商標法違反について

商標法違反とは何か

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商標とは、自分の会社が生産・販売していることを示すために商品等につけられている当該会社独自のマーク等のことです。

この商標を保護するために、商標法では商標権という権利が認められています。

商標権は、企業や個人が提供するサービスや商品といったものを、他の者が真似したり、権利者に無断で使用したりといった行為から守るための権利となっています。

主に以下を想像してもらえばいいと思います。

  1. ① 商標の登録者が登録した商標を独占して使用することができる権利
  2. ② 登録した商標やその商標に似ている商標の使用の禁止を求めることができる権利

このように商標を保護することによって、商標を持つ会社の商品にブランド力が付与され、商標を使用する会社の業務上の信用を維持することができます。

そうすることで、産業の発展に寄与し、同時に商標を信用して買い物をする消費者の利益も保護することが商標法の目的となっています(商標法第1条参照)。

商標法違反とされる行為は、偽ブランド商品やコピー商品を販売する行為や、販売のためにそれらの商品を所持・輸出・輸入する行為といったものが挙げられます。

また、商標権侵害とみなされる行為も商標法37条や67条に規定されており、主なところでいうと、商標権侵害の準備行為をしていたような場合です。

(侵害とみなす行為)

第三十七条 次に掲げる行為は、当該商標権又は専用使用権を侵害するものとみなす。

  1. 一 指定商品若しくは指定役務についての登録商標に類似する商標の使用又は指定商品若しくは指定役務に類似する商品若しくは役務についての登録商標若しくはこれに類似する商標の使用
  2. 二 指定商品又は指定商品若しくは指定役務に類似する商品であつて、その商品又はその商品の包装に登録商標又はこれに類似する商標を付したものを譲渡、引渡し又は輸出のために所持する行為
  3. 三 指定役務又は指定役務若しくは指定商品に類似する役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に登録商標又はこれに類似する商標を付したものを、これを用いて当該役務を提供するために所持し、又は輸入する行為
  4. 四 指定役務又は指定役務若しくは指定商品に類似する役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に登録商標又はこれに類似する商標を付したものを、これを用いて当該役務を提供させるために譲渡し、引き渡し、又は譲渡若しくは引渡しのために所持し、若しくは輸入する行為
  5. 五 指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について登録商標又はこれに類似する商標の使用をするために登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を所持する行為
  6. 六 指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について登録商標又はこれに類似する商標の使用をさせるために登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を譲渡し、引き渡し、又は譲渡若しくは引渡しのために所持する行為
  7. 七 指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について登録商標又はこれに類似する商標の使用をし、又は使用をさせるために登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を製造し、又は輸入する行為
  8. 八 登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を製造するためにのみ用いる物を業として製造し、譲渡し、引き渡し、又は輸入する行為

(侵害とみなす行為)

第六十七条 次に掲げる行為は、当該商標権又は専用使用権を侵害するものとみなす。

  1. 一 指定商品又は指定役務についての登録防護標章の使用
  2. 二 指定商品であつて、その商品又はその商品の包装に登録防護標章を付したものを譲渡、引渡し又は輸出のために所持する行為
  3. 三 指定役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に登録防護標章を付したものを、これを用いて当該指定役務を提供するために所持し、又は輸入する行為
  4. 四 指定役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に登録防護標章を付したものを、これを用いて当該指定役務を提供させるために譲渡し、引き渡し、又は譲渡若しくは引渡しのために所持し、若しくは輸入する行為
  5. 五 指定商品又は指定役務について登録防護標章の使用をするために登録防護標章を表示する物を所持する行為
  6. 六 指定商品又は指定役務について登録防護標章の使用をさせるために登録防護標章を表示する物を譲渡し、引き渡し、又は譲渡若しくは引渡しのために所持する行為
  7. 七 指定商品又は指定役務について登録防護標章の使用をし、又は使用をさせるために登録防護標章を表示する物を製造し、又は輸入する行為

これらの行為のうち主に販売行為については、偽ブランド商品であることに気付いた消費者からの報告や、商標権を侵害されている会社からの通報といったルートで発覚することが多いようです。

他方、コピー商品や偽のブランド商品を自分で利用する目的で所持していたに過ぎない場合は、これらの規定に違反する訳ではなく、商標権の侵害には当たりません。

商標権を侵害した場合にどのような刑罰が科せられるかについて、商標法第78条は、「商標権・・・を侵害した者は、10年以下の懲役若しくは 1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」と定めています。

商標権のみなし侵害行為については、商標法第78条の2が「商標権…を侵害する行為とみなされる行為を行なった者は、5年以下の懲役若しくは 500万円以下の罰金に処し、またはこれを併科する。」と定めています。

なお、法人の代表者や従業者等が、法人の業務に関して商標権侵害を行なった場合、行為者の他に、その法人に対して3億円以下の罰金刑を科すことが定められています(商標法第80条)。

 

 

弁護方針

商標法違反を認める場合

犯罪のイメージイラスト商標法違反が警察官に発覚した場合、警察官は商標権者保護等のために、逮捕に踏み切り、さらに勾留に移行することが通常です。

逮捕は最大でも3日間の身体拘束ですが、勾留は最大20日間の身体拘束となります。

長期の身体拘束になると、私生活への影響が大きくなりますから、可能な限り早く釈放してもらえるように弁護活動を展開することになります。

商標法違反は、一次的には営業者の個人的な法益を侵害するものですから、その営業者が許せば、処罰の必要性は小さくなり、釈放されたり、不起訴処分となったりする可能性が高まります。

すなわち、早期釈放・不起訴処分獲得のために重要なのは、営業者に被害弁償をし、さらに、示談を成立させることです。

ですが、産業の発達、需要者の利益も商標法の目的ですから、事案の真相解明に協力し、出せる証拠は全て提出し、反省の気持ちをしっかりと表現することも重要になります。

早期の釈放のためにも、前科が付くことを免れるためにも、弁護士が迅速に示談交渉や検察官との意見交換等を行う必要があります。

弁護士の技量と熱意によって、大きく示談交渉等は影響を受けますから、刑事事件に特化した弁護士を選任することが重要となります。

 

商標法違反を認めない場合

ブランド品のイメージイラスト商標法違反は故意犯ですから、偽ブランドであると知らずに販売した場合や、所持していた場合、輸入した場合などは無罪を主張することになります。

この場合、当該製品の入手経路や購入金額などを明らかにし、真に被疑者が、偽ブランドであることを知らなかったことを説得的に論じる必要があります。

被疑者に有利な証拠を探し出し、検察官や裁判官に提出するためには、弁護士が迅速に証拠の収集に臨む必要があります。

弁護士の技量と熱意によって、証拠の収集も大きく影響を受けますから、刑事事件に特化した弁護士を選任することが重要となります。

まずは当事務所にお気軽にご相談ください。

 

 

商標法違反の他にも知的財産権の侵害については各種の法律において罰則規定が定められています。

そのほかの知的財産権侵害についての詳しい解説は、こちらのページをご覧ください。

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