年収400万円の場合、養育費の相場はいくら?【弁護士解説】

  
弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA


養育費を支払う側(通常夫)の年収が400万円の場合、養育費の相場は月額4万円〜14万円となります。

相場に幅があるのは、子供の数や妻の収入等の事情に左右されるからです。

以下、詳しく解説致しますので、参考にされてください。

養育費とは

子どもが成人する時までに要する生活費、医療費、教育費などの費用を、養育費といいます。

離婚する夫婦の間に未成熟子がいる場合、その子にかかる養育費は、子どもを養育しない親も負担します(民法766条1項)。

※成人年齢は18歳に引き下げられましたが、20歳までとする場合が多いです。場合によっては、大学を卒業するまで養育費を支払うこともあります。

【 根拠条文 】
民法
(離婚後の子の監護に関する事項の定め等)
第七百六十六条
父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。

引用:民法|電子政府の窓口

 

 

養育費はどのように決まる?

子どもを養育していない親が支払う養育費(以下では単に「養育費」といいます。)の額がいくらになるかは、多くの場合、双方の親の年収をもとに、裁判所が公表している標準算定方式・算定表(以下では単に「算定表」といいます。)を用いて算出します。

算定表の見方について、簡単にご説明します。

①表を選ぶ

算定表には、子どもの数と年齢に応じて

「養育費・子1人表(子15歳以上)」
「養育費・子2人表(第1子及び第2子0~14歳)」

などがあります。

子ども3人の場合までありますので、自分のお子さんの人数、年齢に合う表を選びましょう

算定表は、当事務所のホームページからもご確認可能です。

合わせて読みたい
養育費算定表

 

②義務者と権利者の年収を確認する

表が見つかったら、支払う側(義務者)と受け取る側(権利者)の年収を確認します。

「年収」は、原則として、

  • 会社員の場合
    源泉徴収票に記載されている「支払金額」(税金等が控除される前の金額)
  • 自営業者の場合
    確定申告書の「課税される所得金額」に実際に支出されていない各種控除(基礎控除、青色申告控除、支払がされていない専従者給与など)を加えた金額

になります。

年収の調べ方について、詳しくは以下のサイトをご覧ください。

 

③算定表で養育費相場を確認

両者の年収を確認したら、算定表を見ます。

算定表は、縦軸に義務者(支払う側)の年収、横軸に権利者(受け取る側)の年収が記載されています。

自営業の場合と給与収入の場合とで欄が分けられていますので、当てはまる方の欄の数字を見ましょう。

見つかったら、権利者の年収のところから上に線を延ばし、義務者の年収のところから右に線を延ばしていきます。

二つの線の交わったところに記載された金額が、養育費の相場です。

④注意点

算定表は、簡単に養育費の相場を知ることができ、大変便利なツールです。

しかし、算定表には、考慮されていない事項もあります。

例えば、多額の教育費(私学の学費や高額の習い事費用など)や医療費等がかかっている場合などは想定されておらず、算定表で導き出された養育費を修正し、増額することになる場合もあります。

こうした増額があるのか、あるとして、どの程度増額するのか、といったことについて判断するには、専門的な知識が必要です。

養育費について取り決める前に、一度弁護士に相談し、助言をもらうことをお勧めします。

 

 

夫の年収が400万円の場合の養育費相場はいくら?

夫(支払う側)の年収が400万円の場合、算定表で導かれる養育費の相場は以下のようになります(妻の収入は0としています。)。

当事務所では、養育費の目安を素早く確認できるように、オンラインで、かつ、無料で自動計算できるシミュレーターも提供しております。

ぜひご活用下さい。

養育費シミュレーター

子どもが1人の場合

子どもの年齢 養育費(月額)
会社員の場合 自営業者の場合
14歳以下 4~6万円 6~8万円
15歳以上 6~8万円 8~10万円

 

子どもが2人の場合

子どもの年齢 養育費(月額)
会社員の場合 自営業者の場合
2人とも14歳以下 6~8万円 10〜12万円
1人は15歳以上、1人は14歳以下 8~10万円 10〜12万円
2人とも15歳以上 8~10万円 10〜12万円

 

子どもが3人の場合

子どもの年齢 養育費(月額)
会社員の場合 自営業者の場合
3人とも14歳以下 8~10万円 10〜12万円
1人は15歳以上、2人は14歳以下 8~10万円 12〜14万円
2人は15歳以上、1人は14歳以下 8~10万円 12〜14万円
3人とも15歳以上 10〜12万 12〜14万円

 

 

共働きの場合の養育費はどうなる?

養育費を受け取る側(権利者)である妻も働いていて収入がある場合、養育費の額は変わってきます。

以下では、妻がパートorアルバイトをしている場合と正社員をしている場合について、それぞれの平均的な年収での養育費の相場を表にまとめてみました。

もちろん、平均的な年収とご自身の年収が異なる場合は、養育費の相場も異なります

算定表を見て、ご自身の収入に合った養育費の相場を調べてみてください。

また、先にもご紹介いたしましたが、当事務所では、養育費の目安を素早く確認できるように、オンラインで、かつ、無料で自動計算できるシミュレーターも提供しております。

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養育費シミュレーター

 

夫が年収400万円、妻がパートorアルバイト

妻がパートやアルバイトをしている場合、平均的な年収は約120万円となっています。(厚生労働省の毎月勤労統計調査令和4年8月分結果確報参照)

妻の年収が給与収入120万円の場合、算定表による養育費の相場は、以下のようになります。

 

子どもが1人の場合(妻の年収:給与120万円)

子どもの年齢 養育費(月額)
会社員の場合 自営業者の場合
14歳以下 2~4万円 4~6万円
15歳以上 4~6万円 6~8万円

 

子どもが2人の場合(妻の年収:給与120万円)

子どもの年齢 養育費(月額)
会社員の場合 自営業者の場合
2人とも14歳以下 4~6万円 6〜8万円
1人は15歳以上、1人は14歳以下 6~8万円 8〜10万円
2人とも15歳以上 6~8万円 8〜10万円

 

子どもが3人の場合(妻の年収:給与120万円)

子どもの年齢 養育費(月額)
会社員の場合 自営業者の場合
3人とも14歳以下 6~8万円 8〜10万円
1人は15歳以上、2人は14歳以下 6~8万円 8〜10万円
2人は15歳以上、1人は14歳以下 6~8万円 10〜12万円
3人とも15歳以上 6~8万円 10〜12万円

 

夫が年収400万円、妻が正社員

妻が正社員の場合、平均的な年収は389万円となっています。(国税庁の令和2年分民間給与実態調査)

妻の年収が給与収入389万円の場合、算定表による養育費の相場は、以下のようになります。

 

子どもが1人の場合(妻の年収:給与389万円)

子どもの年齢 養育費(月額)
会社員の場合 自営業者の場合
14歳以下 2~4万円 2~4万円
15歳以上 2~4万円 4~6万円

 

子どもが2人の場合(妻の年収:給与389万円)

子どもの年齢 養育費(月額)
会社員の場合 自営業者の場合
2人とも14歳以下 2~4万円 4~6万円
1人は15歳以上、1人は14歳以下 4~6万円 6〜8万円
2人とも15歳以上 4~6万円 6〜8万円

 

子どもが3人の場合(妻の年収:給与389万円)

子どもの年齢 養育費(月額)
会社員の場合 自営業者の場合
3人とも14歳以下 4~6万円 6〜8万円
1人は15歳以上、2人は14歳以下 4~6万円 6〜8万円
2人は15歳以上、1人は14歳以下 4~6万円 6〜8万円
3人とも15歳以上 4~6万円 6〜8万円

 

 

養育費を取り決める際の注意点

養育費は、子どもの生活や将来にもかかわる大切なものです。

支払う側にとっても、長年にわたり支払うことになるので、生活にかかわってくる重要なものです。

双方が合意すれば、相場とは関係なく養育費の金額を決めることができますが、子どものためにも、後々のトラブルを防ぐためにも、適切な金額で取り決めたいものです。

以下では、養育費を取り決める際の注意点について、ご説明します。

 

相場が適正額とは限らない

裁判所が公表している養育費の算定表は、全国の裁判所も参考にしており、影響の大きいものです。

しかし、この算定表で全てが決まるわけでもありません

算定表は、あくまで標準的な状況での養育費についてのものであり、特殊な事情がある場合については考慮されていません

例えば、

  • 私立学校に通っている場合の学費
  • 高額な習い事費用
  • 子どもに病気があることによる高額の医療費

といった費用については、夫にも負担させるか、負担させる場合の負担割合はどうするか、といった点について、専門的な知識に基づく検討が必要です。

他にも、妻が離婚の時には専業主婦であっても、将来的にパート収入などを得ることになると見込んで、収入をゼロとせずに算定する場合などもあります。

養育費の算定については、算定表の結果そのままの合意をしてしまう前に、一度弁護士に相談してみることをお勧めします。

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ご相談の流れ

以下のサイトでも、算定表の見方、養育費を決めるときの注意点などを解説しています。

参考にしてください。

 

合意した後に変更することは簡単ではない

養育費は、一度取り決めた後も、双方が合意すれば増額したり減額したりすることができます。

しかし、一度話し合って合意したことを、離婚して生活もバラバラになった後に話し合って変更することは、難しいものです。

合意ができなかった場合には、家庭裁判所に養育費の増額(減額)の調停を申し立てる必要が出てきます。

調停でも合意ができなければ、裁判所に審判で決めてもらわねばなりません。

しかし、裁判所に養育費の減額・増額を認めてもらうには、養育費を取り決めた当時とは事情が変わった(事情の変更があった)こと(再婚や養子縁組、会社の倒産や病気・ケガでの就労不能など)が必要とされる場合が多いです。

単に、「合意した養育費が高すぎる(低すぎる)」というだけでは、養育費の変更は認められにくいでしょう。

養育費を決める際は、「後からでも変えられる」などと安易に考えず、慎重に考えてください。

 

離婚協議書を作成しよう

養育費のことをはじめ、離婚の際に決めた条件(慰謝料、財産分与、年金分割、親権、面接交流など)については、離婚協議書を作成しておきましょう

口頭で話しただけでは、詳細な点が不明確になったり、抜けたりすることがあります。

また、合意したはずの内容について後で争いになったときに、証拠となる離婚協議書がないと、「言った、言わない」の争いになってしまいます

離婚の際には、ぜひとも離婚協議書を作成しましょう。

当サイトには、離婚協議書のサンプル集や離婚協議書のサンプルを手早く確認できるツールがあります。

どうぞご活用ください。

 

支払条件も決める

養育費について考えるとき、どうしても金額をいくらにするかにばかり目が行きがちです。

しかし、当事者間で話し合って協議離婚する際でも、養育費の金額だけでなく、いつ支払うのか(毎月〇日払い、など)、どうやって支払うのか(振り込みか現金か、振り込みならどの口座へか、現金ならどこに持って行って支払うのか)といった支払条件についても決めるべきです。

こうした支払条件が決まっていないと、相手方が養育費を支払わなくなったときに、不都合が生じる場合があります

特に、強制執行認諾文言付き公正証書によって離婚協議書を作成する場合には、こうした点について明確にしておかないと、その公正証書による強制執行ができなくなる可能性があります

強制執行認諾文言付き公正証書を作成しなかった場合でも、困ったことが出てくる場合があります。

離婚時に決めた養育費が支払われなくなったときには、裁判所に調停を申し立てることとなります。

このとき、支払条件が決まっていないと、その点についてまた一から話し合わなければならなくなってしまうのです。

しかし、離婚してしまっていると、こうした支払条件についての話し合いも、離婚前より難航するおそれがあります。

離婚前に、支払条件についても、しっかり話し合って決め、書面に残すようにしておきましょう。

 

一括払いも検討を

養育費は、毎月払いとすることが原則です。

しかし、養育費の支払は数年間、場合によっては20年間近くと長期間にわたるため、途中で支払が滞ることも少なくありません。

相手方はしばらくすると養育費を支払わなくなるかもしれない・・・と疑われる場合には、養育費を一括で支払ってもらえるよう話し合って合意する、という選択肢もあります。

一定のまとまった額を最初に支払ってもらい、残りの養育費を分割して支払ってもらう、ということも考えられます。

ただ、一括払いなどでまとまった金額を受け取った場合、金額によっては贈与税が課されることがあるので、注意が必要です

養育費の不足は、子どもの生活や将来に大きな影響を与えます。

どのようにすればより確実に養育費を確保することができるか、十分に考えて話し合いましょう

離婚問題に詳しい弁護士であれば、養育費の受け取り方についても多くの方法を知っています。

一度弁護士に相談し、助言をもらうのもお勧めです。

 

 

養育費を相場より増減させたい!

増額となりうる事由

子どもの養育に特別な費用がかかっている場合、算定表での養育費の相場よりも養育費を増額させられる場合があります。

代表的な例についてご説明します。

 

教育費(塾代、私立・大学の授業料等)

算定表は、公立学校(高校まで)に通っていることを前提として作成されています。

しかし、実際には、子どもが私立学校に通っていることも珍しくありません。

私立学校に通っている場合、入学金をはじめ、公立よりも高い学費がかかるのが一般的ですが、算定表では考慮されていません。

大学の学費も、公立高校等よりずっと高額ですが、算定表では考慮されていません。

習い事についても、普通程度の習い事費用・塾代等は算定表でも前提とされていますが、相当程度高額な費用のかかる習い事・塾代等については、算定表で十分に考慮されているとは言えません。

そのため、私立学校や大学の入学金・学費、高額な習い事費用等がかかっている場合、算定表から導き出された養育費の相場の金額に、入学金や学費、習い事費用の一部を加算するよう求めることができる場合があります。

相手方と話し合い、増額することで合意できれば、相場より増額した養育費を支払ってもらうことができます。

合意ができず裁判所で調停・審判をすることになり、増額させることができるか否かについて裁判所の判断がなされる場合には、相手方が進学や習い事について了承していたかどうかや、両親の収入・資力、その他諸般の事情が考慮されます。

進学や習い事についてなるべく相手方にも了承してもらえるように話し合っていき、了承してもらえた場合は一筆書いてもらったり、メールを残しておくなどして証拠を確保しておくようにしましょう。

 

医療費等

医療費等についても、通常の生活をしている子どもにかかる程度の医療費は、算定表でも考慮されています。

しかし、子どもに大きな病気・ケガや障害があり多額の医療費等がかかる場合については、想定されていません。

そのため、通常以上の医療費等がかかった場合には、養育費の増額を求めることができます。

具体的にいくら増額を求めることができるかは状況によって異なりますが、例えば、算定表で考慮されている医療費を超える部分について、元夫と元妻の収入で按分して、元夫(養育費の支払義務者)の負担部分を養育費に加算する、という方法もあります。

 

減額となりうる事由

養育費を算定表の相場より減額できることはあまりありません

算定表で想定されている場合よりも養育費がかからない、というケースは、あまりないと思われます。

ただ、養育費の一部について、妻に直接支払う代わりに、子の生活などのために必要な他の費用・料金を請求元に支払い続ける、など、「養育費」という形でない負担をする場合があります。

その場合には、妻に直接支払う金額は減る場合もあるかもしれません。

ただし、妻と子どもが住む家の住宅ローンの支払を夫がする場合には、財産分与の面で、夫と妻が公平に財産を分けるために取り決めている、ということもあります。

この場合には、住宅ローンの支払と養育費は無関係なので、住宅ローンを支払うからといって養育費を減額する理由にはなりません。

その他の費用などについても、慰謝料や財産分与で支払うべきお金の代わりとして支払う場合、養育費から減額すべきではありません

夫が負担する支払が「養育費」の代わりとなっているかどうかは、財産分与や慰謝料に関する合意を含めた離婚時の合意全体を見て考える必要があります。

夫側から「自分は○○の支払をするのだから、養育費は減額してほしい」と求められた場合には、離婚時の合意全体について専門的知見からの検討をする必要があります

ぜひ一度専門家にご相談下さい。

当事務所の離婚事件チームには、財産分与・慰謝料など離婚問題全般にも養育費の問題にも詳しい弁護士が所属しております。

当事務所へのご相談について詳しくはこちらをご覧ください。

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ご相談の流れ

 

算定表が使えない場合・離婚後に事情が変わった場合

元夫も子どもを養育している場合には、算定表によって養育費の相場を求めることはできません。

離婚後に再婚したり、子どもができたり、養子縁組があったりした場合にも、算定表をそのまま使うことはできなくなります

離婚後に、元夫が倒産や病気によって失業し、再就職が難しいような場合にも、事情が変わったとして養育費の減額が可能な場合があります。

このような場合には、減額等を求めて元妻と話し合い、話し合いができなければ家庭裁判所の調停・審判を利用することになります。

詳しくは、以下のサイトをご覧ください。

 

 

まとめ

今回は、養育費とは何か、養育費の算定表の使い方、年収が400万円の場合の養育費の相場、共働きの場合の養育費の相場、養育費を取り決める際の注意点、養育費が相場より増減額する場合のこと、などについて解説しました。

年収400万円の場合について、妻側の収入に応じて複数の表を掲載しましたので、どうぞご活用ください。

ただ、当記事の表に記載している金額は、裁判所が公開している養育費の算定表に従った「一応の相場」になります。

高額の学費や習い事費用、医療費がかかっている場合などで、増額などを求められる場合もあります。

また、養育費は子どものためにとても重要なものですが、長期にわたって必要となるため、途中で支払われなくなる、といったことも少なくありません。

できる限り養育費を確実に受け取るため、専門家である弁護士のアドバイスも、ぜひ活用してください。

 

 

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