親が亡くなったときの手続き一覧表|2026年最新版


弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

親が亡くなったときの手続き一覧表

親が亡くなったときの手続きは、まず期限が短いものから優先して進めることが大切です。

死亡届の提出、健康保険や年金の手続き、相続放棄、準確定申告、相続税申告、不動産の相続登記など、親の死亡後には多くの手続きが発生します。

手続きの中には、期限が短い上に、期限を過ぎてしまうと大きな不利益が生じてしまうものもあります。

もっとも、手続きをすべて一度に終わらせる必要はありません。

手続きの全体像を把握し、期限・必要書類・相談先を整理したうえで、優先順位をつけて進めることが重要です。

この記事では、親が亡くなったときに必要となる手続きを一覧表で整理し、7日以内、14日以内、3か月以内、4か月以内、10か月以内、3年以内など、期限ごとにわかりやすく解説します。

親が亡くなった直後は、精神的にも時間的にも余裕がないことが少なくありません。

まずはこの記事の手続き一覧表で全体像を確認し、期限の近いものから落ち着いて進めていきましょう。

親が亡くなったときの手続きの優先順位一覧表

親が亡くなった後の手続きは、期限が短いものから優先して進める必要があります。

ただし、葬祭費・埋葬料、未支給年金、遺族年金などは、請求期限に余裕があっても、健康保険や年金の手続きと同じタイミングで確認した方がスムーズです。

以下の一覧表では、親が亡くなったときに必要となる主な手続きを、法律上の期限だけでなく、実務上の進めやすさも踏まえて、優先順位順に整理しています。

まずはこの表で全体像を確認し、「今すぐ必要な手続き」「期限までに準備すべき手続き」「早めに確認しておくと安心な手続き」に分けて進めていきましょう。

期限 手続き 主な必要書類
1 死亡直後 死亡診断書等の受け取り
  • 特になし
2 7日以内 死亡届の提出と火葬許可証の取得
  • 死亡届
  • 死亡診断書
  • 火葬許可申請書など
3 社保5日以内
(会社が手続き)
国保14日以内
健康保険の資格喪失手続き
資格確認書等の返却
  • 資格喪失届
  • 資格確認書など
4 速やかに
※期限は2年以内
葬祭費または埋葬料の請求
  • 支給申請書
  • 資格確認書
  • 葬儀費用の領収書など
5 厚生10日以内
国民14日以内
年金受給停止の手続き
  • 年金受給権者死亡届など
6 速やかに
※期限は5年以内
未支給年金・遺族年金の請求
  • 請求書
  • 年金証書など
7 速やかに
※期限は2年以内
国民年金の死亡一時金の請求
  • 死亡一時金請求書
  • 基礎年金番号がわかる書類
  • 戸籍謄本など
8 14日以内 世帯主変更の手続き
  • 世帯主変更届など
9 14日以内 介護保険の資格喪失手続き
  • 介護保険資格喪失届
  • 介護保険被保険者証など
10 速やかに 公共料金等の解約・名義変更
  • 契約会社ごとに異なる
11 速やかに 遺言書の有無の確認
  • 特になし
12 速やかに 相続人の調査・確定
  • 親の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本など
13 速やかに 相続財産・借金の調査
  • 通帳
  • 証券口座の資料
  • 登記事項証明書
  • 固定資産評価証明書
  • 請求書、督促状など
14 3か月以内 相続放棄の申述
※する場合
  • 申述書
  • 戸籍謄本
  • 住民票除票など
15 4か月以内 準確定申告
  • 確定申告書
  • 準確定申告書の付表など
16 速やかに
※相続税の申告等に影響するため
遺産分割協議
  • 親の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本など
17 速やかに 預貯金の解約・払い戻し
  • 金融機関所定の申請書
  • 通帳やキャッシュカード
  • 戸籍謄本
  • 相続人の印鑑証明書
  • 遺産分割協議書または遺言書など
18 10か月以内 相続税の申告・納付
  • 相続税申告書
  • 戸籍謄本
  • 財産資料
  • 遺産分割協議書など
19 速やかに
※期限は3年以内
生命保険金(死亡保険金)の請求
  • 保険会社所定の請求書
  • 保険証券
  • 死亡診断書など
20 3年以内 相続登記
  • 登記申請書
  • 遺言書または遺産分割協議書など

なお、必要書類は、自治体、勤務先、金融機関、保険会社などによって異なる場合があります。

この一覧表では代表的な必要書類を記載していますが、実際に手続きを行う際は、事前に各窓口へ確認してください。

 

死亡時の手続き一覧表のダウンロードはこちら

親が亡くなったときの手続きは、内容が多く、期限もそれぞれ異なります。

手続きを進める際は、一覧表を手元に置いておくと、今どの手続きまで終わっているか、次に何をすべきかを確認しやすくなります。

こちらから、親が亡くなった時の手続き一覧表をダウンロードできます。

印刷して市役所、年金事務所、金融機関などに持参したり、スマートフォンで確認しながら手続きを進めたりする際にご活用ください。

 

 

親が亡くなって7日以内に行う手続き

親が亡くなった直後は、葬儀の準備と並行して、まず死亡診断書等の受け取りと死亡届の提出を行う必要があります。

ここでつまずくと、その後の手続き全体が遅れてしまうため、優先的に進めましょう。

 

死亡診断書等の受け取り

病院で亡くなった場合は、担当医師から「死亡診断書」を受け取ります。

一方、自宅で突然亡くなった場合、事故死、死因が明らかでない場合などには、医師による検案のうえ、「死体検案書」が作成されることがあります。

手続き先 主な必要書類 手続き期限
亡くなった病院、警察等 特になし 死亡確認後、速やかに

死亡診断書等は、死亡届の用紙と一体になっていることが多く、役所に死亡届を提出する際に必要となります。

なお、死亡届を提出してしまうと原本は戻ってきません。

その他の手続きで使用する場合もあるため、提出前にコピーを複数取っておくと安心です。

 

死亡届の提出と火葬許可証の取得

死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内に提出する必要があります。

死亡届と同時に「火葬許可申請書」を提出し、火葬許可証の交付を受けるのが一般的です。

火葬許可証がないと火葬ができないため、葬儀社と日程を調整しながら早めに手続きを進めましょう。

多くの場合、葬儀社が代行してくれますが、内容は事前に確認しておくと安心です。

手続き先 主な必要書類 手続き期限
いずれかの市区町村役場

  • 親の死亡地
  • 親の本籍地
  • 届出人の所在地
  • 死亡届
  • 死亡診断書
  • 火葬許可申請書など
死亡を知った日から7日以内

 

 

親が亡くなって14日以内を目安に行う手続き

死亡届の提出が済んだら、健康保険・年金・介護保険・世帯主変更など、役所や年金事務所での手続きを進めます。

制度によって一部期限が異なるため、ここでは「14日以内」を目安として、それぞれの期限を個別に確認していきます。

 

健康保険の資格喪失手続きと資格確認書等の返却

親が亡くなった場合、加入していた健康保険の資格喪失手続きや、資格確認書等の返却が必要になります。

加入保険 手続き先 主な必要書類 手続き期限
国民健康保険
後期高齢者医療制度
親の住所地の市区町村役場
  • 資格喪失届
  • 資格確認書など
14日以内
社会保険 親の勤務先
  • 資格確認書など
5日以内

なお、自治体によっては、死亡届の提出により国民健康保険の資格喪失届は不要とされる場合もあります。

ただし、資格確認書等の返却は必要になることがありますので、詳細は亡くなった親の住所地の市区町村役場に確認してください。

 

年金受給停止の手続き

年金を受給していた場合は、受給停止の手続きが必要です。

手続き先 主な必要書類 手続き期限
年金事務所
  • 年金受給権者死亡届など
厚生年金:10日以内
国民年金:14日以内

日本年金機構にマイナンバーが収録されている場合は、年金受給権者死亡届の提出は原則として不要です。

ただし、未支給年金や遺族年金を受け取れる場合には、別途手続きが必要になるため、この段階であわせて年金事務所に確認しておくと安心です。

 

世帯主変更の手続き

亡くなった親が世帯主で、同一世帯に家族が残る場合は、世帯主変更届の提出が必要になることがあります。

手続き先 主な必要書類 手続き期限
親の住所地の市区町村役場
  • 世帯主変更届など
14日以内

世帯に残る家族が1人だけの場合など、新しい世帯主が明らかなケースでは不要とされることもあるため、詳しくは自治体の窓口に確認しましょう。

 

介護保険の資格喪失手続き

亡くなった親が次のいずれかにあてはまる場合には、介護保険の資格喪失手続きや介護保険被保険者証の返却が必要になります。

  • 65歳以上であった場合
  • 40歳以上65歳未満で要介護・要支援認定を受けていた場合
手続き先 主な必要書類 手続き期限
親の住所地の市区町村役場
  • 介護保険資格喪失届
  • 介護保険被保険者証など
14日以内

自治体によっては、死亡届の提出により処理される場合や、介護保険被保険者証の返却だけで足りる場合もあります。

ただし、別途保険料の還付や未納分の精算が発生することがあるため、手続きの際に確認しておくと安心です。

 

 

親が亡くなって3か月以内に行う手続き

葬儀や役所での手続きが一段落すると、いよいよ相続に向けた準備が始まります。

ここで最も気をつけなければならないのが「3か月」という期限です。

親に多額の借金があった場合、相続放棄をして借金を引き継がないようにすることができますが、この手続きの期限が「相続開始を知った時から3か月以内」と定められています。

この期限内に「遺産を受け継ぐか、放棄するか」を正しく判断するため、まずは遺言書の確認から順を追って調査を進めましょう。

 

遺言書の有無の確認

遺言書がある場合、遺産の分け方や相続手続きの進め方が大きく変わることがあります。

そのため、まずは親が遺言書を残していないかを確認しましょう。

遺言の種類 保管場所 確認先
自筆証書遺言(自宅等で保管) 自宅、貸金庫など 原則として、家庭裁判所で検認を受ける必要がある
自筆証書遺言(保管制度利用) 法務局 法務局へ遺言書保管事実証明書の交付請求をする
公正証書遺言 公証役場 公証役場で遺言検索システムを利用する
ワンポイント:自筆の遺言書を見つけても勝手に開封しない

自宅などで自筆証書遺言を発見した場合は、家庭裁判所に検認(けんにん)を申し立てる必要があります(民法1004条)。

検認は、遺言書の形状や内容などを確認し、遺言書の現状を明確にして偽造・変造を防ぐための手続きです。

また、封印のある遺言書は、家庭裁判所外で勝手に開封してはいけません。

これに違反すると、5万円以下の過料に処されるおそれがあります。

参考:民法|e-Gov法令検索

 

相続人の調査および確定

次に、誰が相続人になるのかを調査します。

再婚歴がある場合の前婚の子、認知した子、養子縁組をしている場合など、家族関係によっては想定していなかった相続人が判明することもあります。

思わぬ相続人の存在に気づかないまま手続きを進めると、後の遺産分割協議がやり直しになるおそれもあるため、慎重に確認しましょう。

主な必要書類 取得先
親の出生から死亡までの戸籍謄本一式 親の本籍地の市区町村役場
相続人全員の戸籍謄本 各相続人の本籍地の市区町村役場

なお、2024年(令和6年)3月1日から、「戸籍の広域交付制度」が開始されました。

一定の条件を満たす場合には、本籍地のある市区町村役場ではなく、最寄りの市区町村役場で一括してすべての戸籍謄本を取得することができます。

戸籍謄本を取り寄せる方法については、以下の記事で詳しく解説をしていますので、ぜひ下記ページをご覧ください。

 

相続財産および借金の調査

相続人の確認と並行して、親の財産と借金を調査します。

相続では、預貯金、不動産、株式、自動車、貴金属などのプラスの財産だけでなく、借入金、住宅ローン、保証債務などのマイナスの財産も引き継ぐ可能性があります。

そのため、相続放棄をするかどうかを判断するためには、財産だけでなく、借金や保証の有無まで確認する必要があります。

財産の種類 調査に役立つ資料
プラスの財産 通帳、キャッシュカード、登記事項証明書、固定資産税納税通知書、証券会社の書類、取引報告書、保険証券など
マイナスの財産 金融機関からの郵便物、請求書、督促状、契約書、通帳の引落履歴、納税通知書など

 

相続放棄の申述

相続財産の調査の結果、借金の方が多いことが分かった場合や、相続に関わりたくない事情がある場合には、相続放棄を検討します。

相続放棄をすると、はじめから相続人ではなかったものとして扱われ、プラスの財産もマイナスの財産も一切相続しません。

相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ申述する必要があります。

手続き先 主な必要書類 手続き期限
家庭裁判所
  • 相続放棄申述書
  • 親の住民票除票
  • 申述人の戸籍謄本など
自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内

 

 

親が亡くなって4か月以内に行う手続き

親が亡くなった後は、親の所得に関する税金の手続きも必要になるケースがあります。

期限が4か月以内と比較的短いため、相続に関する手続きと並行して進めましょう。

 

準確定申告

準確定申告とは、亡くなった親に確定申告が必要だった場合に、相続人が親に代わって行う所得税等の申告です。

手続き先 主な必要書類 手続き期限
亡くなった親の納税地を管轄する税務署
  • 確定申告書
  • 準確定申告書の付表
  • 源泉徴収票
  • 医療費の領収書など
相続開始を知った日の翌日から4か月以内

準確定申告について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

 

 

親が亡くなって10か月以内に行う手続き

相続手続きの中で最も大きなハードルとなるのが「遺産を誰がどれくらい受け継ぐか(遺産分割)」の話し合いと、「相続税の申告・納付」です。

相続税の申告には「死亡を知った日の翌日から10か月以内」という期限があるため、そこから逆算して早めに遺産分割を進めましょう。

 

遺産分割協議

遺産分割協議とは、相続人全員で、親の遺産を誰がどのように取得するかを話し合って決める手続きです。

協議がまとまったら、その内容を明確にし、預貯金の払戻しや相続登記などに使用するため、相続人全員が実印を押した「遺産分割協議書」を作成します。

主な必要書類 期限の目安
  • 親の出生から死亡までの戸籍謄本一式
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続財産の資料
  • 相続人全員の印鑑証明書など
なるべく相続税申告の期限(10か月以内)まで

 

相続税の申告および納付

親の遺産が一定額を超える場合は、相続税の申告と納付が必要になります。

相続税の申告が必要かどうかは、相続財産の合計額から債務や葬式費用などを差し引いた正味の遺産額が、基礎控除額を超えるかどうかで判断します。

手続き先 主な必要書類 手続き期限
親の死亡当時の住所地を管轄する税務署
  • 相続税申告書
  • 戸籍謄本
  • 財産資料
  • 遺産分割協議書など
死亡を知った日の翌日から10か月以内

 

 

期限に余裕はあるが早めに行うべき手続き

親が亡くなったあとは、ここまで紹介した手続きのほかにも、さまざまな手続きを行う必要があります。

ここで解説する手続きは、死亡届や相続放棄のように短い期限があるものではありません。

しかし、後回しにすると、無駄な料金が引き落とされ続けたり、生活費に困ったりするおそれがあるため、できるだけ早めに済ませておくことをおすすめします。

 

公共料金等の解約および名義変更

電気・ガス・水道、携帯電話、インターネット回線、NHKなどの契約者が亡くなった親になっている場合、解約または名義変更の手続きが必要です。

公共料金等の手続きには、法律上の一律の期限があるわけではありません。

しかし、解約をしないまま放置すると、使用していなくても基本料金が発生し続けます。

また、支払口座が凍結されると料金の引き落としができず、未払い扱いになる可能性もあるため、なるべく早く手続きを行いましょう。

手続き先 主な必要書類 手続き期限
電力会社、ガス会社、水道局、携帯電話会社、インターネット会社、NHKなど各契約会社
  • 契約者の死亡がわかる書類
  • 契約者本人確認書類など
法律上の一律の期限はないが、死亡後速やかに

 

預貯金の解約および払い戻し

親名義の預貯金がある場合は、金融機関で相続手続きを行い、預貯金の解約または払い戻しを受けます。

金融機関が口座名義人の死亡を把握すると、原則として口座は凍結されます。

口座が凍結されると、キャッシュカードでの引き出しや口座振替ができなくなるため、公共料金などの支払いに影響することがあります。

手続き先 主な必要書類 手続き期限
口座のある各金融機関
  • 金融機関所定の申請書
  • 通帳やキャッシュカード
  • 戸籍謄本
  • 相続人の印鑑証明書
  • 遺産分割協議書または遺言書など
法律上の一律の期限はないが、死亡後速やかに

 

生命保険金の請求

親が生命保険に加入していた場合は、保険会社に死亡保険金を請求します。

手続き先 主な必要書類 手続き期限
契約している保険会社
  • 保険会社所定の請求書
  • 保険証券
  • 死亡診断書など
原則として3年以内

 

葬祭費または埋葬料の請求

親の葬儀を行った場合、加入していた健康保険の種類によって、葬祭費または埋葬料を請求できることがあります。

手続き先 主な必要書類 手続き期限
親の住所地の市区町村役場
健康保険組合など
  • 支給申請書
  • 資格確認書
  • 葬儀費用の領収書など
原則として2年以内

 

国民年金の死亡一時金の請求

親が国民年金の第1号被保険者として一定期間保険料を納めており、老齢基礎年金や障害基礎年金を受け取らずに亡くなったときは、遺族が死亡一時金を受け取れることがあります。

手続き先 主な必要書類 手続き期限
市区町村役場
年金事務所など
  • 死亡一時金請求書
  • 基礎年金番号がわかる書類
  • 戸籍謄本など
死亡日の翌日から2年以内

 

未支給年金・遺族年金の請求

親が受け取るはずだった年金でまだ支払われていないものは「未支給年金」として、生計を同じくしていた遺族が請求できます。

また、親によって生計を維持されていた配偶者や子などがいる場合は、「遺族年金」を請求できる可能性があります。

手続き先 主な必要書類 手続き期限
市区町村役場
年金事務所など
  • 未支給年金請求書または遺族年金請求書
  • 年金証書
  • 戸籍謄本
  • 住民票
  • 生計同一関係を確認できる書類など
原則として5年以内

 

不動産の相続登記

親名義の土地や建物がある場合は、不動産の相続登記を行う必要があります。

手続き先 主な必要書類 手続き期限
不動産の所在地を管轄する法務局
  • 登記申請書
  • 遺言書または遺産分割協議書など
不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内

 

 

自分はどの手続きが必要?パターン別に解説

親が亡くなった後の手続きは、すべての人に同じように必要になるわけではありません。

親に借金があるのか、遺産があるのか、不動産があるのか、相続税がかかりそうなのかによって、優先すべき手続きは変わります。

ここでは、代表的なパターンごとに、どの手続きを確認すべきかを解説します。

 

親に借金があるときは相続放棄を検討

親に借金がある場合は、まず財産と債務の内容を調査しましょう。

借金が財産を上回る可能性がある場合や、保証債務など全体像が分からない場合には、相続放棄を検討する必要があります。

相続では、預貯金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借入金、カードローン、未払金、保証債務などのマイナスの財産も原則として引き継ぎます。

そのため、「預貯金は少ないのに借金が多い」「督促状が届いている」「保証人になっていた可能性がある」といった場合は、早めに財産と借金を調査しましょう。

相続放棄をする場合は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所で申述という手続きを行う必要があります。

この期限を過ぎてしまうと相続放棄は原則できなくなるため、自分での財産調査が難しい場合は、なるべく早く専門家に相談することをおすすめします。

ワンポイント:相続放棄を検討する場合は親の財産の使用・処分に注意する

相続放棄を検討している場合は、親の預貯金を引き出して使ったり、不動産・車・貴金属などを処分したりしないよう注意が必要です。

相続人が相続財産を処分した場合、相続を単純承認したものとみなされる可能性があります。

相続財産の処分が単純承認に当たると判断された場合、相続放棄が原則として認められなくなってしまいます。

実務上は、葬儀費用や入院費の支払いなど、親の財産から支出してよいか判断が難しい場面もあります。

相続放棄を少しでも検討している場合は、親の財産に手を付ける前に、弁護士に相談することをおすすめします。

相続放棄については、以下の記事で詳しく解説をしていますので、ぜひ下記ページをご覧ください。

 

遺産があるときは遺産分割手続き

親に預貯金、不動産、株式、自動車などの遺産がある場合は、遺産分割手続きを進めます。

遺産分割とは、相続人全員で、親の遺産を誰がどのように取得するかを決める手続きです。

遺言書があり、その内容に従って手続きを進められる場合もありますが、遺言書がない場合や、遺言書に記載されていない財産がある場合には、相続人全員による遺産分割協議が必要になります。

遺産分割協議では、相続人全員の合意が必要です。

相続人同士で意見が合わない場合や、不動産の分け方で揉めている場合は、話し合いが長期化することもあります。

相続税の申告が必要なケースでは、10か月の申告期限にも影響するため、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

遺産分割については、以下の記事で詳しく解説をしていますので、ぜひ下記ページをご覧ください。

 

遺産が基礎控除額を超えそうなときは相続税の申告を確認

遺産の総額が、基礎控除額を超える場合は、相続税の申告と納税が必要になります。

基礎控除額の計算式と、法定相続人の数に応じた基礎控除額は、次の表をご覧ください。

基礎控除額の計算方法

預貯金や不動産だけでなく、亡くなった親が保険料を負担していた死亡保険金なども、相続税法上「相続により取得したもの」とみなされ、相続税の計算対象になることがあるため、注意しましょう。

また、遺族や遺産の状況によっては、相続税の負担を軽減できる制度が使える場合もあります。

相続税の申告が必要かどうか、また申告が必要な場合にどのような特例が使えるかは、個々の事情によって大きく変わります。

判断に迷う場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

相続税については、以下の記事で詳しく解説をしていますので、ぜひ下記ページをご覧ください。

 

親名義の不動産があるときは相続登記が必要

親名義の自宅、土地、マンション、賃貸不動産、共有持分などがある場合は、相続登記が必要です。

相続登記とは、亡くなった親名義の不動産を、相続人などの名義に変更する登記手続です。

相続登記をしないまま放置すると、不動産を売却できない、担保に入れられない、次の相続で相続人が増えて手続きが複雑になる、といった問題が生じることがあります。

また、相続登記は、2024年4月1日から義務化されています。

相続によって不動産を取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。

相続登記については、以下の記事で詳しく解説をしていますので、ぜひ下記ページをご覧ください。

 

 

親が亡くなったときの手続きのポイント

ここまで紹介してきた手続きは数が多く、どこから手をつければよいか迷う方も多いと思います。

ここでは、手続き全体を進めるうえで押さえておきたい3つのポイントを整理します。

 

期限が短い手続きから優先する

親が亡くなった後は、まず期限が短い手続きから優先して進めましょう。

手続きの中には、死亡届や健康保険・年金関係のように期限が短いものと、相続放棄、準確定申告、相続税の申告、相続登記のように、比較的期限に余裕があるものが混在しています。

すべてを同時に進めようとすると混乱しやすいため、まずは期限が短い手続きから着手し、一覧表を参考にしながら、次に何をすべきかを確認しながら進めることをおすすめします。

 

役所でできる手続きはまとめて確認する

市区町村役場でできる手続きは、できるだけまとめて確認すると効率的です。

たとえば、死亡届、火葬許可証、国民健康保険や後期高齢者医療制度の資格喪失、介護保険、世帯主変更、葬祭費の請求などは、市区町村役場が関係することが多い手続きです。

また、自治体によっては、死亡後の手続きをまとめて案内する窓口(おくやみ窓口など)を設けている場合もあります。

役所へ行く際は、死亡診断書等のコピー、届出人の本人確認書類、親の資格確認書、介護保険被保険者証、印鑑、振込先口座がわかるものなどを持参すると、複数の手続きを一度に進めやすくなります。

 

専門的な手続きは期限切れになる前に相談する

相続手続きの中には、自分で進められるものもありますが、専門家に相談した方がよいものもあります。

特に、相続放棄を検討している場合、相続人同士で意見が対立している場合、相続税申告が必要になりそうな場合は、早めに専門家へ相談することが大切です。

相続放棄、準確定申告、相続税申告には期限があるため、「もう少し落ち着いてから相談しよう」と考えているうちに、準備期間が足りなくなることがあります。

特に、相続財産や借金の調査、戸籍の収集、不動産評価、相続人間の調整には時間がかかります。

親が亡くなった直後は、気持ちの整理もつかないまま多くの手続きを進めなければならない時期です。

すべてを一人で抱え込まず、必要に応じて早めに専門家へ相談しましょう。

 

 

親が亡くなったときの手続きの相談窓口

親が亡くなった後の手続きは、市区町村役場や年金事務所での届出から、相続放棄、相続税の申告、不動産の名義変更まで多岐にわたります。

ここでは、内容に応じてどの窓口や専門家に相談すればよいかを整理します。

 

相続全般は相続に強い弁護士に相談

次のような相続に関する幅広い悩みがある場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

  • 相続放棄をすべきかわからない
  • 遺産分割協議がまとまらない
  • 相続人同士で意見が対立している
  • 他の相続人と連絡が取れない

 

弁護士は、財産・相続人の調査はもちろん、遺産分割協議の代理交渉や、相続放棄の申述、調停・審判といった裁判所の手続きまで幅広く対応できます。

そのため、トラブルの可能性がある場合や、何から手をつければよいか分からない場合は、まず相続全般に強い弁護士に相談するとよいでしょう。

遺産相続を弁護士に相談するメリットは、以下の記事で詳しく解説をしていますので、ぜひ下記ページをご覧ください。

 

相続税の申告だけなら税理士

遺産分割の内容がすでに決まっており、相続税の申告や納税額の計算だけが必要な場合は、税理士への相談がおすすめです。

基礎控除額を超えるかどうかの判定や、各種特例を適用できるかなど、専門的な税務判断が必要な場面で力を発揮します。

ただし、相続税の申告だけでなく、遺産分割でもめている場合や、相続人の一部が財産資料を開示しない場合、使い込みが問題になっている場合は、税務だけで解決できないことがあります。

このようなケースでは、税理士だけでなく、弁護士にも相談することを検討しましょう。

 

不動産の名義変更だけなら司法書士

遺産分割の内容が決まっており、親名義の不動産の相続登記(名義変更)だけを行いたい場合は、司法書士への相談がおすすめです。

登記申請書の作成や、法務局への申請手続きを代行してもらえます。

一方で、不動産を誰が取得するかで争いがある場合、不動産の評価額をめぐって対立している場合、一部の相続人が協議に応じない場合などは、単なる登記手続きではなく、遺産分割の法律問題になります。

このような場合は、先に弁護士へ相談し、遺産分割協議や調停をどのように進めるかを検討する必要があります。

 

 

親の死亡後の手続きについてのQ&A

ここでは、親の死亡後の手続きについて、よくある質問について解説します。

 

親が亡くなったら市役所で何をすればいいですか?

まずは死亡届を7日以内に提出し、火葬許可証を取得します。

その後、14日以内を目安に、国民健康保険や後期高齢者医療制度の資格喪失手続き、交付されている資格確認書等の返却、介護保険被保険者証の返却、世帯主変更などを行います。

葬祭費や未支給年金の請求なども役所でまとめて確認・申請できる場合が多いため、必要な持ち物を電話で確認してから行くとスムーズです。

 

親の死亡後にやるべき手続きの優先順位は?

手続きの数が多く、何から手をつければよいか迷う場合は、次のような基準で優先順位をつけるとよいでしょう。
  1. ① 死亡届や健康保険関係など、期限が短い手続き
  2. ② 相続放棄など、期限を過ぎると不利益が大きい手続き
  3. ③ 年金・生命保険金・葬祭費など、放置すると生活費に影響が出やすい手続き
  4. ④ 期限には比較的余裕があるものの、先延ばしにすると手続きが複雑化しやすい手続き

ご自身の状況に当てはめて迷う場合は、記事内の一覧表もあわせてご確認ください。

 

兄弟姉妹と連絡が取れない場合でも手続きはできますか?

死亡届、火葬許可証、健康保険、介護保険などの行政手続きは、兄弟姉妹全員と連絡が取れていなくても進められる場合があります。

一方で、遺産分割協議は相続人全員で行う必要があります。

そのため、兄弟姉妹の一部と連絡が取れないまま、預貯金や不動産を勝手に分けることは避けるべきです。

連絡先が分からない場合は、戸籍や附票を取得して住所を調査する方法があります。

それでも協議が難しい場合は、弁護士への相談を検討しましょう。

 

親が遠方に住んでいた場合、手続きはどうすればいいですか?

親が遠方に住んでいた場合でも、死亡届は、届出人所在地の市区町村役場に提出できます。

そのため、必ずしも親の住所地の役所だけでしか手続きできないわけではありません。

もっとも、その後の手続き先は制度によって異なります。

国民健康保険、後期高齢者医療制度、介護保険は原則として親の住所地の市区町村役場で行います。

勤務先の健康保険については勤務先や健康保険組合等へ、年金については年金事務所や街角の年金相談センター等へ確認しましょう。

遠方で手続きが難しい場合は、郵送手続きの可否を確認したり、弁護士・税理士・司法書士などに依頼したりすることも検討しましょう。

 

 

まとめ

親が亡くなったときの手続きでは、期限の管理と相続関係の整理が重要です。

特に、親に借金がある場合は、相続放棄の期限に注意が必要です。

また、相続税の申告が必要になりそうな場合や、親名義の不動産がある場合も、早めに準備を始めることが大切です。

親の死亡後の手続きは、自分で対応できるものもありますが、相続人同士の対立、借金、不動産、相続税が関係する場合は専門的な判断が必要になることがあります。

不安がある場合は、無理に一人で進めず、早めに専門家へ相談しましょう。

当事務所では、相続問題に特化した専門部署を設置し、初期のご相談から複雑な交渉、裁判手続きまでワンストップでサポートいたします。
また、LINEやZoom、Google Meetを活用したオンライン相談体制も完備しており、全国どちらからでもスムーズなご相談が可能です。

相続に関するお悩みやご不安がございましたら、どうぞお気軽に当事務所までお寄せください。

 

 

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