土地の相続税|評価額・税対策を税理士・弁護士が解説【計算機付】

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

当事務所には、相続問題を専門に扱う相続対策チームがあり、土地の相続税について、多くのご相談が寄せられています。

このページでは、税理士の資格を持つ弁護士が土地の相続税の評価方法、相続税対策等について、わかりやすく解説いたしますので、ぜひご参考にされてください。

 

相続税とは

相続税とは、被相続人(亡くなった方)の遺産を相続で受け継いだ場合や、遺言によって遺産を受け継いだ場合にかかる税金のことをいいます。

相続税は以下の流れで算出するのが基本となります。

STEP① 相続税の対象となる財産を把握する

まず、「相続税の対象となる財産」を算出します。

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相続税の対象となる財産

 

STEP② 相続税の課税価格を計算

次に、上記の「相続税の対象となる財産」から借金などの負債と葬式費用を控除して、相続税の課税価格を算出します。

STEP③ 課税遺産総額を計算

そして、「相続税の課税価格」から基礎控除を行い、「課税遺産総額」を算出します。

STEP④ 相続税の総額を計算

相続人ごとに、法定相続分で分割したものと仮定して、相続税額を算出し、それを合算して相続税の総額を算出します。

税率と控除額は下記の早見表を参照

相続税早見表(平成27年1月1日以降の相続)
法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

 

STEP⑤ 各人の実際の相続税を計算

「相続税の総額」を各人が実際に遺産を取得する割合で按分することにより算出します。

そして、「配偶者の税額軽減の特例」等、税額控除が該当する場合には差し引きます。

 

 

土地の相続税の計算方法

相続税の計算は、上述したとおり、土地などを個別に計算するわけではなく、すべての遺産の相続税評価額を合計して算出します。

 

相続税の計算シミュレーション

相続税の計算は、とても複雑で、一般の方が自分で計算するのは大変です。

当事務所では、相続税の概算をシミュレーションできる計算機をホームページ上に公開しております。

相続税の概算を計算したい方はぜひ御覧ください。

 

 

土地の相続税評価額

ここでは、土地の相続税評価方法について、くわしく解説します。

土地評価は、「路線価による評価」又は「倍率方式による評価」のいずれかで行います。

 

路線価による評価

相続税法は、原則として相続により取得した財産の評価については、その取得時の「時価」により評価するとしています。

すなわち、条文の文言に従えば、「時価」で評価することとなります。

しかし、時価(実際の取引価額)がいくらになるかは一概には言えません。

例えば、同じ土地について、1000万円で売却できる場合もあれば、500万円でしか売却できない場合も考えられます。

そのため、土地の評価については、納税者の申告の便宜や課税の公平性の観点から、なるべく簡易かつ的確に土地等の評価額を算定して申告することができるよう、財産評価基本通達として路線価等が予め定めてあります。

そして、実務上はこの路線価で判定するのが基本となります。

路線価方式による評価

路線価とは、その道路(路面)に面している標準的な宅地の1平方メートルあたりの価格(千円単位)のことです。

例えば、ある土地の一方のみが道路に面している宅地の路線価方式による評価は、次の計算式によって算出されます。

正面路線価 × 奥行価格補正率 × 土地の面積

奥行価格補正率とは

道路からの奥行きが極端に長い土地の場合(細長い土地)、住宅を建築しにくくなるため評価が低くなり、路線価☓土地の面積だけでは評価額にそのことを反映できません。

そこで、細長い土地の場合は奥行価格補正率が使用されています。

以下で、具体例をあげてみましょう。

具体例 路線価方式による評価の具体例

路線価:150千円
奥行価格補正率:0.98
土地の面積:500平方メートル

300千円 × 0.98 × 500㎡ = 73,500千円

以上から、上記の場合、評価額は73,500千円となります。

 

倍率方式による評価方法について

市街地については、路線価が定められていますが、路線価がない土地もあります。

そのような土地については、倍率方式によって評価することとなります。

倍率方式とは、評価をする宅地の固定資産税評価額に、国税庁が定めた一定の倍率を乗じて計算した調整金額をもって評価額とする方法です。

国定資産税評価額は、市町村長等から固定資産税評価証明書又は名寄帳等の交付を受けることにより把握することができます。

また、毎年5月ごろに市町村長等から送付される「国定資産税課税通知書」でも記載されています。

具体例 倍率方式の具体例

固定資産税課税明細書の「課税標準額」に 3000万円と記載されており、当該土地の倍率が1.2のとき。

土地評価額:3000万円(価格)× 1.2 = 3600万円

以上から、倍率方式で土地の評価額は 3600万円となります。

参考:財産評価基準書 路線価図・評価倍率表|国税庁ウェブサイト

 

 

評価の基準時

土地はそのときの状況に応じて、価値(時価)が増減します。

そのため、路線価等も毎年更新されています。

それでは、相続税の算出において、いつの時点を基準に評価すべきでしょうか。

原則として、相続または遺贈により財産を取得した時点、すなわち、被相続人の死亡の時となります。

なお、贈与の場合は、契約その他の法律的原因に基づき財産を取得した日となります。

 

 

土地の相続税がかからないケース

土地を相続したら、すべてのケースで相続税を支払う必要があるというわけでは有りません。

相続税を支払う必要があるのは、相続した「正味の遺産相続」が「基礎控除額」を超える場合となります。

基礎控除とは

基礎控除の価額は次の計算式によって算出されます。

3000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

具体例 遺産総額が4000万円で法定相続人が3名の場合

基礎控除額の計算:3000万円 + 600万円 × 3名 = 4800万円

4000万円(遺産総額)≦ 4800万円(基礎控除額)

したがって、このケースでは相続税はかからないこととなります。

 

 

土地を相続して相続税を払えないとき

相続税をすぐに支払うことができない場合、延納制度の利用を検討しましょう。

延納が認められると、最大20年程度まで分割での納付が可能となります。

また、現金が乏しい場合は不動産や株式の物納という方法もあります。

さらに、不動産を売却して資金を確保するという方法もあります。

いずれの方法が最適かは具体的な状況によって異なりますので、専門家へのご相談をお勧めいたします。

 

 

土地の相続税対策

土地の相続税評価額は、その利用形態によっても異なります。

例えば、空き地の場合、賃貸住宅(マンションなど)を建てると、貸家建付地(かしやたてつけち)となり、約2割、評価額が下がります。

法律上、賃借人の借家権によって、土地所有者の権利が一定程度制限されることから、その分を減額して評価するのです。

もっとも、賃貸住宅を建てるとなると、通常は現預金が減少するか、負債(ローンの場合)が発生します。

そのため、相続税対策として本当に有効か否かを慎重に判断する必要があるでしょう。

 

 

不動産は査定が重要

上記は、相続税を算定する場合の評価のポイントです。

相続が発生すると、相続税だけではなく、遺産分割をしなければなりません。

そして、遺産分割においては、その査定がとても重要となります。

すなわち、遺産分割の場面では、上記の「固定資産評価額」や「相続税評価額」で評価すべきではありません。

これらの評価手法は、あくまで課税の局面における評価に過ぎず、適切な時価を反映しているわけではないからです。

通常、これらの評価額は、時価よりも低い傾向にあります。

遺産相続において、評価の手法としては、本来、時価(取引価格)によるべきです。

時価査定の方法について、詳しくは下記のページをご覧ください。

 

 

まとめ

以上、土地の相続税について詳しく解説しましたがいかがだったでしょうか。

土地評価は、「路線価による評価」又は「倍率方式による評価」のいずれかで行います。

これらの評価方法については、上述したとおりです。

しかし、相続税の計算は、土地などを個別に計算するわけではなく、すべての遺産の相続税評価額を合計して算出します。

相続税の計算は、とても複雑で、一般の方が自分で計算するのは大変です。

また、相続が発生すると、相続税だけではなく、遺産分割をしなければなりません。

そして、遺産分割においては、その査定がとても重要となります。

そのため、土地の相続に関するお悩みをお持ちの方は、相続問題に精通した専門家にご相談されることをお勧めいたします。

この記事が相続問題に直面されている方にとってお役に立てれば幸いです。

 

 

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