タクシーとの事故|損害賠償はいくら?示談金の相場を解説

タクシー事故の示談金は、慰謝料だけでなく、治療関係費や休業損害、逸失利益など複数の損害項目で構成されています。
交通事故の慰謝料には、入通院慰謝料や後遺障害慰謝料、死亡慰謝料の3種類があり、算定基準にも、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準(裁判基準)の3つがあります。
例えば、タクシーとの事故でむちうちとなり3ヶ月通院した場合、自賠責基準で計算した入通院慰謝料は38万7000円(45日以上通院した場合)となりますが、弁護士基準で計算すると53万円となり、金額に大きな差が生じます。
この記事では、タクシーとの事故の示談金の相場や計算方法、示談金請求の流れや、タクシーとの事故の注意点などについて、弁護士がわかりやすく解説していきます。
目次
タクシーとの事故の示談金の相場はいくら?
タクシーとの事故で請求できる示談金の総額は、ケガの程度、後遺障害の有無、治療期間、収入状況など損害の全容によって大きく異なるため、一概に相場を示すのは困難です。
例えば、むちうちで1ヶ月通院して終了した場合には、入通院慰謝料は19万円(裁判基準)です。
これに休業損害、通院交通費を加算した金額が示談金となりますが、1ヶ月の通院で治癒するケガなので、休業損害もそれほど発生せず、20〜30万円が示談金になると考えられます。
他方で、タクシーとの事故で重篤な後遺障害を負ってしまい、後遺障害1級に認定された場合には、数億円の賠償金になることもあります。
このように、タクシーとの事故の示談金の相場は一概には示せません。
大切なことは、損害項目を漏らさず適切な示談金を請求し補償してもらうことです。
タクシーとの事故の慰謝料の相場と計算方法
交通事故の慰謝料には3つの種類がある
タクシーとの交通事故に遭った場合、被害者は加害者に対して、慰謝料を請求することができます。
慰謝料とは、交通事故によって受けた精神的な苦痛を償うために支払われる賠償金であり、その額は被害の状況や請求の際に用いる基準によって大きく変動します。
交通事故の被害者が請求できる慰謝料は、被害の態様に応じて主に以下の3つの種類に分類されます。
- 入通院慰謝料(傷害慰謝料):交通事故によってケガを負い、治療のために入院や通院をした場合、入院や通院をしたことによる精神的苦痛に対して支払われる賠償金
- 後遺障害慰謝料:交通事故によって後遺症が残り、後遺障害等級認定を受けた場合、そのことによる精神的苦痛に対して支払われる賠償金
- 死亡慰謝料:交通事故により被害者が死亡した場合、被害者本人や遺族の精神的苦痛に対して支払われる賠償金
被害者は、事故の状況に応じてこれらの慰謝料を組み合わせて請求することになります。
たとえば、後遺障害が残った場合は、治療期間に対する入通院慰謝料と、後遺障害が残ったことに対する後遺障害慰謝料の両方を請求できます。
交通事故の慰謝料には3つの基準がある
慰謝料を算定する際には、用いる計算基準によってその金額が大きく変わります。
交通事故の慰謝料には、以下の3つの算定基準が存在します。
自賠責基準
自賠責保険に請求した場合の基準で法令で定められている基準です。被害者への最低限の補償を目的とした強制保険のため、この基準で算定される慰謝料額は3つの基準の中で最も低く設定されています。
任意保険基準
任意保険会社が独自に設定している基準ですが、多くの場合、自賠責基準と大差ないか、わずかに上回る程度の水準です。
保険会社が示談交渉の際に最初に提示してくる金額は、この基準に基づいて算定されている可能性が高いため、その金額を鵜呑みにすると適正な賠償を受けられないことがあります。
弁護士基準(裁判基準)
過去の裁判例をベースに作られた、法的にも適正とされる基準で、3つの基準の中で最も高額になります。
弁護士が介入することで、この弁護士基準での交渉が可能となり、適正な金額の慰謝料を獲得するためには、この弁護士基準を適用することが不可欠です。
入通院慰謝料(傷害慰謝料)の相場と計算方法
入通院慰謝料は、治療のために病院等へ入通院した期間や日数に基づいて算定されます。
計算に用いる基準によって、その金額は大きく異なります。
自賠責基準と弁護士基準によって計算された入通院慰謝料の相場は、以下のとおりです。
| 通院期間 | 自賠責基準 | 弁護士基準 | |
|---|---|---|---|
| むちうち等の軽傷の場合 | 骨折等の重症の場合 | ||
| 1か月 | 12万9000円 | 19万円 | 28万円 |
| 2か月 | 25万8000円 | 36万円 | 52万円 |
| 3か月 | 38万7000円 | 53万円 | 73万円 |
| 4か月 | 51万6000円 | 67万円 | 90万円 |
| 5か月 | 64万5000円 | 79万円 | 105万円 |
| 6か月 | 77万4000円 | 89万円 | 116万円 |
※自賠責基準は、治療期間日数の内半分以上を通院していることを前提としています。
自賠責基準は、治療費や入通院慰謝料、休業損害等の損害の補償は120万円が上限です。
上記の表のように、通院3ヶ月のケースでも、最も低い自賠責基準と弁護士基準とでは、軽傷の場合の入通院慰謝料に10万円以上の差が生じる可能性があります。
さらに、重傷の場合に至っては、20万円以上もの開きが出ることもあります。
後遺障害慰謝料の相場と計算方法
後遺障害慰謝料は、交通事故によって残った後遺症が、自賠責保険による審査を経て「後遺障害等級」として認定された場合に請求できる慰謝料です。
等級は1級から14級まであり、数字が小さいほど重度とされます。
慰謝料額は、認定された等級に応じて固定されており、こちらも算定基準によって大きな開きが生じます。
| 後遺障害等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
|---|---|---|
| 1級 | 1150万円(1650万円) | 2800万円 |
| 2級 | 998万円(1203万円) | 2370万円 |
| 12級 | 94万円 | 290万円 |
| 14級 | 32万円 | 110万円 |
※( )内は「介護を要する後遺障害」の場合の金額です。
交通事故のケガで多いむちうち症などが後遺症として残った場合、14級の後遺障害等級が認定される可能性があります。
この場合、自賠責基準では後遺障害慰謝料が32万円であるのに対し、弁護士基準では110万円と、3倍以上の金額に差が出ています。
最も重い1級では、自賠責基準と弁護士基準の差額は1600万円以上にも及びます。
死亡慰謝料の相場と計算方法
交通事故で被害者が亡くなった場合の死亡慰謝料の相場は以下のとおりです。
| 自賠責基準 | |
|---|---|
| 被害者の慰謝料 | 400万円 |
| + | |
| 請求権者 1名 | 550万円(750万円) |
| 請求権者 2名 | 650万円(850万円) |
| 請求権者 3名 | 750万円(950万円) |
※請求権者は、亡くなった方の父母、配偶者及び子です。( )の金額は請求権者に被扶養者がいる場合の金額です。
| 弁護士基準 | |
|---|---|
| 一家の支柱 | 2800万円 |
| 専業主婦・主夫・配偶者 | 2500万円 |
| 子ども、高齢者、その他 | 2000万円~2500万円 |
死亡慰謝料の算定については、自賠責基準では、被害者の家族内における立場に関わらず一定額となっていますが、弁護士基準では、被害者の家庭内における立場に応じて相場が異なります。
タクシーとの事故で請求できるのは慰謝料だけではない!
タクシーとの交通事故の被害に遭われた場合、加害者側に対して請求できる損害賠償金(示談金)は、精神的な苦痛に対する補償である慰謝料だけではありません。
示談金は、事故によって生じたすべての損害を金銭的に補償するために支払われるものであるため、以下のように、治療にかかった費用や事故によって失われた収入など、さまざまな損害項目が含まれます。
治療関係費
「治療関係費」は、交通事故による怪我の治療のために実際に出費した費用を指し、損害賠償における「積極損害」の主要な項目の1つです。
これらの費用は、事故と因果関係が認められる範囲で、加害者側に対して請求できます。
単に病院でかかった治療費だけではなく、治療や看護のために必要となったさまざまな追加費用も、治療関係費として請求が可能です。
主な項目としては、以下のようなものがあります。
治療費
入院費、手術費、診察料、投薬代、リハビリテーション費用など、治療に直接かかった費用です。
柔道整復師による施術や鍼灸治療についても、医師の指示や同意がある場合は認められることがあります。
通院交通費・宿泊費
病院やリハビリ施設への通院に要した公共交通機関(電車、バスなど)の運賃、自家用車を使用した場合はガソリン代(実費相当額)、高速道路料金、駐車場代などです。
遠方への治療や付き添いが必要となった場合の宿泊費も含まれます。
付添費用
被害者の怪我の程度により、入院中または通院中に家族や専門家による付添いが必要となった場合の費用です。
特に重傷の場合や、幼いお子様の入通院などでは重要な項目となります。
- 治療器具費:コルセット、サポーター、松葉杖、車椅子などの医療補助器具の購入費用やレンタル費用です。
- 将来介護費用:事故により重度の後遺障害が残り、将来にわたって介護が必要となる場合に、その介護のために必要となる費用です。
- 葬祭関係費:被害者が死亡した場合に必要となる葬儀費用などです。
これらの費用を請求するためには、医師の診断書や病院・薬局の発行する領収書・レシートなど、支出と事故との因果関係を証明するための客観的な資料を揃えておく必要があります。
保険会社から治療費の打ち切りを打診されることもありますが、治療の必要性がある限り、費用を請求する権利は続きますので、安易に応じてはいけません。
休業損害
「休業損害」とは、交通事故による怪我の治療や入院のため、仕事を休まざるを得なくなり、その結果、本来得られるはずだった収入が減少したことに対する損失を補償するものです。
休業損害は、「1日あたりの賃金 × 休業日数(仕事を休んだ日数)」という計算式で算出されます。
この損害は、給与所得者(会社員)や個人事業主だけでなく、主婦(主夫)などの家事従事者も請求することができます。
被害者が給与所得者の場合は、事故前3ヶ月間の給与額を基に算定した1日あたりの基礎収入に、実際に休業した日数を乗じて計算されます。
また、個人事業主の場合には、事故前年の確定申告書類などを基に基礎収入を算定します。
主婦(家事従事者)の場合は、実際に収入を得ていなくても、家事労働という経済的価値を失ったとみなし、賃金センサス(政府の統計)に基づいて計算される基礎収入に休業日数を乗じて算定されます。
逸失利益
「逸失利益(いっしつりえき)」とは、交通事故が原因で、将来にわたって得られるはずだった収入や利益が得られなくなったことによる損失を指します。
逸失利益には、「後遺障害逸失利益」と「死亡逸失利益」の2種類に分けられます。
後遺障害逸失利益
交通事故による後遺症が後遺障害等級として認定された場合、その障害によって労働能力が低下し、将来にわたる収入の減少が見込まれます。
この減収分を補償するのが後遺障害逸失利益です。
後遺障害逸失利益は、「基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」という計算式によって算出されます。
「基礎収入」は、被害者の方が交通事故にあう段階でどのような職業についていたか、年収はどの程度あったのかということがポイントとなるため、事故前の年収などを基に算定されます。
「労働能力喪失率」とは、認定された後遺障害等級に応じて、労働能力がどれだけ失われたかをパーセンテージで示したものです(例:14級で5%、12級で14%など)。
また、「労働能力喪失期間」は、等級や部位によって異なりますが、原則として、症状固定時から就労可能年数(通常67歳まで)の期間です。
そして、「ライプニッツ係数」とは、将来にわたって一度に受け取る利益(逸失利益)について、中間利息を控除するために用いられる数値です。
死亡逸失利益
「死亡逸失利益」とは、被害者が交通事故で死亡した場合、被害者が生存していれば得られたはずの収入を、遺族に補償するものです。
死亡逸失利益は、「基礎収入 ×(1 – 生活費控除率)× 就労可能年数に対応するライプニッツ係数」という計算式で算出されます。
基礎収入は、死亡した被害者の事故前の年収などを基に算定します。
また、被害者が生きていれば、その収入から生活費を支出していたはずであるため、その生活費分を控除する割合が「生活費控除率」です。
被害者の家族における立場(一家の支柱、専業主婦、独身者など)によって、この控除率は変動します。
就労可能年数に対応するライプニッツ係数については、死亡時から就労可能年数までの期間に対応する係数を用います。
このように、逸失利益の算定は、ライプニッツ係数や生活費控除率の適用など、非常に複雑で専門的な知識が必要となります。
したがって、請求の漏れや損害額の計算間違いなどを防ぐためにも、弁護士に相談・依頼することが、適正な賠償額を得るためには重要となります。
タクシーとの事故による示談金の相場を簡単に計算
タクシーとの事故に遭われた方が、最終的に受け取ることができる示談金(損害賠償金)の総額はいくらなのでしょうか。
前述の通り、示談金は、慰謝料や治療関係費、休業損害、逸失利益など、複数の複雑な項目で構成されています。
保険会社から提示された示談金額が適正かどうかを判断するにも、まずはご自身の損害の大まかな目安を知ることが重要となります。
そこで、当法律事務所では、タクシー事故を含むあらゆる交通事故の被害者の方々が、ご自身の賠償金額の概算を迅速かつ手軽に把握できるよう、「交通事故賠償金計算シミュレーター」をご用意しております。
この自動計算ツールは、弁護士基準(裁判基準)に基づき、主要な損害項目の相場を瞬時に算定できるシステムです。
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ただし、当事務所のシミュレーターは、被害者の方に迅速かつ簡易に賠償金の概算を把握していただくことを目的としていますので、あくまで参考情報としてご活用ください。
より詳細で具体的な損害額を算定されたい場合には、交通事故を専門的に扱っている弁護士にご相談されることをおすすめいたします。
タクシー事故の示談金の請求の流れ
タクシーとの交通事故が発生してから、被害者の方が適正な示談金を受け取り、事故を法的に解決するまでには、以下のような手続きの流れを踏む必要があります。

負傷者の救護と警察への届け出
交通事故が発生した場合、まずは負傷者の救護(119番通報)が最優先です。
ケガをした人がいる場合は直ちに救急車を呼び、可能な限り応急処置を施す必要があります。
そして、直ちに警察(110番)に事故を届け出る必要があります。
これらは、タクシー運転手やタクシーと事故を起こした車両の運転手に課せられた義務です。
警察への事故報告は、道路交通法上の義務であると同時に、後に保険金を請求するために必要となる交通事故証明書を発行してもらうために必要な手続きです。
タクシーとの事故でご自身や同乗者がケガをした場合、必ず「人身事故」として届け出てください。
人身事故として届け出ることで警察官による実況見分が行われ、事故状況を詳細に記録した実況見分調書が作成されます。
この調書は、後の示談交渉や裁判において、事故の詳しい状況やそれぞれの過失割合を立証するために重要な資料となります。
事故の当事者の情報確認と保険会社への連絡
次に、示談交渉に備えるため、タクシー運転手の情報を可能な限り聴き取り、正確に記録しておいてください。
確認しておくべき情報として、以下のものがあります。
- タクシー運転手の氏名、住所、電話番号、緊急連絡先
- タクシー会社の名称、連絡先、車両の車種や登録ナンバー
- タクシー共済または相手車両が加入している任意保険会社の名称と連絡先(担当者名)
事故現場でメモがとりにくい場合には、相手の名刺をもらったり、相手の承諾を得て運転免許証や名刺などをスマートフォンで撮影させてもらったりするなどの対応が有効です。
ご自身の加入している保険会社(人身傷害保険などに加入している場合)と、加害者側の保険会社(タクシー共済や任意保険会社など)に対して、事故発生の事実を速やかに通知してください。
これにより、治療費の支払いや今後の手続きについての窓口が設けられます。
医療機関を受診して継続的な治療を受ける
タクシーとの事故を起こした場合、少しでも体に違和感があれば、事故後できるだけ早期に医療機関(整形外科など)を受診し、医師の診断を受けてください。
事故直後は明確な自覚症状がなくても、数日後に痛みが出るケースは少なくありません。
早期に受診することで、症状と事故との医学的な因果関係を立証することができ、後の治療費や入通院慰謝料を含む損害賠償請求の根拠となります。
受診が遅れると、事故との因果関係が争点となるリスクが高まります。
そして、完治を目指し、医師の指示に基づく適切な治療を継続することが重要です。
治療費については、加害者側の保険会社が直接病院に支払う「一括対応」が行われることが一般的です。
治癒または症状固定
治療の経過により、怪我の状況は「治癒」または「症状固定」のいずれかの状態を迎えます。
「治癒」とは、症状が完全に回復し、元の状態に戻った状態で、そこで治療は終了となります。
一方、「症状固定」とは、長期間の治療を継続しても、医学的にこれ以上治療を続けても症状の改善が見込めず、症状が安定した状態に至ったと医師が判断した状態です。
この症状固定の時点をもって、損害の全容(治療費、入通院慰謝料など)が一旦確定し、以後の治療費は原則として損害賠償の対象外となります。
示談交渉は、この治癒または症状固定の時点以降に開始されます。
後遺障害が残った場合は後遺障害等級認定を申請
症状固定と判断された後、身体に機能障害や神経症状などの後遺症が残った場合には、後遺障害等級認定を申請します。
この認定を受けることで、後遺症の程度に応じた後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益を請求する法的な基盤となります。
認定される後遺障害等級は、示談金の総額に大きな影響を与えます。
後遺障害の申請は、任意保険会社が行う事前認定、被害者やその代理人弁護士が行う被害者請求を通じて、加害者の自賠責保険に申請が行われます。
そして、申請を受けた自賠責保険は、専門的機関である損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所というところに調査を依頼し、当該機関が調査を行って等級の判断をします。
自賠責保険に対して異議申立てがなされた時は、自賠責損害調査事務所の上位機関である地区本部あるいは機構本部で審査が行われます。
示談交渉を開始する
治癒または後遺障害等級が確定し、損害の全容が確定した後、被害者側と加害者側(タクシー共済や保険会社など)との間で、最終的な損害賠償額を確定させるための示談交渉が開始されます。
交渉では、過失割合(事故の責任の割合)、慰謝料の算定基準、休業損害、逸失利益などの項目が争点となることがあります。
また、保険会社が提示してくる賠償額は、通常、裁判所が認める弁護士基準(裁判基準)よりも低い基準に基づいています。
適正な賠償額(弁護士基準)を獲得するためには、交通事故に強い弁護士を代理人として交渉してもらうことが不可欠です。
示談交渉がまとまらない場合には、裁判をするかどうかを検討することになります。
示談金を受け取る
示談交渉での合意、または裁判上の和解・判決の確定により賠償額が確定した後、加害者側の保険会社やタクシー共済から被害者に対し示談金(賠償金)が一括で支払われます。
この支払いをもって、原則として事故に関する金銭的な債権債務関係は消滅し、事故の法的な解決が完了します。
この支払いが完了すると、原則として、事故に関する金銭的な債権債務関係は解消され、法的な事故解決が完了します。
後日の紛争を避けるため、示談書には「清算条項」が明記されることが一般的です。
タクシー事故の注意点
事故現場で示談をしてはいけない
タクシー運転手から、事故現場でその場限りの示談を持ちかけられたとしても、決して応じてはいけません。
事故直後の時点では、ケガの程度(特にむちうちなどの症状は後から現れることが多い)や、車の修理費用、休業損害、入通院慰謝料など、事故が原因で発生する損害の全容を正確に判断することは不可能だからです。
一度示談が成立し、示談書にサインをしてしまうと、原則としてその内容を後から変更することは難しくなります。
治療後に新たな損害が判明しても、追加の賠償を請求できなくなり、適切な損害賠償を請求できなくなってしまうリスクがあります。
そのため、示談交渉は、全ての治療が終了し、損害が確定した後に行うのが鉄則です。
タクシー共済との示談交渉は難航しやすい
タクシー会社との事故における示談交渉の相手方は、一般の損害保険会社ではなく、タクシー業界独自の「タクシー共済」であることが一般的です。
タクシー共済は、タクシー運転手や会社の利益、保護を重視する互助組織としての側面が強く、一般の任意保険会社に比べて低い損害賠償金額を提示しやすく、被害者側からの増額交渉にも応じにくいという傾向があります。
また、タクシー共済は、一般の保険会社と異なり金融庁の運営許可が不要であるため、監視の目が届きにくく強硬な姿勢を取りやすいとされています。
このような背景から、タクシー共済との示談交渉は難航しやすく、「めんどくさい」と感じられるケースが少なくありません。
交渉が停滞したり、不適切な対応を受けたと感じたりした場合は、独力で対応せず、交通事故に詳しい弁護士に依頼して交渉を任せることが、適正な賠償額を獲得するための最も有効な対策となります。
タクシー事故で被害者が損をしないポイント
交通事故に強い弁護士に相談する
タクシーとの交通事故において、被害者が適正な損害賠償を獲得するためには、交通事故案件に強い弁護士に相談することが重要です。
交渉相手が一般の任意保険会社よりも強硬な姿勢を取りやすいタクシー共済である場合や、保険会社から提示された示談案の金額に納得できない場合には、弁護士の専門的なサポートを受ける必要があります。
まず、弁護士に依頼するメリットは、賠償額の算定基準が、保険会社が用いる低額な基準から、過去の裁判例に基づく弁護士基準(裁判基準)へと引き上げられる点です。
これにより、慰謝料(入通院慰謝料、後遺障害慰謝料)や逸失利益など、主要な損害項目の金額が大幅に増額する可能性が高まります。
また、弁護士が被害者の代理人として交渉を全て代行するため、ストレスの多いタクシー共済との示談交渉から完全に解放され、ケガの治療に専念することができます。
さらに、後遺障害が残った場合も、適切な後遺障害等級認定手続きのサポートを受けることができるため、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益のスムーズな請求が期待できます。
ご自身の加入している自動車保険や火災保険などに弁護士費用特約が付帯している場合は、費用を気にすることなく、弁護士に依頼することが可能です。
まずは弁護士特約の有無を確認したうえで、弁護士に相談されるようにしてください。
タクシー事故のよくあるQ&A

タクシー事故がめんどくさいのはなぜですか?
タクシー事故の示談交渉が「めんどくさい」と言われる主な理由は、加害者側の相手方が、一般の損害保険会社ではなく、「タクシー共済」という業界独自の組織であることが多いからです。タクシー共済は、タクシー事業者間の相互扶助を目的としているため、その運営方針として、被害者への賠償金の支出を抑え、タクシー会社や運転手の利益を保護しようとする傾向があります。
このため、一般の任意保険会社と比べて、低い賠償額を提示したり、過失割合について強硬な主張を譲らなかったりする結果、事故の示談交渉が難航する可能性があります。

タクシー事故の確率は高い?
国土交通省が公表している令和5年(2023年)の統計データでは、走行距離1億キロあたりの事故件数で比較した場合、タクシーは自家用車よりも事故の発生確率が高いと言えます。自家用車の事故件数に対し、タクシー(実車時)の事故件数は約1.7倍以上となっています。
これは、バスやトラックなど他の事業用自動車と比較しても高い水準です。
また、タクシー事故は、乗客を乗せていない「空車時」(いわゆる流し営業時)に多く発生しています。
したがって、特に空車時のタクシーと事故を起こす確率は、他の事業用自動車よりも高いと言えます。
まとめ
タクシー事故の示談金総額は、慰謝料だけでなく、治療関係費や休業損害、逸失利益など複数の損害項目で構成されます。
慰謝料には入通院・後遺障害・死亡の3種類があり、算定基準には自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準(裁判基準)の3つがあります。
適正な賠償を受けるには、最も高額な弁護士基準の適用が不可欠です。
また、タクシー共済との示談交渉は、他の任意保険会社との交渉と比べて難航する可能性があります。
もし、タクシーとの事故で相手方の提案に納得できない場合には、交通事故に強い弁護士に相談することをおすすめします。
デイライト法律事務所では、交通事故をはじめとする人身障害に特化した部を編成し、交通事故被害者に対して協力にサポートを行っています。
また、オンラインでの相談にも対応していますので、全国どこからでもご相談いただけます。
タクシーとの事故でお困りの際は、ぜひ当事務所に一度ご相談ください。






