
遺留分(いりゅうぶん)を請求されたら、まずは次の3つを確認しましょう。
- ① 相手に遺留分を請求する権利があるか
- ② 遺留分の請求期限を過ぎていないか(遺留分の侵害を知ってから1年、相続が発生してから10年)
- ③ 請求されている遺留分の金額が適正か
相手に権利がない場合や、期限を過ぎている場合は、請求に応じる必要はありません。
一方、正当な請求であれば、支払いに応じる義務があります。
親族やその弁護士から、突然「遺留分侵害額請求」の内容証明郵便が届き、戸惑いや憤りを感じていらっしゃる方は少なくありません。
しかし、請求を無視すると、調停や裁判を起こされ、最終的には財産を差し押さえられるリスクもあるため、絶対に放置してはいけません。
この記事では、確認すべき3つのポイントの詳しい内容や、請求に応じたくない・払えない場合の対処法、弁護士費用などについて、相続にくわしい弁護士がわかりやすく解説します。
そもそも遺留分侵害額請求とは?
そもそも「遺留分」とは、被相続人(亡くなった方のことです。)の配偶者(妻・夫)、子ども、直系尊属(両親、祖父母等)に対して法律で保障されている、遺産の最低限の取り分のことです。
遺留分がどのくらい保障されるのかは、誰が相続人になるかによって異なります。
例えば、被相続人の配偶者(妻)と子ども(長男・長女)が相続人となる場合、妻の遺留分は遺産の1/4、子ども(長男・長女)の遺留分はそれぞれ、遺産の1/8ずつです。
遺留分は遺言書などによっても奪うことができない、非常に強い権利です。
遺留分を侵害された人は他の遺産を相続した人に対して、侵害された金額に相当する金銭の支払いを請求することができます。
この金銭の支払請求のことを、「遺留分侵害額請求」または「遺留分の請求」といいます。
上にあげた事例で、被相続人の長男が一切の遺産をもらえなかったという場合には、長男の遺留分が侵害されています。
この場合、長男は妻と長女に対して、遺留分侵害額の請求をする(金銭の支払いを求める)ことができます。
遺留分侵害額請求は口頭で行われた場合でも有効ですが、後々のトラブルを防ぐために内容証明郵便等の記録に残る形で行われるのが一般的です。
遺留分を請求されたら絶対に放置してはいけない理由
遺留分侵害額の請求を無視すると、相手から調停や裁判を起こされることが予想されます。
相手としては、話し合いで解決できないため、法的措置を取るしか手段がないためです。
調停や裁判となると、次のようなデメリットが考えられます。
解決までの期間が長期化する
調停や裁判手続きは、一般的に長期化します。
ケース・バイ・ケースですが、筆者の経験上、1年以上かかるケースが多いです。
早い段階で弁護士を通じて話し合い(交渉)を進めれば、調停や裁判にならずに解決できる可能性があります。
弁護士費用の負担が増加する
相手との交渉と異なり、調停や裁判は弁護士の負担や拘束時間が増加します。
そのため、交渉の依頼と比べて、通常は弁護士報酬が増加することとなります。
訴訟を無視すると財産を差し押さえられるおそれがある
遺留分の請求を無視していると、相手から調停や訴訟を起こされるなどのリスクがあるため、絶対に無視してはいけません。
特に、訴訟を提起された場合に無視を続けていると、相手方の言い分を全面的に認める判決が出される可能性があり、この場合には遅延損害金をプラスで支払わなければならなくなる可能性があります。
さらに判決が出た後も無視を続けていると、相手が判決をもとに不動産や預貯金の名義変更手続きを進めたり、財産の差押えを受けたりするリスクがあります。
このように、遺留分の請求を無視することには大きなリスクがありますので、請求を受けた場合には絶対に無視せず、請求に応じる、反論・交渉をする、などの対応をすることが大切です。
遺留分を請求されたら確認すべき3つのポイント

遺留分を請求されたら、まずは次の3つを確認しましょう。
- ① 相手に遺留分を請求する権利があるか
- ② 遺留分の請求期限を過ぎていないか
- ③ 請求されている遺留分の金額が適正か
①で相手に権利がない場合や、②で期限を過ぎている場合は、請求に応じる必要はありません。
③で金額が過大な場合は、その部分について争うことができます。
①相手に遺留分を請求する権利があるか
遺留分権利者(法律で遺留分を保障されている人)以外からの請求は、拒否することができます。
そのため、まずは相手が本当に遺留分を請求する権利をもっているのかを確認することが大切です。
遺留分権利者の範囲は、以下のとおり、相続人の一部に限られています。
- 被相続人の配偶者(妻・夫)
- 被相続人の子ども
- 被相続人の直系尊属(両親・祖父母など、縦のラインでつながる上の世代の親族のことです。)
被相続人の兄弟姉妹や叔父・叔母、内縁(事実婚)の妻や夫などは、遺留分権利者にあたりません。
また、もともとは遺留分権利者にあたる場合であっても、相続放棄や相続廃除、相続欠格などによって相続権を失った場合には、遺留分を請求することができなくなります。
②遺留分の請求期限を過ぎていないか

遺留分の侵害を知ってから1年、または相続が発生してから10年を過ぎた後に請求を受けた場合は、請求に応じる必要はありません(金銭を支払う義務はありません)。
遺留分侵害額請求には、以下のような請求の期限があり、これらの期限を過ぎた後は、遺留分を請求することができなくなるためです。
- ア 遺留分の侵害を知ってから1年
- イ 相続が発生してから(被相続人が亡くなってから)10年
参考:民法|e-Gov法令検索
アまたはイのいずれかの期限を過ぎてから遺留分の請求を受けた場合には、請求に応じる必要はありません(金銭を支払う義務はありません)。
そのため、遺留分の請求を受けた場合には、請求期限を過ぎていないかどうか(特にアの請求期限)をよく確認することが大切です。
③請求されている遺留分の金額が適正か
相手から請求されている遺留分の金額が適正なものであるとは限りません。
請求金額が過大な可能性もあることから、相手の言い分を鵜呑みにせず、遺留分の金額が適正なものかどうかをよく確認することが大切です。
遺留分の金額を確認する際に確認すべきポイントは次のとおりです。
遺産(相続財産)の評価額は適正か
遺産の評価額が高すぎると、遺留分の金額も高くなるため、評価額が適正かどうかをよく確認することが大切です。
遺留分の金額は、遺産(相続財産)の評価額をベースにして計算されるためです。
特に、不動産や株式などの財産は専門家でも評価が難しいといわれていることから、必要に応じて専門家に鑑定を依頼するなどしましょう。
ワンポイント:不動産の評価を見直して請求額が下がった事例
実際にあった事例では、弟から1,500万円の遺留分を請求された方について、弟側は不動産を高く評価して遺留分を計算していました。
この不動産には利用上の制約があり、権利関係も複雑だったため、弁護士が現地調査を行い、不動産鑑定士とも連携して、実態に合った評価を主張しました。
交渉を重ねた結果、700万円で解決し、当初の請求額から800万円減額できました。
裁判所の手続きを使わずに、約半年で解決しています。
※あくまで参考事例です。解決内容は事案によって異なります。
請求者が特別受益を受けていないか
遺留分を請求している相手が被相続人から特別受益(とくべつじゅえき)を受けていた場合には、遺留分の計算にあたって特別受益が考慮され、遺留分侵害額請求の金額が低くなる可能性があります。
そのため、相手が特別受益を受け取っていないかどうかを確認することが大切です。
特別受益とは、被相続人が一部の相続人だけに特別に与えた利益のことをいいます。
例えば、結婚の際の支度金、独立開業資金の援助、 住宅購入資金の援助、土地・建物の贈与などが特別受益にあたります。
遺留分の計算は正確か
相手の請求する遺留分の金額について、法律(民法)のルールにしたがって正しく計算されているかを確認することも大切です。
特に、相手が弁護士に依頼していない場合には、遺留分の計算が誤っている可能性があります。
遺留分の金額が民法のルールに沿って正しく計算されているかをよく確認することが大切です。
遺留分の金額は、「遺留分 = 遺留分算定の基礎となる財産額 × 遺留分の割合」で計算します。
遺留分の割合は、誰が相続人になるかによって、次のように決まっています。
| 相続人 | 配偶者 | 子供 | 親 | 兄弟姉妹 |
|---|---|---|---|---|
| 配偶者のみ | 2分の1 | - | - | - |
| 子供のみ | - | 2分の1 | - | - |
| 親(いない場合は祖父母)のみ | - | - | 3分の1 | - |
| 配偶者と子供 | 4分の1 | 4分の1 | - | - |
| 配偶者と親 | 3分の1 | - | 6分の1 | - |
| 配偶者と兄弟姉妹 | 2分の1 | - | - | なし |
※子供や親が複数人の場合は、その人数で割ったものが遺留分となります。
参考:民法|e-Gov法令検索
おおよその金額は、遺留分の計算シミュレーターで確かめることもできます。
遺留分の請求を拒否したい・払えないときの対処法
遺留分の請求に応じたくないときは、無視せずに、相手の請求に理由があるかどうかで対処法を分けることが大切です。
- ① 相手の遺留分侵害額請求に理由がない場合:請求を争い、拒否や減額を求めます。(※)
- ② 相手の遺留分侵害額請求に理由はあるが、支払いにあてるお金がない場合:減額や支払い期限の猶予、分割払いを交渉します。
以下では、それぞれの場合の対処方法について解説します。
相手の請求に理由がない(請求を争う)ケース
そもそも相手には遺留分を請求する権利がない、請求されている遺留分の金額が過大である、などのケースでは、相手の請求に理由がないことを主張して争うことになります。
遺留分を請求する権利がないケース
以下のようなケースでは、相手にはそもそも遺留分を請求する権利がありません。
- 遺留分侵害額請求権が時効で消滅しているケース
- 請求者が遺留分権利者にあたらないケース
- 請求者も参加していた遺産分割協議で遺産を取得したケース
- 請求者が遺留分を放棄したケース
請求金額が過大なケース
遺留分の金額が過大なケースとは、上で解説したように、遺産(相続財産)の金額が過大に評価されているケースや、請求者の特別受益が考慮されていないケース、遺留分の計算を誤っているケースなどです。
このように相手の請求の全部または一部に理由がないというケースでは、話し合い(交渉)・調停・訴訟の中で、相手の請求に理由がないことを主張していきます。
具体的な流れは、「遺留分を請求されてから解決までの流れ」で解説します。
支払いにあてるお金がない(相手の請求に理由がある)ケース
相手の請求に理由がある場合には、遺留分の支払いに応じる義務があります。
もっとも、遺留分の支払いにあてるための金銭がない場合には、次のような交渉をすることが考えられます。

減額の交渉
支払いにあてる金銭がないことを説明し、支払う金額を減らしてもらう交渉(減額交渉)をする。
支払い期限猶予の交渉
手元にまとまった金銭がなく、金融機関などで金銭を借りるなどする必要がある場合には、準備期間が必要となることから、支払いの期限を後ろ倒しにしてもらう交渉をする。
分割払いの交渉
金銭を一括で支払うことが難しい場合には、分割払いの交渉をする。
相手がこれらの交渉に応じてくれた場合には、契約書や覚書・合意書などを作成して、後々のトラブルになることを防ぎましょう。
裁判所に支払い期限の猶予(期限の許与)を求める
相手が交渉に応じてくれない場合は、裁判所に支払い期限の猶予を求める方法もあります。
これを「期限の許与(きょよ)」といい、裁判所が相当と考えた期間について、支払い期限を延ばしてもらうことができます。
期限の許与を求めるには、訴訟を起こす必要があります。
すでに相手から訴訟を起こされている場合は、その訴訟の中で求めることになります。
期限の許与を受けた場合は、請求を受けたときからの遅延損害金を支払う必要はありません。
遺留分を請求されてから解決までの流れ
遺留分の請求は、話し合い(交渉)→調停→訴訟の順に進むのが一般的です。
請求を争う場合も、支払い方法を交渉する場合も、まずは当事者同士の話し合いから始まります。
話し合いでまとまらなければ相手から調停を申し立てられ、調停でも合意できなければ訴訟になるのが通常の流れです。

話し合い(交渉)での解決を試みる
まずは、相手に請求には理由がないことを直接伝えて、請求をあきらめるように説得します。
話し合いの場では、法律(民法)上の根拠を示しながら、冷静な話し合いを行うことが大切です。
また、話し合いの経緯は、録音やメモなどの記録に残すとよいでしょう。
話し合いが難航する場合には、最終的に調停や訴訟で解決することになる可能性が高いといえますが、録音やメモは調停や訴訟の証拠として提出することができます。
当事者同士の話し合いで合意できた場合には、後から話を蒸し返されることのないよう、合意した内容を契約書や覚書・合意書などの書面にまとめることを強くおすすめします。
なお、当事者だけでは話し合いが円滑に進まない場合には、相続に強い弁護士に交渉の代理を依頼するのがおすすめです。
調停での解決を試みる
当事者同士の話し合い(交渉)でらちがあかない場合には、家庭裁判所での調停による解決を試みることになります。
一般的には、遺留分の支払いを拒否することによって、相手から「遺留分侵害額の請求調停」を申立てられるという流れになるでしょう。
この調停手続きの中で、相手の請求には理由がないことを主張します。
調停とは、裁判官1名と調停委員2名で構成する「調停委員会」が当事者の間に入り、当事者同士の合意による解決をめざす手続きです。
調停委員会は、中立の立場で当事者それぞれから言い分を聞いたり、当事者から提出を受けた証拠などを元に事実関係を把握するなどして、解決の落としどころを探ります。
調停委員会は、あくまで中立の立場です。
ただし、客観的な証拠から遺留分の請求には理由がないという心証をもったときには、相手に対して、請求をあきらめる(もしくは請求金額を下げる)ように一定の説得をしてくれる可能性があります。
そこで、調停の段階から、遺留分の請求には理由がないこと(例えば、遺留分の時効が完成していることなど)を裏付ける客観的な証拠を集めて提出することが大切です。
調停はあくまでも当事者の合意によって解決する手続きですので、当事者が合意できた場合には調停が成立しますが、合意できなかった場合には不成立に終わります。
訴訟で解決する
調停の手続きによっても解決できなかった場合(調停不成立の場合)には、最終的に訴訟で解決することになります。
通常は、相手から「遺留分侵害額請求訴訟」の申立てを受けることになるでしょう。
遺留分侵害額請求訴訟は、請求金額に応じて、簡易裁判所または地方裁判所で行われます。
訴訟の手続きは調停の手続きと異なり、当事者が合意しているかどうかにかかわらず、遺留分の請求が認められるかどうかについて、「判決」という形で裁判官が判断を下します。
遺留分侵害額請求を弁護士に相談するメリット
遺留分侵害額請求を受けた場合に弁護士に相談するメリットとして、以下の4つをあげることができます。

遺留分を侵害しているか助言してくれる
相続に強い弁護士に相談することで、遺留分を侵害している事実があるのかについて適切な助言をもらうことができます。
仮に遺留分を侵害しているという事実がなければ、遺留分侵害額請求に応じる必要はありません。
したがって、遺留分の請求を受けた場合、まずは、本当に遺留分を侵害しているのかを確認することが大切です。
ただ、遺留分の侵害を確認するためには相続法に関する専門知識が必要となるため、一般の方が自力で確認するのはなかなか大変です。
自己判断で対応する場合には、必要以上の金銭を支払ってしまうリスクや、遺留分の侵害がないと判断して請求を拒否した結果、訴訟などのトラブルに発展してしまうリスクなどがあります。
特に、被相続人(亡くなった方のことです。)から生前の贈与が行われているケースや遺贈が行われているケース、遺産に不動産や株式が含まれているケースなどでは、遺留分の計算がとても複雑になります。
相続に強い弁護士に相談し、遺留分を侵害しているかについて的確な助言をもらうことで、上記のようなリスクを回避することができます。
遺留分請求への対応方法を助言してくれる
相続に強い弁護士に相談することで、相手からの遺留分侵害額請求にどのように対処すべきかについて、適切な助言を受けることができます。
遺留分請求などの相続トラブルでは、対応方法を間違えると争いが激化したり、長期化したりする可能性があります。
相続に強い弁護士に相談することで、過去の経験や専門知識にもとづいて、個々の事案に応じた適切な対応方法についてアドバイスをもらえることが期待できます。
代理人として相手と交渉してくれる
相続に強い弁護士に相談・依頼することで、相手との交渉を代理してもらうことができます。
相続人同士のトラブルは、感情的な対立が生まれて話がこじれてしまったり、なかなか落とし所が見つからずに長期化してしまったりするケースが少なくありません。
法律の専門家である弁護士が間に入り、法的な観点から論点を整理することで、論理的な話し合いをできる可能性が高まります。
裁判所での調停や訴訟を利用してトラブルを解決することもできますが、調停や訴訟になってしまうと、解決までに長い時間がかかってしまうのが一般的です(一般的には解決までに半年前後、長い場合に解決までに数年もの時間がかかるといわれています)。
調停や訴訟を行う前に、まずは弁護士を通じた相手との交渉を行ってみるのがよいでしょう。
なお、請求の相手が弁護士に依頼している場合には、法律知識の差によって適切な反論をできずに言いくるめられてしまうリスクがあることから、対等な交渉をするためにも弁護士に依頼されることを強くおすすめします。
調停や訴訟も任せることができる
相続に強い弁護士に相談することで、相手との交渉がまとまらず調停や訴訟に発展した場合にも、調停や訴訟の代理をスムーズに任せることができます。
調停や訴訟を自力で行うことは不可能ではありません。
ただし、調停や訴訟の手続きでは、法律をよく理解した上で法律の要件に沿った主張をする必要があるほか、さまざまな書面を取得・作成したり、適切な証拠を集めて提出したりする必要があります。
適切な主張や反論をすることができずに不利な結果となってしまうリスクを避けるためには、調停や訴訟の手続きは相続に強い弁護士に依頼することをおすすめします。
早い段階から弁護士に相談しておけば、調停や訴訟に移行した場合に備えて準備をすることができるため、相手から遺留分の請求を受けた時点で相談されるのがおすすめです。
遺留分を請求されたときの弁護士費用
「弁護士費用」と一言にいっても、①法律相談料、②着手金、③成功報酬(報酬金)、④実費・日当、などの種類があり、各費用の金額は、基本的にそれぞれの弁護士が自由に決めることができます。
法律相談料
法律相談料とは、弁護士に正式な依頼をする前の相談(法律相談)をする際にかかる費用のことです。
法律相談では、問題解決の方向性や事案の見通しなどについて相談したり、弁護士費用の見積もりをもらったりすることができます。
法律相談料の相場は、1時間につき5000円 〜 1万円(税別)です。
遺留分の相談などの相続問題については、初回の法律相談料を無料とする弁護士も少なくありません。
着手金と成功報酬
代理交渉の場合
遺留分を請求する際には、まずは相手方に内容証明郵便等で「遺留分侵害請求をする」という意志を伝えたうえで、遺留分侵害額の支払いに向けた話し合い(代理交渉)を行います。
代理交渉の場合の着手金については、20万円〜30万円前後の固定の金額を設定する弁護士が多いようです(事案の複雑さによっては、より多くの着手金が必要となる場合があります)。
報酬金については、固定の金額(30万円〜40万円程度)に加えて、算出方法を定める(例えば「得られた金額の16%」など)場合があります。
ただし、弁護士や事案によってさまざまです。
調停又は裁判の弁護士費用
話し合いがまとまらない場合は調停や訴訟へ移行することとなります。
調停又は訴訟を弁護士に依頼する場合、上の代理交渉の着手金に加えて、追加で30万円から40万円ほどが必要となることが多いようです。
報酬については、代理交渉と同様に、固定の金額(30万円〜40万円程度)に加えて、算出方法を定める(例えば「得られた金額の16%」など)場合があります。
実費・日当
「実費」とは、弁護士が事案を処理するためにかかる必要経費のことです。
調停や裁判を行うときに裁判所に支払う手数料(印紙代)や切手代、コピー代、交通費・宿泊費などが実費にあたります。
「日当」とは、遠方への移動や裁判所への出頭など、弁護士を時間的に拘束する場合にかかる手当のことで、出張手当のようなものです。
日当は、「調停(裁判)1回出席につき◯万円」といった形で定められるのが一般的で、1回あたり5万円前後です。
※近くの裁判所等に出頭する場合には日当を請求しない弁護士の方が多いと思われます。
弁護士費用は安ければいいというものではありません。
まずは、法律相談を活用して弁護士の信頼度や弁護士との相性を確認するとともに、見積もりをもらって金額の納得感があるかを見極めることをおすすめします。
弁護士費用は誰が払う?
弁護士費用は基本的に自分で支払う必要があり、相手に支払ってもらうことはできません。
相手が不当にお金を払ってくれない場合や、相手の落ち度で相続トラブルに巻き込まれた場合などには、「相手のせいで弁護士を依頼しなければならなくなったのだから、相手に弁護士費用を支払ってほしい」という気持ちになることでしょう。
しかし、相手の言い分が不当な場合や相手に落ち度がある場合であっても、相手に弁護士費用を支払わせることはできません。
そのため、弁護士費用については自分で負担することを前提に、弁護士に依頼すべきかどうかの見きわめを行うことが大切です。
遺留分を請求された場合のQ&A
![]()
遺留分の請求に自分で対処できる?
しかし、この記事で解説してきたように、遺留分の請求については確認すべきポイントがたくさんあり、それぞれについて相続法に関する専門知識が必要となります。
そのため、一般の方が自分で的確に対処することはかなり難しいと思われます。
必要以上の金銭を支払ってしまったり、争いが長期化するなどの不利益を防ぐためには、相続に強い弁護士に相談することをおすすめします。
まとめ
- 遺留分侵害額の請求をされたときは、相続に強い弁護士に相談されることを強くおすすめします。
- 遺留分侵害額の請求をされたら、絶対に無視してはいけません。
訴訟を提起されたり、最終的には財産について強制執行を受けたりするリスクがあるためです。 - 相続に強い弁護士に相談することで、遺留分の侵害があるかどうか、請求に対してどのように対処すべきか等の点について適切な助言をもらうことができます。
また、相手との交渉の代理や、調停や訴訟の手続きを依頼することもできます。 - 調停や訴訟に移行すると解決までに長い時間がかかってしまうことから、できるだけ当事者同士の話し合い(交渉)で解決するのがおすすめです。
- 遺留分侵害額の請求を弁護士に依頼する場合の費用はケース・バイ・ケースであり、事案の複雑さやそれぞれの弁護士によって大きく異なります。
法律相談を活用するなどして見積もりをもらい、事前に金額の納得感や弁護士の信頼度などを確認することが大切です。 - 当事務所では、相続に強い弁護士で構成する相続対策専門チームを設置しており、遺留分侵害額請求をはじめ、遺産分割協議、遺言書の作成、相続登記、相続税の申告・節税対策、その他相続トラブルなど、相続全般に関するご相談を承っています。
遠方の方についてはオンラインでご相談いただくこともできますので、ぜひお気軽にご相談ください。








