【体験談】 再婚後の養育費減額。思い込みで未払いに

  
弁護士法人デイライト法律事務所 弁護士  

※弁護士が作成して依頼者に確認していただいた内容を掲載しております。

ご依頼者様 Kさん
性別 男性
ご年齢 30代
お住まいの地域 大阪府

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。

ご依頼時のご状況を教えてください

私は現在、再婚して新しい家庭を築きながら、前婚の子どもたちへの養育費を支払っています。

正確に言えば、「支払っていました」。

しかし、あるきっかけから自己判断で支払いを止めてしまい、結果として「未払い養育費112万円」という状況に直面しました。

ある日突然届いた「内容証明郵便」に背筋が凍り、急いで弁護士に相談したのが今回の体験の出発点です。

 

 

ご依頼のきっかけを教えてください。

再婚を理由に支払いをやめたが……

私は平成29年に離婚し、当時2人いた子どもたちについて、毎月一人あたり4万円、計8万円を支払う旨の離婚調停を成立させました。

調停調書に基づき、以後毎月欠かさず養育費を支払っていました。

ところが令和5年3月頃、元妻が再婚したらしいという話を知り合いを通じて耳にしました。

それが本当かどうかの確証はありませんでしたが、私は「再婚したなら、もう養育費を払わなくてもいいのでは?」と考え、翌月からの養育費の支払いをストップしてしまいました。

当時、元妻から連絡が来ることもなく、「何も言ってこないのなら、やはりもう必要ないのだろう」と勝手に解釈していました。

ところが、令和6年5月になって、元妻側から弁護士を通じて内容証明が届き、「未払い養育費112万円を支払うよう求める」、「支払いがなければ直ちに強制執行の手続を進める」旨の通知が届いたのです。

青ざめた私は、すぐにインターネットで法律事務所を検索し、デイライト法律事務所に連絡を取りました。

 

「再婚しても養育費の義務は続く」と知って衝撃

私は初回の無料相談で、担当してくれた弁護士にこれまでの経緯をすべてお話ししました。

「元妻が再婚したと聞いた」、「自分も再婚し子どもがいる」、「そのうえで支払いを止めたが、相手方から連絡はなかった」と正直に伝えました。

そこで弁護士の先生からは、まずこう言われました。

「再婚によって、養育費の支払い義務が自動的に消滅するわけではありません。再婚相手がお子さんを養子に入れた場合に、支払義務がなくなる可能性があります」私にとって、これはまさに目から鱗の説明でした。

法律上、養育費の支払い義務が終了するのは、原則として子どもが再婚相手と養子縁組をした場合など、扶養義務の優先順位が法律上切り替わった場合に限られるというのです。

つまり、「再婚した」という噂だけで支払いを止めた私の行動は、完全に誤りだったのです。

また、未払いが生じている以上、元妻側が法的手段に訴える可能性もあるとのことから、先生は「強制執行をされないようにするにはどうすべきか」についても明確に説明してくれました。

具体的には、「話し合いで和解する方法」と「家庭裁判所の調停手続きを活用する方法」があること、それぞれにどのようなメリット・デメリットがあるのかを丁寧に教えていただき、私の状況に応じた最適な方針を一緒に考えてくださいました。

私は、まずは交渉による円満解決を目指したい旨を伝え、それに沿って先生方が方針を立ててくれました。

 

 

実際の弁護士の対応はいかがでしたか?

 

弁護士が窓口になってくれた安心感

幸いだったのは、この段階で弁護士に相談し、すぐに受任通知を出していただけたことです。

担当の弁護士は、相手方代理人に対して、『これまでの支払い実績と未払いに至った経緯』、『元妻が再婚して再婚相手が子どもたちを養子にしたのかを確認したい旨』、『未払い分の精算については分割を希望していること』、『私の現在の扶養状況の変化を踏まえて、今後の養育費の減額協議を希望していること』などの内容を丁寧に書面で伝えていただきました。

この受任通知をもって、相手方代理人は強制執行の申立てを見送ってくれて、その後のやり取りはすべて弁護士の先生方が引き受けてくださったため、私は精神的に大きく救われました。

 

扶養家族の増加と支払いの現実

私自身は、2019年1月に再婚し、再婚相手との間に当時1歳と4歳の子どもがいました。

また、第3子の妊娠が判明したばかりで、令和7年2月に出産予定となっていました。

妻も公務員ではありますが、現在は育児休業中のため手当も限られ、家計は決して余裕があるとは言えません。

このように、実質的に扶養すべき子どもが3人になることが確実な状況では、以前と同額の養育費を支払い続けるのは現実的に厳しいものでした。

そのため、先生方を通じて、以下のような交渉をしていただきました。

「現時点では扶養すべき子は2人として算定していただきたいが、第3子が出生した時点で扶養人数を3人として再算定する」。

このように、養育費の見直しを「出産前後」で区切る提案を受け入れてもらうことで、柔軟で現実的な合意に近づくことができたのです。

 

交渉期間と信頼の積み重ね

交渉が始まったのは2024年5月14日。

受任通知を出したのを皮切りに、相手方代理人との書面のやり取りが何度もありました。

その都度、弁護士の先生が冷静に対応し、こちらの経済状況、家族構成、そして支払いの意思について丁寧に伝えてくださいました。

未払い養育費112万円についても、先生方が粘り強く交渉してくださった結果、分割での支払いに合意することができました。

加えて、今後の養育費についても、家庭裁判所の算定表をベースに扶養人数を考慮した新たな金額に減額するという協議が整い、最終的に2024年12月11日には協議終了の報告を受けることができました。

 

法的な明文化で安心を得る

最終的には、双方の合意内容を文書に残すことになり、合意書を取り交わしたうえで、公正証書の作成手続きまで行いました。

このことにより、万が一将来再びトラブルが生じた場合に備えて、法的な安心感を得ることができました。

私にとって、これは大きな区切りでした。

当初は112万円という額に呆然としましたが、今では、しっかりと向き合って解決できたことに誇りさえ感じています。

 

 

ご依頼を検討されていらっしゃる方へメッセージをお願いします。

同じように悩む方へ伝えたいこと

「養育費はもう払わなくてもいいだろう」

「相手が再婚したんだから、自分には関係ない」

私自身がそう思っていました。ですが、法律はそうではありません。

むしろ、そうした判断が後に大きな責任や不利益を生む可能性があることを、今回身をもって知りました。

今回、デイライト法律事務所の先生方に相談し、冷静に対応していただけたことで、未払い分の支払い方法や、今後の養育費の見直しについても、相手方との協議をスムーズに進めることができました。

最終的には、相手方代理人との間で合意書を取り交わし、公正証書の作成まで行うことができました。

未払い分については分割で支払うこと、今後の養育費は現状に即した金額へ減額することを内容とした協議が成立し、一連の問題に法的な区切りをつけることができたことに安堵しています。

やはり、当事者同士では難しい交渉も、弁護士という第三者を介すことで、冷静かつ建設的に進めることができると実感しました。

 

最後に

私のように「離婚後に元妻と気まずくて話し合いを避けてしまった方」こそ、早めに弁護士に相談するべきだと思います。

一人で悩んでいると、どうしても誤った判断をしてしまいがちです。

「再婚したのだから、もう払わなくてもいいだろう」という自分勝手な思い込みが、結果として相手方を不安にさせ、法的トラブルに発展させてしまいました。

しかし、法律の専門家である弁護士に相談すれば、客観的かつ冷静に状況を整理してくれます。

そして、こちらの事情もきちんと汲んだ上で、相手方との間に立ってくれます。

法的な書面があるというだけで、今後の生活設計にも安心感があります。

これから出産を迎える妻との生活、そして前妻のもとにいる子どもたちの生活、どちらにとっても最善の結果となるよう、これからも誠実に対応していきたいと思っています。

この体験談が、同じような悩みを抱えている方にとって、少しでも勇気を与えるものであれば嬉しいです。

悩みや不安を抱えているなら、まずは相談から始めてみてください。

それだけで、確実に一歩進むことができるはずです。

 

 

なぜ離婚問題は弁護士に相談すべき?弁護士選びが重要な理由とは?   

続きを読む



その他の方の離婚体験談