椎骨動脈解離とは?原因・症状・再発率と後遺障害を解説

監修者:弁護士 鈴木啓太 弁護士法人デイライト法律事務所 パートナー弁護士


「椎骨動脈(ついこつどうみゃく)」とは、心臓側から首を通って脳の後ろ側(脳幹や小脳、大脳後頭葉など)へ血液を届ける非常に重要な動脈です。

左右合わせて2本存在しますが、脳内に到達すると延髄(えんずい)と橋(きょう)の境目の高さで1本に合流し、「脳底動脈(のうていどうみゃく)」という太い血管を形成します。

何らかの理由で血管の「内膜」に亀裂や傷が入ると、そこから勢いよく流れる血液が血管の壁の層と層の間に凄まじい圧力で潜り込んでしまいます。

これにより、血管の壁自体がペリペリと縦に裂けて剥がれていってしまう症状を「椎骨動脈解離(ついこつどうみゃくかいり)」と言います。

椎骨動脈解離を放置すると脳梗塞やくも膜下出血といった命に関わる重大な病態を引き起こすおそれがあります。

日常の動作だけでなく、交通事故や整体の施術、仕事中の負担が原因となるケースも少なくありません。

この記事では、椎骨動脈解離の原因や症状、再発率、後遺障害等級の目安、そして事故や労災時の相談窓口などについて、弁護士がわかりやすく解説していきます。

椎骨動脈解離(ついこつどうみゃくかいり)とは?

そもそも椎骨動脈とは?定義・場所・役割

「椎骨動脈(ついこつどうみゃく)」とは、心臓側から首を通って脳の後ろ側(脳幹や小脳、大脳後頭葉など)へ血液を届ける非常に重要な動脈です。

首の前側を走る「頸動脈(けいどうみゃく)」と並び、脳の活動と生命維持のためのライフラインとしての役割を果たしています。

この椎骨動脈は、左右の鎖骨下動脈からそれぞれ1本ずつ分岐して立ち上がり、首の骨(頚椎)の側面にある「横突孔(おうとつこう)」という小さな骨の穴のトンネルの中を下から上へと貫通して走行しています。

左右合わせて2本存在しますが、脳内に到達すると延髄と橋(きょう)の境目の高さで1本に合流し、「脳底動脈(のうていどうみゃく)」という太い血管を形成します。

この椎骨動脈は、その走行ルートと解剖学的な位置関係に基づいて、主に以下の4つの区画(V1〜V4)に区分されています。

椎骨動脈

  • V1(起点〜第6頚椎):鎖骨下動脈から始まって頚椎の穴(横突孔)に入るまでの区間
  • V2(第6頚椎〜第2頚椎):頚椎の横突孔の中をまっすぐ上行していく区間
  • V3(第2頚椎〜頭蓋骨入口):頚椎を出てから頭蓋骨の入口(大後頭孔)を抜けるまでの複雑に曲がりくねった区間
  • V4(頭蓋内・硬膜内):頭蓋骨の中に進入し、左右が合流して脳底動脈になるまでの区間

特に、V4は、動脈瘤形成やくも膜下出血において重要となるエリアです。

このように、椎骨動脈は首の骨の中という特殊な骨のトンネルを通っているため、首を大きく後ろに反らしたり、急激にひねったりする動きによって外力を受けやすいという構造上の特徴を持っています。

そのため、日常生活での思わぬ衝撃や首への強い負担が、血管そのものへ影響を及ぼすリスクがあるのです。

 

椎骨動脈解離とは?首の血管が裂けるメカニズム

椎骨動脈解離は、英語では「Vertebral Artery Dissection(ヴァーテブラル・アーテリー・ディセクション)」と表記され、医療の現場においては、頭文字をとって 「VAD」 と略称されることもあります。

「解離(かいり)」とは、本来一体となっている組織が割れて裂けてしまう状態を指します。

血管の壁は内側から「内膜(または内弾性板)」、「中膜」、「外膜」という3つの層が密着して頑丈な筒構造を作っています。

しかし、何らかの理由で一番内側にある「内膜」に亀裂や傷が入ると、そこから勢いよく流れる血液が血管の壁の層と層の間(内膜と中膜の間、あるいは中膜の中)に凄まじい圧力で潜り込んでしまいます。

これにより、血管の壁自体がペリペリと縦に裂けて剥がれていってしまう現象が「椎骨動脈解離(VAD)」のメカニズムです。

血管壁の中に血液が入り込んで壁が急速に膨らむと、主に以下の2つの重大な病態を引き起こすリスクが生じます。

 

血管内腔の狭窄・閉塞(脳梗塞のリスク)

壁の中に血液が溜まることで血管の内側(血液が通る道)が圧迫されて狭くなったり(狭窄)、血栓(血の塊)が作られたりします。

これが進行すると血流が途絶え、「延髄外側症候群(えんずいがいそくしょうこうぐん)」をはじめとする脳幹・小脳領域の「脳梗塞」を引き起こします。

これにより、回転性の激しいめまい、顔面や身体のしびれ、物が二重に見える複視、嚥下障害(飲み込みにくさ)などの重篤な神経症状が現れます。

 

血管壁の拡張・破裂(くも膜下出血のリスク)

特に頭蓋内に存在する「V4」の領域で解離が生じた場合、解離によって脆くなった血管の外側が薄いコブ状に膨らみ(解離性動脈瘤)、それが破裂することがあります。

血管の外膜まで突き破って出血すると、死に至る危険性が非常に高い「くも膜下出血」を引き起こし、経験したことがない激しい頭痛や意識障害を招きます。

椎骨動脈解離は、中年層(40〜50代)や若年層の脳卒中の原因として決して稀なものではありません。

発症初期の段階では「後頭部や首の後ろ(うなじ)に突然走る強いズキズキとした痛み」として現れることが多く、早期の精密検査(MRI等)と適切な診断・初期治療が命やその後の社会復帰を左右する極めて重要度の高い疾患です。

 

 

椎骨動脈解離の「原因」|事故やマッサージも?

特発性(原因不明)と誘因

椎骨動脈解離は、明確なきっかけがないまま突然発症する「特発性(とくはつせい)」のケースが少なくありません。

背景には、高血圧や加齢による血管の弾力性低下、あるいは生まれつき血管壁の結合組織が脆弱である体質などが考えられています。

しかし、病院で精密検査を受けても具体的な誘因を特定できない事例が多く存在するのが現実です。

その一方で、日常の何気ない動作が血管に物理的な負担をかけ、解離の原因となるケースもあります。

たとえば、首をポキポキと鳴らす癖、激しい咳き込みやくしゃみ、排便時の強いいきみといった動作です。

さらに、ゴルフやテニスでの過度なスイング、ヨガのポーズなど、首を深く傾けたりひねったりする運動も誘因となります。

近年では、生活習慣と椎骨動脈解離の関連性にも注目が集まっています。

たとえば、高くて硬い枕を使用して就寝することが首の屈曲や回転を生み、椎骨動脈解離の発症リスクを高めるという「殿様枕症候群(とのさままくらしょうこうぐん)」が提唱されています。

このように、自分でも気づかない睡眠時の体勢や日常生活の些細な癖が、知らず知らずのうちに血管へ負荷を蓄積させている可能性があるのです。

 

外傷性(外部からの衝撃)による発症

外部から物理的な衝撃が首に加わることで発症するタイプを「外傷性椎骨動脈解離」と呼びます。

医療機関の受診だけでは見落とされやすく、後から重大な障害へつながるおそれがあるため、発生原因の特定が非常に重要です。

代表的な発症パターンには次のようなケースが存在します。

まず、交通事故によるものです。

車両の追突事故などで首が前後左右に激しくしなる「過伸展・過屈曲」が生じると、頚椎の中を通る椎骨動脈が限界を超えて引き伸ばされ、血管の内膜が損傷して解離を起こすことがあります。

事故直後は単なる「むちうち(頚椎捻挫)」と診断されたものの、数日後に強い頭痛やめまいが現れて動脈解離が判明するケースは珍しくありません。

次に、整体やカイロプラクティック、マッサージなど施術事故によるものです。

首の骨を急速にひねるスラスト法などの矯正施術や、過度な頭部のアライメント調整によって血管に剪断力(切断しようとする力)が加わり、解離を引き起こすリスクがあります。

さらに、過重労働・労災事故によるものです。

重い荷物を持ち上げる作業、高所からの転倒・落下のほか、長時間労働や過労による激しい血圧の変動が解離の誘因となる事例もあります。

もし交通事故や整体での施術、職場での業務中に発生した事象が原因で椎骨動脈解離を発症した場合、それは単なる病気ではなく「他者の過失」や「業務に起因する事故」として扱われます。

適切な手続きを踏むことで、治療費や休業損害、将来の逸失利益を含めた賠償金・補償金の請求対象となる可能性を秘めているのです。

 

 

椎骨動脈解離の「症状」と「再発率」|痛みはいつまで続く?

初期症状と注意すべきサイン

椎骨動脈解離の初期症状の顕著なサインとして、「片側の首筋(うなじ)から後頭部にかけて広がる突然の激しい痛み」が現れます。

経験された方は、「これまでに経験したことがないような異様な痛み」、「ズキズキと深く響くような激痛」と表現されることが多く、日常的な肩こりや片頭痛、緊張型頭痛とは異なる特徴があります。

市販の鎮痛薬(痛み止め)を服用しても効果が得られにくく、痛みがどのくらい続くかについては、軽快するまでに数日から1週間以上継続するのが一般的です。

しかし、注意すべきは「単なる首や後頭部の痛み」だけで終わらない点です。

痛みの発症に伴い、あるいは数日遅れて以下のような「神経脱落症状」が現れた場合は、解離部によって脳幹や小脳への血流障害(脳梗塞)が引き起こされている可能性が高く、非常に危険です。

  • 天井がグルグル回るような回転性の激しいめまいや吐き気
  • 片側の手足や顔面の麻痺・しびれ、力が入らないといった感覚・運動の異常
  • 舌がもつれて呂律(ろれつ)が回らない(構音障害)、水分や食物が上手く飲み込めない(嚥下障害)
  • 物が二重に見える(複視)、足元がふらついてまっすぐ歩けない

特に一時的にこれらの症状が現れて数分〜数時間で消える「一過性脳虚血発作(TIA)」の場合であっても、その後に本格的な脳梗塞へと進展するリスクが非常に高いため軽視は禁物です。

「どんな痛みか」、「神経症状を伴っていないか」を慎重に見極め、異常を感じた際は直ちに脳神経外科等を受診し、正確な早期診断を受けることが命を守る第一歩となります。

 

治療期間と再発率について

出血を伴わない未破裂の椎骨動脈解離の治療は、血圧管理と安静保持を基本とする「保存的治療」が原則となります。

発症直後から急性期にかけては、血圧の変動や病状の進行を抑えるために「数週間程度の入院治療」が必要となる可能性があります。

解離した血管の壁(内膜等)が組織的に修復・安定し、MRI(MRA)画像上で血流の改善や血管形状の正常化が確認されるまでには、早くても1〜2ヶ月、通常は「数ヶ月から半年以上」の経過観察期間を要します。

1ヶ月程度で病状悪化のリスクが低下し始めるとされていますが、受診した段階の病状や修復スピードには大きな個人差があり、画像上で完全に状態が落ち着くまで最低でも半年〜1年程度は注意深くフォローアップする必要があります。

また、急性期を脱した後の長期的な再発リスク自体は一般的に低い(年数%程度)とされています。

しかし、血管壁の修復が不十分な「発症後数ヶ月以内」の亜急性期においては、同一部位の悪化や反対側の椎骨動脈における新たな解離リスクが相対的に高まります。

そのため、退院後も主治医の指示に従って定期的なMRI検査を実施し、血管の修復経過を正確に把握し続けることが再発防止のために重要となります。

なお、事故や業務上のトラブルが原因で発症した場合、この治療期間中の定期的なMRI画像データや医師の診断記録が、後に適正な休業損害や後遺障害等級の認定を受ける際にも強力な客観的証拠となります。

 

 

椎骨動脈解離の治療法

椎骨動脈解離の治療方針は、出血の有無や脳梗塞の合併など、病態によって「保存的治療」と「外科的治療」に大きく分かれます。

くも膜下出血を伴わない未破裂のケースや頭痛のみで発見された軽症例では、ベッド上での安静保持と厳重な血圧管理を基本とする「保存的治療」が選択されます。

血栓形成による脳梗塞を防ぐ目的でアスピリンなどの抗血栓薬が投与される場合もありますが、動脈瘤が形成されているケースでは破裂リスクを高める懸念もあるため、最新の診療ガイドラインを踏まえつつ、画像所見(MRI/MRA)と本人の状態に応じた慎重な判断がなされます。

一方、血管が破裂してくも膜下出血を引き起こした場合や、再破裂・再解離の危険性が高い重症例では、命に関わるため迅速な高度治療が必要です。

血管内からコイルを詰めて遮断する「コイル塞栓術」や「ステント留置術」といったカテーテル治療(血管内治療)、あるいは開頭手術などの外科的処置が講じられます。

いずれの治療においても、発症後は定期的な画像診断を行い、血管の修復・回復経過を慎重に経過観察していくことが不可欠となります。

 

 

椎骨動脈解離の「後遺障害」と認定等級

どのような症状が後遺障害になるのか?

椎骨動脈解離を発症し、適切な医療機関で必要な治療やリハビリを一定期間尽くしたにもかかわらず、これ以上症状の改善が見込めない状態に達することを「症状固定(しょうじょうこてい)」と呼びます。

この症状固定の時点で残存している障害や症状が「後遺障害」の対象となります。

椎骨動脈解離において後遺障害として残存する代表的な症状には、以下のようなものが挙げられます。

  • 神経症状(痛み・痺れ・めまい):血管の傷や血流低下、神経圧迫等に起因する頑固な後頭部痛、首の痛み、手足や顔面のしびれ、慢性的なめまいや耳鳴り、平衡感覚の障害など。
  • 運動麻痺・感覚障害・言語障害:延髄や小脳領域の梗塞により、片麻痺(半身の脱力)、歩行障害、構音障害(呂律が回らない)、嚥下障害(食べ物をうまく飲み込めない)など。

これらの症状が交通事故や業務上の事故(労災)によって生じた場合、後遺障害等級の認定を受けることで、受け取るべき逸失利益や後遺障害慰謝料の金額が大きく変動することになります。

 

交通事故や労災における後遺障害等級の目安

椎骨動脈解離の後遺症に対して認定される代表的な後遺障害等級とその基準は以下のとおりです。

後遺障害等級 後遺障害の内容
3級3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
5級2号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
7級4号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
9級10号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号 局部に神経症状を残すもの

首筋や後頭部の痛み、手足のしびれといった神経症状の場合、MRIやMRAなどの画像検査で「他覚的所見」が確認できれば12級13号が認定される可能性が高まります。

一方、画像上の異常が明確でない場合でも、治療経過や症状の整合性から医学的に説明がつくものであれば14級9号の対象となり得ます。

 

適切な等級認定を受けるためのポイント

椎骨動脈解離で適正な後遺障害等級の認定を受けるためには、損害保険会社や労働基準監督署に対して、残存した症状が「傷病(事故・過労等)に起因して残ったものである」ことを客観的・医学的に証明(立証)しなければなりません。

まず、発症直後に病院を受診し、適切な治療を受ける必要があります。

首の痛み、めまい、しびれなどの自覚症状を漏らさず一貫して伝え、カルテに正確に記録してもらうことが必要です。

通院期間が不十分であったり、通院に大きな空白期間があったりすると、「事故と後遺症の因果関係なし」と判断されるリスクが高まります。

また、MRIやMRA画像によって椎骨動脈の狭窄・閉塞・動脈瘤形成、あるいは脳梗塞巣の存在を客観的に示すことが重要となります。

めまいや平衡機能障害が残っている場合は、耳鼻咽喉科や神経内科において失調・平衡機能検査を受け、客観的データを補強することも効果的です。

そして、症状固定時に適切な「後遺障害診断書」を作成してもらいます。

単に自覚症状を記載してもらうだけでなく、他覚的所見(画像データや検査結果)の有無、検査の実施日時、日常生活における支障の度合いなどが漏れなく明記されている必要があります。

適切な後遺障害等級を確実に勝ち取り、本来受け取るべき正当な補償を得るためには、医療知識と後遺障害認定手続きに強い弁護士に早い段階で相談されることを強くおすすめします。

 

 

椎骨動脈解離の相談窓口

脳神経外科・脳神経内科

首の後ろやうなじ周辺に突然の激しい痛みが生じた場合は、直ちに脳神経外科または脳神経内科を受診してください。

椎骨動脈解離の正確な診断には、脳や血管の微細な状態を捉えるMRI・MRA検査が欠かせません。

受診時には、いつ頃からどのような痛みが始まったか、併せてめまいやしびれなどの症状がないかを医師へ詳細に伝えてください。

なお、激しい頭痛に加えて回転性のめまい、吐き気、手足の脱力、呂律(ろれつ)が回らないといった神経症状が現れている場合は、すでに脳梗塞やくも膜下出血を引き起こしているおそれがあります。

一刻を争う非常に危険な状態ですので、躊躇することなく速やかに救急車を要請してください。

 

交通事故のケースは事故に強い弁護士

交通事故によるむちうちなどが原因で椎骨動脈解離を発症した場合は、交通事故に強い弁護士に相談してください。

相手方の任意保険会社との示談交渉を弁護士に一任できるため、直接のやり取りによる精神的ストレスから解放されます。

さらに、弁護士が介入すると、最も高額な「弁護士基準」を適用して示談交渉を行うため、慰謝料や逸失利益が増額する可能性もあります。

また、適正な後遺障害等級の認定には、MRI画像などの医学的証拠に基づいた綿密な立証手続きが必須となります。

弁護士が後遺障害診断書や画像データを精査して申請を行うことで、適正な等級認定の可能性を高めることができます。

 

労災のケースは労災問題に強い弁護士

長時間の過重労働による血圧上昇や業務中の転倒・事故によって椎骨動脈解離を発症した場合、労災(労働災害)認定を受けられる可能性があります。

労災問題に強い弁護士に相談することで、複雑な労災保険の申請手続きをスムーズに進められるだけでなく、後遺障害が残った際にも「障害補償給付」の適正な等級認定に向けた手厚いサポートを受けられます。

さらに、会社側に安全配慮義務違反(過労死ラインを超える過重労働や危険な労働環境の放置など)が存在する場合は、労災保険の補償だけでは賄えない慰謝料や逸失利益の不足分について、会社側に対して直接損害賠償を請求することも可能です。

交渉から裁判まで任せることで、労働者側の正当な権利を確保できます。

 

 

椎骨動脈解離についてのQ&A

仕事復帰はいつから可能ですか?

発症から1〜3ヶ月程度の療養・安静期間を経て、主治医の許可を得てから段階的に復帰するのが一般的です。

急性期(発症〜数週間)は再発や脳梗塞・くも膜下出血のリスクが高いため絶対安静を要します。

復帰にあたっては、MRI画像で血管の修復状況を確認することが不可欠です。

復帰後も重い荷物を持つ作業や首をひねる激しい動作は数ヶ月制限し、デスクワーク等の軽作業や時短勤務から開始することをおすすめします。

職場の理解を得るためにも主治医に診断書や指示書を作成してもらい、過労や血圧の急上昇を防ぐ環境を整えましょう。

 

整体で首を痛めた場合、慰謝料は請求できますか?

整体やカイロプラクティック等の施術事故が原因で椎骨動脈解離を発症した場合、整体師や運営会社に対して損害賠償(治療費や休業損害、慰謝料)を請求できる可能性があります。

ただし、過度な施術による「不法行為責任」や安全配慮を怠った「債務不履行責任」を追及するためには、施術と発症との間の医学的因果関係を客観的証拠で立証する必要があります。

施術直後に病院を受診して医師の診断書を取得するほか、カルテや予約履歴、費用領収書などを保管してください。示談交渉や法的手続きを有利に進めるため、早期に弁護士へ相談することをおすすめします。

 

芸能人の発症例はありますか?

椎骨動脈解離は、お笑いコンビ「千鳥」のノブさんや俳優の窪塚俊介さんなど、著名人の発症・入院が報道されています。

千鳥のノブさんは過去に左右両側の椎骨動脈解離を経験され、1ヶ月程度の安静期間を経て無事に復帰されました。

この疾患は高齢者だけでなく、30〜40代などの働き盛り世代にも突然発症するのが大きな特徴です。

日常の何気ない首の動作や疲労の蓄積、軽い衝撃でも血管が解離するリスクがあるため、「若いから大丈夫」と過信せず、首や後頭部に異様な痛みが現れた場合は早期に精密検査を受けることが非常に重要です。

 

 

まとめ

椎骨動脈解離は、突然の激しい首や後頭部の痛みから始まり、脳梗塞やくも膜下出血などの深刻な後遺症を残すリスクがある重篤な傷病です。

交通事故や整体事故、業務上の過労などが原因で発症した場合、適正な治療費や休業損害、慰謝料などの補償を受け取るためには、事故や業務と発症との医学的因果関係、ならびに適正な後遺障害等級の認定を客観的証拠に基づいて立証しなければなりません。

しかし、相手方保険会社や会社との交渉、複雑な認定手続きをご自身だけで進めるのは大きな負担となります。

椎骨動脈解離による後遺障害でお悩みの方は、適切な補償を受けるために弁護士へご相談ください。

当法律事務所の人身障害部は、後遺障害に悩む被害者を強力にサポートしています。

弁護士費用特約に加入されている場合は、特殊な場合を除き弁護士費用は実質0円でご依頼いただけます。

LINEや電話相談を活用した全国対応も行っていますので、後遺障害でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

 

 

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