親権の調停とは?離婚調停の手続の流れや勝ち取るポイント

弁護士法人デイライト法律事務所 弁護士  

親権の調停とは、親権をどのように定めるかについて、家庭裁判所で話し合う手続きのことをいいます。

未成年の子どもがいる夫婦が離婚をするときは、親権者を定める必要があります。

夫婦間の協議で親権者を定めることができない場合は、調停(離婚調停)を申し立て、調停手続きの中で親権者をどのように定めるか話し合っていくことになります。

調停を有利に進めていくためには、調停の流れや特徴、親権取得のためのポイントを把握しておくことが大切です。

ここでは親権の調停について、手続きの流れや親権を勝ち取るためのポイントなどを解説いたします。

親権の調停とは?

親権の調停とは、親権をどのように定めるかについて、家庭裁判所で話し合う手続きのことをいいます。

調停とは、調停委員会を仲介に話し合いを行い、合意による解決を目指す手続きです。

 

親権は離婚調停で話し合う

未成年(18歳未満)の子どもがいる夫婦が離婚をするときは、子どもの父母の双方又は一方を親権者と定める必要があります(※)。

親権者をどのように定めるかは、父母の協議(話し合い)によって決めることができます。

しかし、夫婦で話し合いをするだけでは、親権者を決められないこともあります。

そのような場合は、調停を申し立て、家庭裁判所において、親権者をどのように定めるのかについて話し合いをすることになります。

このときに申し立てる調停は、離婚調停(夫婦関係調整調停)です。

親権者を定めずに離婚だけ先に成立させ、後から親権者だけを調停で決めるということは基本的にはできません。

したがって、離婚すること自体については合意ができている場合でも、親権が決められないときは、離婚調停を申立てる必要があります。

離婚調停の手続きの中で、親権をどのように定めるかについて話し合い、合意を目指して調整していくことになります。

(※)親権に関する規定については、離婚後も共同親権を選択できるとの内容を含む改正法が成立しており、2026年6月までに施行されます。この記事では、改正後の法律の施行後の場合を前提に解説しています。なお、施行前においては、離婚後は必ず単独親権となります。

参考:民法等の一部を改正する法律

 

離婚後は親権者変更の調停がある

親権者を定めて離婚をした後でも、「子どもの利益のために必要があると認めるとき」は、親権者を変更することができます。

ただし、親権者の変更は父母の合意のみによってすることはできず、必ず家庭裁判所の手続き(調停又は審判)によらなければならないとされています。

したがって、子どもの父母が離婚した後も、親権者変更という形で親権に関する調停が行われることがあります。

 

 

調停で親権を取得する4つのポイント

調停で親権を取得する4つのポイント

 

①親権の判断基準を押さえる

調停はあくまでも話し合いの手続きであるため、裁判所の判断基準に従った結論に至らなければならないわけではありません。

しかし、調停で合意が成立しない場合は、裁判で親権を決めることになります。

そのため、調停段階でも裁判所の判断基準を押さえ、裁判になった場合の見通しを立てながら話し合いを進めていくことが重要です。

 

親権の判断基準とは

裁判所は、「親権をどのように定めるのが子どもにとって一番良いか」という観点から、親権者を定めます。

その際には、父母双方の事情(監護能力、健康状態、経済状況、住居の状況など)、子ども側の事情(年齢、性別、発達の程度など)、監護の継続性、子どもの意向などが考慮されることになります。

単独親権を前提に、父母のどちらが親権者にふさわしいかが問題になっている場合は、特に監護の継続性の原則が重視される傾向にあります。

そのため、これまで主として子どもの世話をしてきた側(主たる監護者)の方が親権者にふさわしいとされるケースが多いです。

また、共同親権の施行後は、共同親権と単独親権のどちらにするのが子どもの利益に適うかの判断において、父母と子どもとの関係や父と母の関係なども考慮されます。

そして、虐待など子どもの利益を害する事情がある場合や、夫婦間でのDVなど共同で親権を行使することが困難な事情がある場合は、単独親権としなければならないとされています。

したがって、共同親権と単独親権のどちらがよいかが争点になっている場合は、虐待やDVなどの事情の有無が問題となります。

 

証拠資料を準備する

上記に述べたような裁判所の判断基準に照らして自分に有利な事情がある場合は、それを裏付ける資料を準備するようにしましょう。

例えば、虐待やDVなどがあるため、自らの単独親権とするべきと主張して争っている場合は、虐待やDVの証拠として、被害の状況(怪我の様子)の写真や録音・録画、診断書、児童相談所や配偶者暴力相談支援センターへの相談記録などを提示できるとよいでしょう。

また、単独親権を前提に、お互いに自らが親権者となるべきと主張して争っている場合は、これまでの監護状況を詳しく説明するとともに、自らが記入した母子手帳や保育園・学校の連絡帳、育児日記など監護実績を示す資料も示すとよいでしょう。

このように証拠となる資料を提示することで、相手が裁判で勝つのは難しいと判断し、親権を譲り調停で解決した方が得策との考えに至る場合があります。

また、調停委員に具体的な事情を理解してもらうことができれば、調停委員会から相手に説得を試みてくれる場合もあります。

調停委員会はあくまでも中立の立場から話し合いを仲介するものですが、紛争の解決のために、法的な争点について、裁判官を交えて意見を示してくれることもあります。

 

②調査官調査を必要に応じて活用する

調査官調査を必要に応じて活用することで、調停での話し合いが円滑に進み、合意に至りやすくなる場合があります。

調査官調査とは

調査官調査とは、家庭裁判所調査官(以下、「調査官」といいます。)によって行われる、現在の監護状況や、子どもの意向などについての調査のことです。

調査官がそれぞれの当事者や子どもと直接面接をしたり、家庭訪問をしたりする形で行われます。

調査が実施されたら、その結果や調査官の意見が調査報告書にまとめられます。

そして、調査報告書の内容を踏まえ、親権をどのように定めるのがよいかについて、調停期日で引き続き話し合っていくことになります。

なお、調査の実施や内容を決定するのは担当裁判官であり、当事者に決定権限があるわけではありません。

当事者としては、必要な調査を実施してもらえるよう、早期に、調査の実施の必要性や、どのような内容の調査が必要かについて、調停委員会に説明することがポイントとなります。

 

調査報告書の影響力

調停はあくまでも話し合いの手続きであるため、調査報告書の内容に従った解決を強いられるわけではありません。

しかし、調停で合意がまとまらずに裁判に進んだ場合は、通常、この調停段階で作成された調査報告書の内容が重視されます。

そのため、裁判で調査報告書の内容と大きく異なる結論になる可能性は高くありません。

したがって、調査報告書を見て、裁判で親権を取得するのが難しいと考えた側が親権を諦めて調停を成立させるに至るケースも少なくありません。

また、別居親(子どもと離れて生活している親)が子どもの現在の生活状況や、子どもの意向がわからないがために、親権を譲ることに漠然とした不安を抱いている場合もあります。

このような場合は、調査報告書を見て、それらを把握できるようになることで、安心して親権を譲る決断ができるようになることがあります。

 

③面会交流を認める

面会交流とは、子どもと離れて暮らす親が子どもと会うなどして交流をすることをいいます。

相手が親権を希望する背景に、「親権を譲ったら子どもと会えなくなるかもしれない」という漠然とした不安があるケースは多いです。

このようなケースでは、面会交流に積極的な態度を示すことで、相手が「離婚をしても子どもと会えなくなるわけではない」と思って安心し、親権を譲ることに前向きになる可能性があります。

面会交流の頻度や方法など、実現可能なところで具体的に提案することができれば、相手の納得もより得やすくなるでしょう。

すでに相手と別居し、相手が子どもと離れて暮らしている状態である場合は、可能であれば、調停の期日と期日の間に、実際に面会交流を実施してみるのもよいでしょう。

 

面会交流が難しい場合は事情を説明する

面会交流は、一般的には子どもの健全な成長のためには重要と考えられています。

しかし、虐待の恐れがある場合など、子どもの利益を害するときは当然ながら実施を制限・禁止しなければなりません。

また、夫婦間にDVがある場合なども、実施の可否や方法について慎重に検討しなければなりません。

このように、面会交流が難しい事情がある場合は、調停委員にその事情について具体的に説明するようにしましょう。

親権を決めて早く離婚を成立させることを優先するあまり、不適切な内容で面会交流の約束をしたり、無理して実施したりすることは、子どもに負担がかかることにもなるので避けるべきです。

一方、先に述べたように、面会交流は一般的には子どもの利益につながると考えられています。

そのため、理由の説明をしないまま面会交流を拒絶する態度を示し続けていると、親権者としてふさわしくないとの印象を持たれる可能性もあるので、理由はきちんと説明する必要があるでしょう。

 

④離婚に強い弁護士に相談する

以上にご紹介したポイントは一般的なものであり、とるべき戦略は具体的な状況により異なります。

そのため、調停を始めるに当たっては、離婚問題に詳しい弁護士に相談し、具体的なアドバイスをもらうことをおすすめします。

調停対応に不安がある場合は、依頼を検討されるのもよいでしょう。

弁護士に調停対応を依頼した場合は、申立てから裁判所とのやり取り、書面作成・提出などを全般的に任せることができ、話し合いの場にも弁護士が同席してサポートをしてくれます。

調停は裁判所(調停委員会)が仲介してくれるため、弁護士を入れなくても問題ないとお考えの方も多いと思います。

しかし、裁判所は中立的な存在であり、あなたの味方として適切な方針を示してくれるわけではありません。

一方、弁護士はあなたの味方であり、具体的な状況をもとに法的観点から有利・不利を判断し、最善の解決策を提案してくれます。

そのため、調停対応を弁護士に依頼し、サポートを受けるメリットは大きいと考えます。

 

 

親権の調停手続について

親権の調停の流れ

親権の調停の流れ

 

調停の申立て

親権の調停(離婚調停)の申立ては、原則として相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に申立書を提出して行います。

申立書の書式は、裁判所に備え付けられており、裁判所のホームページからダウンロードすることもできます。

申立てが受け付けられると、それから大体1か月後くらいの日程で第1回期日(話し合いをする日)が指定され、相手方にも通知(呼出状)が送付されます。

 

第1回調停期日

指定された日時に申立人、相手方の双方が裁判所に出向き、別々の待合室で待機します。

まずは申立人の方から調停室に呼ばれ、調停委員に申立ての経緯や意向などについて話を聞かれます。

調停室は、法廷ではなく、会議室のような部屋です。

調停委員とテーブルを囲んで話をすることになります。

調停委員会は、調停委員2人(男性・女性1人ずつ)と裁判官1人によって構成されますが、実際に話し合いに立ち会うのは調停委員のみで、裁判官は成立の際など重要な局面にしか現れないのが通常です。

弁護士に依頼している場合は、弁護士も一緒に調停室に入り、法律的な部分を補足するなど適宜フォローをしてくれます。

申立人の話が済んだら(大体20分〜30分で一区切りです)、申立人は待合室に戻り、今度は相手方が調停室に呼ばれ、調停委員に話を聞かれます。

調停は、このように、交互に調停室に入って調停委員に話をするというスタイルで進んでいきます。

当事者同士が同時に調停室に入って顔を合わせるということは、調停成立時を除けばほとんどありません。

期日1回あたりの所要時間は2時間程度です。

その時間内で話がまとまらなかった場合は、次回に持ち越しとなります。

次回期日は、1か月後くらいの日程で調整されます。

なお、近年では、裁判所に直接出向くのではなく、電話やウェブ会議システムによって調停期日を実施するケースも増えています。

 

【ワンポイント:電話やウェブ会議システムの活用について】

新型コロナウィルスのパンデミック以降、電話又はウェブ会議システムが積極的に活用されるようになりました。

そのため、現在多くの法律事務所は電話又はウェブ会議システムを利用しています。

したがって、弁護士に調停を依頼される場合、調停期日には家庭裁判所に行かずに法律事務所の会議室から調停に参加することができます。

なお、電話会議の場合は音声のみのやり取りとなります。

ウェブ会議の場合は、映像の送受信も加わるため、調停委員の顔を見ながらのやり取りとなります。

離婚問題に強い弁護士は、具体的な状況を考慮して、いずれの手続きを利用すべきかを判断してくれるでしょう。

 

調査官調査・数回の調停期日

親権が争われている事案では、調停手続に調査官が関与することがあります。

第1回調停期日から調査官が立ち会うことも多いです。

調査官が関与する場合は、現在の監護状況や子どもの意向などについて、調査が実施されることが想定されます。

これらの調査は、調停期日とは別の日程で、裁判所で面接をしたり、家庭訪問を行ったりする方法によって行われます。

調査が行われたら、その結果や調査官の意見等が調査報告書にまとめられます。

その調査報告書の内容を踏まえて、親権をどのように定めるのがよいか、引き続き調停期日で話し合いを進めていくことになります。

調停期日は、合意が成立するまで、又は合意成立の見込みがなくなるまで数回開催されることになります。

 

調停の終了

話し合いの結果、合意が成立したら、合意内容を記載した書面である調停調書が作成されます。

これによって離婚は成立し、親権者も確定します。

一方、合意が成立する見込みがない場合は、調停委員会が調停不成立の措置をとることで調停手続は終了します。

場合によっては、申立人が調停の申立てを取り下げるという形で終了することもあります。

 

親権の調停の期間

司法統計によれば、家事調停の既済事件の平均審理期間は7.2か月と発表されています。

内訳としては、12万4332件のうち、1年以内で終わったものが10万6452件(86%)、1年を超え2年以内が1万5453件(12%)、2年を超えるものが2424件(2%)とのことです。

家事調停の審理期間

引用:司法統計(令和5年度)|最高裁判所

家事調停の中には、離婚調停以外の事件も含まれますが、離婚調停に限ってみても概ね6か月〜1年の期間を要することが多いです。

また、親権について争いがあるケースでは、調査官の調査が加わることが多いため、その分時間を要することが多い印象です。

 

親権の調停の費用

手続きに必要な費用

調停の手続きには、次のような費用が必要となります。

項目 金額等
申立手数料 1200円(申立書に収入印紙を貼付)
郵便切手 1000円程度(裁判所によって異なります)
その他実費
  • 必要書類(戸籍謄本等)の取得費用・・・1000円程度
  • 調停調書の交付手数料・・・1000円程度
  • 裁判所に出頭する際の交通費等

 

弁護士費用の相場

調停の手続対応を弁護士に依頼する場合は、弁護士に支払うお金(弁護士費用)もかかります。

弁護士費用は、依頼する弁護士(法律事務所)や、依頼内容によって大きく異なりますが、大体の相場としては、次のようになります。

項目 内容 相場
法律相談料 法律相談の際(正式に依頼前)に支払う費用 30分5000円 ~ 1万円程度
※初回相談60分間は無料の場合も多い
着手金 依頼時に最初に支払う費用 20万円 ~ 50万円程度 養育費、財産分与、慰謝料等の請求がある場合は経済的利益に応じた額を加算
報酬金 終了時に結果に応じて支払う費用 20万円 ~ 100万円程度

参考:(旧)日本弁護士連合会弁護士報酬基準

詳しい金額については、各事務所のホームページや法律相談でご確認ください。

当事務所の弁護士費用については、こちらのページをご覧ください。

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弁護士費用

 

親権の調停で聞かれること

親権の調停で聞かれること

親権の調停の期日や調査官調査では、通常、次のようなことが聞かれます。

 

親権の共同行使が難しい事情に関する認識

共同親権の施行後は、共同親権と単独親権のどちらが良いかで争いになるケースも想定されます。

例えば、父親は共同親権を主張し、母親は自らの単独親権を主張して、折り合いがつかないというようなケースです。

このようなケースでは、親権の共同行使ができるかどうかが問題となります。

そのため、DV・モラハラの有無や子どもの教育方針に関する意見の不一致など、共同行使が難しい事情についての認識が聞かれることになるでしょう。

 

子どもの監護状況に関する事項

親権をどのように定めるのが子どもにとって一番良いかを考えるために、通常、次のような事項が聞かれます。

(1)父母双方の生活状況

当事者双方の生活歴、現在の仕事の状況、経済状況、生活状況(1日のスケジュール)、健康状態、住居の状況、同居者の状況など

(2)子どもの生活状況

子どもの現在の生活状況(1日のスケジュール)、現在(別居後)の監護状況、監護補助者の有無、これまで(別居前)の監護状況、心身の状態、健康状態、父母の紛争に対する認識の程度、別居親との交流状況

(3)今後の監護方針

自分が親権者となった場合に予定している監護体制・養育方針、面会交流についての考え

 

親権の調停が不成立になったらどうなる?

調停で話し合っても合意に至らなかった場合は、通常、調停不成立として調停の手続きは終了します。

その後に決着をつけるためには、当事者のいずれかが離婚裁判を提起する必要があります。

離婚裁判で親権について争い、最終的に裁判官に判断(親権の指定)をしてもらうことになります。

なお、調停が成立しない場合の事件解決のための手段として、「調停に代わる審判」というものがあります。

調停に代わる審判とは、裁判所が職権で事件の解決に必要な審判をする(一定の判断を示す)というものです。

当事者は、調停に代わる審判の内容に納得がいかないという場合は、2週間以内に「異議」を申し立てることができます。

当事者から異議が申し立てられた場合は、審判の効力は失われます。

この点、親権について折り合いがつかずに調停不成立となるケースでは、調停に代わる審判が出されても、当事者から異議が申し立てられ、結局裁判での解決となることが予想できる場合が多いです

そのため、親権の調停が成立しない場合は、あえて調停に代わる審判をすることなく、そのまま調停不成立として手続きを終了させるケースがほとんどです。

 

 

親権の調停のよくあるQ&A

親権の審判とは?

親権の調停が成立しない場合に、裁判所が一切の事情を考慮し、事件解決のための一定の判断を示すものです。

親権の審判とは、一般的には「調停に代わる審判」のことを指します。

「調停に代わる審判」とは、調停が成立しない場合に、裁判所が一切の事情を考慮し、一定の解決案を審判という形で示すものです。

出された審判に対しては、当事者は異議申立てをすることができ、異議申立てがされた場合は審判は効力を失います。

この点、親権について折り合いがつかずに調停が成立しない事案では、調停に代わる審判が出されても、異議申し立てがされ、結局は訴訟での解決となることが予想されるケースが多いです。

そのため、親権の審判が利用されるケースはほとんどありません。

なお、親権については、父母の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、父又は母の請求によって、「協議に代わる審判」をすることができるとされています(民法819条4項)。

参考:民法|e-Gov法令検索

もっとも、現在の実務では、親権について協議が調わないとき、又は協議することができないときは、離婚調停を申立て、その中で話し合いをするのが一般的です。

そのため、協議に代わる審判は、離婚成立後に親権だけを決める必要が生じたというような、特殊な場合のみに利用されるものと思われます。

例えば、親権者の記載がない離婚届が誤って受理されてしまった場合や、協議がないのに父母の一方が勝手に親権者を記載して離婚届を提出してしまった場合です(このような場合でも離婚自体は有効に成立するとされています)。

 

親権の調停を欠席したらまずい?

欠席は避けるべきです。

調停は話し合いの手続きですから、一方当事者が欠席すると手続きを進めることができません。

次回期日も出席が見込まれない場合は、そのまま調停不成立となって終了することもあります。

解決が先延ばしになるばかりでなく、話し合いによる柔軟な解決をするチャンスも失うことになります。

また、法律上は、正当な理由なく調停に出席しない場合は5万円以下の過料に処するとされています(家事事件手続法258条1項、51条3項)。

参考:家事事件手続法|e-Gov法令検索

そのため、調停の欠席は避けるべきです。

やむを得ない事情で欠席する場合は、必ず裁判所に連絡を入れ、無断欠席とならないようにしましょう。

やむを得ない事情によって1回程度欠席するだけであれば不利益に扱われることはありません。

場合によっては、期日の延長や相手側のみの出席による期日の実施がされることもあります。

また、弁護士に依頼している場合は、成立の手続きなどを除いては、弁護士のみが出席する形で進めることもできます。

 

 

まとめ

以上、親権の調停について、手続きの流れや親権を勝ち取るポイントなどを解説しましたが、いかがだったでしょうか。

親権の調停を有利に進めるには、裁判所の判断基準を押さえること、調査官調査を活用すること、面会交流を認めることなどがポイントとなります。

もっとも、親権に争いのある夫婦やその子どもを取り巻く状況は様々であり、具体的な方策は事案によって異なります。

そのため、まずは離婚問題に詳しい弁護士に相談し、具体的なアドバイスをもらうことをおすすめします。

当事務所には、離婚問題に注力する弁護士のみで構成される離婚事件チームがあり、親権問題を強力にサポートしています。

LINEなどによるオンライン相談も実施しており、全国対応が可能です。

親権についてお困りの方はお気軽にご相談ください。

 

 

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