【必読】離婚したいと思ったら考えるべきことを離婚に強い弁護士が徹底解説

  
弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

縁あって結婚し夫婦となっても、もとはといえば全く違う環境で育った他人同士。

結婚生活を営む中で、お互いの考え方や価値観、生活習慣の違いから衝突することはよくあること。

けれども、そんなことが続けば、結婚生活への不満が募っていきます。

その結果、「離婚」の二文字が頭をよぎるようになることも、決して珍しいことではありません。

しかし、離婚するには、結婚するときの数倍の労力を必要とする、とよく言われます。

実際に離婚をするには、どのようなことが必要となるのでしょう?

今回は、離婚したいと思ったときに考えるべきことなどについて、解説していきます。

 

 

目次

離婚理由のよくある例

離婚の理由は色々ありますが、代表的なものとしては、以下のようなものがあります。

性格の不一致

離婚を希望する理由で最も多いのが、実は、性格の不一致です。

一緒に生活していると、片付けの仕方、食事の食べ方、休日の過ごし方、おしゃべりの話題、言葉遣い、子供への関わり方・・・など生活のあらゆる面で、相手との違いに直面します。

結婚生活を円満に続けていくためには、お互いにこうした違いに折り合いをつけていかなければなりません。

しかし、何事にも限度があります。

違いが大きすぎる、相手の方が非常識・思いやりがないと思う、違いを指摘すると相手がすぐに感情的になる、自分ばかりが折れて相手の方は折れてくれない・・・といったことが続くと、折り合いをつけることが難しくなり、「性格の不一致」により離婚したいと思うようになってきます。

 

モラハラなど精神的虐待

相手に一方的に暴言を吐く、相手のことを無視するといったモラハラ(モラルハラスメント)などの精神的虐待も、離婚したくなる理由として多くあげられます。

こうした精神的虐待により、心療内科に通わなければならなくなるような方もいらっしゃいます。

精神的虐待は、当事務所で行ったアンケート調査でも、男女ともに離婚を望む理由の2位に入っており、多数を占めていることがわかります。

 

DV

家庭内暴力(ドメスティックバイオレンス=DV)も、数多く挙げられる離婚理由の一つです。

本来安心して過ごせるはずの家庭の中で、身の安全も保障されないとなれば、離婚したくなって当然でしょう。

診断書などを確実に確保し、必要であればシェルターなどの緊急避難先を確保しながら、別居・離婚に向けて準備することとなります。

 

金銭面

相手方が生活費を渡さない、過度の浪費をする、といった経済的な面でのすれ違いも、離婚の原因となっています。

お金は生活にとって欠かせないもの。

そのお金についての不調和も、婚姻生活を脅かす原因となります。

 

相手の浮気

パートナーが浮気(不貞行為)をしたことも、離婚原因の代表例です。

不貞行為があれば、それだけで法律上の離婚原因になります(民法770条1項一号)。

引用元:民法|e−GOV法令検索

そのため、相手方が離婚を拒んでも、裁判所で不貞行為の存在が認められれば、裁判によって離婚を成立させることができますし、慰謝料を請求することもできます。

相手方が不貞行為に及んでいると思われる場合、後の交渉や裁判を有利に進めるため、証拠をしっかりと確保するようにしましょう。

根拠条文
民法
(裁判上の離婚)
第770条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
(引用:民法|電子政府の窓口)

引用元:民法|電子政府の窓口

 

自分の浮気

自分自身の浮気から、離婚を考えることもあります。

「他に好きな人ができたから離婚してほしい」ということです。

この場合、自分の方に婚姻関係を破綻させた原因があるので、離婚交渉は難しくなります。

 

 

離婚したいけどどうすればいい?離婚の進め方

今すぐ離婚したい場合

協議離婚だと早く離婚できるけれど、離婚後の準備をしないままに離婚届を出してはいけない。ただし、DVなどがあるときは、早急に別居・離婚などをして距離を取る必要がある場合もあるので、一度弁護士に相談を。

「離婚したい!」と思う方の中には、

  • 「相手の顔を見るのもストレス」
  • 「同じ空気を吸いたくない」
  • 「一緒にいると子供に悪影響だから、一刻も早く引き離したい」

など、今すぐに離婚したいという方もおられるでしょう。

最も早く離婚を成立させられるのは、当事者同士の話し合いで離婚することに合意し、離婚届を作成・提出する協議離婚の方法です。

しかし、協議離婚ができるからといって、離婚後のことについて何の準備もしないまま離婚を成立させてはいけません。

後半で詳しく解説しますが、離婚後は大きく生活が変わるため、特に金銭的な面での計画・準備が必要です。

また、協議離婚をしたい場合でも、話の進め方を間違えると、感情的にこじれ、相手方が離婚に応じなくなることもあります。

そうすると、不利な条件での離婚に応じざるを得なくなったり、調停や訴訟といった裁判手続に進まざるを得なくなり、場合によっては当面離婚は不可能ということになる可能性もあります。

離婚の話し合いは、感情的にならず、相手を追い詰めすぎないようにするなど、慎重に進めましょう。

ただ、DVや精神的虐待がある場合には、被害に遭われている方の生命身体を守るためにも、なるべく早く別居・離婚することが望ましいこともあります。

このような場合、一度、離婚専門の弁護士に相談しましょう。

臨時で住むことができる場所(シェルターなど)、持ち出すべきもの、加害者を接触させないための手続、婚姻費用の請求、子どものことなどについて、アドバイスを受けることができるでしょう。

当事務所でも、別居に際してのサポートを行っております。

詳しくは、以下のページをご覧ください。

合わせて読みたい
別居を弁護士がサポート

 

協議離婚では難しそうな場合

離婚調停

相手方が離婚に同意してくれず、協議離婚をすることが難しそうな場合、裁判所での手続により離婚をすることになります。

裁判所での手続を利用する場合、まずは、家庭裁判所に調停を申し立てる必要があります(調停前置主義といいます。)。

調停を申し立てると、家庭裁判所の調停委員(場合によっては家庭裁判所調査官や裁判官も)が間に入って、夫婦間で、離婚するか否か、離婚する場合はその条件はどうするかについて、合意できるよう、話し合いをすることになります。

 

離婚裁判

調停でも合意がまとまらなかった場合、離婚裁判を起こすことになります。

離婚裁判では、法律上認められている要件(これを離婚原因といいます。)がないと離婚が認められませんので、注意が必要です。

裁判となると、手続を進めるに際して専門的な知識が必要となりますので、一度弁護士に相談することをお勧めします。

また、裁判で自分の主張を認めてもらうには、証拠が必要です。

裁判になった場合のことも考え、離婚を切り出すまでに、相手方の不貞行為やDV又は結婚生活が破綻していることの証拠をできるだけそろえておきましょう。

 

 

パートナーに離婚したいと切り出す前に

離婚を切り出すと、相手方も意固地になり、その後の修復がより困難になったり、離婚をスムーズに進められないよう妨害してきたりすることが考えられます。

そのため、離婚を切り出す前に、不貞行為やDV、精神的虐待の証拠(写真や録音、メール、日記、診断書など)や、財産分与に関連する資料(通帳、保険証書のコピー、証券口座の情報など)を集めておくことが大切です。

また、離婚前に別居することとなった場合や子供がいる場合、妻から夫に婚姻費用や養育費を請求できるケースが多いと思われます。

その請求の際には、相手方の収入に関する資料(給与所得者は源泉徴収票等、自営業者等は確定申告書等)を集めることが重要ですので、これも、離婚を切り出す前に確保しておきましょう。

経済的に弱い立場にある方の場合、離婚後の生活設計を立てておくことも大事です。

離婚を切り出した後は、元の関係に戻れなくなることもあり得ますから、離婚の話をする前に、経済的な問題についてよく考えておきましょう。

詳しくは、後の離婚したい場合に生活設計として考えるべきことをご参照ください。

 

 

離婚をする前にしてはいけないこと

離婚する前にしてはいけないことがいくつかあります。

例を挙げると、以下のようなことがあります。

1. 適切な条件を調べずに離婚する

離婚においては親権、養育費、財産分与、慰謝料、年金分割などの適切な条件を検討すべきです。

これらの諸条件を調べずに、焦って離婚届けを提出したり、離婚協議書・公正証書等にサインをすると、後から取り消しができず、取り返しのつかないことになるおそれがあります。

離婚する前に、できるだけ離婚専門の弁護士に相談するようにしましょう。

 

2. 証拠を集めずに行動する

例えば、不倫の事案では、不貞行為の証拠がない状況で、相手に不倫を問い詰めると、後から慰謝料を請求できなくなるおそれがあります。

仮に裁判なった場合、立証責任は被害者(不倫をされた側)になるので、相手が不倫を認めない場合、慰謝料が認めてもらえないだけでなく、離婚判決も棄却される可能性があります。

不倫だけでなく、様々な面で証拠は重要となるため、行動する前に、離婚専門の弁護士にご相談されることを強くお勧めいたします。

 

3. 不利な状況で別居する

離婚では、正式に離婚が成立する前に、別居を先にされる方がとても多いです。

しかし、よく考えずに別居すると、後から不利な立場になってしまうことがあります。

例えば、親権の取得を希望する場合に、子供をおいて自分だけ別居すると、親権で争ったときに負けてしまうかもしれません。

状況しだいではありますが、別居の前に、離婚専門の弁護士に相談し、不利になることがないかを確認されることをお勧めいたします。

上記の他に、離婚する前にしてはならないことについてはこちらをご覧ください。

 

 

離婚したい場合に生活設計として考えるべきこと

金銭面の問題
  • 予測家計表の作成
  • 財産分与、慰謝料、養育費
子供がいる場合
  • 親権者を決める
  • 養育費
  • 公的扶助
  • 面会交流
  • 転校、転園
  • 戸籍
離婚後に住む場所

 

専業主婦の場合
  • 仕事探し
妊娠中の場合
  • 戸籍

 

お金がないなど金銭面

離婚後の生活で一番大きな問題となるのは、多くの場合お金の問題です。

特に、現在収入が少なく経済的に相手方に頼っている場合、離婚後は相手方からの経済的支援は大幅に減る(子供がない場合には、なくなる)ことがほとんどなので、離婚前にしっかりと計画を立てることが必要です。

 

予測家計表を作る

離婚後の生活設計を考える際には、離婚後の収入と支出を想定し、予測家計表を作成してみるとよいです。

予測家計表を作ってみると、生活費が足りるか足りないか、足りない場合はいくら足りないか、といったことが具体的にわかります。

そうすれば、

  • どの支出なら減らすことができるか
  • 仕事からの収入をどれだけ増やす必要があるか
  • 公的扶助を受けるか
  • 慰謝料や財産分与をどれだけ確保する必要があるか

などといったことが明確になり、対策が立てやすくなります。

なお、当事務所では予測家計表のサンプル・書式をホームページ上に公開しており、無料で閲覧・ダウンロードが可能です。

 

財産分与、慰謝料、養育費について考える

離婚後の生活を安定したものとするためにも、財産分与でしっかりと財産を確保することが大切です。

結婚後に夫婦で築いた財産は、原則として、双方で均等に分けることになります。

これは、妻が専業主婦であったとしても変わりありません。

夫婦の財産を全部洗い出して、ご自分の分を確保するようにしてください。

慰謝料も、数十万円から数百万円と多額になりますので、離婚後の生活のために大切です。

慰謝料が得られそうな事情(不貞行為、DV、精神的虐待など)があれば、しっかりと証拠を集め、慰謝料を勝ち取れるようにしましょう。

養育費も、離婚後の生活を支える重要なお金です。

子どもを養育している親が、他方の親から養育費をもらうのは、当然の権利です。

子どもの生活にもかかわることなので、養育費の金額、支払方法、多額の医療費や学費が発生した場合の分担についても、しっかり考えておきましょう。

財産分与、慰謝料、養育費について合意した内容は、離婚協議書にまとめましょう。

特に、養育費の支払について定める場合、強制執行認諾文言付き公正証書にしておくと、後々相手方が金銭を支払ってくれなくなった場合に強制執行がしやすくなります。

 

子どもがいる場合

親権者を決める

子どもがいる場合、離婚届を提出する際に、親権者を決めなければなりません。

今後子どもがどちらの親と暮らすのが幸せかを考えて、決める必要があります。

自分が親権を得たいと考えている場合、子どもを手放さないことがとても重要です。

調停、訴訟などに進んで家庭裁判所が親権者を決める場合、これまで子どもを世話してきた状況(監護状況)が考慮されますので、離れて暮らしてしまうと、親権を取ることが難しくなる場合があります。

別居するときは、相手方と話し合った上で子どもを連れて行き、逆に相手方が家を出る場合は、子どもを連れて行かせないようにしましょう。

 

養育費

子供がいる場合、子どもを育てるためのお金が必要となり、金銭的な問題はさらに切実なものとなります。

そのため、離婚した相手方から支払われる養育費は、生活を支える重要なものとなります。

裁判所が公開している「養育費・婚姻費用算定表」を参考に、月々いくらの養育費を得られそうか確認しましょう

 

公的扶助

離婚してひとり親になった場合、いくつかの公的扶助を受けられる可能性があります。

 

1.  児童扶養手当(母子手当)

児童扶養手当は、離婚後の母子家庭の生活を支える手当です。

子どもが18歳に到達して最初の3月31日(年度末)まで(子どもが特別児童扶養手当を受給できる程度の障害にある場合、20歳に到達するまで)の間、受給可能です。

離婚が成立していなくても、相手方配偶者から引き続き1年以上遺棄されている場合は、受給することができます。

法改正で、裁判所からのDV保護命令が出た場合も受給できるようになりました。

児童扶養手当の額は、自治体により異なりますので、離婚後住む予定の自治体の制度を確認してください。

参考:福岡市|児童扶養手当

 

2. 児童手当

児童手当は、離婚の有無に関係なく、中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している方に支給されます。

子どもの数、年齢により、月1万円から1万5000円が支給されます(ただし、所得制限があります。)。

 

3. 特別児童扶養手当

特別児童扶養手当は、身体や精神に障害のある20歳未満の児童について、支給されます。

児童扶養手当とは別の目的で支給されるものですので、同時に受給することが可能です。

支給額は、月52,400円(1級)又は34,900円(2級)です(所得制限があります。)。

参考:特別児童扶養手当について|厚生労働省

 

4. 就学援助

就学援助とは、経済的理由によって、就学困難と認められる児童等に対して、市町村が学用品費、給食費、通学費などを援助する制度です。

自治体ごとに条件や内容が異なりますので、詳しくは、住む予定の自治体にお問い合わせください。

 

5. 母子父子寡婦福祉資金貸付金制度

母子父子寡婦福祉資金とは、母子家庭等の経済的自立と、その扶養する20歳未満の子供の福祉の増進を図るため、原則無利子で、各種資金の貸付を受けられる制度です。

借り入れの条件等について、くわしくは最寄りの役場へお問い合わせください。

そのほかにも、税の減免、医療費助成などがあります。

更に、それぞれの市町村で独自のひとり親への支援制度を作っている場合もありますから、一度窓口に行って相談されるとよいと思います。

具体的な金額等の詳細は、以下のページをご覧ください。

 

面会交流

両親が離婚した後でも、子どもには、離れて暮らす親と面会し、交流する権利があります。

子どもにとってマイナスになる場合(子供に暴力をふるう、連れ去りのおそれがあるなど)でなければ、原則として面会交流を拒むことはできません。

頻度、連絡方法、場所、ルール(プレゼントについて、祖父母との面会など)などについて、できるだけ具体的に離婚前に話し合っておくと、離婚後もスムーズに面会交流が実施できるでしょう。

子どもが成長してくると面会交流のあり方も変わってくるので、そうした場合の話し合いの方法も決められるとよいでしょう。

子どもと相手方だけで会わせるのが不安であったり、相手方と面会交流のことで直接連絡したり顔を合わせたりすることに抵抗がある場合もあるでしょう。

そうした場合に、面会交流に立ち会ったり、連絡調整の支援をしてくれる団体もありますので、必要であれば調べてみてください。

参考:法務省|面会交流支援団体について

 

転校、転園など

離婚に伴って転居する場合、子どもの転校・転園の手続が必要です。

未就学児については、保育園・幼稚園を探す必要があります。

ひとり親家庭であれば保育園へ入園しやすい場合がありますが、地域や時期によっては、待機児童が多く、すぐに入園できない場合もあります。事前に確認しましょう。

また、就職していないと入園できない場合もありますので、専業主婦の方は、就職の準備も進めましょう。

小学生であれば、長期休みや放課後の預け先が必要な場合もあります。

ご近所の方や実家の両親が頼れると頼もしいですが、そうはいかない場合もあります。

学童保育所やファミリーサポートなどの有無を、事前に調べておきましょう。

 

戸籍

離婚後の戸籍をどうするかについては、以下の3つの選択肢があります。

 

1. 婚姻前の姓に戻り、自分を戸籍筆頭者とした戸籍を新しく作る。

離婚届を提出する時に、離婚届の「婚姻前の氏にもどる者の本籍」欄で、「新しい戸籍をつくる」をチェックし、新戸籍地を記載すれば、新しい戸籍を作ることができます。

しかし、子どもは、そのままでは、新しい戸籍に移ってはくれません。

新戸籍ができたら、家庭裁判所に子の氏の変更許可の申立てをします。

そして、許可の審判を得て、市町村役場で子供の入籍手続をすると、子どもが自分の戸籍に入ります。

この手続は親権者でなければできませんので、ご注意ください。

 

2. 婚姻中の姓を継続して使用し、自分を戸籍筆頭者とした新しい戸籍を作る。

婚姻中の姓を継続使用したい場合は、離婚後3か月以内に、本籍地の市町村役場に「氏の継続使用届」を出す必要があります。

この届出をし忘れると、居住地の家庭裁判所に氏の変更許可の申立てをすることが必要になります。

ただし、許可が得られない場合もあるので、注意が必要です。

名乗っている姓は結婚時と変わらなくても、戸籍自体は、1と同様に、配偶者とは別れた新戸籍となります。

そのため、子どもを新戸籍に移すには、1と同じく、子の氏の変更許可の申立て、入籍手続が必要です。

 

3. 婚姻前の戸籍と姓に戻る。

結婚前の状態に戻り、両親の戸籍に戻ることになります。

この戸籍には、自分の子供(両親からみると孫)は入ることができません。

自分と子供を同じ戸籍に入れたい場合には、改めて分籍の手続をし、自分を筆頭者とする戸籍を作る必要があります。

新戸籍ができたら、1の場合と同じく、子の氏の変更許可の申立て、入籍手続をします。

以上をまとめると、以下の表のようになります。

婚姻前の姓に戻り、新戸籍を作る 婚姻中の氏を使い、新戸籍を作る 婚姻前の戸籍に戻る
新戸籍作成の有無 ×(新戸籍を作るには分籍が必要)
離婚後の姓 旧姓 結婚後の姓 旧姓
子供と同じ戸籍に入るための手続 子の氏の変更許可申立て
入籍手続
子の氏の変更許可申立て
入籍手続
分籍
子の氏の変更許可申立て
入籍手続

 

住む場所・いくところがない場合

離婚して現在の住居を出る場合、新たに住む場所を確保する必要があります。

1.  実家

実家に帰ることができるのであれば、一般的には、それが経済的にも生活面でも一番負担が少ない方法といえます。

長期的に同居することが難しい場合でも、一時的に身を寄せることができるだけでも助かります。

離婚専門の弁護士の中には、住宅等の法的な問題以外についても、親身に相談に乗ってくれる方がいるかと思いますので、一度相談されてはいかがでしょうか。

 

2. 賃貸住宅

実家に頼れない場合、賃貸住宅を探すことになるでしょう。

賃貸住宅に入る場合、引っ越し費用に加え、敷金、礼金、家具の購入費用などの初期費用がかかります。

場合によっては、最初に数十万円が必要となることもあります。

仕事がなかったり収入が低かったりすると、賃貸住宅を借りにくい場合があります。

ただ、これは物件によりけりですので、色々な物件について調べてみて、入居できそうなところを探してみましょう。

保証人が必要となることもありますが、保証会社に料金を払って保証人になってもらえる場合もありますので、不動産会社で聞いてみましょう。

 

3. 公営住宅

公営住宅などに入居できる場合もあります。

一般的に家賃が安く、ひとり親世帯が優先的に入居できる場合もありますので、お住いの自治体の公営住宅について調べてみるのもよいでしょう。

 

4. シェルター

DVなどがあり早急に別居したい場合、民間団体が運営しているシェルターに避難することもできるかもしれません。

地域の相談窓口や警察に相談してみましょう。

 

専業主婦の方の場合

仕事を探す

離婚すると、多くの場合、専業主婦をしていた方も仕事に就くことが多いです。

離婚後いきなり仕事を探しても、なかなか就職できず、条件の悪い仕事で妥協するしかなくなることもあり得ます。

そうならないために、離婚を切り出す前から仕事を始めておくとよいでしょう。

そして、できれば3か月分程度の生活費を貯め、離婚後の生活に備えるようにしましょう。

 

妊娠中の方の場合

戸籍

離婚前に妊娠した子については、離婚後300日以内に生まれれば、元夫の戸籍に入ります。

その後、家庭裁判所に子の氏の変更許可の申立てをし、入籍手続をするなどして、自分の戸籍に入れることになります。

離婚したい場合に生活設計として考えるべきことのこどもがいる場合の戸籍についてもご参照ください。)。

元夫に知られたくないなどの理由で出生届を出さずにいると、子どもが無戸籍になってしまいます。

そうすると、教育などの面で子どもが不利益を被ることになりかねません。

必ず出生届は出すようにしましょう。

 

 

再度の話し合いも

離婚の準備を整えたら、最後に、もう一度夫婦関係を修復できないか話し合うのもよいでしょう。

DVや精神的虐待があるようなケースでは難しいかもしれませんが、性格の不一致が離婚したい理由、という場合には、再度の話し合いで改善する場合もあります。

「離婚することになってもよい」との覚悟をもった上で話をすると、その覚悟が相手方に伝わり、相手方も自分の態度を真摯に反省してくれることもあり得ます。

そうして、「雨降って地固まる」の言葉通り、良い夫婦関係を取り戻せる場合もあるでしょう。

もし話し合いがうまくいかなければ、そのときは準備した通りに離婚に向かって進んでいけばよいのです。

相手方の性格や状況にもよりますが、離婚の準備をした上で、そのことは言わずに、最後の話し合いをすることも、検討してみても良いと思います。

 

 

離婚を決めた場合にすべきこと

  • 離婚専門の弁護士に相談する
  • 別居するかを決める
  • 離婚の成否、金銭的な問題等の検討
  • 預貯金を引き出すかどうかの検討
  • 証拠、資料の収集
  • 離婚協議書の作成

離婚することを決めた場合には、周到に準備をしなければなりません。

準備を十分にしたかどうかによって、離婚条件の結果にも、その後の人生にも大きな違いが出てきます。

どのように準備するか、以下でご説明します。

 

離婚専門の弁護士に相談する

離婚を決めたら、離婚を切り出す前に、離婚を専門とする弁護士に相談しましょう。

それぞれの人の状況に応じて、どのように離婚準備をしたらよいかについて、アドバイスをしてくれることでしょう。

 

別居するか否か

離婚する前に別居するかどうかも、検討する必要があります。

DVやモラハラのある事案では、早急に加害者と別居して物理的な距離を確保する必要がある場合もあります。

しかし、別居は、タイミングを誤ると困ったことになる可能性があります。

親権や財産分与の基準時、立証活動などに影響があるのです。

そのため、別居するか否かを考える際には、離婚問題に精通した弁護士に相談することをお勧めします。

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離婚の成否、金銭的な問題等の検討

離婚を検討する際には、

  • 相手方が離婚を拒否して裁判となっても離婚が認められそうか
  • 財産分与、慰謝料、養育費、年金分割はどうするか
  • 退職金はあらかじめ分割できるか
  • 公的扶助を受けるか
  • 子どもの親権者、面会交流、戸籍はどうするか

といった点について、検討しておくことが必要です。

詳しくは、離婚したい場合に生活設計として考えるべきことをご覧ください。

 

預貯金を引き出すかどうか

別居に際し、預貯金を引き出していくかどうかも、検討すべき点です。

特に、相手方名義の貯金を引き出すと、相手方も感情的になって話し合いがこじれてしまう可能性があります。

預貯金を引き出すか否かについても、弁護士に相談するとよいでしょう。

 

証拠、資料の収集

財産分与や親権、慰謝料、養育費に関連する証拠や資料の収集も大切な準備です。

できる限り離婚を切り出す前に、もれなく揃えるようにしましょう。

 

離婚協議書の作成

離婚の条件について、離婚協議書を作成しましょう。

離婚について話し合う前でも、離婚協議書の案をあらかじめ作成しておくと、話し合いが必要な点の見落としを防ぐことができます。

離婚協議書の案を作成するときは、本やインターネットで公開されているひな形を参照してもよいですが、これらでは個々のケースの特殊性には対応できません。

一度弁護士に相談されることをお勧めします。

 

 

離婚の切り出し方

離婚の準備が整い、意思も固まったのであれば、相手に伝えて話し合わなければいけません。

通常は、直接口頭で伝えます。

メールや手紙などでもよいですが、証拠として相手の手元に残されてしまうので、後々不利になる内容でないか、気を付けなければなりません。

ただし、相手方からのDVがある場合は、注意が必要です。

直接離婚の意思を伝えると、逆上して暴力をふるってくる恐れがありますので、弁護士などの第三者に立ち会ってもらうようにしましょう。

 

 

離婚を切り出すときのポイント

離婚を切り出す場合は、まずは冷静に、離婚したい理由を伝えましょう。

最初から感情的になっては、話がこじれてしまい、肝心の離婚条件(財産分与、慰謝料、養育費など)についての話し合いが難しくなってしまいます。

どのように話せば離婚を承知してくれるか、よく考えてから話し合いを始めましょう。

 

 

離婚の理由として認められるのか?

離婚の理由として認められるか疑問に思われるものとして、よく見られるものに以下のようなものがあります。

  • 不妊
  • 家事をやりたくない
  • パートナーの病気
  • 夫婦の会話がない

これらの事情が、法律上の離婚原因(離婚できる法定の条件のこと)になるのかなどについて解説していきます。

 

法律上の離婚原因

民法は、離婚原因として、以下の事由を定めています(民法770条1項)。

法律上の離婚原因
  1. 一 配偶者に不貞な行為があったとき。
  2. 二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
  3. 三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
  4. 四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
  5. 五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

引用元:民法|e−GOV法令検索

これらの事由があれば、相手方が離婚に合意せず裁判になったとしても、離婚を成立させることができます。

前にあげた事情のうち、「不妊」「家事をやりたくない」「夫婦の会話がない」は、一~四には当たらないので、五の「婚姻を継続しがたい重大な事由」に当たるか否かが問題となります。

 

不妊

不妊は、当事者にとって重大かつデリケートな問題です。

子どもをもつかもたないかは、夫婦それぞれで考え方が異なり、子どもがいなくても構わない、という夫婦もいらっしゃいます。

そのため、不妊であるというだけでは、「婚姻を継続しがたい重大な事由」があるとはいいにくいでしょう。

ただ、協議離婚をするのであれば、不妊が理由であっても可能です。

相手に離婚を納得してもらえるよう、冷静に、相手を傷つけないよう配慮しつつ、「自分はどうしても子どもがほしい」ことを伝え、話し合うようにしましょう。

 

家事をやりたくない

家事は、苦手な人にとっては苦痛なものです。

しかし、誰かがやらなければ生活が維持できないのが家事というもの。

だれが家事を負担するか、トラブルになることもよくあります。

専業主婦なら、家事を全くしていないと、夫側から離婚を請求する際には「婚姻を継続しがたい重大な事由」があるとされるかもしれません。

しかし、それ以外の場合(共働きの家庭で一方が家事をしない場合、妻が専業主婦の家庭で夫が家事をしない場合など)、家事をしない、というだけでは、「婚姻を継続しがたい重大な事由」があるとまでは認められにくいのではないかと思われます。

とはいえ、この場合でも協議離婚をすることは可能です。

 

パートナーの病気

「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」は、民法770条1項四号の離婚原因に当たります。

引用元:民法|e−GOV法令検索

 これに当たらない病気でも、相手方が病気のせいで婚姻生活での義務を果たせないこれまで自分は相手方を誠実に助けてきた、という事情があれば、「婚姻を継続しがたい重大な事由」があるとされる場合もあります。

離婚後に患者が安定して生活できるよう配慮されているかどうかも、離婚が認められるかどうかに影響します。

 

夫婦の会話がない

夫婦間の会話がなくなるのは、双方の性格の問題(もともと話すのが苦手、寡黙な性格など)という場合もあるでしょうし、夫婦の関係の問題(話が合わない、共通の話題がないなど)という場合もあるでしょう。

会話がなくなる原因は様々ですし、そのことが生活に及ぼす影響の大小も色々ですので、会話がない、というだけでは、「婚姻を継続しがたい重大な事由」に当たるとは言いにくいでしょう。

ただ、会話がないことにより生活に支障が生じている、生活において協力できない、精神的に多大な苦痛を感じている、などということがあれば、もはやモラハラや家庭内別居に相当するとして、「婚姻を継続しがたい重大な事由」があると認められるかもしれません。

 

どんな理由でも協議離婚は可能

法律上の離婚原因に当たらなくても、双方の同意があれば協議離婚をすることはできます。

ただ、そのためには、相手に離婚することを納得してもらう必要があります。

どんな理由であろうと、納得してもらえるかどうかは、話の進め方にもよってきます。

相手の感情やプライドを傷つけすぎて、相手が意固地になってしまわないように、話の仕方を考える必要があります。

冷静に、相手を尊重して傷つけないように配慮しつつ、話をするよう心がけましょう。

解決金などを多く支払うなどすることで納得してもらえることもありますので、その点を含めて話し合うのもよいでしょう。

 

裁判になると証拠が必要

離婚裁判となった場合、法定の離婚原因がないと、離婚を認めてはもらえません。

上にあげた事情は、単独で離婚原因と認められることは難しい場合が多いですが、その他の事情と相まって「婚姻を継続しがたい重大な事由」があると認められる場合があります。

生活上の不都合、相手方の不快な言動など全般について、日記やメモにまとめたり、録音や写真による証拠を残すなどして、立証の準備をしましょう。

 

 

相手に非がないのに離婚できる?

夫婦の一方が離婚を考えるに至る場合には、相手方にも少しは悪いところがあるのが普通だと思います(少なくとも、離婚を考えている側はそう思っています。)。

しかし、不貞行為や暴力、暴言などの目立った落ち度まではない、ということもあろうかと思います。

むしろ、家事も負担しているし、子供の相手もしているし、経済的にもよく稼いでいて浪費もしない・・・と、世間からみれば非があるとは思えない、という場合もあるかもしれません。

しかし、そんな相手でも、結婚して生活を共にしていれば、うまく説明できなくても、なんとも言えない違和感、不快感、いらだちを感じ、離婚したいと思う場合もあります。

その背景には、暴言などとはまた違った、当事者でも意識しにくいモラハラが潜んでいる可能性もあります。

一度、相手方について不快に思う点をメモにまとめたり、日記に書いておくなどしてみましょう。

客観的に状況を見てもらうため、弁護士に相談してみるのも良いと思います。

また、協議離婚であれば、相手方に目立った非がなくとも可能です。

離婚したい理由をしっかり説明できるように準備し、冷静に話してみましょう。

協議離婚をしたい場合でも、弁護士に交渉を依頼することも可能です。

一度、弁護士に相談してみるのもよいでしょう。

 

 

相手が離婚に応じてくれない場合の対応方法

相手方が離婚の協議に応じてくれない場合は、交渉を弁護士に依頼してみてはいかがでしょう?

弁護士が間に入ることで、話し合いが進むこともあります。

それでも話がまとまらない場合は、裁判所に調停を申し立てることになります。

調停では、調停委員などが間に入り、双方が合意できるように話し合いをサポートしてくれます。

調停でも決着がつかなければ、訴訟をすることになります。

調停でも訴訟でも、相手方が応じてこないからといって手続が止まってしまうことはありません。

詳しくは、以下のページをご覧ください。

 

 

離婚に弁護士は必要?

離婚しようとする場合は、一度弁護士に相談されることをお勧めします。

離婚する際には、別居の仕方を考えたり、財産分与や慰謝料について話し合ったり、子どもの親権者や面会交流の方法、養育費などを決める必要があります。

こうしたことには、法律上様々な問題が絡んできます。

弁護士に相談すれば、その時々、個別の状況に即して、法律的にみてあなたにとって一番良い方法をアドバイスしてくれるでしょう。

 

今回は、離婚したいと思ったときにすべきことなどについて解説しました。

離婚するときには、様々な準備が必要です。

金銭的なこと、子どもの親権や面会交流のこと、別居のタイミング・・・など、色々なことを考えなければなりません。

離婚専門の弁護士は、こうした離婚の準備について豊富な経験があり、適切なアドバイスをすることが可能です。

離婚したいと思ったら、一度弁護士に相談されることをお勧めします。

まとめ

 

 

なぜ離婚問題は弁護士に相談すべき?弁護士選びが重要な理由とは?   

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