際に法律相談を受けて見ることです。
離婚を専門とし、かつ、正しいスタンスをもつ弁護士の法律相談は、他の弁護士と明らかに違うと感じるでしょう。
単に質問に答えるだけか、それとも相談者が望む結果を得るための何らかの戦略を提示してくれるか、などが一例です。
複数の法律相談を受けてみて、一番信頼できると思う弁護士にご依頼されるとよいでしょう。
まとめ
以上、親権について、くわしく解説しましたがいかがだったでしょうか。
親権は子供の一生に計り知れない影響を与える重要な問題です。
したがって、裁判所の判断基準を押さえて、今後の見通しを立てることがポイントとなります。
もっとも、親権獲得の可能性や最適な対応方法については、離婚専門の弁護士でなければ判断が難しいです。
そのため、親権については、離婚問題の専門家に相談されることをお勧めします。
この記事が親権でお悩みの方にとってお役に立てれば幸いです。
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