
相続手続きの必要書類には、被相続人(「ひそうぞくにん」亡くなった方のこと)の戸籍謄本等があげられます。
もっとも、相続手続きにはさまざまなものがあり、各手続きによって必要書類が異なります。
必要書類の取得漏れが発生すると、相続手続きがストップしたり遅れてしまったりする可能性があります。
この記事では、主要な相続手続きとその必要書類について、相続に強い弁護士がわかりやすく解説します。
目次
- 1 相続手続きに必要な書類の一覧
- 2 相続手続きの必要書類を取得するための基礎知識
- 3 相続人調査に必要となる書類
- 4 法定相続情報一覧図の取得(法定相続情報証明制度の利用)に必要となる書類
- 5 遺言書の検認に必要となる書類
- 6 相続財産調査に必要となる書類
- 7 相続放棄に必要となる書類
- 8 準確定申告に必要となる書類
- 9 遺産分割協議の必要書類
- 10 相続税の申告に必要となる書類
- 11 預貯金口座の引き出しに必要となる書類
- 12 相続登記に必要となる書類
- 13 相続時精算課税制度に必要となる書類
- 14 相続手続きの書類集めでよくある失敗
- 15 相続手続きの必要書類についての相談窓口
- 16 相続手続きの必要書類についてのQ&A
- 17 まとめ
相続手続きに必要な書類の一覧
被相続人の相続手続きで必要となる主な書類の一覧は、次のとおりです。
| 相続手続き | 必要書類 |
|---|---|
| 相続人調査 | ・被相続人が生まれてから亡くなるまでの連続する戸籍謄本類(戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本) ・相続人全員の戸籍謄本または戸籍抄本 |
| 法定相続情報一覧図の取得 | ・法務局所定の申出書 ・法定相続情報一覧図の原案 ・「相続人調査」の必要書類 ・被相続人の住民票の除票 ・申出人の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードのコピー、住民票の写し等) |
| 遺言書の検認 | ・申立書 ・「相続人調査」の必要書類 ・受遺者の現在の戸籍謄本(受遺者がいる場合) ・申立人の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードのコピー、住民票の写し等) |
| 相続財産調査 | 預金通帳、キャッシュカード、残高証明書、取引履歴等、登記事項証明書(不動産登記簿謄本)、固定資産税の納税通知書、固定資産評価証明書、株券、残高証明書等 |
| 相続放棄 | ・相続放棄申述書 ・「相続人調査」の必要書類 ・被相続人の住民票の除票または戸籍の附票 |
| 準確定申告 | ・確定申告書 ・確定申告書付表(兼相続人の代表者指定届出書) ・相続人全員のマイナンバー確認書類(マイナンバーカード、マイナンバー記載の住民票写し等) ・申告を行う人の身元確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、パスポート、在留カード、身体障害者手帳等) |
| 遺産分割協議 | ・「相続人調査」の必要書類 ・「相続財産調査」の必要書類 ・遺産分割協議書 ・相続人全員の印鑑登録証明書 |
| 相続税の申告 | ・相続税申告書 ・「相続人調査」の必要書類 ・被相続人の戸籍の附票 ・相続人全員の戸籍の附票 ・遺産分割協議書または遺言書 ・相続人全員の印鑑登録証明書(遺産分割協議書を提出する場合) ・検認済証明書(自筆証書遺言・秘密証書遺言の場合) ・相続人全員のマイナンバー確認書類(マイナンバーカード、マイナンバー記載の住民票写し等) ・申告を行う相続人の身元確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、パスポート、在留カード、身体障害者手帳等) |
| 預金の解約・引き出し(銀行) | ・金融機関所定の届出書・依頼書等 ・相続人全員の印鑑登録証明書 ・「相続人調査」の必要書類 ・被相続人の預金通帳・キャッシュカード等 ・遺産分割協議書または遺言書 ・検認済証明書(自筆証書遺言・秘密証書遺言の場合) |
| 預金の解約・引き出し(ゆうちょ銀行) | ・相続確認表 ・相続手続請求書 ・「相続人調査」の必要書類(ただし、被相続人の婚姻(初婚・未婚の場合は16歳)から亡くなるまでの連続する戸籍謄本類で足りる) ・被相続人の預金通帳・キャッシュカード等 ・相続人全員の印鑑登録証明書 ・遺産分割協議書または遺言書 ・検認済証明書(自筆証書遺言・秘密証書遺言の場合) |
| 相続登記 | ・登記申請書 ・「相続人調査」の必要書類 ・新所有者(不動産の相続人)の住民票 ・固定資産課税明細書 ・遺産分割協議書または遺言書 ・相続人全員の印鑑登録証明書(遺産分割協議書の提出する場合) ・検認済証明書(自筆証書遺言・秘密証書遺言の場合) |
※状況により追加書類が必要となる場合があります。
相続手続きで最初に集めるべき書類
相続手続きで最初に集めるべき書類は、「相続人調査」の必要書類(特に、被相続人の生まれてから亡くなるまでの連続する戸籍謄本・除籍謄本・改正原戸籍謄本)と財産調査の必要書類です。
相続人と相続財産(遺産)の確定はあらゆる相続手続きの起点となるものだからです。
特に、被相続人の戸籍謄本類の取得については状況により時間がかかるケースもあるため、できるだけ早く着手することをおすすめします。
相続手続きの必要書類を取得するための基礎知識
主な相続手続きの流れ
相続が開始した後の手続きの流れは次のとおりです。
期限のある手続きについては、必要書類の取得にかかる時間を含めて期限管理を行うことが大切です。
| 期限 | 相続手続き | 手続場所 |
|---|---|---|
| 7日以内 | 死亡診断書の取得 | — |
| 死亡届の提出 | 市区町村役場 | |
| 火葬・埋葬許可証の取得 | 市区町村役場 | |
| 14日以内 | 世帯主変更届の提出 | 市区町村役場 |
| 年金受給停止の届出 ※厚生年金は10日以内 |
年金事務所等 | |
| 国民健康保険資格喪失届の提出 | 市区町村役場 | |
| できるだけ早く (目安2ヶ月以内) |
相続人調査 | 市区町村役場 |
| 法定相続情報一覧図の取得(希望する場合) | 法務局 | |
| 遺言書の調査(有無の確認)・遺言書の検認 (遺言書がある場合) |
家庭裁判所 | |
| 相続財産調査 | 金融機関等 | |
| 3ヵ月以内 | 相続放棄の申述 | 家庭裁判所 |
| 4ヵ月以内 | 準確定申告 | 税務署 |
| できるだけ早く (目安9ヶ月以内) |
遺産分割協議(遺言書がない場合) | — |
| 10ヶ月以内 | 相続税の申告 | 税務署 |
| できるだけ早く | 相続した遺産の名義変更等 ・預貯金の解約・引き出し ・相続登記(3年以内) |
金融機関 法務局 |
| 1年以内 | 遺留分侵害額の請求 | — |
※それぞれの状況によって必要な手続きは異なります。
遺産の分配に関するプロセス
相続手続きの中で最も重要なのは、遺産を相続人に分配するためのプロセスです。
具体的なプロセスは次の図のとおりです。

遺言書の有無によってプロセスが異なる
遺産を分配するプロセスは、遺言書があるかどうかによって異なります。
遺言書がある場合には、遺産は基本的に遺言書に従って分配されます。
遺言書がない場合や、遺言書があっても相続人全員が遺言書に従わないことに合意した場合には、遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成します。
この場合、遺産は遺産分割協議書に従って分配されます。
遺産を分配した後の手続き(相続税の申告や相続財産の名義変更等)では、必要書類として遺言書または遺産分割協議書のいずれかを提出することになります。
次の項目からは、上記の遺産の分配プロセスにおいて必要となる書類について解説していきます。
相続人調査に必要となる書類
相続人調査(すべての相続人を洗い出して確定する作業です。)に必要となる書類は次のとおりです。
すべてのケースに共通する書類
| 必要書類 | 説明 |
|---|---|
| 被相続人が生まれてから亡くなるまでの連続する戸籍謄本類(戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本) | 被相続人の配偶者・子(第1順位の相続人)を確認するために必要 |
| 相続人全員の戸籍謄本または戸籍抄本 | 相続開始時点で相続人が生存していることを確認するために必要 |
状況に応じて必要となる書類
※被相続人の子・直系尊属(父母・祖父母等)がいない場合
| 必要書類 | 説明 |
|---|---|
| 被相続人の祖父母(母方・父方両方)の死亡が記載されている戸籍謄本類 | 直系尊属(第2順位の相続人)がいないことを確認するために必要 |
| 被相続人の父母それぞれの生まれてから死亡するまでの連続した戸籍謄本 | 異父 / 異母兄弟姉妹がいないかを確認するために必要 |
| 必要書類 | 説明 |
|---|---|
| 本来の相続人(子または兄弟姉妹)の生まれてから死亡するまでの連続した戸籍謄本 | ※代襲相続人(本来の相続人の子)の確認に必要 |
※代襲相続(だいしゅうそうぞく)とは、相続人が被相続人よりも先に死亡したり、相続人から除外された場合(相続廃除・相続欠格)に、その相続人の子どもが代わりに遺産を相続することをいいます。
相続人調査とは
相続人調査とは、被相続人の相続人(被相続人の遺産を相続する権利義務のある人のことです。)が誰なのかを調べて確定する手続きです。
相続人の調査は、上にあげた各種の戸籍謄本を取得することによって行います。
その目的は、主に、①相続人を漏れなく把握して相続手続きを円滑に進めること、②金融機関や役所等に対して対外的に相続人を証明すること、の2点にあります。
対外的な相続人の証明(2つめの目的)が必要となる場面は、例えば、遺言書の検認や相続放棄の申述、相続税の申告、相続した遺産(預貯金、不動産等)の名義変更の手続きなどです。
これらの場面では、役所や金融機関等に対して相続人調査の必要書類(戸籍謄本等)を提出して、誰が相続人かを証明することになります。
なお、大量の戸籍謄本の代わりに、次の項目で解説する「法定相続情報一覧図」を提出できる場合があります。
法定相続情報一覧図の取得(法定相続情報証明制度の利用)に必要となる書類
法定相続情報一覧図の取得(法定相続情報証明制度の利用)に必要となる書類は次のとおりです。
| 必要書類 | 説明 |
|---|---|
| 法務局所定の申出書 | ― |
| 法定相続情報一覧図の原案 | ― |
| 相続人調査の必要書類 (被相続人が生まれてから亡くなるまでの連続する戸籍謄本類、相続人全員の戸籍謄本抄本等) |
誰が相続人かを対外的に証明するために必要 |
| 被相続人の住民票の除票 | 被相続人の死亡に関する情報を確認するために必要 |
| 申出人の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードのコピー、住民票の写し等) | 申出人の氏名・住所を確認するために必要 |
※住民票の除票とは、転出や死亡などによって住民登録が消除された住民票のことです。
元の住民票に記載されていた項目(氏名、住所、生年月日、本籍、筆頭者、続柄など)に加えて、死亡日等が記載されます。
※法定相続情報一覧図に各相続人の住所を記載する場合や、代理人に手続きを委任する場合等、状況によっては追加の書類が必要となります。
必要書類の提出先は、①被相続人の本籍地、②被相続人の最後の住所地、③申出人の住所地、または④ 被相続人名義の不動産の所在地、のいずれかを管轄する登記所(法務局)です。
参考:管轄のご案内|法務局
法定相続情報一覧図・法定相続情報証明制度とは
「法定相続情報一覧図」(ほうていそうぞくじょうほういちらんず)とは、被相続人の相続人が誰なのかを一覧にした家系図のようなものです。
「法定相続情報証明制度」とは、法定相続情報一覧図に記載された相続関係(相続人が誰か)を法務局(登記官)が公的に証明してくれる制度です。
法定相続情報証明制度を利用するためには、相続人が「法定相続情報一覧図」の原案を必要書類とともに登記所(法務局)に提出し、登記官の確認を受けることが必要です。
法定相続情報の記載内容が正しいことの確認が取れると、登記官の認証文付きの法定相続情報一覧図の写しを無料で取得できるようになります。
法定相続情報一覧図を取得すると、・遺言書の検認・相続放棄・遺産分割協議・相続税の申告・預貯金の引き出し(解約・名義変更)・相続登記などの場面で、戸籍謄本の束の代わりに提出できるというメリットがあります。
遺言書の検認に必要となる書類
遺言書の検認に必要となる書類は次のとおりです。
| 必要書類 | 説明 |
|---|---|
| 申立書 | ― |
| 相続人調査の必要書類 (被相続人が生まれてから亡くなるまでの連続する戸籍謄本類、相続人全員の戸籍謄抄本等) |
誰が相続人かを対外的に証明するために必要 ※法定相続情報一覧図で代用可能 |
| 受遺者がいる場合、受遺者の現在の戸籍謄本 | 受遺者に検認の通知をするために必要 |
| 申立人の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードのコピー、住民票の写し等) | 申立人の氏名・住所を確認するために必要 |
※状況により追加書類の提出が必要となる場合があります。
必要書類の提出先は、遺言者(被相続人)の最後の住所地の家庭裁判所です。
遺言書の検認とは
遺言書の検認(けんにん)とは、相続人や受遺者(遺言によって財産を受け取る人)の立会のもとで、家庭裁判所で遺言書の内容や状態を確認する手続きのことです。
自宅等で遺言書を発見した場合には開封せずに家庭裁判所へ持っていき、検認の手続きをする必要があります。
遺言書は大きく、自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言、の3種類に分けられます。
このうち自筆証書遺言と秘密証書遺言について、検認を行う必要があります(ただし、自筆証書遺言の保管制度を利用する場合は検認不要です)。
遺言書の検認の目的は、主に、①相続人や受遺者に遺言書の存在と内容を知らせること、②遺言書の偽造等を防止すること、の2点にあります。
遺言に基づいて遺産を分配する(名義変更等の手続きをする)際には、ほとんどの場面で「検認済証明書」の提出を求められます。
そのため、検認が完了したら検認済証明書の発行を申請します。
相続財産調査に必要となる書類
相続財産調査(被相続人が持っていたすべての財産を洗い出して評価する手続き)を正確かつ効率的に行うためには、書類等の客観的な資料をもとに調査を行うことが大切です。
相続財産調査に必要となる書類は調査対象となる財産や資料の保管状況等、具体的な状況によって異なります。
以下では、代表的な調査対象の財産とその必要書類を紹介します。
| 調査対象の財産 | 必要書類 |
|---|---|
| 預貯金 | 預金通帳、キャッシュカード、残高証明書、取引履歴等 |
| 負債(借金・ローン等) | 残高証明書等 |
| 不動産 | 登記事項証明書(不動産登記簿謄本)、固定資産税の納税通知書、固定資産評価証明書等 |
| 有価証券 | 株券、残高証明書等 |
これらの書類の一部は、遺産分割協議や相続財産の名義変更、相続税の申告等の手続きにおいて必要になることがあります。
相続財産調査とは
相続財産調査とは、被相続人の借金などマイナスの財産を含むすべての財産を洗い出し、それらを金銭的に評価する手続きです。
相続財産の調査の目的は、主に、①遺産分割協議を適正に行うため、②相続放棄の判断を適切に行うため、③相続税の申告を適正に行うため、の3点にあります。
相続放棄に必要となる書類
相続放棄に必要となる書類は次のとおりです。
| 必要書類 | 説明 |
|---|---|
| 相続放棄申述書 | ― |
| 相続人調査の必要書類(被相続人が生まれてから亡くなるまでの連続する戸籍謄本類等) | 誰が相続人かを対外的に証明するために必要 ※法定相続情報一覧図で代用可能(追加書類が必要となる場合あり) |
| 被相続人の住民票の除票または戸籍の附票 | |
| 申述人(相続放棄する方)全員の戸籍謄本 |
※状況により追加書類の提出が必要となる場合があります。
※「戸籍の附票(ふひょう)」とは、戸籍の原本と一緒に保管されている書類で、戸籍に記載されている人の住所の移り変わりを記録した書類です。
必要書類の提出先は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。
相続放棄とは
相続放棄とは、家庭裁判所に申立てをして遺産相続を辞退する手続きのことです。
相続放棄するとはじめから相続人にならなかったものとして扱われ(民法第939条)、借金等のマイナスの財産を含めて一切の財産を引き継ぎません。
相続放棄の手続きは、自分のために相続が開始したことを知ったとき(基本的には被相続人の死亡を知ったとき)から3ヶ月以内に行う必要があります(民法915条第1項)。
相続財産の調査の結果、被相続人のプラスの財産よりもマイナスの財産(借金やローン等)の方が大きいことが判明した場合には、相続放棄を検討します。
準確定申告に必要となる書類
準確定申告に必要となる書類は次のとおりです。
| 必要書類 | 説明 |
|---|---|
| 確定申告書 | ― |
| 確定申告書付表(兼相続人の代表者指定届出書) | 相続人が複数いる場合、代表者を指定するために必要 |
| 相続人全員のマイナンバー確認書類(マイナンバーカード、マイナンバー記載の住民票写し等) | 本人確認書類 |
| 申告を行う人の身元確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、パスポート、在留カード、身体障害者手帳等)
|
※状況により追加書類の提出が必要となる場合があります。
必要書類の提出先は、被相続人の死亡時の住所地を管轄する税務署です。
準確定申告とは
準確定申告とは、被相続人の代わりに相続人等が確定申告を行うことをいいます。
被相続人が年の途中で亡くなった場合、翌年の申告期間(2月16日〜3月15日)に確定申告をすることができません。
そのため、被相続人の1月1日から死亡日までの所得については、相続人等が代わりに税務署への申告(準確定申告)を行います。
準確定申告が必要となるのは、被相続人が生前に個人事業を営んでいた場合、不動産を賃貸して賃料(家賃等)を受け取っていた場合、一定額を超える収入があった場合などです。
準確定申告は、相続が開始したこと(被相続人の死亡)を知った日の翌日から4ヶ月以内に行う必要があります。
遺産分割協議の必要書類
遺産分割協議・遺産分割協議書の作成に必要となる書類は次のとおりです。
| 必要書類 | 説明 |
|---|---|
| 相続人調査の必要書類 (被相続人が生まれてから亡くなるまでの連続する戸籍謄本類、相続人全員の戸籍謄抄本等) |
相続人全員を漏れなく把握するために必要 |
| 相続財産調査の必要書類 | 遺産分割の対象となる相続財産を把握するために必要 |
| 遺産分割協議書 | 相続人が作成 |
| 相続人全員の印鑑登録証明書 | 遺産分割協議書に押した印鑑が実印であることを証明するために必要 |
遺産分割協議とは
遺産分割協議とは、相続人全員で話し合って遺産の分け方を決める手続きをいいます。
遺言書がない場合や、遺言書があっても相続人全員が遺言書に従わないことに合意した場合には、遺産分割協議を行うことになります。
遺産分割協議は必ず相続人全員で行わなければならず、相続人が一人でも欠けていると無効です。
また、遺産分割協議は相続人全員が合意した場合に成立します。
遺産分割協議が成立したら、遺産分割協議書を作成し、相続人全員が署名をして実印を押します。
相続手続きで遺産分割協議書を提出する場合は、押印した実印の印鑑登録証明書の提出も必要です。
相続税の申告に必要となる書類
相続税の申告に必要となる書類は次のとおりです。
| 必要書類 | 説明 |
|---|---|
| 相続税申告書 | ― |
| 相続人調査の必要書類 (被相続人が生まれてから亡くなるまでの連続する戸籍謄本類、相続人全員の戸籍謄抄本等) |
誰が相続人かを対外的に証明するために必要 ※法定相続情報一覧図で代用可能 |
| 被相続人の戸籍の附票 | 被相続人の最後の住所を確認するために必要 |
| 相続人全員の戸籍の附票 | 相続人の住所を確認するために必要 |
| 遺産分割協議書または遺言書 | ― |
| 相続人全員の印鑑登録証明書(遺産分割協議書を提出する場合) | 遺産分割協議書に使用した実印の印鑑登録証明書が必要 |
| 検認済証明書(自筆証書遺言・秘密証書遺言の場合) | ― |
| 相続人全員のマイナンバー確認書類(マイナンバーカード、マイナンバー記載の住民票写し等) | 本人確認書類 |
| 申告を行う人の身元確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、パスポート、在留カード、身体障害者手帳等) |
※軽減税率等の適用を受ける場合等、状況によって追加書類の提出が必要となります。
必要書類の提出先は、被相続人の死亡時の住所地を管轄する税務署です。
相続税の申告とは
相続税の申告とは、被相続人から相続によって取得した遺産の額やそれをもとに計算した相続税の金額を税務署に申告する手続きのことをいいます。
「相続税」とは、被相続人の財産を相続によって取得した場合に、その取得した財産の額に応じて課される税金のことです。
被相続人の遺産の金額が基礎控除額(3000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)を超える場合には、基本的に相続税の申告が必要です。
相続税の申告は、相続が開始したこと(被相続人の死亡)を知った日の翌日から10ヶ月以内に行う必要があります。
期限を過ぎると延滞税等のペナルティが発生する場合があります。
預貯金口座の引き出しに必要となる書類
相続した預貯金口座の引き出しや名義変更に必要となる書類は次のとおりです。
銀行の場合
| 必要書類 | 説明 |
|---|---|
| 金融機関所定の届出書・依頼書等 | ― |
| 相続人全員の印鑑登録証明書 | 依頼書には相続人全員の実印が必要 |
| 相続人調査の必要書類 (被相続人が生まれてから亡くなるまでの連続する戸籍謄本類、相続人全員の戸籍謄抄本等) |
誰が相続人かを対外的に証明するために必要 ※法定相続情報一覧図で代用可能 |
| 被相続人の預金通帳・キャッシュカード等 | ― |
| 遺産分割協議書または遺言書 | ※公正証書遺言の場合は遺言書謄本 |
| 検認済証明書(自筆証書遺言・秘密証書遺言の場合) | ― |
※状況により追加書類の提出が必要となる場合があります。
ゆうちょ銀行の場合
| 必要書類 | 説明 |
|---|---|
| 相続確認表 | はじめに提出する書類 |
| 相続手続請求書 | ― |
| 被相続人の婚姻(初婚・未婚の場合は16歳)から亡くなるまでの連続する戸籍謄本類 | 誰が相続人かを対外的に証明するために必要 ※法定相続情報一覧図で代用可能 |
| 被相続人の預金通帳・キャッシュカード等 | ― |
| 相続人全員の印鑑登録証明書 | 請求には相続人全員の実印が必要 |
| 遺産分割協議書または遺言書 | ※公正証書遺言の場合は遺言書謄本 |
| 検認済証明書(自筆証書遺言・秘密証書遺言の場合) | ― |
※状況により追加書類の提出が必要となる場合があります。
ゆうちょ銀行での相続手続き
他の銀行とは異なり、ゆうちょ銀行での相続手続き(貯金の名義変更)は以下の3段階に分かれています。
また、原則として貯金の払戻しは代表相続人(相続人の代表者)1名に対してのみ行われます。
- ① ゆうちょ銀行または郵便局の貯金窓口に「相続確認表」を提出する
※インターネット上で手続きをする場合は「相続Web案内サービス」を利用して必要事項を入力する - ② 「必要書類のご案内」が送付またはWeb上で表示されるので、これにしたがって必要書類を準備し、必要書類を提出する
- ③ 代表相続人への払戻しが行われる
相続登記に必要となる書類
相続税の申告に必要となる書類は次のとおりです。
| 必要書類 | 説明 |
|---|---|
| 登記申請書 | ― |
| 相続人調査の必要書類 (被相続人が生まれてから亡くなるまでの連続する戸籍謄本類、相続人全員の戸籍謄抄本等) |
誰が相続人かを対外的に証明するために必要 ※法定相続情報一覧図で代用可能 ※登記原因証明情報(法定相続情報番号)の記載により法定相続情報一覧図の添付省略可能 |
| 新所有者(不動産の相続人)の住民票 | 法定相続情報一覧図に記載されている場合は不要 |
| 固定資産課税明細書 | 登録免許税の計算・不動産の特定のために必要 |
| 遺産分割協議書または遺言書 | ― |
| 相続人全員の印鑑登録証明書(遺産分割協議書を提出する場合) | 遺産分割協議書に使用した実印の印鑑登録証明書が必要 |
| 検認済証明書(自筆証書遺言・秘密証書遺言の場合) | ― |
※状況により追加書類の提出が必要となる場合があります。
必要書類の提出先は、不動産の所在地を管轄する法務局です。
複数の地域にまたがる不動産を相続した場合、それぞれの不動産を管轄する法務局に書類を提出して手続きをする必要があります。
相続登記とは
相続登記とは、相続した不動産の登記名義人を被相続人から相続人へ変更する手続きのことです。
相続登記は不動産を相続したことを知った日から3年以内に行う必要があります。
正当な理由なく期限内に登記を行わない場合には、10万円以下の過料の適用対象となります。
相続時精算課税制度に必要となる書類
相続時精算課税制度を利用するために必要となる書類は次のとおりです。
| 必要書類 | 説明 |
|---|---|
| 贈与税の申告書 | ― |
| 相続時精算課税選択届出書 | ― |
| 受贈者の戸籍謄本または戸籍抄本 | 贈与者と受贈者の関係(親子関係または祖父母と孫の関係)を証明するために必要 |
必要書類の提出先は、贈与を受けた人(受贈者)の住所地を管轄する税務署です。
相続時精算課税制度とは
相続時精算課税(そうぞくじせいさんかぜい)制度は、毎年110万円までの贈与税と累計2500万円までの贈与税を納めずに贈与を受けることができる制度です。
贈与者が亡くなった際には、受贈者は、贈与を受けた財産の額(毎年110万円を差し引いた額)と相続した財産の額を合計して相続税を計算します。
相続時精算課税制度を利用することができるのは、原則として、60歳以上の父母又は祖父母から18歳以上の子または孫への贈与についてのみです。
この相続時精算課税制度を利用するためには、対象とする贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までに、必要書類を提出して税務署への届出をする必要があります。
相続手続きの書類集めでよくある失敗
相続手続きの書類集めでよくある失敗は、戸籍の取得漏れです。
特に多く見られる失敗として、次のようなものがあげられます。
- 被相続人の戸籍が途中で切れている(連続していない)
- 改正原戸籍謄本の取得が漏れている
- 相続人の戸籍が不足している
相続関係が複雑なケースや、戸籍の取得に自信がないケースでは、戸籍の取得を専門家に依頼するのも一案です。
相続手続きの必要書類についての相談窓口
相続全般については相続に強い弁護士
相続手続きの必要書類に関する相談を含め、相続全般については相続に強い弁護士に相談するのがおすすめです。
すべての相続手続きは法律に基づいて行われるため、法律の専門家である弁護士は基本的に相続全般に関する相談に対処することができます。
特に、相続人同士の交渉やトラブル解決に関する相談に対応できるのは弁護士のみで、他の士業は対応することができません(対応することは違法です)。
相続手続きにおいては相続人同士のトラブルが発生するケースが少なくないことから、少しでも相続手続きに関する不安がある場合には、相続に強い弁護士に相談されることを強くおすすめします。
相続税の申告だけなら税理士
相続税の申告の必要書類のみについてであれば、税金の専門家である税理士に相談することができます。
ただし、税理士は基本的に相続税の申告以外の相続手続きについてアドバイスを行うことができません。
相続登記だけなら司法書士
相続登記の必要書類のみについてであれば、登記の専門家である司法書士に相談することができます。
ただし、司法書士が取り扱うことができる相続手続きは、基本的に相続登記、相続した名義変更手続き、裁判所に提出する書類の作成に限定されています。
相続人同士の交渉やトラブルが発生する可能性がある場合には、弁護士に相談する必要があります。
相続手続きの必要書類についてのQ&A
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遺産相続で戸籍謄本は必要ですか?
特に、相続人の調査はすべての遺産相続手続きの起点となる重要な手続きです。
この手続きにおいては、被相続人の生まれてから亡くなるまでの連続するすべての戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本、相続人全員の現在の戸籍謄本が必要となります。
相続手続きの中には、戸籍謄本の束の代わりに「法定相続情報一覧図」を提出することで代用できるものもあります。
しかし、その「法定相続情報一覧図」を取得するためには相続人調査に使用する戸籍謄本類を提出する必要があります。
したがって、戸籍謄本は遺産相続で必要不可欠な書類です。
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相続した自動車の名義変更の必要書類は何ですか?
| 必要書類 | 説明 |
|---|---|
| 申請書 | 実印による押印が必要 |
| 手数料納付書 | 500円の検査登録印紙を貼付 |
| 自動車検査証(車検証) | 原本が必要 |
| 相続人調査の必要書類 (被相続人が生まれてから亡くなるまでの連続する戸籍謄本類、相続人全員の戸籍謄抄本等) |
被相続人の死亡と相続人を対外的に証明するために必要 ※法定相続情報一覧図で代用可能 |
| 新所有者(相続人)の印鑑登録証明書または住民票(未成年者の場合) |
|
| 自動車保管場所証明書(車庫証明書) | 新旧使用者の車の使用場所(使用の本拠の位置)に変更がなければ不要 |
| ナンバープレート | 車の使用場所の管轄に変更がなければ不要 |
| 遺産分割協議書または遺言書 | ※公正証書遺言の場合は遺言書謄本 |
| 検認済証明書(自筆証書遺言・秘密証書遺言の場合) | ― |
※状況により追加書類の提出が必要となる場合があります。
※必要書類の提出先は、新所有者(相続人)の住所を管轄する運輸支局または検査登録事務所です。
| 必要書類 | 説明 |
|---|---|
| 自動車検査証変更記録申請書(軽第1号様式) | ー |
| 自動車検査証(車検証) | 原本が必要 |
| 新所有者(相続人)の住民票または印鑑証明書 | 新所有者の住所を確認するために必要 |
| ナンバープレート | 車の使用場所の管轄に変更がなければ不要 |
| 前所有者(被相続人)の死亡を確認できる戸籍謄本等 | 相続関係を証明するために必要 ※法定相続情報一覧図で代用可能 |
| 新所有者が前所有者の相続人であることを確認できる戸籍謄本等 |
※状況により追加書類の提出が必要となる場合があります。
必要書類の提出先は、新所有者(相続人)が軽自動車を使用する場所(使用の本拠の位置)を管轄する軽自動車協会の事務所・支所・分室です。
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相続登記の必要書類に有効期限はある?
| 書類 | 有効期限(発行日等の条件) |
|---|---|
| 相続人の戸籍謄本または戸籍抄本 | 被相続人の死亡日以降に発行されたものが必要 |
| 固定資産課税明細書 | 登記申請をする日の属する年度のものが必要 |
上記以外の書類(相続人調査に必要な戸籍謄本類や住民票、印鑑登録証明書等)については有効期限はありません。
まとめ
相続手続きの中には期限が定められているものがあり、それらの手続きについては必要書類の取得にかかる時間を計算に入れて手続きを進めることが大切です。
法定相続情報一覧図を取得することによって戸籍謄本の束の代わりに利用することができ、相続手続きを効率的に進められる場合もあります。
デイライト法律事務所には相続に強い弁護士が多数在籍しており、相続手続きの必要書類に関するご相談をはじめ、遺言書の作成、相続放棄、遺産分割協議、相続登記、相続税の申告・節税対策、相続トラブルなど、相続全般に関するご相談をうけたまわっています。
遠方の方はオンラインでご相談いただくこともできますので、ぜひお気軽にご利用ください。







