うつ病で養育費を払えない、免除できるか?【弁護士が事例で解説】

弁護士法人デイライト法律事務所 弁護士  保有資格 / 弁護士・入国管理局申請取次者・3級ファイナンシャルプランナー

養育費についての質問です。

私と元妻は、数年前に子ども(1人、現在15歳)の親権者を元妻と定めて離婚しました。

離婚後、私は毎月欠かさず子どもの養育費を支払ってきました。

ところが、仕事が忙しかったこともあってうつ病になり、退職することになりました。

そのため、収入はなくなり、しばらくはこれまでのような収入を得られる見込みはありません。

このような場合でも養育費の支払義務はなくならないのでしょうか?また、何か方法はありませんか?

弁護士の回答

弁護士森内公彦今回の質問者のような場合であっても、養育費の支払義務自体はなくなりません。

ただ、養育費を減額できる余地があります。

この問題について、当事務所の弁護士が解説いたします。

養育費とは

養育費とは、子どもが社会人として独立自活ができるまでに必要とされる費用です。

養育費の内容としては、子の衣食住の為の費用・健康保持のための医療費・教育費が含まれます。

養育費は、通常、支払義務者(通常は父親側)と権利者(通常は母親側)の収入、子供の数と年齢によって計算されます。

養育費の支払義務者には、子どもに対して自身と同程度の生活を保持させるために、一定の養育費を支払う義務を負っています(生活保持義務といいます)。

当事務所では、養育費の目安を素早く確認したいという方のために、オンラインで、かつ、無料で自動計算できるサービスをご提供しています。

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養育費の計算は、複雑な計算式を使用しますが、これをわかりやすく表したものがあります。

これを養育費算定表といいます。

そして、家庭裁判所では、この算定表を用いて算出された養育費の金額を、養育費決定の際に重要視する傾向にあります。

養育費算定表はこちらのページで解説しています。

合わせて読みたい
養育費の金額とは?

 

 

失業などの事情が発生した場合

時計養育費は、多くの場合、長期にわたって支払う(もしくは受け取る)ものになるため、支払い終期までの間に、合意時から事情が変わるということもよくあります。

そして、一度決めた養育費の金額を変える(増やす、減らす)ことができるかどうかは、養育費の取り決めがなされたときから現在までの間に、事情変更があったかどうかが重要な要素になります。

例えば、養育費の支払い合意(養育費の取り決めがなされたとき)の後、養育費支払い義務者がリストラされた(現在)といった場合、事情変更があったとして養育費の減額を求めることができます。

事情変更理由の例
  • 再婚(およびそれに伴う養子縁組)
  • 失業
  • 破産

うつ病で会社をやめた場合は?

今回の質問者のように、うつ病となって仕事を辞めた場合、当然収入がなくなるため、合意時からの事情変更があったといえます。

そのため、養育費の支払義務自体はなくならないものの、支払い金額を減額できる余地があります。

失職した場合に収入をどのようにみるか?

倒産他にも稼働能力があるのかどうかという点も問題になります。

支払義務者の収入をどのように認定するかという問題です。

つまり、働こうと思えば働くことができる状態なのか?それとも、働きたくても働くことができない状態なのか?という問題です。

働こうと思えば働くことができる状態の場合

「働こうと思えば働くことができる状態」の場合、従前どのくらいの収入があったのか雇用保険(失業保険)を受給していること等を加味して、義務者の収入を算出することになります。

働きたくても働くことができない状態の場合

「働きたくても働くことができない状態」とは、例えば、うつ病になった場合ですが、こうしたときは収入をゼロと主張することもできるかと思います。

養育費の事情変更の基準日についてはこちらをご覧ください。

 

 

どのようにして主張していくか

質問者のケースでの問題点
  • 事情変更にあたるかどうか
  • 事情変更にあたるとして、義務者の収入をどのようにみるか

今回の質問のように養育費の減額を元妻に求める場合、再協議する(当事者同士、代理人を立てる)、家庭裁判所に養育費減額調停を申し立てるという方法が考えられます。

いずれにしても、ポイントとなるのは、事情変更があったという主張や事情変更後の収入をどのようにみるかの主張の各点です。

養育費の問題は、経済的な負担等の側面に加えて、感情的な対立が生じやすいものです。

 

 

まとめ

弁護士以上、うつ病等で仕事を辞めた場合養育費の問題について、解説しましたがいかがだったでしょうか。

養育費は、簡単には支払い義務はなくなりません。

しかし、長期間の支払期間の間で、思わぬ病気等で収入が大幅に減少することがあります。

このような場合、事情変更に該当し、養育費を減額できる可能性があります。

しかし、減額後の養育費の適正額については、専門家でなければ、その評価が難しいと思われます。

また、養育費の問題は、経済的な負担等の側面に加えて、父母の間での感情的な対立が生じやすいものです。

そこで、養育費についてお悩みの方は、この問題に詳しい専門家にご相談されることをお勧めします。

ご相談の流れはこちらをご覧ください。

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