水晶体とは?濁りやズレの原因・治療と後遺障害

監修者:弁護士 鈴木啓太 弁護士法人デイライト法律事務所 パートナー弁護士


「水晶体(すいしょうたい)」とは、眼球の内部に存在する無色透明なタンパク質の組織です。

これは、外から入ってきた光を屈折させて目の奥にある網膜にピントを合わせる「レンズ」の役割を果たす器官です。

交通事故や労働災害、暴行などの激しい衝撃によって混濁(外傷性白内障)や位置のズレ(水晶体脱臼)を引き起こすことがあります。

一度ダメージを受けた水晶体は基本的に自然に治ることはなく、根本的な治療には「水晶体再建術(白内障手術)」が必要となります。

しかし、術後も視力低下や見えにくさが残った場合には、後遺障害等級の認定や適正な賠償を受ける必要があります。

この記事では、水晶体の構造や異常が生じる原因・治療法などの基礎知識から、交通事故などで被害に遭った場合の後遺障害等級認定の基準、弁護士に依頼して適正な賠償金を獲得するためのポイントなどについて、弁護士がわかりやすく解説していきます。

水晶体とは?

水晶体の定義

「水晶体(すいしょうたい)」とは、眼球の内部に存在する無色透明なタンパク質の組織です。

これは、外から入ってきた光を屈折させて目の奥にある網膜にピントを合わせる「レンズ」の役割を果たす器官です。

大きさは成人で直径約9mm、厚さ約4mmほどの平たいラグビーボールのような形をしており、水と「クリスタリンタンパク」と呼ばれる特殊なタンパク質で構成されています。

人間が外界から光を取り入れたとき、光はまず「角膜(かくまく)」を通過し、次にこの「水晶体」を通ります。

目に入る光の屈折率のうち、約70%を角膜が担い、残りの約30%を水晶体が調整することで、クリアな視界を得ることができています。

水晶体は、視覚機能を正常に保ち鮮明な画像として脳へ情報を伝えるため、生涯にわたって重要な器官です。

 

水晶体の構造と働き

水晶体の構造

水晶体は単体で浮いているわけではなく、非常に精密な組織によって眼球内の適切な位置(瞳孔のすぐ後ろ)に固定されています。

 

水晶体嚢(すいしょうたいのう)

水晶体全体を包み込んでいる透明なカプセル(基底膜)です。

コラーゲンを主成分としており、外部の感染症や異物が目の奥へ進入するのを防ぐ壁のような機能も持っています。

 

チン小帯(ちんしょうたい)

水晶体嚢の周囲に結合している、細い糸状の組織です。

水晶体を全方位から引っ張り、眼球の中央に固定するハンモックのような働きをしています。

 

毛様体(もうようたい)

チン小帯の先に位置する筋肉組織です。

この毛様体筋が伸び縮みすることで、チン小帯を通じて水晶体の形状をコントロールしています。

そして、目は、「カメラの構造」に例えることができます。

  • 角膜・水晶体 = レンズ
  • 虹彩(こうさい) = 絞り
  • 網膜(もうまく) = フィルム(またはデジカメの画像センサー)

カメラのレンズは、前後に物理的に動くことで距離を調節しますが、人間の目の水晶体は「自らの厚みを変える(可変レンズ)」という非常に高度な仕組みでピント(焦点)を合わせています。

近くのものを見るときは、毛様体筋が収縮し、チン小帯がゆるみます。

すると、水晶体自体の弾力性によって厚みが膨らみ、屈折力が強くなって近くにピントが合います。

一方、遠くのものを見るときは、毛様体筋がゆるみ、チン小帯が引っ張られます。

これにより水晶体が薄く伸ばされ、屈折力が小さくなって遠くにピントが合います。

このような水晶体の働きによって、私たちは無意識のうちに遠くの景色から手元のスマートフォンまで、瞬時にピントを合わせて認識することができるのです。

 

健康な水晶体と「濁り」のメカニズム

水晶体は無色透明な組織です。

しかし、この透明な水晶体が濁ってしまう代表的な現象が、目の病気である「白内障(はくないしょう)」です。

水晶体が濁る最大の要因は、「タンパク質の変性」にあります。

本来、整然と並んでいたクリスタリンタンパクが、様々な要因によってダメージを受けると、構造が崩れて変性・凝集を起こします。

卵の白身が加熱されると透明から白く固まるのと同様に、変性したタンパク質は光を散乱・遮断するようになります。

水晶体が濁る主な原因として、以下のものが挙げられます。

水晶体が濁る原因 内容
加齢(加齢性白内障) 歳を重ねるにつれ、長年の紫外線曝露や体内の酸化・糖化、老廃物の蓄積によってタンパク質が変性します。
早い人では40代から始まり、80代以上ではほぼ100%の人になんらかの水晶体の濁りが見られます。
外傷・物理的衝撃(外傷性白内障) 交通事故、スポーツ中の衝突、喧嘩や暴行などで目に強い衝撃を受けると、水晶体嚢(カプセル)が損傷したり、内部の構造が破壊されて急速に濁りが生じることがあります。
全身疾患(糖尿病性白内障など) 糖尿病によって血糖値が高い状態が続くと、水晶体内に特殊な糖代謝物が蓄積し、水分を溜め込むことで混濁が進行します。
その他の原因 アトピー性皮膚炎、ステロイド薬の長期使用、先天的要因などによっても濁りが発生します。

水晶体が濁ると、目に入ってきた光がスムーズに網膜まで届かなくなるため、「視界全体がかすむ」、「光が眩しく感じる(眩惑感)」、「視力が低下する」、「物が重なって見える」といった自覚症状が現れるようになります。

一度変性して濁ってしまった水晶体を、薬などで元通りの透明な状態に戻すことは現代医療でも不可能なため、根本的な治療には手術(水晶体再建術)が必要となります。

 

水晶体と「梅水晶」の違い(豆知識)

結論からお伝えすると、居酒屋などで定番の珍味「梅水晶(うめすいしょう)」と、人間の眼球にある「水晶体(すいしょうたい)」は全くの無関係です。

「梅水晶」とは、サメの軟骨(または豚の軟骨)を細切りにし、梅肉と和えた食品です。

軟骨が水晶のように透明で美しく見えることからその名が付けられました。

一部で「梅水晶は体に悪い?」と検索される背景には、塩分濃度が高いことや、サメの軟骨に含まれる微量成分への心配によるものであり、人間の目の組織である「水晶体」の健康状態とは基本的に関係がありません。

ご自身の目やご家族の目の不調・トラブル(視力低下や事故による外傷など)でお困りの方は、眼球の器官である「水晶体」の専門的な知識や適切な治療・補償法についての情報をご確認ください。

 

 

水晶体の異常|脱臼・混濁・亜脱臼の原因と症状

加齢だけではない?「外傷性」のトラブル

水晶体のトラブルというと高齢者に多い「加齢性白内障」があります。

しかし、若い世代であっても「外傷」によって水晶体に重篤な異常が生じることがあります。

外部からの強い衝撃によって水晶体が損傷・混濁する疾患を「外傷性白内障」と呼びます。

外傷性トラブルの原因は、打撲などの強い圧力が加わる「鈍的外傷」と、鋭利な物体が眼球を貫通する「穿孔性(せんこうせい)外傷」に分類されます。

具体的には、交通事故での顔面打撲やフロントガラスの飛散、野球やゴルフなどのスポーツ中のボール直撃、作業中の鉄片飛散、喧嘩や暴行による拳での強打などが代表例です。

外傷を受けると、水晶体が白く濁るだけでなく、目を支える組織が断裂して急激な視力障害を引き起こす危険があります。

また、強い眩しさを感じる「羞明(しゅうめい)」や、像がぼやける症状が現れます。

注意が必要な点は、事故直後には目立った自覚症状がなく、数ヶ月から数年、時には10年以上が経過してから徐々に進行して重症化するケースもあります。

交通事故や事件に巻き込まれて目を打撲した場合は、痛みがなくても必ず早期に眼科を受診し、経過を観察することが重要です。

 

水晶体脱臼・亜脱臼とは?

水晶体は本来、眼球内部で「チン小帯」と呼ばれる細い糸状の組織によって全方位から吊り下げられ、瞳孔の正位置に固定されています。

しかし、交通事故の衝突やスポーツ中の強い衝撃などによってこのチン小帯に過度な負担がかかると、糸が切れたり伸ばされたりして損傷してしまいます。

その結果、レンズである水晶体が正常な位置からずれてしまう状態を「水晶体脱臼」と呼びます。

チン小帯の一部が断裂して水晶体が傾いたり下方に沈み込んだりしている状態を「亜脱臼(あだっきゅう)」、完全に支えを失って目の奥(硝子体)や手前(前房)へ落ち込んでしまった状態を「完全脱臼」といいます。

水晶体がずれると、光の屈折が正常に行われなくなるため、急激な視力低下をはじめ、物が重なって二重に見える「複視(ふくし)」、激しい近視や乱視といった症状が発現します。

さらに、二次的な合併症にも注意が必要です。

ズレた水晶体が目の中の水の通り道を塞ぐと、急速に眼圧が上昇して「急性緑内障発作」を引き起こしたり、眼内に強い炎症(ぶどう膜炎)を発生させたりして、最悪の場合は失明に至るリスクがあります。

 

犬などのペットに見られる水晶体脱臼

水晶体脱臼については、人間以外にも症例があります。

例えば、犬(特にジャック・ラッセル・テリアやプードルなどの好発犬種)も水晶体脱臼を発症します。

犬の場合は遺伝的な組織の弱さや加齢、ぶどう膜炎に続発して発症することが多く、放置すると緑内障を併発して激しい痛みや失明を引き起こすため、早期の外科的摘出などを検討しなければならない場合があります。

このように、ペットの症例としても見られる疾患ですが、「強い物理的衝撃によって水晶体を支える組織が切れてレンズがずれる」という根本的な発生メカニズム自体は人間も全く同じです。

人間の場合、遺伝や病気以上に「交通事故による打撲」、「業務中の事故」、「暴力トラブル」といった予期せぬ強い外力が引き金となって発症するケースがあります。

人間において事故で水晶体脱臼や外傷性白内障を負った場合、単に眼科的な治療を受けるだけでなく、低下した視力や障害に対する適切な補償(損害賠償や後遺障害等級の認定)が重要となります。

 

 

水晶体再建術(白内障手術)と人工水晶体の基礎知識

水晶体再建術の手順

水晶体再建術は、現代医療において非常に確立された安全性の高い手術の一つです。

一般的には局所麻酔(点眼麻酔)で行われ、日帰りまたは短期間の入院で実施されます。

まず、眼球の角膜周辺をわずか2〜3mm程度切開し、そこから超音波の器具を挿入します。

水晶体嚢(カプセル)の前側を丸く切開し、内部にある変性した水晶体の核や皮質を超音波で細かく砕きながら吸引・除去します。

そして、中身を綺麗に取り除いた透明な水晶体嚢(カプセル)の中に、折りたたんだ状態の柔らかい人工水晶体(眼内レンズ)を挿入して固定します。

なお、外傷や事故の衝撃によって水晶体を支える「チン小帯」が断裂・損傷している場合は、通常の手順でレンズを袋の中に収めることができないため、眼球の組織(毛様体や強膜)にレンズを縫い付けて固定する「縫着(ほうちゃく)固定術」や特殊な拡張リングを用いるなどの手法が選択されます。

 

水晶体再建術の医療費(診療報酬点数)

公的医療保険制度において、医療行為の費用は「診療報酬点数(1点=10円)」によって細かく決められています。

水晶体再建術(K282)の標準的な点数設定は以下の通りです。

施術内容 点数(費用)
通常の手術(一般的な眼内レンズ挿入) 12,100点(医療費総額:約121,000円)
縫着レンズを挿入する場合(チン小帯断裂時など) 17,840点(医療費総額:約178,400円)
計画的後嚢切開を伴う場合(16歳未満など) 21,780点(医療費総額:約217,800円)

※事故等でチン小帯が損傷し、水晶体嚢拡張リングを使用した場合は「1,600点」が加算される仕組みになっています。

なお、患者が窓口で支払う実際の自己負担額は、適用される保険の負担割合によって異なります。

交通事故による被害で治療を受ける場合、相手方の自動車保険(自賠責保険や任意保険)から一括払いで医療費が支払われるケースが多く見られます。

 

人工水晶体(眼内レンズ)の種類

術後に挿入する人工水晶体(眼内レンズ)は、患者のライフスタイルや希望する見え方に応じて選択されます。

大きく分けて「単焦点レンズ」と「多焦点レンズ」の2種類が存在します。

単焦点眼内レンズとは、特定の1箇所(遠く、または近くのいずれか)だけにピントを合わせるレンズです。

公的医療保険が全額適用されるため費用を抑えられるメリットがあります。

焦点を合わせた距離は非常に鮮明に見えますが、合わない距離(遠くに合わせた場合は手元、近くに合わせた場合は遠方)を見る際には老眼鏡や近視用メガネでの矯正が必要になります。

一方、多焦点眼内レンズは、遠距離・中間距離・近距離など、複数の場所にピントが合うように設計された遠近両用レンズです。

術後にメガネを使用する頻度を大幅に減らすことができる点が大きなメリットです。

ただし、選定療養や自由診療の扱いとなるため、レンズ代金が全額自己負担となり、手術費用が高額(片目で数十万円程度)になります。

また、夜間に車のライトや街灯の光がギラついて見える「ハロー・グレア現象」が発生しやすい特徴があります。

 

人工水晶体(眼内レンズ)のリスク

非常に成功率の高い手術であるものの、水晶体再建術も外科的手術である以上、以下のような合併症リスクがゼロではありません。

 

眼内感染症(眼内炎)

切開口から細菌などが目の中に侵入して強い炎症を引き起こす病態です。

極めて稀な頻度ですが、発生した場合は最悪のケースとして失明に至る危険があるため、術前術後の点眼薬による予防処置が厳格に行われます。

 

後発白内障(こうはつはくないしょう)

手術時に残した水晶体嚢(カプセル)に残留した細胞が増殖・変性し、術後数ヶ月から数年を経て再び目の中が濁ってくる現象です。白内障の再発のように思われますが、病態は異なり、外来でのYAGレーザー治療によって短時間で濁りを取り除き、視力を回復させることが可能です。

 

術中トラブル(破嚢・水晶体落下・チン小帯断裂)

特に外傷性事故の患者の場合、最初から目を支える組織が弱っていることが多いため、手術中にカプセルが破れて水晶体の破片が目の奥(硝子体)へ落下してしまうリスクが高くなります。

その場合は追加で硝子体手術を行って破片を取り除く処置が行われます。

 

手術が「失敗」だと感じたら?

水晶体再建術を受けたものの、「思ったように見えない」、「術後に激しい痛みや違和感が続く」「視力が前より下がった」という場合、医療ミス(医療過誤)の可能性もあります。

一般的に、医学的な意味での「医療過誤(医療ミス)」とは、医師や医療従事者が払うべき注意義務を怠り(過失)、それによって患者に損害や症状の悪化を与えた場合を指します。

一方、事前に予見・回避することが困難な合併症が発生し、それに対して医師が迅速かつ適切なリカバリー処置を行った場合は、法的にすぐさま「過失=医療ミス」と認められるわけではありません。

しかし、以下のようなケースでは、病院側に対して損害賠償請求(医療過誤の追及)ができる可能性が検討されます。

  • 滅菌されていない不衛生な器具を使用したことで眼内炎を引き起こした
  • 過去のレーシック施術歴や眼球の形状を見落とし、著しく計算の異なる度数の眼内レンズを挿入したことで深刻な見え方の不具合を生じさせた
  • 多焦点レンズのハロー・グレアリスクや、外傷目に対する手術のリスクについて事前になんら説明を行わず、患者に適切な選択の機会を与えないまま手術を強行した

術後の経過や見え方に納得がいかない場合、まずは執刀医や別の眼科医(セカンドオピニオン)に客観的な状態を診察してもらうことが先決です。

その上で、医師側の過失による後遺障害や症状悪化が疑われる場合には、カルテ開示請求を行い、弁護士などの専門家に医療過誤の成立要件(故意・過失、因果関係、損害の発生)を満たしているか相談することをおすすめします。

 

 

【被害者必見】事故で水晶体を損傷した場合の「後遺障害」と慰謝料

水晶体の損傷に関わる後遺障害等級

交通事故などで水晶体にダメージを負った場合、主に視力障害と調節機能障害の2つの側面から後遺障害等級が検討されます。

後遺障害の内容 等級 基準
視力障害 1級1号 両眼が失明したもの
2級1号 1眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの
2級2号 両眼の視力が0.02以下になったもの
3級1号 1眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの
4級1号 両眼の視力が0.06以下になったもの
5級1号 1眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの
6級1号 両眼の視力が0.1以下になったもの
7級1号 1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になつたもの
8級1号 1眼が失明し、又は1眼の視力が0.02以下になつたもの
9級1号 両眼の視力が0.6以下になつたもの
9級2号 1眼の視力が0.06以下になつたもの
10級1号 1眼の視力が0.1以下になつたもの
13級1号 1眼の視力が0.6以下になつたもの
調節機能障害 11級1号 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
12級1号 1眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの

視力障害は、水晶体の濁りや損傷によって矯正視力(メガネやコンタクトレンズ等を装着した視力)が著しく低下した場合に認定されます。

調節機能障害とは、水晶体脱臼や亜脱臼によってピントを合わせる機能(調節力)が損なわれた状態です。

なお、同一の事故で「視力障害」と「調節機能障害」の双方が残った場合、併合ルールに基づき、より上位の等級が認定される可能性があります。

 

「無水晶体眼」とは?コンタクトレンズによる矯正と補償

事故の大きな衝撃によって水晶体が破砕・脱臼したり、手術で摘出したものの眼内レンズを安全に挿入・固定できなかったりした状態を「無水晶体眼(むすいしょうたいがん)」と呼びます。

水晶体というレンズ自体が存在しないため、裸眼では極度の遠視状態となり、自力でピントを合わせることが一切できなくなります。

眼内レンズを装着できない場合、厚い眼鏡や特殊なコンタクトレンズによる高度な視力矯正が必要となりますが、装用による強い違和感や乾燥、感染症リスクなど、日々の生活において苦痛と不便を強いられます。

損害賠償においては、無水晶体眼となったこと自体による機能喪失に加え、矯正を行っても十分な視力が得られない場合は視力障害としての等級認定を目指します。

また、将来にわたり買い替えが必要となるコンタクトレンズの購入費用やケア用品代についても、必要かつ相当な範囲で「将来介護・治療関連費」として請求することが可能です。

 

弁護士に依頼するメリット

相手方保険会社から提示される賠償額は、保険会社独自の低い基準(任意保険基準)で計算されていることが一般的です。

弁護士が介入し、過去の裁判例に基づいた「弁護士基準(裁判基準)」で交渉を行うことで、慰謝料や逸失利益の額が大きく増額するケースが多々あります。

特に外傷性白内障や水晶体脱臼は、「加齢による影響ではないか」と保険会社から事故との因果関係を疑われやすい分野です。

また、事故から数年後に発症する「遅発性白内障」のリスクに備えた示談書の作成や、適切な検査には専門知識が欠かせません。

適正な後遺障害等級の獲得と賠償金額の最大化を目指すためにも、早い段階で弁護士へご相談されることをおすすめします。

 

 

水晶体脱臼・外傷性白内障についてのQ&A

水晶体脱臼は自然治癒しますか?

一度起こった水晶体脱臼や亜脱臼が自然治癒することはありません。

水晶体は「チン小帯」という細い糸状の組織で吊り下げられていますが、断裂したチン小帯が自然に結合・再生することはないためです。

ずれたレンズを放置すると、視力の低下や物が二重に見える複視が進行するだけでなく、目の中の水の流れが滞り、急性緑内障発作や重度な眼内炎症を引き起こして失明に繋がる危険があります。

そのため、軽度で経過観察となる場合を除き、基本的には「水晶体再建術」や「眼内レンズ強膜内固定・縫着術」といった外科的手術が必要となります。

異変を感じたら放置せず、速やかに眼科を受診してください。

 

水晶体再建術の場合に生命保険(手術給付金)は対象となりますか?

公的医療保険の対象となる一般的な水晶体再建術であれば、多くの生命保険や医療保険の手術給付金の支払い対象となります。

ただし、ご自身が加入している保険商品の特約内容や契約時期によって細かな給付条件が異なります。

例えば、同じ日に両眼の手術を受けた場合は「1回の手術」と判定されたり、片眼ずつ別日に手術を受けた場合はそれぞれ給付対象となったりするケースが一般的です。

また、後発白内障に対するレーザー手術などは、60日間の給付限度数が設けられている場合もあります。

そのため、加入している保険会社や共済の窓口へ事前に約款を確認するか、診断書の提出基準について問い合わせておくことをおすすめします。

 

高齢者は目が濁りやすいですか?

高齢になると「加齢性白内障」によって水晶体が白く濁りやすくなります。

白内障の原因の9割以上は加齢によるものであり、歳を重ねるにつれて水晶体を構成するタンパク質が長年の紫外線や体の酸化などの影響を受けて変性し、白く混濁していきます。

早い人では40代から始まり、80代以上になるとほぼ100%の人に何らかの濁りが見られるとされています。

主な初期症状としては、「視界全体が霧がかかったようにかすむ」、「光を異常にまぶしく感じる」、「眼鏡を替えても文字が読みにくい」といった変化が現れます。

進行はゆっくりですが、見え方に違和感を覚えた場合は定期的に眼科検診を受け、早期に状況を把握することが大切です。

 

 

まとめ

水晶体は目に入った光を屈折させ、鮮明な視界を得るために欠かせない重要器官です。

事故等で水晶体を損なうと、外傷性白内障や水晶体脱臼といった重篤な症状を招き、治療後も視力障害やピント調節障害といった後遺症が残るリスクがあります。

適正な賠償金を受け取るためには、専門的な医証に基づく確実な後遺障害等級の立証や、将来にわたる補償リスク(遅発性白内障など)を見据えた示談交渉が不可欠です。

目に関する後遺障害や示談交渉でお悩みの方、あるいは適正な後遺障害等級の獲得・賠償金の増額を目指したい方は、交通事故や後遺障害問題に詳しい弁護士に相談してください。

当法律事務所の人身障害部は、交通事故に精通した弁護士のみで構成されており、後遺障害に悩む被害者を強力にサポートしています。

弁護士費用特約に加入されている場合は、特殊な場合を除き弁護士費用は実質0円でご依頼いただけます。

LINEや電話相談を活用した全国対応も行っていますので、後遺障害でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

 

 

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