【高次脳機能障害】怒りやすい家族の正しい対応と補償

交通事故や労働災害で頭部に強い衝撃を受けた後、ご家族が些細なことで激怒したり、暴言・暴力を振るったりするようになることがあります。
しかし、これは本人のわがままではなく、脳の損傷である高次脳機能障害によって感情のコントロールが利かなくなっている可能性があります。
そのため、周囲が力ずくで抑え込もうとしたり、理詰めで説教をしたりしても逆効果になりやすく、お互いに疲弊してしまうおそれがあります。
ご家族の精神的・肉体的負担を減らし、本人の興奮を穏やかに鎮めるためには、症状の現れ方に応じた適切なアプローチを実践することが重要です。
この記事では、高次脳機能障害で怒りやすくなる原因や家族の正しい対応、後遺障害等級認定のポイントなどについて、弁護士がわかりやすく解説していきます。
目次
【突然怒りやすくなった】高次脳機能障害でお悩みの家族へ
交通事故や労働災害(労災)などによって頭部に大きな負傷を負った後、「以前と比べて明らかに性格が変わってしまった」、「ほんの些細なことで激怒するようになり、手がつけられない」といった変化に困惑し、精神的にも肉体的にも限界を感じているご家族は決して少なくありません。
これまで温厚だった家族が、突然怒りっぽくなり、時には暴言や暴力にまで発展する姿を見るのは、非常に辛いものです。
しかし、ここで知っていただきたいのは、そのような変化は本人の「わがまま」や「性格の問題」ではなく、脳の損傷による後遺症(高次脳機能障害)の可能性が高いという事実です。
高次脳機能障害とは、事故などの外傷によって脳がダメージを受けた結果、記憶、注意、思考、感情のコントロールといった高度な認知機能に支障をきたす障害です。
このうち、感情のコントロールが利かずに怒りやすくなる症状は「易怒性(いどせい)」と呼ばれ、「社会的行動障害」という重大な障害の一つに該当します。
また、高次脳機能障害は「怒りやすさ」だけでなく、以下のように多角的な症状となって現れるのが特徴です。
- 記憶障害:新しいことを覚えられず、さっき話したことや予定をすぐに忘れてしまう
- 注意障害:集中力が維持できず、同時に複数の作業をこなすことが困難になる
- 遂行機能障害:物事の段取りを立てて計画的に進めることができず、突発的な事態にパニックを起こす
- 社会的行動障害(易怒性以外):子供っぽくなって他人に依存する(退行)、相手の気持ちに共感できない、1つのことに異様に固執する、意欲が著しく低下して1日中何もしない、お金の管理ができず我慢が利かなくなる
- 病識の低下:自分自身に障害がある、あるいは周囲に迷惑をかけているという自覚を持てない
このように、高次脳機能障害の症状は多岐にわたり、日常生活のあらゆる場面に支障をきたします。
それにもかかわらず、手足の麻痺などのように外見からは障害があることが分かりにくいため、周囲から「ただの失礼な人」、「わがままな性格」と誤解されやすく、ご家族だけで孤立して苦しみを抱え込んでしまうケースが後を絶ちません。
高次脳機能障害の影響で怒りやすい性格になる人は多い
東京都が平成20年に実施した「高次脳機能障害者実態調査報告書」によると、障害の内容として「行動と感情の障害」を抱えている人の割合は44.5%にのぼり、全症状の中で最も高い数値を記録しています。

これは、代表的な症状として知られる「記憶障害(42.5%)」や「注意障害(40.5%)」、「失語症(40.4%)」をも上回る数字です。
さらに、「行動と感情の障害」の内訳として、「意欲の障害」が20.4%で一番多く、次いで「抑うつ状態(18.0%)」、「不安(16.1%)」、「情動の障害(10.8%)」、「興奮状態(10.6%)」と続きます。

このような統計データからも、脳の損傷によって感情が不安定になったり、激しい興奮状態(易怒性)に陥ったりするトラブルがいかに高い頻度で発生しているかが分かります。
実際に、医療機関や介護老人保健施設で「行動と情緒の障害」を持つ方がリハビリや治療を行っている方は全国にいらっしゃいます。
「怒りやすくなること」は高次脳機能障害のきわめて典型的な症状の一つと考えられます。
したがって、ご家族が「突然怒り出す」、「些細なことで激怒する」というのは、本人のわがままや元の性格の悪さではなく、傷ついた脳の機能そのものが引き起こしている後遺障害にほかなりません。
4割以上の患者が同じように感情のコントロールに苦しんでいるという事実を知るだけでも、ご家族が一人で抱え込んでいる孤独感や、「病気のせいなのだ」という納得感への一助となるはずです。
高次脳機能障害で「怒りやすい」症状(易怒性)が出る原因
なぜ、脳の物理的な損傷によって「怒りっぽさ」という性格の変化が生じるのでしょうか。
その具体的な脳のメカニズムを解説していきます。
私たちの脳において、思考、計画性、そして感情のコントロールを司る「司令塔」の役割を果たしているのが、大脳の前方に位置する「前頭葉(ぜんとうよう)」です。

前頭葉は人間に最も発達している高度な領域ですが、頭部外傷の際に最も傷つきやすい急所でもあります。
人間の脳は、硬い頭蓋骨という容器の中で、「脳脊髄液(のうせきずいえき)」という液体に浮かんでいます。
いわば「水に浮いた豆腐」のような状態です。
交通事故などで頭部に激しい衝撃が加わると、脳は容器の中で激しく揺れ動きます。
例えば、後頭部を強く打ち付けた場合、その直下の脳が傷つくだけでなく、勢い余った脳が前方の骨に猛烈なスピードで叩きつけられます。
これを医学用語で「反衝(はんしょう)損傷」と呼びます。
この反衝損傷によって、感情のコントロールセンターである前頭葉が物理的に破壊(脳挫傷)されてしまうのです。
前頭葉の底面にあたる「眼窩面(がんかめん)」という領域は、人間の本能的な衝動や怒りにブレーキをかける役割を担っています。

この部位が損傷すると、知的な能力は以前と変わらなくても、感情を抑制する回路が破綻し、思ったことや湧き上がった怒りをそのまま外へ爆発させてしまう「脱抑制(だつよくせい)」や、感情が自制できなくなる「感情失禁」という状態に陥ります。
これが、身近なご家族に対して些細なことで怒り狂う「易怒性」の正体です。
高次脳機能障害で怒りやすい家族への正しい対応
怒りが爆発している場合
本人が完全に理性を失い、激しく怒りを爆発させている局面では、周囲がその場でなだめようとしたり、「そんなことで怒らないで」と介入したりするのは避けるべきです。
なぜなら、興奮状態にある本人に対して意見をぶつけると、さらに激しい反発や暴言・暴力を招く恐れがあるからです。
まずは「その場から一時的に離れ、本人を一人にさせてクールダウンを促す」ことが重要です。
別の部屋へ移動する、静かな屋外へ連れ出して散歩をするといった方法で、怒りの対象や刺激から物理的な距離を置きましょう。
ご家族が爆発した怒りを正面から受け止め続けると、精神的なゆとりを失ってしまいます。
そして、本人が完全に落ち着いたタイミングを見計らい、何が嫌だったのかを丁寧に聴き取り、「あの態度は周りが困ってしまうよ」と事実を伝えることがポイントです。
本人の感情コントロールが難しい場合
感情の制御が難しい方への対応として、「本人の気持ちが穏やかで、リラックスしている平時のタイミングに、事前に対策を練っておく」ことが効果的です。
日常生活の中で「どんな相手と話すときか」や「どの時間帯か」、「どれくらい疲れているときか」など、イライラが募りやすいパターンをあらかじめ家族側で分析・特定しておきましょう。
その上で、「もしイライラしてきたら、このお気に入りの飲み物を飲む」とか「一旦この部屋に移動して深呼吸を3回する」といった、気分を切り替えるための具体的な合図(スイッチ)を本人と一緒に決めておくのです。
さらに、受傷後の脳は情報を処理できる容量が少なくなっているため、複数の予定や難しい作業が重なると容量オーバーを起こし、パニックから怒りに直結します。
プライベートのスケジュールを詰め込みすぎないよう配慮し、日頃から十分な睡眠時間を確保して脳の負担を減らす環境作りを心がけてください。
周囲の刺激に対してすぐに反応してしまう場合
音や光、周囲の雑音といった外的な刺激に脳が過敏に反応し、突発的に激怒してしまうケースもあります。
この場合は、本人の身の回りから「イライラの引き金となる不要な刺激をできる限り排除し、集中しやすい静かな環境を整える」というアプローチが有効です。
たとえば、家の中で本人が何か作業をしたり話をしたりする際は、テレビやラジオを消して視覚・聴覚的な雑音をなくします。
また、人が多く混雑しているスーパーでの買い物や電車での移動は、ピークの時間帯を避けて利用するなどの工夫で、トラブルの原因となる場所や人との接触を未然に減らすことができます。
さらに、情報処理の遅れから、作業の途中に突然横から話しかけられたり、ミスを指摘されたりすると、パニックを起こしてキレだすことがあります。
声をかけるときは、作業の区切りが良いタイミングを選び、本人の視界に入ってから、ゆっくりと短い言葉で伝えるようにしましょう。
本人に指摘をする場合も、まずは「ここまで出来ていて凄い」など肯定的なフィードバックをしてから、「次はこうするともっと良くなるよ」と伝え方を工夫するだけで、不必要な反発を劇的に減らすことが可能です。
欲求を抑えられない場合
前頭葉の機能低下により、「欲しいものを我慢できない」、「思い通りにいかないと気が済まない」といった欲求の制御(脱抑制)ができず、周囲に八つ当たりをして怒るケースも多々見られます。
ここで「ダメ」、「やめろ」などと単に禁止の言葉をぶつけるだけでは、本人はプライドを傷つけられたと感じ、より激しい怒りで抵抗してきます。
このような場合の正しい対応は、「本人が制限されていると被害的に感じるのを防ぐため、自己管理のための協力というスタンスで納得してもらい、具体的なルールを紙に残す」ことです。
例えば、お金の使いすぎや特定の行動がなぜ問題になるのかを、本人が落ち着いている時に丁寧かつ論理的に説明し、お互いが納得できる範囲で「1日に使っていいお金の額」や「行動のルール」を一緒に決めます。
高次脳機能障害の方は、口頭だけの約束を忘れてしまう記憶障害を併発していることも多いため、決めたルールは必ずメモや写真、カレンダーなどの目に見える「視覚的な情報」として残し、いつでも本人が自分で確認できるように壁に貼っておくなどの工夫をしましょう。
行動をただ制限するだけでなく、「これができたら次はこうしよう」と代替案をセットで提示することで、本人の自尊心を守りながら、社会的に望ましい行動へと無理なく誘導していくことができます。
高次脳機能障害で怒りやすくなった方の治療
薬物治療
高次脳機能障害によって引き起こされる激しいイライラや突発的な興奮といった症状に対して、精神状態の安定や感情の起伏の緩和を目的として行われるのが薬物治療です。
具体的には、興奮を鎮めて気持ちを落ち着かせる効果が期待できる抗精神病薬や、脳の機能低下を補うための認知機能改善薬、あるいは抑うつや強い不安感を和らげるための薬などが、本人の状態や併発している症状(注意障害や不眠など)に合わせて処方されます。
これらの薬剤によって情緒が安定し、注意機能や集中力が一定以上サポートされることで、日常生活でのケアがスムーズになるだけでなく、後述する各種リハビリテーションに対しても本人が前向きに取り組みやすくなるという大きなメリットがあります。
ただし、薬の効果の現れ方や適切な分量には個人差があり、場合によっては副作用のリスクも伴うため、決して自己判断で増減させず、信頼できる医師の厳密な管理のもとで症状の変化を観察しながら、慎重に服用を継続していくことが重要です。
リハビリテーション
リハビリテーションは、低下した認知機能や生活能力の回復を目指し、社会や家庭への適応力を取り戻すための最も中核となるアプローチです。
一般的には発症や受傷から最初の6カ月間を「医学的リハビリ期間」として集中訓練を行い、その後は必要に応じて1年ほどを目安に生活訓練や機能訓練へと移行していきます。
怒りやすい症状に対して特に高い効果が期待されるのが「認知行動療法」や「行動変容療法」です。
認知行動療法では、本人が障害や周囲の環境に対して抱いている否定的・被害的な受け止め方を少しずつ修正し、怒りが爆発する前に冷静さを保つための心理的なアプローチを行います。
また、行動変容療法では、感情をうまくコントロールできた場面でしっかりと褒めたり達成感を与えたりすることで、望ましい行動を脳に学習させ、問題となる怒りの頻度を徐々に減らしていきます。
さらに、リハビリテーションは本人のアプローチだけでなく、周囲の環境を整える「環境調整」や、低下した機能を外部ツールで補う「代償訓練」も並行して実施されます。
再生医療
これまでの一般的な治療アプローチは、残された脳の機能をいかに活かすかという視点が中心でしたが、再生医療は「けがや病気によってダメージを受け、回復が困難とされていた脳の組織や細胞そのものの機能回復」を目指すという点で、全く異なる革新的なアプローチ方法となります。
この治療法では、主に体内に存在する「幹細胞」が持つ高い修復力を活用します。
培養した幹細胞を体内に投与することで、損傷した脳細胞への直接的なアプローチを試み、脳の自然治癒力を最大限に引き出しながら組織の修復や補完、機能の回復を促していきます。
近年の研究や臨床現場においては、高次脳機能障害の根本原因である脳卒中などの後遺症が、この幹細胞治療によって回復へと向かった事例も数多く報告されるようになってきました。
また、治療に使用する幹細胞は患者本人の体から採取した自己細胞を用いることが多いため、投与後の拒絶反応や重篤なアレルギー反応が起こりにくく、身体への負担や安全面への配慮がなされている点も大きな特徴です。
再生医療は、受傷や発症から比較的早い段階で取り組むほど、より高い脳機能の回復効果が期待できるとされています。
交通事故や労災が原因なら「後遺障害等級認定」が不可欠
高次脳機能障害により感情のブレーキが利かない状態での就労や日常生活の維持には多大な支障をきたし、職場の人間関係の破綻や離職、家庭内トラブルなど、当事者や家族の人生に甚大な被害を及ぼします。
そのため、原因が交通事故や労働災害(労災)であれば、今後の生活を守るための経済的補償のベースとなる「後遺障害等級認定」の獲得が極めて重要なステップとなります。
後遺障害等級は1級から14級まで区分されており、どの等級に認定されるかによって受け取れる賠償金の総額が数千万円単位で大きく違ってきます。
認定されれば、精神的苦痛に対する後遺障害慰謝料はもちろん、将来得られるはずだった収入の減少を補償する「後遺障害逸失利益」、さらには重度の障害で介護が必要になった場合の「将来介護費」なども請求可能になります。
専門知識のないまま申請を行うと、実際の症状よりも不当に低い等級しか認められないリスクもあるため、厳格な認定基準をクリアできる確かな医学的証拠を揃え、適切な補償を確保して将来の不安を払拭することが不可欠です。
交通事故や労災を弁護士に依頼するメリット

適正な等級認定に向けた徹底サポート
高次脳機能障害による怒りやすさや感情コントロールの低下といった症状において適正な後遺障害等級の認定を勝ち取るためには、専門的な医学的証拠と日常生活における具体的な支障を説明した書類の提出が不可欠となります。
当事務所には、高次脳機能障害の後遺障害申請において数多くの適正等級を獲得してきた確かな実績と専門知識があります。
申請にあたっては、高次脳機能障害の評価に精通した医師と緊密に連携し、検査漏れや診断書の記載漏れを防ぐだけでなく、「日常生活状況報告書」の作成を適切にサポートいたします。
弁護士に相談することで、本来受け取るべき適正な等級認定の獲得が期待できます。
家族の精神的・時間的負担の軽減
交通事故や労働災害によって家族が突然高次脳機能障害を抱え、さらに法律や医学の専門知識を要する複雑な労災申請や、加害者側の任意保険会社との示談交渉を個人で進めることは、多大なストレスと時間的負担を伴います。
弁護士へ一連の手続きをご依頼いただくことで、ご家族の代理人として、相手方保険会社や勤務先企業との窓口業務、複雑な書類の収集・整理、および各種交渉事のすべてを弁護士が引き受けます。
相手方からの不当な主張や一方的なプレッシャー、非協力的な態度に悩まされる必要はもうありません。
ご家族が加害者側との直接的なやり取りから完全に解放されることで、精神的な安心感を得られるだけでなく、最も大切な本人のケアやリハビリのサポート、そしてご自身の心身の休息のために貴重な時間とエネルギーを充てることが可能になります。
慰謝料が「裁判所基準」になり大幅増額
交通事故や労災の損害賠償金における算定基準には、「自賠責保険基準」、「任意保険基準」、「裁判所基準(弁護士基準)」の3つが存在します。
弁護士が介入していない場合、相手方の保険会社は自社の支出を抑えるため、最も低い自賠責基準や任意保険会社の社内基準に基づいた、非常に低額な示談金を提示してくることがほとんどです。
しかし、弁護士が被害者の代理人として交渉に介入した場合、過去の裁判例に基づいた最も高い賠償水準である「裁判所基準(弁護士基準)」をベースとした交渉が可能となります。
高次脳機能障害で後遺障害等級が認定されている場合では、この基準の差により、後遺障害慰謝料や将来の減収を補償する逸失利益の金額が、弁護士の介入によって数百万円から場合によっては数千万円単位で大幅に増額されるケースもあります。
高次脳機能障害と易怒性についてのQ&A

本人が病院に行くのを嫌がり、怒ります。どう対応すべきですか?
高次脳機能障害では、自身の障害を正しく認識できない「病識欠如」の症状が現れることがあります。本人が「どこも悪くない」と思い込んでいる状態で受診を無理強いすると、自尊心が傷つき、かえって激しい怒りや不信感を増幅させる原因になります。
このような場合は、本人を説得しようとせず、まずはご家族だけで医療機関のソーシャルワーカーや地域の高次脳機能障害支援センターなどの専門窓口に相談してください。
家族からの客観的な状況報告を基に、今後の介入方法について具体的なアドバイスを受けられます。

交通事故から時間が経ってから怒りっぽくなりました。因果関係は認められますか?
交通事故による高次脳機能障害では、外見上の怪我が治癒して退院した後に、「怒りっぽくなった」という性格変化が多く見られます。静かな病院環境とは異なり、複雑な人間関係や臨機応変な対応を求められる社会環境に出て初めて、脳の機能低下が表面化するためです。
事故から一定の期間が経過していても因果関係を認められる可能性は十分にありますが、時間の経過とともに事故との結びつきを証明するハードルは高くなります。
因果関係の立証には、事故直後の頭部カルテや画像診断データ(MRI等)の精査に加え、事故前後の日常生活の変化を記録した客観的な証拠の収集が欠かせません。
適正な補償を受けるためにも、早期に弁護士へ相談し、立証に向けた的確なサポートを受けるようにしてください。

家族への暴力がある場合、どうすればよいですか?
家族に対して暴言だけでなく物理的な暴力が及んでいる場合、優先すべきは同居しているご家族の肉体的・精神的な安全の確保です。本人の興奮が収まらず危険を感じた際には、躊躇することなく警察(110番)へ通報し、一時的に物理的な距離を置いて身を守る措置を取ってください。
また、突発的な暴力への現実的な対応手順として、地域の保健所や精神保健福祉センター、あるいは現在かかっている専門医や主治医に早急に相談するようにしてください。
医療的な介入による入院治療や、一時的に介護負担を軽減させるレスパイトケアの調整など、専門機関の力を借りて家庭内から本人を引き離し、安全かつ客観的に治療環境を再構築していく仕組み作りが不可欠です。

老人が急にキレだすのはなぜですか?
高齢者が急に怒りっぽくなる背景には、加齢に伴う前頭葉の機能低下があります。脳のブレーキ役を担う前頭葉の働きが弱まることで、感情のコントロールが利かなくなり、わざとではなく「怒りを抑えられなくなる」という状態に陥ります。
また、認知症(前頭側頭型認知症など)の初期症状として社会的マナーの意識や自制心が低下しているケースもあります。
さらに、身体の不調や「昔できたことができない」という自尊心の傷つき、社会からの孤立といった不安や強いストレスが、心の余裕を奪い、自分を守るための防衛反応として「怒り」の形で表出している側面も無視できません。
これらは脳の変化による症状であると理解し、周囲が冷静に対応することが大切です。
まとめ
高次脳機能障害による「怒りやすさ(易怒性)」は、前頭葉などの物理的な損傷が引き起こす脳の後遺症であり、決して本人の元の性格の悪さによるものではありません。
家族だけで抱え込まず、刺激を避ける環境調整や適切な医療ケア、リハビリを取り入れていくことが大切です。
また、事故や労災が原因であれば、将来の生活を支えるための「後遺障害等級認定」の獲得が極めて重要なステップとなります。
目に見えない精神症状で適正な補償を勝ち取るためには、確かな医学的証拠の収集と専門的な法律知識が欠かせません。
弁護士法人デイライト法律事務所では、後遺障害の問題に注力する弁護士が、ご相談から申立て、制度利用後のサポートまで一貫して対応しています。
LINE、Zoom、Google Meetなどを用いたオンライン相談にも力を入れており、全国どこからでもご相談が可能です。
高次脳機能障害を負ったご家族の将来に不安を感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。




