結婚して風俗は不貞行為となるか?【弁護士が事例で解説】

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

 

夫が風俗通い。離婚できますか?

先日、夫のかばんの中を見ていると、風俗店のカードが出てきました。

夫は、浮気ではないと言っていますが、結婚しているにも関わらず、風俗店に通っていることが許せません。

風俗通いを理由に、離婚して、そして、慰謝料請求できますか。

弁護士の回答

風俗通いの事実のみでは、離婚請求は認められない可能性が高いです。

もっとも、離婚する場合には、慰謝料請求が認められることもあります。

 

離婚請求は認められない?

裁判所が離婚を認める場合については、民法に規定があります。

これを離婚原因といい、民法は次の5つの場合を規定しています。

このうち、①には、「相手方に不貞行為があったとき」と規定されています。

「不貞行為」とは、配偶者以外の者との性的関係を結ぶことをいいます。

そのために、風俗でも他の異性と性的関係をもてば「不貞な行為」にあたりますが、性的関係のない風俗通いのみでは、「不貞な行為」にあたらないでしょう。

また、性的関係のある風俗店であっても、一度限りであれば、「不貞な行為」とならない可能性があります。

⑤には、「その他婚姻を継続し難い重大な理由があるとき。」と規定されており、他の離婚事由と匹敵する程度の重大な事由がある場合がこれにあたります。

虐待、暴行、重大な侮辱、不就労、浪費、犯罪行為などによって婚姻関係が破綻している場合です。

風俗通いの事実も、風俗通いの期間、程度、態様等によっては、別居期間等の他の要素と相まって「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。」にあたる可能性があります。

弁護士しかし、たとえば、風俗に1、2回行っていることが判明したという程度であれば、離婚請求は認められない可能性が高いと考えられます。

以上より、風俗通いという事実のみであれば、離婚請求は認められにくいといえます。

 

離婚原因について、詳しい解説はこちらのページをご覧ください。

 

 

不倫と同じように慰謝料を請求できる?

配偶者が不倫をした場合、精神的苦痛を受けた他方配偶者は、不倫をした配偶者に対して、慰謝料請求をすることができます。

詳しくはこちらをご覧ください。

それでは、風俗通いが不貞行為にあたるのでしょうか。

結論としては、前述と同様に、性的関係がない場合には、不貞行為にあたりません。

しかし、夫婦は、お互いに貞操を守る義務(貞操義務)を負っていると考えられています。

したがって、風俗通いの頻度や期間、態様等によっては、貞操義務に反していると考えることができます。

すなわち、風俗通いの態様等によっては、これによって離婚に至った場合に、離婚慰謝料を請求することができます。

もっとも、金額としては、不貞行為による慰謝料請求よりも、平均的に低くなる傾向があります。

注意点

この場合に注意しなければならないことは、風俗通いが原因で婚姻関係が破綻した場合でなければならないということです。

たとえば、風俗に1、2回行っていることが判明したことで、夫と離婚したいと思ったとしても、破綻の原因が風俗に行ったことにあると認められない可能性があります。

この場合には、慰謝料を請求することができません。

相談者の場合、配偶者の風俗通いが発覚した後も、別居に至っていないのであれば、現時点においては、離婚請求が認められる可能性は低いと考えられます。

しかし、風俗通いの程度、期間等によっては、別居期間が長期間になるに従い、離婚請求は認められやすくなります。

また、風俗通いが原因で離婚が成立した場合には、離婚慰謝料を請求することができる可能性があります。

しかし、慰謝料の額は、明確な不貞行為がある場合の相場よりも低くなる可能性が高いです。

 

 

風俗通いの証拠を押さえる

不倫上記のとおり、風俗通いが高頻度、長期間に渡ったり、性的関係がある場合、離婚請求や慰謝料が認められる可能性があります。

しかし、相手が事実関係を否定した場合、裁判ではそれを主張する側に立証責任があります。

では、どのような証拠が必要でしょうか。

事例のケースでは、かばんの中に風俗店のカードがありました。

この程度の証拠では、不十分となる可能性が高いです。

まず、相手が「知らない。」と主張する可能性があります。

また、仮に自分のものと認めた場合でも、「1回だけしか行っていない。」などと反論されるかもしれません。

その結果、裁判所が不貞行為を認めてくれない可能性があります。

このようなことが想定されるため、風俗通いの場合は適切な証拠の有無がポイントとなります。

風俗通いを立証する証拠集め

例えば、調査会社の素行調査の報告書は、証拠価値が高い場合があります。

ただし、その報告書の中身が大事です。

相手が複数回、風俗店に出入りする様子を撮影した写真があれば、風俗通いの立証は可能となるでしょう。

不倫の証拠の集め方については、こちらのページでくわしく解説しています。

 

まとめ

弁護士以上、風俗と離婚・慰謝料の問題について、詳しく解説しましたがいかがだったでしょうか。

風俗通いについては、それだけを理由に離婚が認められない場合があります。

また、不倫の場合のように慰謝料が認められない可能性もあります。

さらに、証拠を押さえておくことも重要です。

このように、風俗については、離婚や慰謝料請求の可否についての判断が難しいという問題があります。

また、どのような証拠があれば十分かについては、専門家に相談された方がよいでしょう。

当事務所には、離婚問題に注力する弁護士のみで構成される離婚事件チームがあり、このようなケースのノウハウを共有しています。また、慰謝料請求についても強力にサポートしています。

離婚問題でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

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