公正証書遺言とは?|メリット・必要書類・費用・見本等を弁護士が解説


弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

遺言書を作成するなら「公正証書遺言」がもっともトラブル防止効果が高く、お勧めです。

遺言書があれば遺産分割方法や相続方法を指定できるので、希望通りに次の世代へ財産を受け継がせられます。

法定相続人以外の人へ遺贈するためにも遺言書は必須です。

今回は公正証書遺言が他の種類の遺言書より優れている理由、作成方法や必要書類、費用など必要な知識をまとめて解説しますので、これから遺言書を作成したい方はぜひ参考にしてみてください。

 

目次

公正証書遺言とは

公正証書遺言とは、公証人に作成してもらう「公文書」としての遺言書です。

公証人に職務として作成してもらえるので、要式違反で無効になる可能性が限りなく低く、公証役場で保管されるので紛失や書き換えなどのリスクもありません。

自分で遺言書の書き方がわからない方でも公証人に作成してもらえるので安心できるでしょう。

ただし公正証書遺言を作成するには公証役場への申込みをしなければなりませんし、必要書類も多く費用もかかります。

少しの手間をかけても確実に有効な遺言書を遺したいなら公正証書遺言を作成すべきといえるでしょう。

 

 

公正証書遺言と自筆証書遺言の違い

一般によく利用される遺言書としては公正証書遺言以外に自筆証書遺言があります。

自筆証書遺言は、遺言者が全文を自筆して自分で保管するタイプの遺言書です。

ただし「遺産目録」の部分は自筆が不要であり、最近では法務局に預ける制度が作られました。

公正証書遺言と自筆証書遺言の違いを確認しましょう。

 

 

公正証書遺言と自筆証書遺言の違い一覧表

公正証書遺言 自筆証書遺言
文書の性質 公文書 私文書
作成者 公証人 遺言者
作成方法 公証役場へ申し込み作成してもらう 自分で自筆する
保管場所 公証役場 自宅または法務局
無効になりやすいかどうか 無効になりにくい 無効になりやすい
相続トラブル防止効果 高い 低い
証人 必要 不要
文字を書けない場合 作成できる 作成できない
費用 かかる かからない(法務局に預ける場合には費用が発生する)
検認の必要性 不要 必要
相続人が探す方法 検索 家などを探す、法務局で確認する

※上表あくまで傾向であってケース・バイ・ケースでの判断が必要です。

 

文書の性質

公正証書遺言は公証人という公務員が作成する公文書です。

自筆証書遺言は遺言者本人が自筆する私文書なので、公正証書遺言と比べると信用性は低くなっています。

 

作成者

公正証書遺言を作成するのは公証人ですが、自筆証書遺言は遺言者本人が作成します。

 

作成方法

公正証書遺言は公証役場へ申込みをして公証人に遺言内容を伝え、証人を用意してようやく作成できます。

自筆証書遺言は遺言者が自宅などの場所で自由に作成できるので手軽に作成できるメリットがあるでしょう。

 

保管場所

公正証書遺言は公証役場で保管されるので、破棄や隠匿、書き換えなどのおそれがありません。

自筆証書遺言の場合、自宅に保管する方法と法務局に預ける方法があります。

自宅に保管する場合、破棄や紛失、隠匿や書き換えなどのトラブルが発生しやすいデメリットがあります。

 

無効になりやすいかどうか

公正証書遺言は公証人が適式な方法で職務として作成するので無効になるケースはごく少数です。

自筆証書遺言は法律の知識のない遺言者が自分で作成する場合はどうしても無効になる可能性が懸念されます。

 

相続トラブル防止効果

公正証書遺言は信用性が高く紛失や書き換えなどのリスクもありません。

相続人が「真正なもの」として受け入れやすく、相続トラブルを防止する効果が高くなっています。

自筆証書遺言は遺言者が自筆で作成して自宅などに保管するケースが多いため、発見した相続人が「偽物だ」などと言い出してトラブルになるケースが多々あります。

相続トラブル防止効果は公正証書遺言の方が圧倒的に高いといえるでしょう。

 

証人

公正証書遺言を作成するときには2名の証人が必要です。

自分で用意できない場合、公証人から紹介してもらえます。

自筆証書遺言の場合には証人は不要なので、遺言者が1人で作成できます。

 

文字を書けない場合の対応

公正証書遺言の場合、自分で遺言書を書く必要がないので文字を書けない状態でも作成できます。

寝たきりになっていても、公証人や証人に自宅や入院先に出向いてきてもらい、口頭で内容を伝えることによって遺言書を作成できます。

自筆証書遺言は遺言者が自筆しなければならないので、文字を書けない状態になっていると作成できません。

 

費用

公正証書遺言の作成には費用がかかります。

遺言内容にもよりますが、数万円程度になるケースがほとんどです。

自筆証書遺言の場合、費用はかかりません。ただし法務局に預ける場合には1通あたり3900円の費用が発生します。

それでも公正証書遺言より費用は安くおさまります。

 

検認の必要性

公正証書遺言と自筆証書遺言とでは、発見した相続人に求められる対応も異なります。

法務局に預けられていない自筆証書遺言の場合、発見した相続人は家庭裁判所で「検認」を受けなければなりません。

検認を経ずに遺言書を開封するのは違法ですし、検認を受けていない遺言書では相続登記や預金払い戻しなどの相続手続きを進められません。

公正証書遺言の場合、発見した相続人は検認を受ける必要がなく、そのまま不動産の名義変更などの相続手続きを進められます。

 

相続人が探す方法

公正証書遺言の場合、相続人は全国の公証役場で「検索」できます。

遺言者が相続人へ遺言書を遺していることさえ伝えていれば、ほぼ確実に発見してもらえるでしょう。

自筆証書遺言の場合、相続人が自宅や貸金庫などの場所を自力で探さねばならず、発見されないリスクが高まります。

ただし法務局に預けている場合には、死亡と同時に相続人に通知するサービスを利用できるので発見されないリスクを回避できます。

 

 

 

公正証書遺言の見本

 

公正証書遺言と自筆証書遺言の内容的な違いは上記のとおりです。

両者の形式上の違いとしては、文面に記載される人物が公正証書遺言の方が多くなります。

すなわち、自筆証書遺言の場合、氏名等の個人情報の表示は本人や相続人等に限られますが、公正証書遺言の場合、証人や公証人の情報も記載されます。

また、公正証書遺言の場合、本人確認の文言などが加わります。

以下、公正証書遺言のサンプルを紹介しますので、ご参考にされてください。

遺言書の内容自体は自筆証書遺言も基本的には異なりません。

遺言書の中身に何を書くべきかについて、詳しくはこちらのページをご覧ください。

 

 

公正証書遺言のメリット

公正証書遺言には以下のようなメリットがあります。

無効になりにくく相続争いを避けやすい

せっかく遺言書を作成しても、無効になってしまっては意味がありません。

遺言書作成時には厳格な要式に従わねばならないので、法律の知識がないとどうしても間違ってしまいやすい問題があります。

自筆証書遺言は誰もチェックしてくれないので、無効になりやすく、法務局に預ける場合も内容面のチェックは受けられません。

公正証書遺言であれば公証人が職務として作成してくれるので、要式違反で無効になるリスクはありません。

きちんと本人確認した上で遺言書が作成されるので、人違いによって「偽物」といわれる可能性もほとんどなく、「詐欺」や「脅迫」によって作成されたなどと主張されるリスクも極めて低くなります。

一部の相続人が遺言書の内容に納得できなくても「遺言書は無効」などと主張されて相続争いにつながるリスクを低減できるメリットがあります。

 

紛失、変造、破棄隠匿のリスクがない

公正証書遺言は公証役場で保管されるので、紛失や書き換え、破棄や隠匿のリスクがありません。

遺言者が自分で保管していると遺言書をなくしてしまう可能性もありますが、公正証書遺言なら自分で保管する必要がなく安心です。

 

文字を書けない、寝たきりの状態でも作成できる

自筆証書遺言は自筆しないといけないので、文字を書けない状態では作成できません。

公正証書遺言であれば、文字を書けない方や寝たきりの方であっても公証人に内容を伝えて作成してもらえます。

寝たきりでも自宅や病院、介護施設などへ出張してきてもらって作成できるのは大きなメリットとなるでしょう。

 

より確実に遺言者の希望を実現できる

せっかく遺言書を作成するなら、確実に内容を実現したいものです。

公正証書遺言であれば無効になりにくく相続人に発見されやすいので、他の種類の遺言書より確実に内容を実現できます。

 

正本、謄本をなくしても再申請できる

公正証書遺言を作成すると遺言者本人に正本や謄本などの写しを交付されますが、長期間が経過すると紛失してしまうケースもあるでしょう。

公証役場に申請すると、謄本を再交付してもらえます。

自筆証書遺言と異なり、なくしたときに書き直しの必要がないのも大きなメリットです。

 

 

公正証書遺言のデメリット

公正証書遺言には以下のようなデメリットもあります。

 

内容面についてのサポートはない

公正証書遺言は、遺言をする人が伝えた内容をもとに遺言書が作成されるのであって内容についての提案は期待できません。

すなわち、相続には、遺留分、寄与分、特別受益などの問題があります。

しかし、公証役場からはこれらのトラブルを回避できる遺言書についてのサポートを受けることはできないでしょう。

また、相続税対策についても公証役場はサポートできません。

このような内容面についてのサポートを受けるためには相続専門の弁護士や税理士にご相談されたほうが良いでしょう。

 

手間がかかる

公正証書遺言を作成するには、公証役場へ申込みをして公証人に内容を伝え、必要書類を集めてまた公証役場へ行かなければなりません。

このように手間と一定の時間がかかります。

弁護士に公正証書遺言の作成をご依頼されると、公証役場に持ち込む文面の作成から、必要書類の準備、作成日時の調整などをすべて行ってくれるため、スムーズに、かつ、楽に進めることが可能です。

 

費用がかかる

公正証書遺言を作成する際には数万円程度の費用がかかります。

また、弁護士に公正証書遺言のサポートをご依頼される場合は、その分の報酬が別途必要となります。

 

証人が必要

公正証書遺言を作成するには2名の証人を用意しなければなりません。

自分で用意できない場合には公証人に紹介してもらえますが、別途証人の費用がかかります。

弁護士に公正証書遺言の作成をご依頼される場合、その弁護士や事務員などが証人になってくれる可能性もあるのでご相談されてみてください。

 

内容を公証人に知られる

公正証書遺言を作成するときには公証人と証人に内容を知られます。

公証人には法律上の守秘義務がありますし証人から第三者へ遺言内容が漏れる可能性も極めて低いといえますが、どうしても内容を誰にも知られたくない方もおられるでしょう。

その場合には「秘密証書遺言」を利用する方法があります。

秘密証書遺言は、遺言者が自分で遺言書の文面を作成して封入し、存在だけを公証役場で認証してもらう遺言書です。

ただし要式違反で無効になるリスクはありますし、自分で保管しなければなりません。

破棄隠匿や紛失などの危険も高いので、「確実性」を重んじるのであればお勧めはしにくいタイプの遺言書です。

 

公正証書遺言のメリットとデメリットのまとめ

メリット デメリット
  • 無効になりにくく相続争いを避けやすい
  • 紛失、変造、破棄隠匿のリスクがない
  • 文字を書けない、寝たきりの状態でも作成できる
  • より確実に遺言者の希望を実現できる
  • 正本、謄本をなくしても再申請できる
  • 内容面についてのサポートはない
  • 手間がかかる
  • 費用がかかる
  • 証人が必要
  • 内容を公証人に知られる

 

 

 

公正証書遺言の作成方法、手順、流れ

公正証書遺言を作成するときには以下の手順で進めましょう。

 

STEP1 遺言内容を考えて簡単なメモを作成する

まずはどのような遺言をしたいのか、内容を考えましょう。公証役場では「遺言書の内容」についての相談はできません。誰にどの遺産を受け継がせるのかなどの遺言内容は事前にすべて自分で決めておく必要があります。
遺言の内容面は、相続発生後のトラブルを防止し、遺言者の想いを承継させるためにとても重要です。そのため、できるだけ弁護士へ相談しましょう。

遺言内容が決まったら、簡単にメモ書きしておくようお勧めします。書面があると公証人に内容を伝えやすくなるからです。

 

STEP2 公証役場へ申し込む

弁護士に依頼されない場合は、お近くの公証役場へ遺言書作成の申込みをご自身で行うこととなります。
公証役場は全国各地にあり、どの役場を利用してもかまいません。
ご自宅や勤務先から近い場所の公証役場へ連絡するとよいでしょう。

参考:公証役場一覧|日本公証人連合会

 

STEP3 2名の証人を用意する

公正証書遺言を作成するには「2名の証人」が必要なので、用意しましょう。

基本的に誰を証人にしてもかまいませんが、以下のような人には証人資格がありません。

  • 未成年者
  • 推定相続人
  • 受遺者
  • 推定相続人、受遺者の配偶者、親や子どもなどの直系血族
  • 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記、使用人

上記に当てはまらない親族などに依頼するとよいでしょう。

見つからないときには弁護士にご相談されると良いでしょう。

 

STEP4 日程調整する

担当の公証人と、公正証書遺言を作成する日にちを決めます。

証人にも来てもらわねばならないので、日時と場所を伝えましょう。

 

STEP5 必要書類を揃える

公正証書遺言を作成するにはいくつかの必要書類があります。

公証人から伝えられるので、弁護士に依頼されない場合は、作成日までにご自身で揃えましょう。

 

STEP6 公証役場で内容確認、費用を支払い遺言書を受け取る

取り決めた日時に公証役場へ行くと、公証人が遺言書を作成してくれています。

内容を確認し、間違いがなければ署名押印しましょう。

こうして遺言書が完成したら、その場で現金で費用を払わねばなりません。

すべての手続が完了すると、遺言書の原本は公証役場で保管され、遺言者には謄本や正本などの写しが交付されます。

 

 

公正証書遺言の作成日当日にすべきこと

公正証書遺言の作成の全体の流れを説明しました。

ここでは、いざ公正証書遺言を作成する日の流れについて、わかりやすくご説明します。

公正証書遺言を作成する場合、基本的には以下の流れとなります。

  1. ① 公証役場にて受付
  2. ② 待合スペースで待機
  3. ③ 公証人に挨拶
  4. ④ 公証人からのヒアリング
  5. ⑤ 遺言内容の読み聞かせ
  6. ⑥ 署名押印
  7. ⑦ お金を払って書類を受け取る
  8. ⑧ 終了
公証役場にて受付

まず、公証役場にて受付を済ませます。このとき、必要書類を渡すことが多いです。

公正証書遺言は公証人に出張してもらって作成する場合もありますが、その場合は公証役場ではなく、待ち合わせ場所に向かうことになります。

待合スペースで待機

通常、すぐに公証人の席に通されることは少なく、公証人の準備が整うのを待つことが多いです。
待合スペースにはソファなどがおいてあります。

公証人に挨拶

公証人の準備ができたら、公証人の席。(通常パーテーションなどで区切られたブースが多い。)に通され、挨拶をします。
公証人と初めて会う場合は名刺を渡されるでしょう。

公証人からのヒアリング

公証人から簡単な質問があります。
この質問は、本人確認のためと、遺言者については遺言能力の有無を判断するために行われます。
緊張せずにリラックスして回答されるとよいでしょう。

遺言内容の読み聞かせ

ヒアリングが終わると、公正証書遺言の内容を公証人が一言一句読み上げます。
遺言者の手元にも同一内容の遺言書がありますので、ここでは公証人の読み上げを聞きながら、遺言内容に間違いがないか確認されてください。

署名押印

読み上げの後、関係者(公証人、遺言者、証人2名)がそれぞれ公正証書遺言に署名押印を行います。
遺言者が手が不自由などで署名できないようなケースでは公証人が代筆をしてくれます。

お金を払って書類を受け取る

署名押印後、受付にて、手数料を支払い、公正証書遺言の謄本や領収書等の書類を受け取ります。

終了

以上で、公正証書遺言の作成が終了します。

 

 

公正証書遺言の必要書類

公正証書遺言を作成するときの必要書類は以下の通りです。

遺言者の本人確認書類
運転免許証やマイナンバーカード、顔写真つきの住民基本台帳カード、パスポート、身体障害者手帳や在留カード、印鑑登録証明書などのうち、どれか1つを用意しましょう。
相続人の戸籍謄本(遺言者と相続人の関係がわかるもの)
受遺者の住民票
遺言によって相続人以外の人に財産を遺贈する場合、受遺者の「住民票」を用意しましょう。
証人の本人確認書類
自分で証人を用意する場合には、証人の氏名や生年月日、住所などのわかる資料が必要です。
財産を確認する書類
不動産の場合には不動産登記簿謄本と固定資産評価証明書、預貯金の場合には預金通帳の写しなど、財産内容のわかる資料を集めましょう。
遺言執行者に関する資料
遺言執行者を定める際には、遺言執行者の氏名や住所、職業や生年月日などを特定できる資料を用意しましょう。
なお戸籍謄本や住民票、印鑑登録証明書などの公的書類については「発行後3ヶ月以内」のものが必要です。

 

遺言執行者とは

遺言執行者とは、遺言内容を実現する人です。

遺言者の死後に不動産の名義変更、預金の払い戻し、寄付や子どもの認知などの具体的な手続きを行います。

相続人や受遺者が自分で手続きをしなくても遺言執行者が対応できるので、確実に遺言内容を実現しやすくなるメリットがあります。

破産者や未成年でなければ遺言執行者になれますが、親族から選任すると感情的な対立を招いてトラブルになるケースも少なくありません。

弁護士など、法律知識を持っていて客観的な立場から相続手続きを進められる専門家を選任しておくと、手続きもスムーズに進みトラブルも防止しやすくお勧めです。

 

 

公正証書遺言にかかる費用

公正証書遺言を作成する際には以下の費用がかかるので、それぞれについていくらになるのか解説します。

  • 公正証書遺言作成の手数料
  • 証人にかかる費用
  • 出張費用

 

遺言書作成の手数料

公正証書遺言の作成そのものにかかる手数料です。

すべてのケースで払わねばなりません。

財産の評価額 手数料
100万円以下 5000円
100万円を超えて200万円以下 7000円
200万円を超え500万円以下 11000円
500万円を超え1000万円以下 17000円
1000万円を超え3000万円以下 23000円
3000万円を超え5000万円以下 29000円
5000万円を超え1億円以下 43000円
1億円を超え3億円以下 43000円+1億円からの超過額5000万円ごとに13000円を加算
3億円を超え10億円以下 95000円に3億円からの超過額5000万円までごとに11000円を加算
10億円を超える場合 24万9000円に10億円からの超過額5000万円までごとに8000円を加算した額

上記の手数料は「遺産を受け取る人ごと」に計算されます。

たとえば長男が600万円、次男が400万円の遺産を受け取る場合には、「17000円+11000円=28000円」となります。

また遺産額が1億円未満の場合、全体に11000円が加算されます。上記のケースでは23000円+11000円=「34000円」がかかる計算となります。

 

証人の日当

公証人に証人を紹介してもらう場合には証人の日当を払わねばなりません。

公証役場によっても異なりますが、1名について7000~15000円程度となります。

 

公証人の出張費用

遺言者が寝たきりや入院中などで公証役場へ行けない場合、公証人に出張してきてもらえます。

その際には手数料が割増しになり、公証人の出張費用も払わねばなりません。

  • 手数料…基本料金の1.5倍
  • 日当…4時間までなら1万円、1日出張なら2万円
  • 交通費…実費

 

費用の支払い方法

公正証書遺言にかかる費用は、遺言書作成日に現金で払わねばなりません。

事前に公証人からいくらの費用がかかる確認し、予定されている日に現金を持参しましょう。

 

 

公正証書遺言の作成状況〜直近データ〜

公正証書遺言はどの程度利用されているのでしょうか。

下表は公証人連合会は発表しているデータです。

暦年 遺言公正証書の作成件数
令和2年 9万7700件
令和元年(平成31年) 11万3137件
平成30年 11万0471件
平成29年 11万0191件
平成28年 10万5350件

引用元:日本公証人連合会

このように令和2年は若干減少したものの、例年10万件を超える公正証書遺言が全国で作成されていることがわかります。

 

 

公正証書遺言の作成は誰に相談すべき?

公正証書遺言を作成する場合、後々トラブルを避けるために、専門家に事前に相談されることをお勧めいたします。

ここで注意すべき点は、「誰に」相談すべきかということです。

結論としては、相続問題に精通した弁護士への相談を強くお勧めいたします。

公正証書遺言については、現在、弁護士の他に司法書士、税理士、行政書士、その他の団体などがサポートしているようです。

しかし、弁護士以外の者が遺言書作成等の法律事務を扱うのは、法律で原則として禁止されています。

これは、弁護士以外の者が法律事務に関与すると、間違った対応や詐欺的な行為等により深刻な事態に陥る可能性があるからです。

そして、相続に関する相談は弁護士が最適として、次に、どの弁護士に相談するかが問題となります。

弁護士は法律の専門家ですが、法律と一口に言っても、様々な分野があります。

相続などの家事分野の他にも、刑事事件や企業法務など、弁護士の業務は多岐にわたっています。

したがって、できるだけ相続問題に注力した弁護士へ相談されることをお勧めいたします。

 

まとめ

以上、公正証書遺言について、メリットやデメリット、作成の流れ、費用など詳しく解説しましたがいかがだったでしょうか。

公正証書遺言には、様々なメリットがありますが、デメリットもあります。

特に、内容面については公証役場での助言は期待できないため、注意が必要です。

また、素人の方が自分の力だけで公正証書遺言を作成するのは大変だと思われます。

このように遺言書作成は、専門家ではなければ判断が難しいため一度弁護士に相談されることをおすすめします。

この記事が遺言書作成を検討されている方にとってお役に立てれば幸いです。

 

 

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