・インターネット上で、会社のありもしないことを流されている

・社長の悪口が多数書き込まれた
・会社名で検索すると、ブラック企業などと書かれている

 

誰もがパソコンやスマートフォンでインターネットを楽しむ現代社会では、こうした名誉毀損や信用を害するような情報を掲示板などに書き込まれる被害が後を絶ちません。

インターネットの特徴として、匿名性があります。そうした性質から、特に2ちゃんねるなどの掲示板には、毎日無数の書き込みがなされています。

ネット上の誹謗中傷が企業に向けられた場合、その企業の信用を大きく損なう危険性が潜んでいます。そうした情報を放置すれば、検索システムでその企業を検索すると、誹謗中傷サイトが上位にくることも大いにあります。

 

誹謗中傷サイトが企業に与える悪影響の具体例としては、以下のようなものがあります。

  • ・その情報を見た取引先から突然取引の停止を申し入れられた。
  • ・企業の商品の売れ行きが悪くなった。
  • ・新規に従業員を採用しようとしてもなかなかいい人材が集まらない。

こうした被害を防ぐためには、早急に当該情報をインターネット上から消去する必要があります。それが削除請求です。

 

 

削除請求の流れ

016.jpg削除請求の流れは、以下のとおりです。
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まず、削除権限のあるサイト管理者に対して、誹謗中傷の書き込みがなされていることを伝えて、任意に削除するように交渉を行います。これにより、サイト管理者が削除に応じてくれれば、当該書き込みは削除され、侵害は停止できます。しかし、任意の交渉で、削除に応じてもらえなければ、法的な手続をとる必要があります。

なお、サイト管理者に削除要請を行えば、当該書き込みをした発信者に対して、削除について意見照会をするケースもあります。これによって、発信者が新たな投稿を自主的に控えたり、場合によっては、自ら当該書き込みを削除したりする場合もあります。

サイト管理者が任意での削除に応じない場合には、裁判所に対し、削除を求めて、仮処分ないし訴訟を提起します。裁判で削除請求が認容されれば、これに従って、サイト管理者が削除することになります。万が一、裁判所の判断があったにもかかわらず、削除しない場合には、強制執行を行うことで削除させることになります。

 

 

削除請求の要件

削除請求の法的根拠としては、主に人格権に基づく妨害排除請求権としての削除請求権とされることがほとんどです。

具体的な削除請求の可否については、過去の裁判例(大阪高判平成17年10月25日)において、「表現の自由の重要性に鑑みると、表現行為の差止が認められるためには、単に表現行為によって、人格権が侵害されるというだけでは足りず、当該表現によって、被害者が事後の金銭賠償によっては回復が不可能か、著しく困難になる程度の重大な損害を被るおそれがあることが必要である。」と判断されています。

つまり、本来的には自由である表現行為と当該表現により被害者が受ける損害の程度とを比較考量して削除の可否を判断するケースが多いということです。

そのほかの構成として、民法723条の名誉回復措置としての削除請求という法的構成も考えられますが、人格権に基づく場合と異なり、不法行為の要件である相手方の故意、過失を主張立証しなければならないという違いがあります。

 

 

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