
賃貸の名義変更は、原則として貸主の承諾が必要な重要な手続きです。
結婚や離婚、相続、転職などをきっかけに「契約者の名義を変えたい」と考える方は多いですが、手続きを間違えると契約違反となり、最悪の場合は退去を求められるリスクもあります。
また、名義変更といっても、「契約の引き継ぎで済むケース」「再契約となり高額な費用がかかるケース」など、状況によって扱いが大きく異なります。
この記事では、賃貸の名義変更ができるケースとできないケースの違い、具体的な手続きの流れ、費用の相場と注意点などについて、わかりやすく解説します。
「自分のケースで名義変更が可能か知りたい」「トラブルなく進めたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
賃貸の名義変更はできる?
賃貸物件に住んでいると、結婚・離婚・転勤・相続などをきっかけに、契約者の名義を変更したいと考える場面は少なくありません。
賃貸物件の名義変更ができるケースもありますが、「誰でも自由に変更できる」というものではありません。
賃貸借契約は、単に部屋を借りる契約ではなく、「誰が借主であるか」を前提として成立している契約です。
そのため、自分の判断だけで勝手に名義を書き換えることはできず、一定のルールに従った手続きを踏む必要があります。
ここでは、賃貸の名義変更の基本ルールと、実務上混同されやすいポイントを解説します。
原則として貸主(大家)の承諾が必要
賃貸の名義変更を行う場合は、貸主(大家)または管理会社の承諾が必要です。
これは、賃貸借契約が「誰が借主であるか」を前提として成立しているためです。
つまり、名義変更は単なる事務手続きではなく、契約の重要な内容を変更する行為といえます。
そのため、貸主の承諾を得ないまま名義を変更した場合には、契約違反と判断され、賃貸借契約を解除されるリスクもあります。
ワンポイント:貸主の承諾が必要な理由とは?
「家賃さえ毎月きちんと払っていれば、誰が住んでも同じではないの?」と思われるかもしれません。
しかし、貸主にとって「誰に部屋を貸すか」は非常に重要な問題です。
実際に、貸主は契約時に、「安定した収入があるか(支払能力)」「トラブルなく生活できるか(職業や信用情報)」といった点を審査したうえで、借主を決定しています。
名義が変わるということは、この信頼関係の前提が大きく変わることを意味します。
そのため、貸主には、新しい名義人について改めて審査・判断し、承諾するかどうかを決定する権利が認められています。
名義変更と契約の引き継ぎ・再契約の違い
一般的に名義変更といわれますが、実務上は「契約の引き継ぎ」と「再契約」の2つに分けられます。
まずは、全体像を整理するために違いを確認しておきましょう。
| 項目 | 契約の引き継ぎ | 再契約 |
|---|---|---|
| 契約 | 継続 | 新規 |
| 費用 | 低額 | 高額 |
| 審査 | 簡易または一部 | 通常審査 |
このように、どちらになるかによって、手続きや費用は大きく異なります。
契約の引き継ぎ
現在の契約内容(家賃・敷金・契約期間など)を、そのまま新しい名義人が引き継ぐ方法です。
これまでの契約を前提とするため、手続きは比較的簡易に済む傾向があります。
もっとも、貸主にとっては新たな借主を受け入れることになるため、実際には審査や条件の確認が行われるのが一般的です。
主に、契約者が亡くなった際の相続や、同居していた配偶者への変更など、一定の事情がある場合に認められることが多い方法です。
再契約
現在の契約をいったん終了させ、新しい名義人との間で契約を結び直す方法です。
実務上は、この再契約の形がとられるケースが多く、「保証会社の再審査」や「敷金・礼金の再設定」などが必要となることもあります。
そのため、名義変更といっても、実質的には新しく部屋を借り直すのと同様の扱いになる場合もある点に注意が必要です。
賃貸の名義変更が問題となる場面
賃貸の名義変更は、日常的に発生する手続きではなく、ライフイベントや生活環境の変化があったときに問題となるケースが多いのが特徴です。
名義変更を行わないまま実態と異なる状態で住み続けた場合には、契約違反と判断されるおそれがあります。
ここでは、実務上よく見られる代表的な4つのケースを解説します。
結婚や離婚で世帯主が変わる場合
名義変更が問題となる典型例は、結婚や離婚によって世帯の状況が変わるケースです。
結婚の場合には、次のような事情から名義変更が検討されることがあります。
- 一人暮らしの部屋に配偶者を迎え入れる
- 世帯主に合わせて名義を変更したい
- 旧姓から新姓へ変更したい
このようなケースでは、同居人の追加にとどまる場合もあり、必ずしも名義変更が必要とは限りません。
一方で、離婚の場合はより重要な問題となります。
これまで契約者であった夫または妻が退去し、残された配偶者や子どもがそのまま住み続けたいというケースは少なくありません。
この場合、実際に家賃を負担する人と契約者が一致しなくなるため、名義変更が必要となることが多いといえます。
契約者が亡くなり、遺族が住み続ける場合
契約者が亡くなったあとも、残された配偶者やご家族が、そのまま住み続けたいと考える場合にも、名義変更が問題となります。
この点、法律上は、賃借権(ちんしゃくけん:家を借りる権利)も相続の対象となるため、原則として契約は相続人に引き継がれます(民法896条)。
参考:民法|e-Gov法令検索
もっとも、実務上は、「誰が契約を引き継ぐのか」「家賃の支払い能力があるか」といった点について、貸主との調整が必要となることがあります。
契約者が同居人を残して退去する場合
ルームシェアや同棲を解消する際に、契約者本人が退去し、同居人(友人や恋人)がそのまま住み続けるケースも、名義変更が問題となります。
この場合、貸主から見れば、契約を締結した本人がいなくなる状態となります。
そのため、名義変更を行わずに居住を続けると、「無断転貸(又貸し)」や「契約違反」と評価される可能性があります。
結果として、退去を求められるリスクがあるため、注意が必要です。
会社名義から個人名義へ変更する場合
法人契約(会社名義)から個人名義へ変更したいという要望もよく見られます。
たとえば、次のようなケースです。
- 転職や退職により社宅扱いでなくなる
- 会社の制度変更により個人契約へ切り替える
この場合、契約主体が法人から個人へ変わるため、実務上は新規契約として扱われることが多いといえます。
賃貸の名義変更ができるケースとは?
賃貸の名義変更は、一定の条件を満たす場合に限り認められます。
結論からいうと、名義変更が認められるかどうかは、新しい契約者として適切かどうか(=貸主が安心して貸せるか)によって判断されます。
そのため、「家族だから変更できる」「事情があるから当然認められる」といったものではなく、個別の事情に応じて判断されるのが実情です。
ここでは、具体的な判断基準と、認められやすい典型的なケースを解説します。
名義変更が認められるかの判断基準
結婚などによる氏名変更の場合は、基本的に問題なく認められます。
一方で、契約者そのものを変更する場合は、主に次の2つのポイントを中心に審査が行われます。
- ① 支払能力
- ② 貸主との信頼関係
まず、新たに契約者となる人に、継続的に家賃を支払う能力があるかが最も重視されます。
安定した収入があるか、勤務先はどこか、といった点が審査の対象となります。
また、これまでの家賃支払い状況や、トラブルの有無といった事情も重要です。
これまでの契約に問題がない場合は、比較的柔軟に対応される傾向があります。
結婚して配偶者名義に変更するケース
結婚に伴う名義変更は、比較的認められやすい典型例です。
配偶者は同一世帯として生活することが一般的であり、家の使い方も大きく変わらないケースがほとんどです。
そのため、名義変更が認められる可能性は高いといえます。
もっとも、審査は新しい名義人となる配偶者の収入を基準に行われるため、収入額によっては、連帯保証人の追加や保証会社への加入が条件となる場合があります。
離婚により配偶者が住み続けるケース
離婚に伴い、一方が退去し、もう一方が住み続けるケースも、名義変更が認められる可能性は十分にあります。
ただし、結婚時と比べると審査のハードルは上がります。
なぜなら、家賃の支払いをする人が完全に切り替わるため、残る側の単独の支払能力が厳しく審査されるからです。
もし残る配偶者が専業主婦(夫)やパート勤務などで収入が不安定な場合は、支払能力があるのかを問題視されることがあります。
このような場合には、両親など安定した収入のある親族を連帯保証人に立てたり、養育費の受け取り状況を説明するなどにより、貸主の不安を解消することが重要です。
会社都合による法人契約から個人契約への切り替え
社宅などの法人契約から、個人契約へ切り替えるケースも多く見られます。
この場合、居住者は同じであっても、契約主体が法人から個人へと大きく変わります。
そのため、実務上は「名義変更」ではなく、法人契約の解約と個人契約の再契約として扱われるのが一般的です。
また、法人の信用から個人の信用へと評価が変わるため、改めて入居審査が行われる点にも注意が必要です。
【例外】相続の場合は原則として契約が引き継がれる
相続は、名義変更の中でも例外的な扱いとなります。
契約者が亡くなった場合、賃借権は相続財産として、原則として相続人に当然に引き継がれるため、法律上は貸主の承諾がなくても、引き続き住み続けることができます。
これが民法上の大原則ですが、「では何も手続きしなくて良いのか」というとそうではありません。
実務上は、「誰が契約を引き継ぐのか」「誰が家賃を支払うのか」を明確にするために、名義変更の届出や覚書の提出などを求められるのが一般的です。
また、同居していなかった相続人が契約を引き継ぐ場合には、貸主との間でトラブルになる可能性もあります。
トラブルを防ぐためにも、相続が発生した場合は速やかに貸主へ連絡することが大切です。
賃貸の名義変更ができないケースとは?
一方で、希望しても名義変更が認められないケースも存在します。
これらの場合は、名義変更ではなく、再契約や退去が必要となる可能性が高くなります。
支払能力に問題がある
新しい契約者に十分な支払能力がない場合、名義変更は認められません。
家賃に見合った収入がない、無職である、勤続年数が極端に短いなど、毎月の家賃支払いに不安が残る属性の場合は審査に落ちる可能性が高くなります。
賃貸借契約において家賃の支払いは最も重要な要素であるため、この点は厳しく判断されます。
家賃の滞納など契約違反がすでにある
現在の契約において、すでに問題がある場合も、名義変更は難しくなります。
たとえば、次のようなケースです。
- 過去に何度も家賃の支払いが遅れている
- ペット不可の物件で無断飼育をしている
- 騒音で近隣クレームを引き起こしているなど
このような事情がある場合には、貸主との信頼関係が損なわれていると判断されるため、名義変更の承諾を得ることは容易ではありません。
友人への名義変更
友人や知人への名義変更は、原則として認められません。
この点は、恋人や同居人であっても同様です。
もっとも、あらかじめ同居人として貸主に届け出ている場合には、人物が把握されている分、名義変更が認められる可能性はあります。
ただし、この場合でも契約者の変更には改めて審査が必要となるため、当然に認められるわけではありません。
貸主から見れば、当初契約していない第三者への変更は、契約の譲渡や無断転貸に近いものとして慎重に判断されます。
そのため、このような場合は、現在の契約を終了したうえで、残る人が新たに入居審査を受けて再契約を行うのが一般的です。
その他貸主との信頼関係が維持できない場合
上記に当てはまらない場合でも、貸主との信頼関係が維持できないと判断されれば、名義変更は認められません。
たとえば、次のようなケースが挙げられます。
- 無断で同居人を増やしていた
- 管理会社からの連絡を無視し続けていた
- 虚偽の申告があった
- 名義変更の相談時の態度が著しく横柄であった
賃貸借契約は、あくまで信頼関係を前提とした契約であるため、この点は非常に重要な判断要素となります。
賃貸の名義変更の方法は?
賃貸の名義変更は、所定の手続きに従って進める必要があります。
自己判断で進めることはできず、必ず貸主(大家)や管理会社を通じて行うのが原則です。
手続き自体はシンプルですが、途中で審査が行われるため、事前の準備が重要になります。
ここでは、名義変更の基本的な流れと必要書類について解説します。
賃貸の名義変更の流れ
賃貸の名義変更は、一般的に次の流れで進みます。

この流れに沿って手続きを進めることで、トラブルを避けながら名義変更を行うことができます。
⑴ 貸主・管理会社へ相談
まずは、貸主または管理会社に対して、名義変更を希望する旨を相談しましょう。
この段階で、以下の2点を伝えます。
- 変更理由(結婚・離婚・退職など)
- 新しい契約者となる予定の人物
物件や管理会社によって対応方針が異なるため、最初に方針(引き継ぎか再契約かなど)を確認することがポイントです。
⑵ 必要書類の提出
貸主や管理会社から案内された書類を提出します。
この段階で書類に不備があると審査が遅れるため、事前に必要書類を確認し、正確に準備することが大切です。
⑶ 審査
提出書類をもとに、貸主または保証会社による審査が行われます。
審査では主に、以下の点が確認されます。
- 収入の安定性
- 勤務先や雇用形態
- 過去の利用状況
この審査に通過しなければ、名義変更は認められません。
もっとも、保証人の追加や保証会社の利用といった条件付きで認められるケースもあります。
⑷ 契約変更または再契約
審査に通過した場合、最終的に契約手続きが行われます。
契約変更と再契約のどちらになるかは、貸主の判断によって異なります。
再契約となる場合には、初期費用が発生することもあるため、事前に費用面を確認しておくことが重要です。
賃貸の名義変更の必要書類
必要書類は物件によって異なりますが、一般的には次のとおりです。
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 収入を証明する書類(源泉徴収票、課税証明書、給与明細など)
- 在職証明書または内定通知書
- 連帯保証人の同意書および収入証明書類
- 保証会社の申込書など
必要書類は事前に案内されることが多いですが、不明点がある場合は早めに確認することで、手続きをスムーズに進めることができます。
賃貸の名義変更の費用・手数料
賃貸の名義変更には、一定の費用が発生します。
特に、再契約となる場合には、通常の入居時と同様の初期費用がかかることもあります。
そのため、「名義変更だから安く済む」と考えていると、想定以上の出費になることもあるため注意が必要です。
ここでは、主な費用の種類と相場、費用が高くなるケース、抑えるポイントを解説します。
主な費用の相場と目安
名義変更にかかる費用は、主に次のとおりです。
- 名義変更の事務手数料
- 新規契約時の初期費用(敷金・礼金・仲介手数料など)
- 火災保険や保証会社の再加入費用
- その他の費用(鍵交換費用など)
名義変更の事務手数料
書類の作成や審査などの事務手続きに対して支払う手数料です。
相場は1万円〜3万円程度、または家賃の0.5ヵ月分〜1ヵ月分に設定されていることが一般的です。
新規契約時の初期費用(敷金・礼金・仲介手数料など)
再契約となる場合に発生します。
新規に入居する際と同じように、敷金、礼金、仲介手数料が改めて必要になります。
相場としては、家賃の3ヵ月〜6ヵ月分程度が目安です。
もっとも、敷金については、既存契約のものが引き継がれるケースもあります。
火災保険や保証会社の再加入費用
契約の主体が変わるため、火災保険(家財保険)や家賃保証会社も新名義人で新たに加入し直す必要があります。
それぞれの相場は、次のとおりです。
| 内容 | 費用 |
|---|---|
| 火災保険料 | 1万円〜2万円程度(2年契約) |
| 内容保証会社 | 家賃の50%〜100%程度 |
その他の費用(鍵交換費用など)
離婚やルームシェアの解消などで元々の契約者が退去する場合、防犯上の理由から鍵交換費用(1.5万円〜2万円程度)が必要となることもあります。
貸主の方針によっては、その他にも費用が発生する可能性がありますので、事前に確認しておくと安心です。
費用が高額になるケースとは?
名義変更の費用が最も高額になるのは、「再契約(新規契約の結び直し)」として扱われるケースです。
具体例には、以下のようなケースが典型です。
- 法人契約から個人契約への切替
- 離婚による契約者の変更
- 親族以外の同居者への名義変更
この場合、初期費用が一から発生し、新規入居と同程度の費用になることもあります。
費用を抑えるためのポイント
名義変更に伴う費用を抑えるためには、「再契約」ではなく「契約の引き継ぎ」として処理してもらえないか、貸主や管理会社へ相談してみましょう。
再契約ではなく契約の引き継ぎとして扱われれば、敷金や礼金、仲介手数料などの再支払いを避けられる可能性があります。
また、再契約が避けられない場合でも、敷金の扱いについて工夫できる余地があります。
たとえば、もともとの名義人と新たな名義人との間で「敷金の返還請求権(退去時に敷金を返してもらえる権利)を新しい名義人に譲渡する」という合意をし、その内容を貸主に伝えることで、敷金の再支払いを免除してもらえる場合があります。
ただし、費用の減額は当然に認められるものではありません。
強引な値引き交渉は貸主との信頼関係を損ねる可能性があるため、あくまで誠実に事情を説明し、理解を求める姿勢で臨むことが大切です。
賃貸の名義変更の注意点
賃貸の名義変更は、単なる手続きではなく、契約関係そのものに影響する重要な行為です。
そのため、正しい知識がないまま進めてしまうと、思わぬトラブルにつながる可能性があります。
ここでは、名義変更を検討する際に特に注意すべきポイントを解説します。

無断で名義変更すると契約解除のリスクがある
賃貸の名義変更を、貸主の承諾を得ずに行うことはできません。
もし、契約者の同意だけで実質的に名義を変更し、第三者に住まわせている状態になった場合、契約違反として賃貸借契約を解除されるリスクがあります。
これは、賃借権の譲渡や転貸について、貸主の承諾を必要とする民法のルールに基づくものです。
具体的には、賃借人が貸主の承諾なく第三者に権利を譲渡したり転貸した場合には、契約を解除できると定められています(民法612条)。
参考:民法|e-Gov法令検索
したがって、次のような状態は、法的にもリスクの高い状況です。
- 契約者が退去したのに同居人がそのまま住み続けている
- 名義変更の手続きをせずに別の人が居住している
必ず事前に貸主や管理会社へ相談し、正式な手続きを踏みましょう。
名義変更できない場合は退去が必要になる可能性がある
名義変更は、希望すれば必ず認められるものではありません。
審査の結果、次のような事情があると判断された場合には、名義変更が認められないこともあります。
- 支払能力に問題がある
- 保証人が確保できない
- 貸主との信頼関係に懸念がある
その場合、契約者がすでに退去しているのであれば、残っている人はそのまま住み続けることができず、退去を求められる可能性があります。
契約内容が見直される可能性がある
名義変更の際には、契約内容がそのまま維持されるとは限りません。
特に再契約となる場合には、「賃料の見直し」や「更新条件の変更」などが行われることがあります。
また、築年数の経過や周辺相場の変動により、現在の契約条件より不利になるケースもあり得ます。
したがって、名義変更を進める際には、「名義だけ変わる」と考えず、契約条件全体を確認することが大切です。
賃貸の名義変更の相談窓口
賃貸の名義変更は、契約内容や当事者の事情によって対応が異なります。
そのため、状況に応じて適切な窓口へ相談することが重要です。
ここでは、代表的な相談先と、それぞれの役割を解説します。
賃貸人(大家)や管理会社
名義変更について最初に相談すべき相手は、貸主(大家)または管理会社です。
名義変更は、最終的に貸主の承諾が必要となる手続きであるため、どのような手続きが必要か、そもそも変更が可能かは、この段階で判断されます。
また、管理会社が間に入っている場合には、実務的な手続きは管理会社が窓口となることが一般的です。
まずは早い段階で相談することで、トラブルを防ぎやすくなります。
不動産の仲介業者
名義変更が難しい場合や、再契約となる場合には、不動産仲介業者への相談も有効です。
特に、「名義変更が認められない」「条件変更により住み続けるのが難しい」といった場合には、新たな物件探しが必要になることもあります。
仲介業者に相談することで、次のようなサポートを受けることができます。
- 現在の条件に合った物件の紹介
- 審査に通りやすい契約形態の提案
- 相続発生時は相続に強い弁護士
契約者が亡くなった場合には、名義変更だけでなく、相続全体の問題として対応が必要になることがあります。
たとえば、次のように法律的な判断が求められる場面も少なくありません。
- 誰が賃借権を引き継ぐのか
- 他の相続人との調整
- 敷金の扱い
このような場合には、相続に詳しい弁護士へ相談することで、トラブルを未然に防ぐことができます。
相続を弁護士に相談するメリットについては、以下の記事で詳しく解説をしていますので、ぜひこちらも合わせてお読みください。
離婚の場合は離婚に強い弁護士
離婚に伴う名義変更では、賃貸借契約だけでなく、財産分与や養育費などと一体で検討する必要がある場面があります。
特に、次のような点は、離婚条件と密接に関係します。
- どちらが住み続けるのか
- 家賃負担をどうするか
- 保証人をどうするか
このような問題が生じている場合には、離婚問題に詳しい弁護士へ相談することで、全体を見据えた解決が可能になります。
離婚を弁護士に相談するメリットについては、以下の記事で詳しく解説をしていますので、ぜひこちらも合わせてお読みください。
賃貸の名義変更についてのQ&A
ここでは、賃貸の名義変更について、よくある質問にお答えします。
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夫から妻へ賃貸の名義変更はできますか?
一方で、離婚を理由に夫が退去し、残る妻へ名義を変更する場合は、妻単独での「継続的な支払能力(収入)」があるかが厳しく審査されます。
そのため、収入状況によっては、保証人の追加や再契約を求められることもあります。
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親から子へ賃貸の名義変更はできますか?
親族間の変更であっても、貸主から見れば契約者が別人になるため、通常どおり審査が行われます。
その際には、子に十分な支払能力があるかどうかが重要な判断ポイントとなります。
なお、相続を原因とする場合には、賃借権が法律上引き継がれるため、通常の名義変更に比べて認められやすいといえます。
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法人から個人に賃貸の名義変更はできますか?
居住者が変わらないことから、貸主が前向きに応じるケースは多いといえます。
もっとも、契約主体が法人から個人へと変わるため、手続きとしては単なる名義変更ではなく、個人としての新規契約(再契約)として扱われるのが一般的です。
そのため、改めて入居審査や初期費用が発生する点に注意が必要です。
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同居人への賃貸の名義変更はできますか?
友人や恋人などの同居人は契約上の当事者ではないため、そのまま名義を引き継ぐことは簡単ではありません。
もっとも、あらかじめ同居人として貸主に届け出ている場合には、人物が把握されている分、名義変更が認められる可能性はあります。
ただし、この場合でも改めて審査が行われるため、当然に変更できるわけではありません。
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賃貸の名義変更の審査に通らない場合はどうすればいい?
この場合の対応としては、主に次の方法が考えられます。
- ① 条件を整えて再申請する(保証人の追加、収入資料の補強など)
- ② 別の物件へ転居する
なお、離婚や相続が関係するケースでは、契約関係だけでなく当事者間の調整が問題となることもあります。
このような場合には、弁護士に相談することで、交渉や手続きをスムーズに進められる可能性があります。
まとめ
賃貸の名義変更は、一定の条件を満たした場合にのみ認められる手続きであり、自由に行えるものではありません。
特に、貸主の承諾が必要であることや、新たな契約者としての支払能力や信用状況が審査される点は、必ず押さえておくべき重要なポイントです。
契約者が亡くなった場合には、賃借権は相続の対象となるため、原則として相続人に引き継がれます。
そのため、一見すると問題なく引き継がれるようにも思われますが、実務上は、誰が契約を承継するのかや支払能力の有無をめぐって、貸主との調整が必要となるケースが少なくありません。
手続きを誤ると契約違反と評価され、契約解除や退去につながるおそれもあるため、慎重な対応が求められます。
トラブルを未然に防ぐためにも、事前に正しい知識を理解し、適切な手順を踏んで進めることが重要です。
弁護士法人デイライト法律事務所では、相続事件に注力する弁護士が在籍する専門部署を設置しており、相談から交渉、裁判対応まで一貫してサポートしています。
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相続に関する不安を抱えている方は、ぜひ一度、当事務所までお気軽にご相談ください。







