不動産のおとり広告に関する表示

おとり広告とは、不動産に関していえば、実際には表示された不動産は存在しない場合や所有者から処分を依頼されていないにもかかわらず掲載し、その広告を見た人に対して、他の物件を勧めたりする行為のことをいいます。

 

不動産とは土地だけでなく、建物も含まれます。規制対象となっている表示は以下のとおりです。

①不動産が存在しないため、実際には取引することができないものについて表示すること

②不動産は存在するが、実際には取引の対象となりえないものについて表示すること

③不動産は存在するが、実際には取引する意思がないものについて表示すること

過去の事案では、実際に建物が建築されていないにもかかわらず、建物の平面図を広告に記載し、「一戸建土地付住宅をお譲りします」と記載した事案でこの規制に違反するとして排除命令を受けた例があります。
また、この規制においては、不動産の売却はもちろん、賃貸も含まれています。

 

 

おとり広告に関する表示

不動産に関するおとり広告は上に挙げているとおり、個別に指定がなされています。不動産を除く、一般の商品・役務の取引に関するおとり広告についても、指定がなされています。

 

具体的には以下の4つが規制されています。

①取引を行うための準備がなされていない場合、その他実際には取引に応じることができない場合のその商品・役務についての表示

②供給量が著しく限定されているにもかかわらず、その限定の内容が明瞭に記載されていない場合のその商品・役務についての表示

③供給期間、供給の相手方又は顧客一人当たりの供給量が限定されているにもかかわらず、その限定の内容が明瞭に記載されていない場合のその商品・役務についての表示

④合理的理由がないのに取引の成立を妨げる行為が行われる場合その他、実際には取引する意思がない場合のその商品・役務についての表示

②の「著しく限定されている」とは販売数量が予想購買数量の半数に満たない場合を指すとされています。予想購買数量はこれまでの販売実績などを考慮して決定します。著しく制限されている場合でもその旨を適切に表記すれば不当表示には当たりません。例えば、「限定〇個」という表示です。単に、「数に限りがありますのでお早めに」という記載では明瞭とはいえない可能性が高いでしょう。

③については、「単に限定があります」とだけ記載するのでは不十分で、具体的な供給期間(タイムセールの場合は、何時から何時まで)、供給の相手方(例えば、会員限定)、1人当たりの販売数量(お1人〇個まで)を記載する必要があります。

 

 

有料老人ホームに関する不当表示

有料老人ホームに関する不当表示は平成16年に指定がなされました。これは高齢化が進む中、需要の拡大する有料老人ホームの特徴に配慮したものです。すなわち、有料老人ホームは、長期間契約が続くことが多く、容易に変更がきかない性質のもので、しかも契約時にサービス料金の内容が複雑で理解がしづらいという特徴があります。まして、契約者は高齢で判断能力が不十分な方のケースも多いという点もあります。

 

不当表示として規制対象となるのは、以下のような表示です。

①自己の所有でない土地・建物についてその記載がない場合

②自己が設置していない施設・設備についてその記載がない場合や施設利用料が発生する場合にそのことが記載されていない場合

③共用の施設・設備につきその旨の記載がない場合

④構造・仕様の一部に異なるものがある場合に当該記載をしていない場合

⑤住み替えがある場合にそれに関する事情が示されていない場合

⑥「終身介護」等の表示の例外的事情を明瞭に記載していない場合

⑦協力医療機関の名称や入所者の負担費用について記載がない場合

⑧介護保険給付の対象とならない介護サービスに関する費用の記載がない場合

⑨介護職員の数等が明瞭に記載されていない場合

⑨に関しては、常勤、非常勤別の介護資格を有する職員の数を記載していなければ不当表示に該当するおそれがあります。

これらの各種規定は非常に細かく、具体的なケースに応じて判断する必要があります。皆様の表示が不当表示に該当していないか、一度専門家である弁護士にご相談して下さい。

 

 

不当表示(景品表示法)についてもっとお知りになりたい方はこちら

●不当表示の種類と対象となる表示 ●優良誤認表示とは?
●有利誤認表示とは? ●その他の不当表示
●その他の不当表示(2)
●不当表示に対する責任
●機能性表示食品とは
●機能性表示食品の要件
●機能性表示として認められる範囲
●届出に当たっての考慮事項




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