離婚に強い弁護士の選び方とは?

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

 

弁護士なら誰に依頼してもいい?弁護士によって異なる「得意分野」

弁護士には様々な法律問題に関して相談を受けたり、依頼者に代わって相手と交渉をしたり、裁判等で活動できる資格があります。

このように、法律事務に関して、弁護士に認められている権限はとても広い範囲に及びます。

しかし、「法律」と一口に言っても様々なものがあります。

例えば、離婚問題に関する法律の他に、刑事事件に関する法律、会社に関する法律、債務整理に関する法律、交通事故に関する法律など、多種多様な法律があります。

また、この「法律」はとても難解で、複雑に作られています。

いくら優秀な弁護士であったとしても、このような法律すべてを完璧に習得するのは不可能です。

そのため、弁護士が専門分野を持つことはとても重要です。

弁護士は、取扱業務を限定することで、その分野における専門知識やノウハウが身につくからです。

 

 

ワンポイントアドバイス

注意が必要なのは、「離婚を取り扱う弁護士」だからといって、「離婚に注力している」わけではないということです。

すなわち、法律事務所の中には、弁護士の注力分野を限定している事務所もあります。

専門特化の例について詳しくはこちらを御覧ください。

しかし、このような取り組みは通常ではなく、むしろ少数派だと思われます。

すなわち、多くの法律事務所では、特に弁護士の注力分野を持たずに、一人の弁護士が「幅広く対応する」スタイルを取っていると考えられます。

この場合、「離婚を取り扱う弁護士」と「離婚に注力している弁護士」との専門性の差は歴然となります。

例:専門性の差
A弁護士

自分の業務量のすべてを離婚問題に費やしている場合【離婚問題:100%】

B弁護士

自分の業務量を離婚問題、刑事事件、会社案件、債務整理、交通事故の5つに平等に費やしている場合【離婚問題:20%】

上記の場合、業務量として、A弁護士はB弁護士の5倍もの時間を離婚問題に費やしています。

専門性は、業務量だけで単純に判断できるわけではありませんが、少なくとも、「幅広く対応する弁護士」よりも「離婚問題に注力している弁護士」の方が専門性がより高いと考えるほうが自然でしょう。

 

 

離婚の結果は弁護士によって変わる?

離婚問題において、依頼者が満足できる結果をもたらすのは、専門性だけではありません。

やはり事件そのものの性質が重要と考えます。

また、ある程度の運も必要かと思います。

①事件の性質について

例えば、離婚が認められるか否かが争点の事件において、法律上、離婚が認められない可能性が高い事件があったとします。

この場合、依頼者が離婚を望んでいても、裁判となれば離婚が認められない可能性があることを覚悟していただく必要があります。

②運について

例えば、上記の事件(離婚が認められるか否かが争点の事件において、法律上、離婚が認められない可能性が高い事件)において、離婚肯定派の裁判官が担当の場合、離婚が認められる可能性もあります。

しかし、どのような裁判官が担当するかは依頼者側でコントロールできず、まさに運といえるでしょう。

上記のように、専門性が高いからと言って、必ずしも、依頼者が満足できるというわけではありません。

しかし、以下の理由から、専門性が高い弁護士への相談をお勧めいたします。

 

専門知識とノウハウの活用に期待できる

離婚を専門とする弁護士は、離婚に関する様々な法令や裁判例に精通しています。

また、経験値が高いため、ノウハウを有しています。

例えば、裁判所の説得方法や担当裁判官の性格等を熟知している可能性があります。

このような専門知識やノウハウを活かすことで、事件を有利にすすめることができる場合もあります。

また、結果が異ならなかったとしても、当該事件の見通しについて、適切に判断できる可能性が高いといえます。

例えば、上記の事件(離婚が認められるか否かが争点の事件において、法律上、離婚が認められない可能性が高い事件)において、離婚を専門としない弁護士の場合、裁判の行く末についての助言すらできない可能性があります。

専門性が高い弁護士であれば、事前に「離婚が認められない可能性が高い事件であること」を依頼者に伝えることができます。

その結果、「裁判を回避して交渉のみで離婚を成立させる」という処理方針(戦略)を立てることができ、依頼者の予想に反する結果を回避することが期待できます。

 

熱量に期待できる

離婚を専門とする弁護士は、当該事件の解決に全力を尽くしてくれる可能性が高いと考えられます。

なぜならば、「離婚に注力している」ということは「その弁護士が離婚問題にプロフェッショナルとしてのやりがいを感じている」と考えられるからです。

弁護士は、広範な法律事務の中から様々な分野を取扱業務として選択することが可能です。

数多くの法律問題の中から離婚問題を選択したということは、何らかの理由で離婚問題に興味を持っているからと言えます。

弁護士の関心度が高いため、きめ細やかなサポートを期待できると思われます。

 

 

離婚に強い弁護士探しのコツ

それでは、離婚問題に注力している弁護士をどのようにして探せばよいのでしょうか。

以下、想定される探し方について検討していますので参考にされてください。

インターネットで検索する場合

まず、インターネットで検索して、その弁護士のホームページを閲覧する方法が考えられます。

ホームページの情報が適切であることを前提とすれば、この方法が最も効率的に離婚を専門とする弁護士を探すことができるのでお勧めとなります。

ただし、ホームページの情報が不適切な可能性もあるため注意が必要です(後記の「見極め方」をご参考にされてください。)。

 

ポータルサイトで見つける場合

法律事務所が運営するものではなく、民間業者が運営するウェブサイトに様々な弁護士が掲載されているもので、このようなサイトをポータルサイトといいます。

様々な弁護士を見ることができるという点では便利ですが、離婚問題を専門としていない弁護士も掲載されているため注意が必要です。

 

知人から紹介してもらう場合

昔ながらの方法として「紹介」による弁護士の探し方も考えられます。

この場合、実際に紹介者がその弁護士のサポートを受けたことがある場合(すなわち元依頼者であった場合)、その弁護士の評価も確認できるため信頼度が高いと考えられます。

しかし、ただの知人の場合、その弁護士の良し悪しは不明です。

また、専門性が高い弁護士を紹介してもらえる可能性は低いと考えられます。

そして、知人からの紹介の場合、断りにくいなどのしがらみが生じることも懸念されます。

 

弁護士会や役所の法律相談を利用する場合

弁護士会や市役所等の法律相談を利用して弁護士を探す方もいらっしゃるかと思います。

この場合、担当の弁護士は、弁護士会の法律相談の登録名簿で割り当てられた弁護士となります。

離婚を専門としている弁護士を割り当てているわけではないため、専門性が高い弁護士の可能性は低いと考えられます。

 

 

弁護士の探し方まとめ

探し方 特徴 懸念点
ネット検索 効率的に専門弁護士を探せる 不適切な表示に注意
ポータルサイト 様々な弁護士を探せる 専門弁護士ではない可能性に注意
知人からの紹介 信頼性がある 専門弁護士ではない可能性に注意、しがらみ
弁護士会・役場の相談 登録名簿で割り当てられた弁護士が対応 専門弁護士ではない可能性に注意

 

 

離婚に強い弁護士の見分け方

上記のとおり、離婚に強い弁護士の探し方としては、ホームページでの検索が最も効率的でお勧めです。

ただし、この方法の注意点は、当該ホームページの情報が適切であることが前提となるということです。

すなわち、ホームページの情報が大げさであったり、不正確であれば、離婚に強い弁護士へ相談できないという結果につながってしまいます。

そこで、ここではホームページにおいて、離婚に強い弁護士をどのようにして見分けるか、検討いたします。

 

ホームページの弁護士紹介ページを見てみる

ホームページ上には、「離婚専門チーム」「離婚専門」などの記載があっても、事件を担当する弁護士の専門性は高くないというケースも想定されます。

このようなことを回避するために、事件を担当する弁護士の注力分野等をホームページの「弁護士紹介」ページから確認する方法があります。

きちんと注力分野に離婚問題や家事事件などの記載があれば、注力分野を限定しているということがわかるので安心することができるでしょう。

あわせて読みたい
弁護士紹介ページの参考

 

専門書の執筆実績

依頼を検討している法律事務所が離婚関連の専門書籍を執筆していれば、相当な専門知識をもっていると考えられます。

専門書籍の執筆情報などについても、当該法律事務所のホームページ上から確認できる場合が多いかと思われます。

あわせて読みたい
参考:出版情報

 

メディア等への出演の有無

離婚問題に精通している専門家の場合、テレビ、新聞、雑誌などから離婚に関する取材を求められることが多いです。

当該法律事務所のホームページ上のメディア等への出演情報が掲載されていれば、そのような取材を受けているということが判断できます。

あわせて読みたい
参考:メディア情報の例

 

口コミの内容

現在、法律事務所に関する口コミ(例えばGoogleマイビジネス)は、当該法律事務所の評価として重要な指標となっています。

そのため、口コミ全般を見ることで、信頼できそうか否かの参考になるでしょう。

 

実際に相談を受けてみる

専門性が高い弁護士か否かを知る一番良い方法は、当該法律事務所の相談を受けてみることだと思います。

また、実際に相談を受けてみることで、相性も判断できるでしょう。

専門性が高く、かつ、離婚問題について正しいスタンスをもっている弁護士であれば、相談者の質問事項について、適切な見通しを伝えてくれるだけでなく、相談者も気づいていない潜在的な問題点を見極めて、根本的な解決方法を提示してくれる場合もあります。

法律相談では、その場で依頼するか否かを決心する必要はありません。

弁護士に頼めば、仮に依頼したときの見積もりも提示してくれるはずです。

したがって、まずは相談を受けてみて、その後依頼すべきを考えてみられてはいかがでしょうか。

 

 

離婚に強い弁護士の費用とは?

相談料について

弁護士に相談する際、相談料が無料の場合と有料の場合が考えられます。

有料の場合、多くの法律事務所では30分5500円(税込み)が多いようです。

また、通常は有料の法律事務所でも、時折無料の法律相談会を実施している事務所もあります。

無料の方が有料よりも負担が少ないように見えますが、それよりも、その法律事務所の信頼性のほうが重要ではないでしょうか。

いわゆる「安かろう悪かろう」という観点からは、有料であってもしっかりと対応してくれる事務所を選ぶべきだと思います。

離婚問題は、依頼者の一生を左右するほどの重要な問題だからです。

 

弁護士の着手金や報酬について

離婚問題についての弁護士費用は、多くの法律事務所で、着手金と報酬金に分けられます。

着手金は、依頼を受けるときに支払っていただく金銭を言い、報酬金は事件終了時に出来高に応じて支払っていただく金銭です。

離婚事件の場合、交渉のみか、調停対応が必要か、訴訟対応か、などで着手金の金額が異なります。

また、報酬金についても、経済的利益の額(相手から受け取る金額や減額利益など)などで金額が異なります。

具体的な状況で着手金や報酬金は異なるため、相談の際に、見積を提示するようにお願いされると良いでしょう。

あわせて読みたい
弁護士費用の参考

 

 

まとめ

以上、離婚に強い弁護士の探し方について、くわしく解説しましたがいかがだったでしょうか。

離婚を専門とする弁護士は決して多くありません。

まずはインターネットで検索してホームページ上から離婚問題を注力分野としているかを確認されることをお勧めいたします。

その際、専門性が高いか否かを見極めることが重要となります。

そのため、弁護士紹介ページ、専門書の執筆情報、メディアへの出演、口コミなどが有益な情報となるでしょう。

この記事が離婚問題でお困りの方にとってお役に立てば幸いです。

なお、デイライト法律事務所は離婚分野に圧倒的な実績をもっています。

お近くに離婚に強い弁護士がいない方は、当事務所のオンライン相談をお試しください。

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