離婚原因ランキング、トップは意外にも・・・【弁護士が解説】

離婚を決めた理由とは?
離婚の理由というと、世間一般の方は、パートナーの不倫や暴力などをイメージされるのではないでしょうか。
ところが、そのような悪質なケースは、実際には一部にとどまります。
当事務所の離婚問い合わせ件数は累計1万件を超えております。
しかし、離婚の理由は様々です。
当事務所での統計では離婚の理由は下表のようになっています。
※ご相談時アンケートより集計いたしました(複数選択可)。
●期間:2024年1月1日〜2024年12月31日
女性側
女性の離婚理由は、ランキング順で下表のとおりとなっています。
| 順位 | 離婚理由 | 総数に対する割合 |
|---|---|---|
| 1位 | 性格の不一致 | 31.6% |
| 2位 | 精神的虐待 | 26.1% |
| 3位 | 異性関係(相手) | 15.8% |
| 4位 | 暴力 | 10.6% |
| 5位 | その他 | 10.5% |
| 6位 | 生活費を渡さない | 9.9% |
| 7位 | 浪費 | 8.3% |
| 8位 | 性的不調和 | 7.3% |
| 9位 | 借金 | 6.0% |
| 10位 | 両親との不和 | 5.8% |
| 11位 | 異性関係(自分) | 3.6% |
| 病気 | 3.6% | |
| 13位 | 同居しない | 2.1% |
| 14位 | 異性関係(自分か相手か未記入) | 1.0% |
このデータを見ると、女性の離婚理由としては①性格の不一致(31.6%)、②精神的虐待(26.1%)、③異性関係(相手)(15.8%)、④暴力(10.6%)、⑤その他(10.5%)の順となっています。

男性側
男性の離婚理由は、ランキング順で下表のとおりとなっています。
| 順位 | 離婚理由 | 総数に対する割合 |
|---|---|---|
| 1位 | 性格の不一致 | 30.4% |
| 2位 | 精神的虐待 | 15.8% |
| 3位 | その他 | 9.3% |
| 4位 | 性的不調和 | 7.5% |
| 両親との不和 | 7.5% | |
| 6位 | 異性関係(自分) | 6.7% |
| 7位 | 暴力 | 6.6% |
| 8位 | 異性関係(相手) | 6.2% |
| 9位 | 浪費 | 4.9% |
| 10位 | 病気 | 3.0% |
| 11位 | 同居しない | 2.6% |
| 12位 | 借金 | 2.4% |
| 13位 | 生活費を渡さない | 2.2% |
| 14位 | 異性関係(自分か相手か未記入) | 1.2% |
上記のとおり、男性の離婚理由としては①性格の不一致(30.4%)、②精神的虐待(15.8%)、③その他(9.3%)、④性的不調和(7.5%)、両親との不和(7.5%)となっています。

考察
上記のとおり、男性と女性で差はあまりないことがわかりました。
ただ、「性格の不一致」や「その他」の割合が意外と多いことがわかります。
このことから、相手方がそれほど悪質ではないような理由も多いことがわかります。

この背景としては、まず、女性の社会進出によって経済的に自立できる方が多くなったことがあげられます。
すなわち、昔は専業主婦の方が多く、女性が離婚を決断するのは勇気と覚悟が必要でした。
しかし、現在は女性でも働きやすくなり、収入を得ることができるようになりました。
性格の不一致によってストレスを感じて生活するよりも、離婚して自立したいと考える女性が増えたと考えられます。
また、離婚に対する価値観の変化も見られます。
現在は夫婦3組に1組が離婚すると言われています。
昔ほど離婚に対するマイナスイメージはなく、離婚という決断をしやすくなっていると考えられます。
司法統計データ
なお、家庭裁判所の離婚調停を申し立てる際、チェック項目に離婚の動機があります。
この離婚の動機を集計した最高裁判所の結果は、下表のとおりとなっています(複数選択可)。
当事務所の調査結果と異なり、このデータは、「離婚調停を申し立てた件数」の統計結果を表しています。
実際の夫婦の離婚のうち、調停まで進む件数はその一部にすぎませんので、必ずしも全体の傾向を示すものではありませんが、参考としてご紹介いたします。
| 申立ての動機 | 総数に対する割合 | |
|---|---|---|
| 夫 | 妻 | |
| 性格が合わない | 65.4% | 48.9% |
| 異性関係 | 12.2% | 16.5% |
| 暴力を振るう | 12.4% | 26.1% |
| 酒を飲み過ぎる | 3.9% | 7.1% |
| 性的不調和 | 9.3% | 6.9% |
| 浪費する | 7.9% | 6.2% |
| 病気 | 1.8% | 1.3% |
| 精神的に虐待する | 11.4% | 23.5% |
| 家庭を捨てて省みない | 7.6% | 6.5% |
| 家族親族と折り合いが悪い | 6.1% | 4.1% |
| 同居に応じない | 8.9% | 5.1% |
| 生活費を渡さない | 3.5% | 22.2% |
| その他 | 21.6% | 10.2% |
| 不詳 | 3.2% | 5.6% |
アメリカの離婚原因トップ10

日本よりも離婚率が高いと言われるアメリカでは、どのような理由で離婚しているのでしょうか。
離婚専門の弁護士等の記事を参考に、離婚の理由をまとめると、下記のとおりとなります。
- コミュニケーションの問題
- 愛情が冷めた
- 性の不一致
- 若すぎた
- ドラッグやアルコール等の中毒
- DV
- 浮気
- お金の問題
- 性格の不一致
※似たような項目は統合しています。
日本の場合と同じような理由が大部分ですが、特徴的なものとして「ドラッグ」の問題と「若すぎた」があげられます。
離婚についてお悩みの方へ
上記に該当したとしても、「離婚したほうがいい」というわけではありません。
夫婦が離婚する理由は様々です。
離婚する理由が様々なのは、人々が生活する環境や価値観が異なるからです。
離婚は、これまでの生活状況が一変する重大な決断です。
もし、離婚についてお悩みであれば、専門家に相談されることをおすすめします。
離婚専門の弁護士の中には、単に法律的な助言ではなく、「離婚すべきか」という相談についても親身になって対応してくれる弁護士もいると思います。
なぜ離婚問題は弁護士に相談すべき?弁護士選びが重要な理由とは?
