横断歩道での事故の過失割合とは?弁護士が解説

執筆者:弁護士 北御門晋作 (弁護士法人デイライト法律事務所 弁護士)

横断歩道の過失割合とは

横断歩道での事故の過失割合は、原則として「歩行者 0:車 100」となります。

道路交通法上、横断歩道における歩行者は手厚く保護されているため、歩行者に落ち度がない限り車側が全過失を負うのが基本です。

ただし、歩行者の信号無視や急な飛び出しなどがある場合は、歩行者側にも10%〜70%程度の過失が認められることがあります。

過失割合は交通事故の賠償金に重大な影響を与えます。

この記事では、状況別の具体的な過失割合の基準や、知っておくべき修正要素について、交通事故に注力する弁護士が分かりやすく解説します。

交通事故被害者の方は参考になさってください。

横断歩道は自動車・バイクよりも歩行者優先

横断歩道事故のルール

交通事故における過失割合は、交通事故の当事者同士にそれぞれどの程度の過失があるかを示すものです。

歩行者が道路を横断する場合、付近に横断歩道があれば横断歩道を渡らなければならず(道路交通法12条1項)、信号機がある場合は、信号の表記にも従わなければなりません(道路交通法7条)。

また、自動車やバイクは、安全運転をする義務があるうえに、横断歩道を渡る歩行者を発見した場合、一時停止をしなければなりません。

このように横断歩道を渡る歩行者の通行は、自動車やバイクより優先されています。

そのため、横断歩道上での歩行者の過失割合は基本的に小さいとされています。

なお、歩行者が横断歩道から少し外れて横断していた場合には1、2メートルの範囲であれば横断歩道での事故として扱われます。

 

 

横断歩道での交通事故の過失割合|歩行者と自転車・バイク

歩行者は自動車・バイクより強く保護をされています。

過失割合においても、歩行者の割合は原則小さくなっています。

 

(1)信号機のある横断歩道上での交通事故

状況 過失割合(%)
歩行者 自動車
バイク
歩行者青信号で横断
自動車・バイク赤信号で進入
0 100
歩行者黄信号で横断
自動車・バイク赤信号で進入
10 90
歩行者赤信号で横断
自動車・バイク赤信号で進入
20 80
歩行者赤信号で横断
自動車・バイク黄信号で進入
50 50
歩行者赤信号で横断
自動車・バイク青信号で進入
70 30
歩行者青信号で横断
その後赤信号になった
自動車・バイク赤信号で進入
0 100
歩行者赤信号で横断
その後青信号になった
自動車・バイク赤信号で進入
10 90
歩行者青信号で横断
その後赤信号になった
自動車・バイク青信号で進入
20 80
歩行者黄信号で横断
その後赤信号になった
自動車・バイク青信号で進入
30 70

以下のような事情がある場合には、過失割合が修正されます。

歩行者の過失に加算される修正要素

夜間、幹線道路、直前直後横断、佇立、後退

歩行者の過失に減算される修正要素

住宅街・商店街、児童・高齢者、幼児・身体障害者等、集団横断、車の著しい過失・重過失、歩車道の区別なし

 

(2)安全地帯のある横断歩道上での交通事故

安全地帯とは、大きな道路や路面電車の乗降の場所に存在する、車道の間に設置された車両の進入が制限された場所をいいます(道路交通法2条1項6号)。

安全地帯のある横断歩道では、横断中に信号が青から赤に変わった場合に、横断者は安全地帯に回避することができることから、信号が変わっても安全地帯を超えて横断をした場合には、歩行者の過失割合は加重されます。

その基準は以下の表の通りです。

状況 過失割合(%)
歩行者 自動車
バイク
歩行者青信号で横断
安全地帯付近で赤信号になった
自動車・バイク青信号で進入
30 70
歩行者黄信号で横断
安全地帯付近で赤信号になった
自動車・バイク青信号で進入
40 60

以下のような事情がある場合には、過失割合が修正されます。

歩行者の過失に加算される修正要素

夜間、直前直後横断、佇立、後退

歩行者の過失に減算される修正要素

住宅街・商店街、児童・高齢者、幼児・身体障害者等、集団横断、自動車・バイクの著しい過失・重過失、歩車道の区別なし

 

(3)歩行者と右左折車との交通事故

自動車・バイク側に進行を規制する信号がなくても、横断歩道の直前で停止できる速度で進行する義務が車両自動車・バイクにはあります(道路交通法38条1項)

状況 過失割合(%)
歩行者 自動車
バイク
歩行者青信号で横断
自動車・バイク青信号で進入
0 100
歩行者黄信号で横断
自動車・バイク青信号で進入
30 70
歩行者赤信号で横断
自動車・バイク青信号で進入
50 50
歩行者黄信号で横断
自動車・バイク黄信号で進入
20 80
歩行者赤信号で横断
自動車・バイク黄信号で進入
30 70
歩行者赤信号で横断
自動車・バイク赤信号で進入
20 80
歩行者青信号で横断
その後赤信号になった
自動車・バイク赤信号で進入
0 100
歩行者赤信号で横断
その後青信号になった
自動車・バイク赤信号で進入
10 90

以下のような事情がある場合には、過失割合が修正されます。

歩行者の過失に加算される修正要素

夜間、幹線道路、直前直後横断、佇立、後退

歩行者の過失に減算される修正要素

住宅街・商店街、児童・高齢者、幼児・身体障害者等、集団横断、自動車・バイクの著しい過失・重過失、歩車道の区別なし

 

(4)信号機の設置されていない横断歩道上での交通事故

歩行者保護の観点から、自動車・バイクの過失を重視しています。

状況 過失割合(%)
歩行者 自動車
バイク
歩行者と直進自動車・バイク
との交通事故
0 100
歩行者と右左折自動車・バイク
との交通事故
0 100

以下のような事情がある場合には、過失割合が修正されます。

歩行者の過失に加算される修正要素

夜間、幹線道路、直前直後横断、佇立、後退

歩行者の過失に減算される修正要素

住宅街・商店街、児童・高齢者、幼児・身体障害者等、集団横断、自動車・バイクの著しい過失・重過失、歩車道の区別なし

 

(5)道路で横になっている人と車との交通事故

横断歩道上で横になっている人、四つん這いになっている人、座り込んでいる人は、もはや横断をしている人とはいえないため、別の基準が用いられます。

状況 過失割合(%)
歩行者 自動車
バイク
昼間 30 70
夜間 50 50

以下のような事情がある場合には、過失割合が修正されます。

歩行者の過失に加算される修正要素

幹線道路

歩行者の過失に減算される修正要素

住宅街・商店街、児童・高齢者、幼児・身体障害者等、自動車・バイクの著しい過失・重過失、夜間について明るいこと

上記の過失割合は、あくまで目安です。

過失割合は、当該事故のすべての事情を総合して判断されることになるので、上記割合と異なる割合になることもあります。

 

 

まとめ

横断歩道では、歩行者が全面的に守られており、信号を守っている限り、原則として歩行者の過失割合は0%です。

保険会社側が過失を主張してきた場合には、安易に納得してはいけません。

保険会社が、歩行者に過失があると主張する理由を確認して、弁護士にその主張は正当であるか相談することが重要です。

自動車と歩行者の事故では、歩行者側が重傷を負ってしまうことが多く、保険会社とのやりとりも大変なケースが多いです。

当事務所では、交通事故を日常的に取り扱う弁護士が相談対応から事件対応まで行っていますので、お気軽にご相談ください。

来所相談はもちろんのこと、電話相談、オンライン相談(LINE、Zoom、Meetなど)にて全国対応しています。

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