解決事例
更新日2020年1月16日

高次脳機能障害で9級が認定された事例

執筆者:弁護士 鈴木啓太 (弁護士法人デイライト法律事務所 パートナー弁護士)

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

ご相談者Bさん

受傷部位頭部(外傷性くも膜下出血、脳挫傷、多発頭蓋骨骨折、前頭骨陥没骨折)
等級併合6級(高次脳機能障害9級、外貌醜状7級)
ご依頼後取得した金額
1400万円

内訳
損害項目 弁護士によるサポート結果
付添費用 25万円
慰謝料 195万円
後遺障害慰謝料 1180万円(裁判基準100%)
合計 1400万円

 

状況

Bさんは、一人暮らしをしていた高齢者で、家の近くで犬の散歩をしていたところ、角から飛び出してきた自動車にはねられる交通事故にあいました。

この交通事故でBさんは転倒して頭を打ち付けてしまい、意識障害が生じてしまいました。

なお、散歩していた犬も死んでしまいました。

Bさんはすぐに救急車で病院に搬送され、CT検査などの結果、外傷性くも膜下出血、脳挫傷、硬膜下血腫、多発頭蓋骨骨折、前頭骨陥没骨折という重症と診断されました。

搬送された際の意識障害のスコアとしては、JCSが10点(正常は0点)、GCSが13点(正常は15点)でした。

その後意識は戻りましたが、1か月程度JCSが1点という状態が続きました。

入院期間は最終的に半年になり、Bさんの家族はそろそろ退院を医師から告げられました。

Bさんのご家族はもともと一人暮らしをしていたBさんのこれからのことが不安になり、交通事故を専門とするデイライト法律事務所の弁護士に相談に来られました。

 

弁護士の対応

弁護士は、Bさんのご家族からBさんのけがの内容と現在の状態をうかがい、後遺障害の手続が必要になることは明らかな状況でした。

後遺障害の認定手続きについて、詳しくはこちらをご覧ください。

そこで、弁護士はBさんのご家族に、症状固定の説明と今後必要になる手続を案内し、ご依頼を受け、サポートを開始しました。

ご依頼を受けてから、保険会社に受任通知を送付し、診断書を取得するとともに、意識障害の程度を確認するために、病院のカルテを取得し、入院中の記録を確認しました。

その上で、後遺障害診断書の作成とあわせて、高次脳機能障害の申請の際に必要な意識障害についての報告書やBさんの症状に対する医師の意見書を作成してもらうべく、弁護士が病院と連絡をとって、作成をお願いしました。

高次脳機能障害について、詳しくはこちらをご覧ください。

このとき、医師の先生に参考になるように、Bさんの退院後の状況をご家族からうかがって、弁護士が事前に書面化し、それもお渡しした上で作成してもらいました。

また、Bさんの認知の程度を把握するために、後遺障害診断書作成時に長谷川式といったテストも実施してもらいました。

さらに、今後Bさんの生活にとって必要となる介護認定の手続、身体障害者手帳の手続も弁護士がサポートして、自賠責保険の後遺障害の手続と同時に進めていきました。

Bさんは事故の前までは、お金の管理や火の始末、入浴など身の回りのことを自分一人でできていましたが、事故後はお金や年金手帳などの大切なものの管理ができなくなり、ご家族が保管するようになっていました。

他にも、食事はBさんのご家族が作ってBさんのところに毎日持っていくようになり、入浴も転倒する危険があるため、Bさんのご家族が介助をするようになっていました。

畑仕事もできなくなったという事情もありました。

こうした事故前後の変化を書面化し、医師の後遺障害診断書や意見書などを揃え、介護認定の際の書類も参考資料として添付して、自賠責保険に後遺障害の申請を行いました。

その結果、高次脳機能障害の等級を判断する専門部の調査となり、調査の結果、9級という認定を受けました。

また、陥没骨折によってできた顔のくぼみについて、外貌醜状として7級の認定があり、Bさんは併合6級ということになりました。

外貌醜状について、詳しくはこちらをご覧ください。

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この自賠責保険の結果を受け、加害者側との示談交渉を行いました。

Bさんのけがが重症だったこともあり、相手方の保険会社も弁護士に依頼していました。

そのため、弁護士同士で金額の交渉となりました。

相手方の弁護士は、当初付添費用について争っていたものの、傷害慰謝料と後遺障害慰謝料については、裁判所の基準100%で解決するという提案でした。

そこで、弁護士はBさんの年齢から付添いが必要であったことを主張するとともに、実際に付添いをしていたことを示す病院の駐車場代の領収書を提出し、一定程度の付添費用が補償されるべきであると交渉をしました。

最終的には、付添費用を25万円ほど補償してもらうということになり、Bさんは自賠責保険とあわせ1400万円の賠償を受けることができました。

 

弁護士のアドバイス

高次脳機能障害の後遺障害について

このケースでは、頭にけがをして、意識を失っている時間がありましたので、高次脳機能障害の問題が生じる状況でした。

高次脳機能障害の後遺障害については、むちうちの後遺症などと異なり、意識障害のあった時間、その後の症状の推移、症状固定時点での生活状況といった点を説明しなければならず、そのために後遺障害診断書以外にも必要な書類が多くあります。

また、介護認定と自賠責保険の後遺障害の等級認定はそれぞれ別々に行われますが、介護認定で用いられる資料を参考資料として自賠責保険の後遺障害でも使用することがあります。

このように、高次脳機能障害の後遺障害の認定は、非常に複雑で、準備も大変になります。

専門家である弁護士に依頼することで、手続をスムーズに、かつ、適切な等級が認定されるようにサポートをしてもらうことが大切です。

 

 


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