解決事例
更新日2021年3月24日

逆突事故で後遺障害14級を獲得し裁判基準で示談した事例

執筆者:弁護士 木曽賢也 (弁護士法人デイライト法律事務所 パートナー弁護士)


※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

ご相談者Aさん

受傷部位首(頚椎捻挫)
等級14級
ご依頼後取得した金額
325万円

内訳
損害項目 弁護士によるサポート結果
後遺障害等級 14級9号
傷害慰謝料 約95万円(裁判基準)
後遺障害逸失利益 約78万円
後遺障害慰謝料 110万円(裁判基準)
休業損害 約72万円(既払い30万円)
結果 325万円

 

状況

解説図Aさんは、一方通行の1車線を前方のトラックの後ろについて、走行していました。

すると、突然、前方のトラックが停車したため、Aさんも一定の距離を保って停車したところ、トラックが後退してきて、Aさんの車両の前方に激しく衝突しました。

その後、Aさんは、自宅近くの整形外科に通院を開始しました。

事故直後においては、吐き気や頸部痛が強く、上腕のシビレがあり、首を動かすことも困難の状態でした。治療は、リハビリや投薬治療を受けながら頸椎カラーも使用していました。

治療を継続しても、頸部痛は治まらず、医師から症状固定の話も出ていたことから、今後の補償について不安になったAさんは、弊所に相談に来られました。

 

弁護士の対応

むちうち弁護士は、Aさんに後遺障害の申請についてや、その補償の内容、見通しについて説明し、後遺障害の診断書を主治医に作成してもらうようアドバイスしました。

その後、弁護士は、事故により相当の衝撃があったことを示すために、相手方のトラックの車両の写真や、Aさんの自動車の損壊状況が分かる資料をまとめて後遺障害の申請書類に添付し、後遺障害申請をしました。

その結果、頸部痛について後遺障害等級14級9号が認められました。

これに基づき、弁護士は損害計算をして相手方保険会社と示談交渉を開始しました。

当初、相手方保険会社は、裁判基準の70%程度しか認めず、非常に厳しい回答に終始していました。

しかし、本件事故では、事故直後に加害者がAさんに対して、「お前がぶつかってきた」などと怒鳴り散らし、Aさんがその場を離れようと自動車を発進させると、加害者がAさんのあとをトラックでしばらく追い回すなどした事案でした。

こうした事情やAさんの日常生活における具体的な支障を丁寧に説明し、粘り強く交渉した結果、傷害慰謝料、後遺障害慰謝料について裁判基準で合意することができました。

傷害慰謝料について
傷害慰謝料は、基本的には、通院期間で決まります。
もっとも、傷害程度・部位、事故態様、加害者の事故後の態度により増額される可能性があります。

また、相手方保険会社は、後遺障害逸失利益について、Aさんが正社員で稼働していたことから、実収入で計算すべきと主張していました。

しかし、弁護士は、Aさんがお子さんと同居されており、家事従事者としての側面もあったため、実収入よりも高い賃金センサス(女性全年齢)で計算すべきと主張しました。

その結果、賃金センサスを前提とした逸失利益の計算で合意することができました。

兼業主婦の休業損害や逸失利益の基礎収入について
兼業主婦の基礎収入は、現実の収入額と女性労働者の平均賃金額(賃金センサス)のいずれか高い方で算出します。

 

弁護士のアドバイス

本件での事故態様は逆突事故でした。

後遺障害の認定にあたっては、医学的な側面だけでなく、事故態様や事故規模も考慮要素となります。

逆突事故では、一般的に車両が後退する場合は、前進する場合よりも速度が遅いことや、衝突することを衝突前にドライバーが認識できることから、後遺障害の認定を受けることが難しいケースが多いです。

したがって、本件では、加害車両がトラックであることや、修理費用の金額など丁寧に説明し、事故の衝撃が相当であったことを示すことが大切な事案でした。

 

 

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