浮気・不倫調査の費用とは?相場・注意点・抑えるコツ
浮気・不倫調査の費用とは、浮気や不倫の証拠を得るため、探偵に調査を依頼した場合にかかる費用(探偵費用・調査費用)のことをいいます。
浮気や不倫を理由に慰謝料請求などの法的手続きを検討する際、重要になるのは、浮気や不倫の事実を裏付ける証拠です。
探偵への調査依頼は、この証拠を得るための手段の一つです。
プロの探偵に調査してもらうことで、決定的な証拠が得られる場合もあります。
もっとも、探偵への調査依頼については、費用がどのくらいかかるかわからず、不安を感じている方も多いと思います。
そこで、ここでは浮気・不倫調査の費用について、わかりやすく解説します。
探偵費用の相場だけでなく、依頼時に注意すべき点や、できる限り費用を抑えるためのポイントについても紹介します。
ぜひ参考になさってください。
浮気・不倫調査の探偵費用の相場とは?
浮気・不倫調査の探偵費用の相場は、10万円~100万円程度です。
ただし、依頼する探偵、調査する期間などによって大きく異なります。
浮気・不倫調査の探偵費用の体系
探偵の料金体系には、主に時間制・パック制・成功報酬制の3つがあります。
それぞれの内容やおおよその相場感は、以下のとおりです。
| 料金体系 | 内容 | 相場 |
|---|---|---|
| 時間制 | 時間単位で料金を定める制度。 時間単価×調査時間×調査員の人数で計算。 |
1時間当たり5,000円~1万5000円程度 |
| パック制(定額制) | ある程度まとまった時間・定額料金とする制度。 時間制よりも時間単価が割安に設定されていることが多い。 |
20時間20万円~50万円程度 |
| 成功報酬制 | 成果が得られた場合に料金が発生する制度。 | 15万円〜100万円程度 |
探偵費用の内訳
探偵費用の主な内訳は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査員の人件費 | 調査員の稼働費用(通常は2~3人体制) |
| 交通費 | 調査員の移動にかかる費用 |
| 機材費 | カメラなどの手配費用 |
| 報告書作成費 | 報告書の作成費用 |
| オプション費用 | 深夜・早朝調査の割増料金、報告書のデータ化サービスなどの費用 |
| その他の経費 | 宿泊費(出張費)、事務手数料など |
| 基本料金(着手金) | 成果にかかわらず依頼時に必ず支払う費用 |
| 成功報酬 | 証拠が取れた場合に支払う費用 |
必ずしも上記の全てがかかるというわけではなく、費用項目の分類や請求方法は探偵によって様々です。
例えば、基本料金や深夜・早朝の割増料金は、設定されているところもあれば、設定されていないところもあります。
また、時間制の時間単価の中に人件費のほか、交通費・機材費・報告書作成費・その他経費などの一切が含まれている場合もあれば、交通費や諸経費などは実費精算としている場合もあります。
探偵費用が高額になりやすいケース
探偵費用が高額になりやすいのは、次のようなケースです。

①長期にわたる調査が必要なケース
時間制の場合は、調査時間が長くなればなるほど費用は高くなります。
調査時間が長くなりやすいのは、次のようなケースです。
- 相手の行動が読めず、「この日に浮気をする」という予測を立てにくいケース
- 相手が警戒しており、浮気の予定を急にキャンセルすることが多いケース
このようなケースでは、調査が空振りに終わることが多く、証拠を取るまでにある程度の期間・回数の調査が必要となります。
②深夜・早朝の調査が必要なケース
深夜に密会し早朝までホテルで過ごすといった浮気パターンの場合は、調査員が深夜から早朝にかけて張り込んで調査をする必要があります。
そのため、深夜・早朝の割増料金が設定されている場合は、探偵費用が高額になりやすいです。
③浮気現場が遠方のケース
浮気現場が遠方の場合は、調査員の交通費や宿泊費等がかさんで高額になりやすいです。
浮気・不倫調査の探偵費用の例
ここでは、参考までに実際の探偵の費用例をいくつか見比べてみましょう。
| 探偵 | 費用例 | 参考情報(公式サイト) |
|---|---|---|
| HAL探偵社 | 時間制:1時間7,000円~ 完全成功報酬プランあり |
https://hal-tanteisya.com/ |
| 原一探偵事務所 | トライアル:55、000円 時間制:158,000~ パック制:250、000円~(余剰分返金対応あり) |
https://www.haraichi.co.jp/ |
| ラビット探偵社 | 時間制:1時間7,700円~ パックプランあり |
https://rabbit-tantei.com/ |
| 総合探偵社AMUSE | 時間制:1時間8,250円~ 連続15時間以上24時間以内の場合は1時間3、980円~ |
https://tantei-amuse.co.jp/ |
| さくら幸子探偵事務所 | 基本料金:55,000円~ | https://www.sakurasachiko.jp/ |
※料金は2025年11月時点の公式サイトの情報に基づく
※全て税込み価格
浮気・不倫調査の探偵費用の注意点

ポータルサイトのおすすめには注意
ポータルサイトとは、不特定多数の探偵の情報が掲載されているものです。
探偵のポータルサイトには、おすすめの探偵ランキングなどが紹介されており、情報収集の入り口として閲覧する方も多いと思います。
しかし、ポータルサイトのおすすめには注意が必要です。
ポータルサイトは、探偵ではなく、営利を目的とする民間会社が広告収入を目的として運営しています。
ポータルサイト上の探偵の情報は、通常、運営側がその探偵から広告料をもらって掲載しています。
そのため、必ずしも実力のある・信頼できる探偵が上位に掲載されているとは限りません。
また、運営側にとって探偵は「お客様」ですから、その探偵にとって不都合な情報は掲載できないはずです。
そのため、中立な立場で公正に評価しているものとは言い難い面があります。
ランキングの根拠となる資料やデータも公開されておらず、何をもって良い探偵とされているかの評価基準もあいまいです。
以上のような理由から、ポータルサイトの情報には注意が必要だと考えます。
複数の探偵に相談する
探偵選びに失敗しないためには、複数の探偵に相談し、どこに正式に依頼するかを比較検討することをおすすめします。
初回相談を無料で実施しているところも多いので、上手く活用するとよいでしょう。
実際に相談員の方と会って話してみることで、調査の方法や内容、調査報告書の形式、費用等に関する具体的な情報を得ることができます。
また、相談員がどのように対応してくれるかも、信頼できる探偵かどうかを見極めるポイントとなります。
特に次のような点に注意してみるとよいでしょう。
- 質問に丁寧に答えてくれるか
- 調査方法や調査報告書の形式などについて丁寧に説明してくれるか
- 料金についてわかりやすく説明してくれるか
- 契約を急がせていないか
- 気持ちに寄り添った対応をしてくれるか
依頼時には契約書をよく確認する
探偵に依頼し、契約を結ぶ際には、契約書の内容をよく確認するようにしましょう。
特に、次のような料金に関する事項については、不利な内容になっていないか、あいまいな部分はないかについて、慎重に確認することが大切です。
- 調査費用の料金、内容(何が含まれているか)、支払方法・時期
- 実費(交通費・宿泊費等)の清算方法
- 追加費用を支払う可能性はあるか
- 解約の場合の手数料や返金はどうなるか
- 成功報酬制の場合、何を成功とみなすか
探偵費用を相手に請求できるとは限らない
不倫や浮気を突き止めるためにかかった探偵費用については、「損害」として相手に賠償請求ができる場合があります。
もっとも、必ずしも請求が認められるとは限らないので注意が必要です。
筆者の感覚としては、裁判でこのような賠償請求が認められるのは一部の事案にとどまります。
浮気に関する他の証拠が入手できず、探偵による調査が法的請求(慰謝料の請求など)のために必要不可欠だったといえるようなケースでなけれは、認められない傾向にあります。
他の証拠が入手できていたり、相手が浮気の事実を認めていたりする場合には、認められない可能性が高いです。
また、認められるにしても、実際に探偵費用として支出した金額の「全部」を損害として認めてもらうことは、非常に難しい傾向にあります。
多くの場合、損害として認められる範囲は実際にかかった探偵費用のうちの「一部」にとどまります。
探偵費用に関する参考裁判例
妻が夫の浮気相手に対し、慰謝料とともに、探偵費用として支出した77万7600円も損害として賠償請求した事案です。
夫が浮気を否定したため、妻は、やむなく探偵(興信所)に調査を依頼し、その結果、浮気相手を突き止めることができたという経緯がありました。
このことから、裁判所は、探偵費用は浮気と相当因果関係にある損害であると認めました。
そのうえで、調査は2日間にわたって行われ、その金額は不相当に高額であるとまではいえないとして、77万7600円の全額の賠償請求を認めました。
探偵費用の全額を損害として認めた珍しいケースといえます。
裁判例2 【探偵費用の請求が一部認められたケース】東京地裁平成28年10月27日判決
夫が妻の浮気相手に対し、慰謝料とともに、探偵費用として支出した129万6000円も損害として賠償請求した事案です。
裁判所は、探偵(調査会社)による調査の必要性自体は否定できないとしつつ、次のような事情を踏まえ、探偵費用のうち10万円の限度で損害賠償請求を認めました。
- 調査結果は立証方法の一つに過ぎないこと
- 調査の全てにつき必要性があったか否かは明らかでないこと(この裁判で証拠として出した報告書にかかるもの以外にも複数回調査を依頼していました)
- 調査内容に特に専門性が認められないこと
この裁判例のように、高額の探偵費用を支出していても、その一部しか損害として認められないケースは少なくありません。
妻が夫の浮気相手に対し、慰謝料とともに、探偵費用として支出した115万9920円も損害として賠償請求した事案です。
裁判所は、すでに浮気を合理的に推認させる証拠(一緒に宿泊したホテルのカードキーや請求領収書県請求明細書等)を入手していたにもかかわらず、さらに探偵(興信所)に調査を依頼していることに照らすと、探偵費用と浮気との相当因果関係は認められないと判断し、請求を認めませんでした。
このように、他に証拠が存在していた場合は、探偵費用の請求は難しくなることが多いです。
安かろう悪かろうにならないように
探偵費用は決して安いものではないため、できる限り抑えたいと考えるのは当然のことです。
もっとも、安さだけで探偵を選ぶのには、慎重になった方がよいでしょう。
例えば、1時間当たりの料金が安くても、調査員が技量不足であれば、調査に時間がかかり結局費用が高くついてしまうことがあります。
そればかりか、使いものになる証拠が取れずに無駄骨になってしまう場合もあります。
また、報告書の内容がいい加減で、裁判で証拠として使いものにならないこともあります。
そうすると、せっかく費用をかけて調査をしても、慰謝料を獲得できずに終わってしまう恐れがあります。
このように、安さだけで探偵を選ぶと、結局損をしてしまう可能性もあるので注意が必要です。
探偵を選ぶ際には、料金だけでなく、ノウハウ、実績、料金の明確さ、相談時の対応などにも着目するべきでしょう。
浮気・不倫調査の探偵費用を抑える方法

調査の必要性について弁護士に相談する
まずは調査の必要性について、不倫や離婚の問題に詳しい弁護士に相談されることをおすすめします。
浮気・不倫調査の目的は、多くの場合、離婚や慰謝料請求などの法的手続きに必要となる証拠を確保することにあります。
そのため、あらかじめ弁護士に相談し、法的手続きに必要となる証拠の内容や程度について、アドバイスをもらうとよいでしょう。
手元にある証拠で十分であるとわかれば、費用をかけて探偵に依頼する必要はありません。
自力で証拠を集められそうであれば、まずは自力で集めてみるのが先決です。
探偵による調査が必要である場合も、有効な証拠は何か、どの程度の証拠を得る必要があるかを知ることで、調査の対象・期間などを絞り込むことができます。
そうすることで、不要・過剰な調査を避け、探偵費用を抑えることができます。
複数箇所から見積もりを取る
同じ内容の調査を依頼する場合であっても、依頼先によって費用が大きく異なることがあります。
そのため、無料相談などを利用して、複数の探偵から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。
比較検討の際には、表示金額のみならず、明瞭であるか、追加費用がかかる可能性があるのかなどについても、慎重にチェックするようにしましょう。
探偵費用には、基本料金、調査員の人件費、交通費、機材費、報告書作成費、その他経費、成功報酬なども含まれます。
見積もりの段階で全ての費目を含んだ金額を提示し、追加料金はなしと明示しているところもあります。
一方で、見積もりには基本料金や調査員1人分の時間単価のみを表示し、諸経費等については不明瞭なままにされるケースもあるようです。
また、最初は最小限の調査時間・人数で安く見積もり、後から「証拠を取るためには追加で調査が必要」などと言って追加料金を請求するケースもあるようです。
このようなケースでは、見積もり段階では「安い」と感じるかもしれませんが、後で予想外の出費を強いられることにもなりかねないため、注意が必要です。
調査する地域の探偵に依頼する
探偵の事務所の所在地と浮気現場(調査地域)が離れている場合は、交通費・出張費・宿泊費などがかさんで探偵費用が高額になることがあります。
そのため、できる限り調査の対象地域に拠点を置いている探偵に依頼することをおすすめします。
全国に複数の拠点を置き、全国対応している事務所を利用するのも一つの手です。
各拠点間で連携をとってもらうことで、交通費等を最小限に抑えることができる場合もあります。
法律事務所から紹介してもらう
どの探偵を選んだらよいかわからないという場合は、まずは弁護士に相談し、弁護士から探偵を紹介してもらうという方法も考えられます。
不倫や離婚の問題を専門に扱っている法律事務所であれば、信頼できる地域の探偵を把握しており、紹介実績もあることが多いです。
そのような探偵であれば、調査力や調査報告書の精度も高いことが多いです。
そのため、短期間の調査でも有力な証拠を押さえることができ、探偵費用も抑えられる場合があります。
Googleの口コミを参考にする
探偵の評判を知るのにおすすめなのは、Googleビジネスプロフィールです。
ビジネスプロフィールはGoogleのサービスの一つであり、その事業者の情報(営業時間、アクセス情報)やレビュー(口コミ)が掲載されています。
このレビューを見てみることをおすすめします。
ビジネスプロフィールのレビューは、事業者が自分の判断で削除したり、編集したりすることはできません。
そのため、実際の利用者の声として参考にできるものだと思われます。
もっとも、全面的に信用できるとも限らないので注意は必要です。
レビューの投稿は誰でもできるため、実際の利用者ではない人が悪意で、あるいは評価を上げるために偽りの投稿をすることもできてしまいます。
また、Googleビジネスプロフィールは、事業者が任意で登録するものですので、登録していない会社も多く存在します。
弁護士に相手に請求してもらう
浮気調査にかかった探偵費用を、浮気をした配偶者や浮気相手に請求したいとお考えの方は多いと思います。
その場合は、弁護士に依頼し、弁護士から慰謝料とともに請求を出してもらうことをおすすめします。
先にも述べたとおり、探偵費用の請求が裁判で認められるケースは限られています。
調査の必要性や相当性が厳しくチェックされるため、認められるとしても、ごく一部に限られるケースが多いです。
そのため、探偵費用の回収については、できる限り裁判外での柔軟な解決を目指した方がよいでしょう。
そこで、弁護士による代理交渉を活用することが考えられます。
代理交渉とは、弁護士があなたの代理人として相手と直接交渉をするサポートのことをいいます。
専門の弁護士が相手と交渉をすることで、裁判に持ち込まずとも、探偵費用も含めた金額について支払合意ができる可能性は高くなります。
また、特に浮気調査により有力な証拠が得られた場合であれば、弁護士がその証拠を活用して交渉を進めることで、慰謝料の金額そのものを引き上げることができる可能性があります。
そうすることで、受け取れる金額のトータルが増え、結果的に探偵費用の負担も軽くすることができるでしょう。
浮気・不倫調査でよくある疑問
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浮気調査を弁護士に依頼できますか?
これらは探偵業務の範疇であるため、探偵への依頼が必要です。
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妻の浮気調査の費用はいくらですか?
ただし、依頼先、調査内容、期間などにより大きく異なります。
なお、妻の浮気は、平日の日中に行われ、日時の絞り込みが難しいケースも多いです。
このようなケースでは、長期に渡る調査が必要となり、探偵費用が高くなることもあります。
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夫の浮気調査の費用はいくらですか?
もっとも、夫の浮気は、「飲み会の日」や「出張日」などに行われるケースも多いです。
このようなケースでは、調査をすべき日程・時間帯をある程度絞り込むことができるため、探偵費用を抑えられる場合もあります。
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浮気調査が違法になることはありますか?
スマホのロックを勝手に解除して中身を見たり、浮気相手の家の敷地に無断で入ったりすることは、違法行為となる可能性があります。
違法行為には、刑事罰が科される、損害賠償請求を受ける、(非常にまれですが)裁判で証拠として認められないなどのリスクが伴います。
なお、探偵は探偵業法の規制のもと、合法的な手段で調査を行うものとされています。
そのため、探偵に調査を依頼する場合は、調査の違法性について心配する必要は基本的にはありません。
もっとも、悪質な業者がないとも限りませんので、業者の選定や契約内容の確認は慎重に行うべきでしょう。
まとめ
以上、浮気・不倫調査の費用について、相場や注意点・抑えるコツなどを解説しましたが、いかがだったでしょうか。
浮気・不倫調査の費用は、依頼する探偵や調査期間などにより大きく異なります。
不要・過剰な費用がかかることのないよう、調査の必要性、探偵の選定、依頼の内容などには十分に注意を払うことが大切です。
まずは、不倫問題に詳しい弁護士に相談し、調査の必要性などについてアドバイスをもらうことをおすすめします。
当事務所では、離婚問題を専門に扱うチームがあり、浮気・不倫問題にお悩みの方を強力にサポートしています。
LINE、Zoomなどを活用したオンライン相談も行っており全国対応が可能です。
浮気・不倫問題については、当事務所の離婚事件チームまで、お気軽にご相談ください。
なぜ離婚問題は弁護士に相談すべき?弁護士選びが重要な理由とは?



