交通事故を弁護士に依頼するメリット|弁護士選びのポイント!
目次
なぜ交通事故は弁護士に依頼すべきなのか
メリット①弁護士が適切な補償額まで増額交渉をしてくれる
交通事故の賠償額の算定基準は以下の3つあります。
基準 | 内容 |
---|---|
自賠責保険基準 | 自賠責保険が賠償額を計算する際の賠償基準 |
任意保険基準 | 任意保険会社が内部で設定している賠償基準 |
裁判基準(弁護士基準) | 裁判での賠償基準で弁護士が交渉に用いる基準 |
賠償基準の高さは自賠責保険基準 < 任意保険基準 < 裁判基準順番です。
弁護士に依頼されていない場合、保険会社から被害者に賠償の提示がありますが、その提示は、自賠責保険基準あるいは任意保険基準で計算された賠償額が提示されています。
保険会社も営利会社(利益を得るために活動している会社)なので、被害者にできる限り、低額の賠償額で納得してもらえるように交渉してくるのです。
しかし、自賠責保険基準や任意保険基準での賠償額では適切な補償額とはいえません。
弁護士に依頼した場合には、最も高い賠償基準である裁判基準で交渉をしてもらえます。
弁護士が裁判基準で交渉することで、賠償額が数倍になることもあります。
例えば、4ヶ月通院した場合の傷害慰謝料の金額の差は下表のとおりです。
むちうち・打撲等 | 骨折・脱臼等 | |
---|---|---|
自賠責保険基準 | 6万8800円〜51万6000円 | 6万8800円〜51万6000円 |
裁判基準(弁護士基準) | 67万円 | 90万円 |
最少額は月2回通院した金額、最高額は合計60回以上通院した金額としています。
任意保険基準は、各会社の内部的な基準なので明確にはなっていません。
自賠責保険基準よりも少し高い金額となりますが、それほど金額は変わりません。
弁護士に依頼した場合には、傷害慰謝料だけでなく、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益なども裁判基準で賠償額を算出して交渉することとなります。
したがって、後遺障害に認定されている場合には、傷害慰謝料、後遺障害慰謝料、後遺障害逸失利益の項目で、それぞれ増額が期待できるため、弁護士に依頼することで、より増額が期待できるということになります。
保険会社からの賠償の提示が遭った場合には、安易に示談してしまうのではなく、一度、専門の弁護士に相談してみましょう。
メリット②保険会社との面倒なやり取りを弁護士に任せられる
弁護士に依頼した場合には、保険会社との連絡窓口が被害者から弁護士に切り替わります。
したがって、弁護士に依頼して以降は、保険会社から被害者に直接連絡がくることはなくなります。
- 被害者なのに高圧的に交渉される
- 仕事や家事で忙しくて対応できない
- 回答に時間がかかる
- 電話が繋がる時間が短くて連絡がとりづらい
弁護士が、連絡窓口になるので、被害者は弁護士からの報告を確認するだけでよくなります。
保険会社に伝えたいことがある場合も、弁護士が保険会社に伝えますので、弁護士に依頼すれば、保険会社とのやり取りによるストレスを軽減することができます。
メリット③不安や疑問があればいつでも相談できる
交通事故は、事故発生から最終的な解決まで数ヶ月〜数年かかることも多々あります。
解決までの期間の間には、各段階で様々な不安や疑問が生じます。
こうした疑問を抱えたままでは、精神的に辛くなる被害者もいらっしゃると思います。
弁護士に依頼した場合には、電話やメールあるいは面談の上、こうした疑問に弁護士に回答してもらうことができます。
メリット④情報量とノウハウの格差を埋められる
交通事故の被害者で、交通事故賠償実務の知識と交渉ノウハウを持っている方はほとんどいません。
他方で、加害者が任意保険に加入している場合、保険会社が交渉窓口となります。
保険会社の担当者は、日常的に交通事故案件を取り扱っており、交通事故案件の知識と交渉ノウハウを持っています。
したがって、離婚や相続といった問題と違い、交通事故については、そもそも当事者である被害者側と加害者側の情報格差が極めて大きい分野だといえます。
専門の弁護士に相談、依頼することで、適切な補償内容を確認した上で、交渉を進めていくことが、適切な補償を受け取ることにつながるのです。
メリット⑤加害者側との交渉がスムーズになる
保険会社の担当者は、一般的に認められる損害(治療費など)については、特に争うことなく認めてくれます。
しかし、少し特殊な損害になると、判断が難しくなるため、なかなか認めてくれないケースがあります。
特殊な損害であっても、交通事故と因果関係が認められる範囲の損害は賠償されるべきものです。
弁護士に依頼した場合には、弁護士が交通事故と損害の因果関係を法的な観点から説明するため、当初、支払いを拒絶していた保険会社も態度を変えて支払いをしてくれるケースもあります。
このように、弁護士に依頼することで、行き詰まった交渉を打開することが期待できます。
メリット⑥治療や通院に関することも相談できる
治療については、医師の指示に従って治療していただくことになります。
もっとも、医師は、体を治すことを目的として治療や検査の指示を出しています。
したがって、適切な補償を受けるという観点から考えると必要な検査が抜け落ちていることもあります。
例えば、肩に強い痛みがある場合には、交通事故後、速やかにMRIを撮影して、腱板損傷の有無を確認するようお勧めすることがあります。
事故日から時間が経過してしまうと、交通事故が原因で腱板損傷が生じたのか立証が難しくなるからです。
このように、交通事故に精通した弁護士に依頼した場合には、適切な補償を受けるための検査等のアドバイス設けることができます。
また、治療の終了時期の判断についてもアドバイスを受けることができます。
治療の終了時期は、基本的には医師に判断してもらうことになるのですが、医師によっては、「保険会社と話して決めて」と言われる医師もいます。
こうした場合には、被害者の治療状況や症状の程度を踏まえて、弁護士が相手保険会社と交渉して治療終了時期を協議することになります。
このように、弁護士に依頼していれば、適宜、通院や治療についてアドバイスを受けることができるメリットがあります。
メリット⑦賠償金を早く受け取れる
後遺障害申請には、2つの申請方法があります。
保険会社が申請する事前認定という方法と、被害者側で申請する被害者請求という方法です。
被害者請求で後遺障害申請をした場合には、後遺障害が認定された時点で、自賠責保険から自賠責保険の基準での賠償が支払われますが、事前認定の場合には保険会社と示談するまで支払われません。
弁護士に依頼した場合には、基本的に被害者請求で後遺障害申請を行うため、後遺障害が認定された時点で自賠責保険から賠償金を受け取ることができます。
また、交渉次第では、後遺障害の認定結果が出る前に後遺障害以外の部分(傷害慰謝料など)について、示談交渉して先に支払ってもらうこともできます。
こうした対応は、必ずしも弁護士に依頼しなくても可能ですが、専門的な知識と労力を要しますので、弁護士に依頼された方がスムーズでしょう。
依頼の際はデメリットにも注意
費用倒れになる可能性がある
これまで説明したとおり、交通事故事件では弁護士に依頼することで賠償額が増額できることが多いです。
もっとも、増額した賠償額よりも弁護士費用の方が高額になる場合には、弁護士を入れなかった場合よりも、受け取れる賠償額が少なくなってしまいます。
こうした状況を「費用倒れ」といいます。
したがって、弁護士に依頼するにあたっては、増額できる見込額と弁護士費用を確認して、弁護士に費用倒れの可能性について十分に説明してもらいましょう。
弁護士費用特約を利用して費用倒れを防ぐ
弁護士費用特約とは、交通事故について弁護士に依頼した場合に、その弁護士費用を加入している保険会社が支払ってくれる保険特約です。
弁護士費用特約の多くは、弁護士報酬300万円まで補償してもらえますので、相当な重症案件でない限りは、全ての弁護士費用を賄うことができます。
したがって、被害者が弁護士費用特約に加入している場合には、費用倒れの心配はないでしょう。
ただし、弁護士費用特約には、報酬の基準が定められており、その基準を超えた弁護士報酬は支払われませんので、依頼する弁護士がその基準で受任してくれるか確認する必要はあります。
弁護士費用特約は、保険の契約者だけでなく、その家族も使用することができますので、交通事故に遭った場合には、家族が弁護士費用特約に加入していないか確認しましょう。
具体的な適用範囲については、こちらのページをご覧ください。
交通事故の弁護士選びはここがポイント!
交通事故案件を専門的に取り扱っている
弁護士が取扱うことができる分野はとても幅広くあります。
例えば、離婚問題、相続問題、刑事事件、債務整理、成年後見、労働問題、企業法務など、その他にもたくさん取り扱うことができる分野があります。
こうした分野を網羅的に取り扱う場合には、どうしても1つの分野の経験値は少なくなってしまい事件処理のノウハウも蓄積されません。
したがって、交通事故で弁護士に依頼する場合には、交通事故を専門的に取り扱っている弁護士に依頼すべきでしょう。
交通事故を専門的に取り扱っている弁護士は、日常的に保険会社と交渉しており、交通事故賠償実務における経験とノウハウが蓄積されています。
交通事故専門の弁護士を探すにあたっては、弁護士事務所のホームページなどで公開されている交通事故案件の問い合わせ数や相談数などを参考にされたらよいでしょう。
事故直後から解決までサポートしてくれる
弁護士によっては、示談交渉の段階からしか依頼を受けないという弁護士もいます。
もちろん、示談交渉の段階で弁護士が介入することは、適切な賠償額を回収するために必要なことです。
しかし、示談交渉の段階からの受任では、すでに手遅れになっている可能性もあります。
例えば、症状固定時期の交渉はとても重要です。
症状固定時期によって、治療期間、休業損害の金額、傷害慰謝料の金額が影響を受けます。
したがって、適切な症状固定時期よりも早期に症状固定しているような場合には、適切な期間の治療を受けることができず、傷害慰謝料も少なくなってしまいます。
また、交通事故被害者は、事故が発生した時点から、様々な不安と疑問が生じます。
こうした不安や疑問を解消していくことも弁護士の役割であるといえます。
したがって、弁護士に依頼するにあたっては、事故直後からサポートしてくれる弁護士を探すべきでしょう。
弁護士に依頼するタイミングは?
弁護士に依頼するタイミングとしては、事故発生から早ければ早いほど良いと考えられます。
弁護士に依頼した時点から、交渉窓口が弁護士となり、適宜アドバイスを受けながら進めることができるからです。
もっとも、保険会社の対応に不満がなく、その他にも不安がない場合には、以下のタイミングが考えられます。
治療終了時
治療終了後は、後遺障害の申請を行うか、示談交渉を開始するか判断する必要があります。
後遺障害申請を行うべきかの判断は専門的な知識を必要としますし、後遺障害申請を行うにあたっては、後遺障害診断書のチェックなど弁護士がお手伝いをした方がよいケースもあります。
したがって、治療が終了した場合には、一度、弁護士に相談されることをお勧めいたします。
保険会社から示談提示があった時
治療が終了した時点、あるいは、後遺障害認定の結果が出た時点で、相手保険会社から賠償額の提示があります。
保険会社としては、可能な限り、低額な示談金で被害者に納得してもらいたいため、最初の提示で妥当な金額の提示がなされることは、基本的に有りません。
したがって、保険会社からの賠償の提示があった場合には、そのまま示談してしまうのではなく、その提示が妥当な金額であるのか弁護士に相談されることをお勧めします。
死亡事故の場合はできるだけ早く
死亡事故の場合、突然、ご家族が亡くなられた状況下で保険会社の対応をすることは非常に大変なことです。
葬儀費用等について、保険会社と早期に話をしなければならない可能性もありますので、死亡事故の場合にはできるだけ早く弁護士にご相談されることをお勧めいたします。
弁護士に依頼したほうがいいケース
過失割合で揉めた時
過失割合とは、簡単に言えば、事故発生についての落ち度の割合であり、その割合分は賠償額から差し引かれることになります。
例えば、過失割合が10%ある場合には、損害が200万円生じていても、賠償される金額は、過失割合分の10%である20万円を差し引いた180万円となります。
このように、過失割合が10%違うだけでも賠償額に数十万円数百万円の差が出ることがあるのです。
また、過失割合の交渉は、交通事故の具体的態様を踏まえて、道路交通法等の規定を踏まえつつ、被害者側の主張を行い交渉する必要があり、簡単なことではありません。
したがって、過失割合で納得できない部分がある場合には、弁護士に相談されることをお勧めします。
症状固定時期で揉めた時
症状固定とは、簡単に言えば、治療を継続しても症状が一進一退となり、医学的にすぐに症状が改善しない状態のことをいいます。
症状固定となった場合には、その時点を持って、保険会社の治療費の対応が終了となります。
また、休業損害も症状固定時までしか請求できませんし、傷害慰謝料の算定も事故日から症状固定時で算出されることになります。
このように、症状固定時期は、治療費、休業損害、傷害慰謝料等の賠償項目に影響するため、その時期の交渉は慎重に行うべきです。
保険会社から、症状固定として治療費の対応を打ち切られそうになった場合には、できるだけ早めに弁護士に相談されることをお勧めいたします。
後遺障害等級に納得がいかない時
後遺障害が認定されるかどうかで賠償額は大きく変わってくるため、症状が残っているにも関わらず、後遺障害に認定されていない場合には、異議申し立てを検討すべきでしょう。
異議申し立てをすることで、もう一度、自賠責保険に後遺障害について審査してもらうことができます。
異議申し立ては、期限内であれば何度でも申立てをすることはできますが、同じ証拠で同じ主張をしても結果は覆りません。
新たに有利な証拠をつけて、後遺障害認定に向けて具体的に主張立証していく必要があります。
こうした作業を個人で行うことは容易では有りませんので、弁護士に相談された方がよいでしょう。
示談金額に納得できない時
弁護士が介入していない状況下で、保険会社から妥当な提示がなされることは基本的にはありません。
特に後遺障害に認定されている案件では、弁護士が介入するかどうかで賠償額が大きく変わることがあります。
保険会社の提示する賠償額に納得がいかない場合には、弁護士に相談されることをお勧めします。
当事務所の交通事故相談のメリット
当事務所は、地域最大級の事務所であり、各弁護士が「専門特化」することを第1の行動指針に掲げています。
交通事故分野でも専門のチームがあり、日常的に数多くの交通事故案件を取り扱っています。
交通事故相談だけでも年間300件(2021年)を超える相談を受けています。
事案によっては、専門チームの弁護士複数名で対応にあたるなど、交通事故被害者の方を強力にサポートしています。
被害者の方が最も不安な時を過ごされるのは、事故直後から治療されている間だと思います。
いつまで治療を続けられるのか、後遺症が残ってしまうのではないか、賠償は適切に支払ってくれるのかといった不安は示談交渉前に生じます。
また、適切な後遺障害認定がなされるには適切な後遺障害申請を行わなければなりません。
適切な後遺障害申請を行うには、治療中からサポートさせて頂き適切な後遺障害診断書を作成することが大切です。
当事務所では、事故直後から弁護士が介入し保険会社の対応につとめ、被害者の方が事故直後から不安のない日常生活に戻れるようサポートしています。

当事務所では、保険会社の提案に対して妥協することなく徹底的に交渉を行います。
後遺障害申請は、書面審査なので提出する書類が非常に重要です。
当事務所では、後遺障害診断書のチェックはもちろんのこと、必要に応じて、医師への医療照会、主治医との面談、画像鑑定のサポートなど、被害者が適切な後遺障害認定を受けるために強力にサポートしています。
仕事や家事、育児をする中で、平日の昼間に保険会社からの連絡の対応をすることは大変です。
当事務所では、ご依頼後、すぐに受任通知を保険会社に送付し、交渉窓口を全て弁護士にするため、ご依頼後は保険会社から直接被害者に連絡があることはありません。
当事務所では、依頼者の方に「誰よりも寄り添う」ことを行動指針としています。
交通事故により被害者の方やご家族の生活が一変してしまうことがあります。
そうした時には、被害者の方やご家族の不安や苦しみを理解し共感して最終的な解決まで寄り添って活動していくことはとても大切なことであると考えています。
当事務所のサポート内容
当事務所では、それぞれの被害者の方やご家族の状況に応じて最良のサポートを提供できるよう努めています。
まとめ
ここまで説明したとおり、交通事故案件で弁護士に依頼するメリットは以下のとおりです。
- 弁護士が適切な補償額まで増額交渉をしてくれる
- 保険会社との面倒なやり取りを弁護士に任せられる
- 不安や疑問があればいつでも相談できる
- 情報量とノウハウの格差を埋められる
- 加害者側との交渉がスムーズになる
- 通院や治療に関することも相談できる
- 事故解決までが早い
弁護士に依頼することによる費用倒れには注意が必要ですが、弁護士費用特約が使用できる場合には、基本的にそうした心配はありません。
交通事故に関して、何かお困りのことが生じた場合には、早めに弁護士に相談されることをお勧めいたします。