盗撮について【弁護士が対応法を解説】

  
弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

盗撮とは

盗撮とは、人を著しく羞恥させ、または人に不安を覚えさせるような方法で、以下の行為を行うことをいいます。

①通常衣服で隠されている他人の身体または他人が着用している下着を写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」といいます。)を用いて撮影すること

②公衆便所、公衆浴場、公衆が利用することができる更衣室その他の公衆が通常衣服の全部または一部を着けない状態でいるような場所で当該状態にある人の姿態を写真機等を用いて撮影すること

なお、上記①②の行為(盗撮)をする目的で、写真機等を設置し、または他人の身体に向けることだけでも、同様の犯罪とされています。

 

 

どのような犯罪に当たるのか

福岡県迷惑防止条例 (昭和39年福岡県条例第68号)は、その第6条2項に次の規定をおいています。

「何人も、公共の場所、公共の乗物その他の公衆の目に触れるような場所において、正当な理由がないのに、前項に規定する方法(人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法)で次に掲げる行為をしてはならない。

1 通常衣服で隠されている他人の身体又は他人が着用している下着をのぞき見し、又は写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下この条において「写真機等」という。)を用いて撮影すること。

2 前号に掲げる行為をする目的で写真機等を設置し、又は他人の身体に向けること。」

さらに同条3項に、次の規定をおいています。

「何人も、正当な理由がないのに、第一項に規定する方法で次に掲げる行為をしてはならない。

1 公衆便所、公衆浴場、公衆が利用することができる更衣室その他の公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所で当該状態にある人の姿態をのぞき見し、又は写真機等を用いて撮影すること。

2 前号に掲げる行為をする目的で写真機等を設置し、又は他人の身体に向けること。」

 

刑罰はどのようになっているか

昨今、スマートフォンの急速な普及や情報技術の発達等により、改正前の条例では取り締まりができない住居の浴室やホテルの客室等における盗撮事案が発生していることを理由として、2019年6月1日から条例が一部改正されました。

その結果、盗撮行為を行った場合の法定刑は、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」となっています。

また、常習的に盗撮を行っていた場合の法定刑は、「2年以下の懲役または100万円以下の罰金」となっています。

引用元:福岡県迷惑防止条例

したがって、盗撮は最大で2年の懲役刑を課される可能性があります。

 なお、盗撮行為をするために、他人の住居に侵入した場合は別途、住居侵入罪(刑法133条)が成立します。

 

被害者が未成年者の場合

そして18歳未満の児童を盗撮した場合には、児童ポルノ法違反となります。

合わせて読みたい
児童ポルノについて

 

 

盗撮事案の弁護士の費用

相談料:無料

※依頼された場合のご料金はご依頼内容や事実関係の争いの有無等によって異なりますのでまずはご相談ください。

弁護士の費用について、詳しくはこちらのページをご覧ください。

 

 

 

弁護活動の方針

盗撮行為を認める場合

盗撮行為を認める場合に重要なのは、起訴されてしまう前に、被害者と示談を成立させることです。

検察官は、盗撮行為をした被疑者を起訴するかどうか判断する際に、示談が成立しているかに着目します。示談が成立していなければ、被害者の心情に配慮し、起訴に踏み切ることが多いのです。

示談をするためには、被害者と接触する機会を持つ必要があります。

しかしながら、検察官は、被疑者には被害者の名前や住所を教えることはありません。検察官から被害者の名前や住所を教えてもらい示談交渉をできるのは、被疑者が依頼した弁護士です。

弁護士が迅速に被害者のもとを訪れ、示談を成立させる必要があります。弁護士の技量と熱意によって、示談の成立は大きく影響を受けますから、刑事事件に特化した弁護士を選任することが重要となります。

また、起訴後に示談が成立しても、前科は付いてしまいます。

ですが、示談が成立することによって、懲役刑を科される見込みだったものが、罰金刑に変わったり、執行猶予が付されたりして、刑務所に入らずに済む可能性が高まるので、起訴後も、示談交渉は重要です。

起訴後についても、弁護士の技量と熱意がものをいうということです。

 

 

盗撮行為を認めない場合

盗撮行為を認めず、無罪を主張する場合、盗撮していないことを示す証拠を豊富に収集することが重要となります。

「被疑者(被告人)が携帯を女性のスカートの中に差し入れていました」等と述べる目撃者供述がある場合、目撃者の位置から、被疑者が被害者のスカートの中に携帯を差し入れる場面が真に見えたのか再現実験を行い、目撃者供述が信用できないことを示したり、被疑者の携帯の解析結果から、被疑者がその場面でカメラ以外の携帯アプリを開いていたことを示したりすることが一例として考えられます。

弁護士の技量と熱意によって、証拠の収集力は大きく異なりますから、刑事事件に特化した弁護士を選任することが重要となります。

 

 

盗撮事件の弁護活動の流れの一例

事件の発生

事件の発生現場として多いのは、ショッピングモール・デパート、本屋、駅の上り階段などです。

そういった場所で盗撮が行われ、盗撮に気づいた被害者や目撃者が、盗撮をした者に声をかけ(もしくは取り押さえ)ます。

その後、盗撮事件を聞きつけた警備員や駅員等がかけつけ、警察への通報があり、事件が発覚します。

警察は、現場検証(実況見分)や被害者・目撃者の聞き取り捜査を行い、被疑者(とされる者)に対し、盗撮をした事実の認否を確認し、携帯電話や小型カメラの提出を求めます。

警察は、被疑者が、盗撮を認めていることや、任意に証拠を提出したこと、前科が無いこと等を確認し、逮捕に踏み切らず、在宅事件とします。(前述のとおり、現行犯逮捕とされる可能性もあります。)

弁護士への相談

盗撮事件を行ってしまった被疑者は、①家族や会社に知られたくない、②会社をクビになりたくない、③前科をつけたくない、④逮捕されたくない、⑤報道を避けたい、様々な理由を持って、弁護士に相談に行きます。

弁護士がお伝えするのは、やはり、「早期の示談交渉開始の重要性」です。

ご依頼になられた場合、即日で弁護士から警察に連絡をし、被害者の連絡先が分かり次第、示談交渉を開始します。

示談交渉

まずは、弁護士から、被害者に、電話で連絡をします。電話を通じて、本人の反省や、刑事事件の今後の流れ、民事上の解決(示談)の重要性等を、被害者に伝えます。

数日後、再度被害者に電話をし、被害者のお考え、疑問点・不安点等を聞き、丁寧に説明をします。

その後も、相手のペースに合わせて示談交渉を継続し、被害者の希望する日時・場所で直接の交渉をも行います。

その際には、示談書(案)を直接示し、示談をすることの効果を、わかりすく説明します。また、「加害者に名前を知られたくない」という方が多いため、被疑者に、被害者の名前が知れ渡らないように配慮した形の示談を提案します。

示談の成立

早ければ1週間、長ければ2ヶ月程度かけて、示談を成立させます。

成立次第、検察官に、示談成立の報告及び示談書の提出を行い、不起訴処分を求めます。

検察官は、取調べを1回行うことはありますが、前科前歴が無く、常習性が認められなければ、多くの場合、不起訴処分とします。

不起訴処分確定後

不起訴処分が確定したからといって、全てが終わるわけではありません。

盗撮行為に手を染めてしまったという事実は変わりませんし、再犯の危険はゼロではありません。

今後、同じような盗撮行為をしないために何ができるのか、共に考え、場合によっては精神科等の治療先を紹介するなどし、更生のための協力を行います。

 

以上は一例です。弁護士が直接状況を聞き取り、事案に即した的確な助言を行うことが重要です。

盗撮事件を起こしてしまった方、ご家族が盗撮事件で逮捕されてしまった方、まずは当事務所にお気軽にご相談ください。刑事事件に注力する弁護士が対応いたします。

 

 

弁護士への早期相談が示談のカギ

示談を進めるためには、まず、盗撮の被害者の方の連絡先(電話番号など)が必要です。

連絡先が不明のままでは、示談しようにもしようがないからです。

被害者の連絡先については、警察等の捜査機関が把握しています。

そのため、弁護士を通じて、捜査機関に被害者の方の連絡先情報の開示を求めることが出発点となります。

盗撮を行った犯人から、警察等に連絡先の開示を求めても、開示はされないのが通常です。なぜならば、盗撮被害者の心情として、犯人と接触したくない場合がほとんどだからです。

弁護士の場合は、被害者の方も安心感があるため、連絡先を教えてくれる可能性があります。

そのため、盗撮事案においては、弁護士への早期相談がポイントとなります。

 

「示談」ができれば不起訴に?

示談が成功しても、常習犯の場合や悪質なケースなどでは、起訴されることもあります。

しかし、示談が成功すれば、不起訴の可能性が高くなります。

起訴するか否かを決めるのは、検察官です。検察官は、起訴の要否を決める際、被害者の処罰感情を重視する傾向にあります。

示談が成立して、被害者自身の処罰感情が無くなっていれば、起訴する必要がないと判断される可能性があります。

そのため、示談の成否は重要となります。

 

悪質な場合も不起訴の可能性はある?

盗撮の程度が悪質な場合であっても、不起訴の可能性は残されています。

示談を進めて、被害者の処罰感情が完全に無くなれば、不起訴の場合も考えられます。

また、仮に起訴されても、執行猶予がつく可能性もあります。

そのため、悪質な場合であっても、示談は重要といえます。

 

会社や家族への発覚も避けられる

盗撮が会社に発覚すると、起訴されなかったとしても、解雇される可能性があります。

実は、労働契約法において、解雇はよほどのことがないとできません(労働契約法16条)。

しかし、盗撮という性犯罪の場合、会社の経営陣は、他の従業員への影響などを重視し、解雇に踏み切る可能性があります。

また、解雇されなかったとしても、上司、部下、同僚からの視線を気にして働きにくくなることがあります。

そのため、会社に知られたくないというのは当然だといえます。

盗撮が家族に知れると、離婚問題に発展する可能性があります。

離婚にまでいかなかったとしても、パートナーや親、子どもなどは心配するでしょう。

家族に心配をかけたくないから、家族には知られたくないという気持ちは自然です。

盗撮が会社や家族に発覚するのは、逮捕、捜索差押え、起訴などがなされたときです。

上記のとおり、被害者との示談が成立すれば、逮捕等の可能性が減少します。そのため、会社や家族に知られる可能性も減少します。


盗撮を否認する場合も、すぐに弁護士へ

盗撮の事実がないのに盗撮犯人と疑われている場合は、断固として容疑を否認すべきです。

容疑を否認すると、捜査機関から執拗かつ過酷な取り調べを受ける可能性があります。また、逮捕や勾留される可能性もあります。

しかし、これらに屈せずに無実を貫き通すことが大切です。

刑事事件に注力する弁護士であれば、無罪の弁護活動を行うだけではなく、捜査機関に対して適法な捜査を要請したり、逮捕などに対しては早期に身柄を開放するように働きかけるはずです。

そのため、盗撮を否認する場合も、早期に弁護士への相談をお勧めします。

 

 


なぜ刑事事件では弁護士選びが重要なのか

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盗撮についてよくある相談Q&A