Q4. 遺留分による紛争を防止する方法がありますか?


A. 
①遺留分の事前放棄や②経営承継円滑化法の活用があります。

 

① 遺留分の事前放棄について

遺留分は、被相続人の生前に自分の遺留分を放棄することができます。

したがって、後継者以外の相続人(非後継者)に経営者の生前に遺留分を放棄してもらうことによって、遺留分をめぐる紛争や自社株式・事業用資産の分散を防止することができます。

しかし、遺留分を放棄するには、放棄しようとする非後継者が自ら家庭裁判所に申立てを行わなければならず、放棄のメリットがまったくない非後継者の理解を得るのは難しいといえます。

 

②経営承継円滑化法の活用

このような遺留分の事前放棄の制度の限界を補うため、平成20年に経営承継円滑化法が成立しました。 この法律では、経営者から後継者に生前贈与された自社株式について、遺留分算定基礎財産から除外することができます。

また、経営者から後継者に生前贈与された自社株式について、基礎財産に算入する際の価額を固定することもできます。すなわち、経営者から後継者に自社株式が生前贈与された場合、何年前になされたものであっても「特別受益」として遺留分算定の基礎財産に加えられますが、その基礎財産に加えられる金額は、贈与された時点ではなく、経営者の相続開始時点での評価によります。したがって、贈与を受けてから相続開始時までの間に評価額が上昇している場合、上昇後の評価額が贈与を受けた額となって基礎財産に算入されます。しかも、その評価額の上昇について、贈与を受けた後継者の貢献があったとしても考慮されません。このため、自社株式の贈与を受けた後、後継者が経営に尽力して会社の価値を上昇させればさせるほど、他の相続人の遺留分の額を増加させる、というジレンマに陥ることとなり、会社経営に対する後継者の意欲を削いでしまうおそれがあると指摘されていました。

このような問題点から、経営承継円滑化法では、自社株式の価格固定が認められることとなりました。 なお、価格固定については、後継者を含む現経営者の推定相続人全員の合意を前提としており、経済産業大臣の確認と家庭裁判所の許可が必要となっていますが、いずれの手続も、メリットを享受する後継者が単独で行うことが可能です。

なお、この経営承継円滑化法のよりくわしい内容についてはこちらからどうぞ

詳しくは事業承継に詳しい弁護士にご相談ください。

 

 

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