夫が逮捕!?妻はどうすればいい?弁護士が解説

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA
  

夫が逮捕された場合は、できるだけ早く刑事事件専門の弁護士へご相談されることをお勧めいたします。

刑事事件に強い弁護士であれば、あなたこれからどうすべきかを適格に助言してくれます。

夫が逮捕されたとの一報を受けた場合、多くはまったくの寝耳に水の事態であり、どのように対応すべきかお困りのことと思います。

そこでこの記事では、夫が逮捕された場合の妻が取るべき行動や、逮捕後の流れ、逮捕のリスクや弁護士選びの重要性について、弁護士が解説します。

夫が逮捕されると動揺されるかもしれませんが、この記事を参考に、是非冷静にご対応ください。

夫が逮捕されたときに妻が検討すべきこと

夫が逮捕された場合、妻に何かできることはあるのでしょうか。

ここでは、妻が検討するべきことをご紹介します。

 

弁護士に面会に行ってもらう

夫が逮捕された場合、取り急ぎ弁護士に依頼し、面会に行ってもらうようにすることを検討しましょう。

犯罪の容疑者として警察に逮捕されると、最大で72時間にわたって警察署内の留置所に身体が拘束されることになり、検察官はその間に容疑者を勾留すべきかを判断します。

仮に勾留された場合、そこから最大で20日間の身体拘束が続きます。

勾留段階と異なり、逮捕からの72時間については、弁護士以外の面会が認められることはほとんどありません。

そのため、逮捕の段階で夫の現状や言い分を確認したり、当面の生活についての連絡を取ったりしたい場合は、弁護士に依頼することが必要となってきます。

また、逮捕直後の72時間は捜査の初期段階であるとともに、事件の容疑者として勾留されるかが決まる時期でもあります。

刑事事件の弁護では初動が肝心であり、できる限り早期に弁護活動を開始することがその後の処分を有利に運ぶことにもつながってきます。

このようなことから、夫が逮捕された場合には弁護士に早急な面会を依頼することが重要といえるのです。

すぐに弁護士に面会に行ってもらうことが可能かについては、こちらをご覧ください。

 

洋服などを差し入れる

逮捕からの72時間は弁護士以外の面会は制限されますが、差し入れについては認められる場合があります。

留置所内では、食事や衣服など生活に必要なものは支給されますが、質がいいとはいえず、不満を持たれる方も少なくありません。

犯罪の容疑者として拘束され取り調べを受けるなど、ただでさえストレスフルな環境ですから、少しでも不便が解消されるよう、洋服などを差し入れるとよいでしょう。

もっとも、何を差し入れるべきかについては、その人の置かれている状況によっても異なりますので、弁護士に面会を依頼して夫の意思を確認するのがよいでしょう。

 

 

夫は今後どうなる?逮捕された後の流れ

逮捕された場合、次のような流れで事件は進行します。

逮捕

逮捕されると身柄が拘束され、48時間以内に検察庁に送検されます。

送検

容疑者の送致を受けた検察官は、24時間以内に容疑者の勾留を請求するか判断します。

勾留

勾留されると、10日間にわたって身柄の拘束が続きます。

また、10日間を上限に勾留延長される可能性があります(最大で20日間の拘束)

起訴

起訴とは刑事裁判にかけられることを意味します。

起訴前の勾留は最長でも20日間でしたが、起訴された場合、保釈されない限り判決まで勾留が続くことになります。

判決

逮捕の流れと、逮捕を防ぐ方法についての解説は、こちらをご覧ください。

以上の流れの中には、いくつか重要な分岐点が存在しますので解説します。

逮捕の後勾留されるのか、起訴されるのか、どのような判決となるのかという3点です。

 

勾留されるか

逮捕の効力は72時間である一方、勾留されると身体拘束は10日間(勾留が延長されれば最大で20日間)に及びます。

そのため、逮捕後の最初のポイントは「勾留されるか」という点になります。

勾留されない、すなわち逮捕段階で釈放されるパターンは、大きく2つあります。

ひとつは、逮捕してみたものの犯罪としては成立しないと判断された場合や、事案としてきわめて軽微で、厳重注意で帰宅させられる場合などです。

この場合、捜査機関としては刑事事件として扱わないということですので、事件としてはそこで終結します。

もうひとつは、引き続き捜査は継続するものの、逃亡や証拠隠滅のおそれがなく勾留の要件を満たさない場合です。

こちらのケースでは、あくまで身柄が解放されただけであり、捜査は続いていますので、必要に応じて捜査機関から呼び出されて取り調べを受けることになります。

勾留について、さらに詳しい解説はこちらをご覧ください。

 

起訴されるか

捜査の結果、犯罪に対して刑罰を科すべきと判断されれば、起訴されます。

起訴とは、検察官が訴えを起こして刑事裁判が開始するということです。

逆にその必要がないと判断されれば不起訴となり、そこで事件は終結します。

不起訴となる理由にはさまざまありますが、裁判で有罪にできる見込みがない「証拠不十分」や、示談が成立しているなどして処罰の必要がないと判断される「起訴猶予」などが比較的よくあるものです。

不起訴処分について、詳しくはこちらをご覧ください。

 

どのような判決となるか

起訴された場合、裁判官が判決を出して事件は終結します。

判決は有罪か無罪かのいずれかであり、有罪の場合、実際に刑罰を科される「実刑判決」と、判決としては有罪であるが、刑罰の執行はひとまず猶予される「執行猶予」の2通りがあります。

起訴された場合、統計的には99.9パーセントの確率で有罪判決となりますので、執行猶予付きの判決が獲得できるかが大きなポイントとなってきます。

執行猶予についてのさらに詳しい解説は、こちらをご覧ください。

 

 

夫が逮捕された場合のリスク

夫が逮捕されることには、さまざまなリスクが伴います。

以下はほんの一部ですが、リスクのうち特に重大なものをご紹介します。

 

新聞やニュースなどで報道される

夫が逮捕された場合、新聞やニュースにより報道される可能性があります。

場合によっては実名が出ることもありますし、特に現代では新聞やテレビだけでなく、ネットニュースによって情報が一瞬で広まります。

氏名などの情報が世に出回ると、氏名をネット検索した際に、いつまでも事件の記事が検索結果に表示されることもあり得ます。

事件が報道されるか否かについては、こちらの解説を合わせてご覧ください。

 

会社を解雇される

夫が逮捕された場合、勤務する会社から解雇されるおそれがあります。

たとえば、業務上の横領や贈収賄など、逮捕容疑と業務が密接に関連する場合は、犯行が直接的に懲戒事由となってきます。

一方、逮捕容疑が会社の業務とは無関係な犯罪の場合は、あくまで私的な不祥事にすぎませんので、直ちに会社の懲戒事由に該当するわけではありません。

もっとも、会社の信用や社会的評価を著しく毀損したような場合には、たとえ業務外での行いであっても、懲戒の対象となることがあります。

特に、実名報道や社名を伴った報道などで犯行が広く周知されたような場合には、会社の看板に傷を付けることにもなりかねませんので、事案によっては解雇のような厳しい処分を受けることがあるのです。

逮捕が会社に知られるかについては、こちらの解説をご参照ください。

 

刑事罰を受ける

起訴されて有罪判決を受け、執行猶予も付かなかった場合、刑事罰を科されることになります。

懲役や禁錮の判決であれば宣告された期間刑務所に服役することになりますし、罰金刑によって金銭の支払いを命じられることになります。

 

被害者から損害賠償を請求される

夫の犯した犯罪が被害者のいる犯罪の場合、刑事罰を科される以外に、被害者から損害賠償を請求される可能性もあります。

暴行や傷害であれば治療費や慰謝料を請求されることが考えられますし、器物損壊であれば物損を弁償する責任が生じるのです。

これらは民事上の賠償責任であって、刑事罰とは別の問題です。

そのため、罰金と損害賠償のように、二重の経済的負担が発生することもあるのです。

刑事事件の加害者に対する損害賠償請求についての詳細は、こちらをご覧ください。

 

前科がつくと再就職にも影響する

逮捕・起訴によって有罪判決が出ると、前科が付き、再就職にも影響するおそれがあります。

すなわち、履歴書には賞罰欄があります。

また、面接のときに前科の有無について質問されることもあります。

前科を隠して入社した場合、経歴詐称として解雇される可能性があるのです。

たとえ前科があっても社会を構成する一員として生活する以上、なんらかの職に就く必要がある一方、会社には採用の自由があります。

求人に対して複数の応募者がいる中で、あえて前科のあることが判明している人物を採用するかというと、消極的になるのもやむを得ない面があるといえます。

前科についての詳しい解説は、こちらをご覧ください。

 

生活費が途絶えることで生活が困窮する

夫が逮捕されることによって生活費が途絶え、生活が困窮するというリスクがあります。

逮捕や勾留された場合は当然その期間は就労することができませんし、万が一解雇されると、完全に収入が途絶えてしまいます。

にもかかわらず、罰金や損害賠償などで経済的に重い負担が発生する可能性があり、場合によっては生活が困窮することも予想されます。

夫の逮捕は経済的にさまざまな負担を発生させる可能性があり、生活に大きな影響を与えるおそれがあるのです。

 

世間体が悪くなる

以上のような経済的なダメージのほか、親戚関係や近所づきあいなどの世間体に対する悪影響も心配されます。

報道された場合をはじめ、悪い噂が出回るのは早く、たとえ会社を解雇されなかったとしても、職場や地域に居づらくなって転職や転居を余儀なくされるということもあり得ます。

経済的な面以外の意味においても、従来どおりの生活を維持できなくなる可能性がある点も、夫が逮捕されることのリスクといえるでしょう。

 

 

夫が逮捕されたときのポイント

早い段階で刑事事件に強い弁護士に相談する

夫が逮捕された場合、可能な限り早い段階で弁護士に相談することが重要です。

逮捕の流れで解説したとおり、逮捕後には、勾留されるか、起訴されるか、どのような判決となるか、という大きなポイントがあります。

このような手続きの流れの中で、弁護士としては依頼が早ければ早いほど、弁護活動の幅が広がってきます。

たとえば、依頼を受けたのが起訴前であれば不起訴獲得のための弁護活動が行える一方、起訴後であればその余地はなくなってしまいます。

起訴後の判決では有罪率が99パーセントを超えるのに対して、不起訴処分となれば裁判自体が行われないため、当然有罪判決を受けることはありません。

このため、捜査段階での弁護活動では不起訴処分の獲得を目指すことが重要となってきます。

刑事事件において迅速かつ適切な弁護を受けるためには、刑事事件に強い弁護士に相談することが大切です。

刑事事件における弁護士選びの重要性については、こちらをご覧ください。

 

被害者がいれば示談をする

夫の犯した犯罪が被害者のいるものである場合、被害者と示談することも重要です。

示談とは、被害者に対して示談金を支払うなどして謝罪し、許しを得ることをいいます。

示談は被害者から許しを得ることによって成立するため、談が成立すると、被害届けが取り下げられたりするなどして、処分が寛大な方向へ向かうのが通常です。

起訴前であれば不起訴処分となる確率が高まりますし、仮に起訴されたとしても、執行猶予付きの判決となる可能性が見込めます。

このため、犯罪に被害者がいる場合は、示談の成否が弁護活動におけるひとつのキーポイントになってくるのです。

被害者との示談をスムーズに進めるためにも、弁護士選びの際は刑事事件に強い弁護士に依頼することが大切です。

刑事事件での示談交渉についての詳しい解説は、こちらをご覧ください。

 

無実であれば徹底的に戦う

夫が逮捕された場合、無罪を主張しているケースもあります。

そのような場合は、徹底的に戦うことになります。

事件が起訴された場合の有罪率は99.9パーセントですので、厳しい戦いになることは覚悟する必要はありますが、稀な確率とはいえ無罪判決が出ないというわけでもありませんので、言い分を徹底的に主張することになります。

また、起訴前の捜査段階であれば、夫の主張を法的に整理した上で、有罪立証が困難であることを検察官に説明して起訴を断念させるといった弁護活動も視野に入ってきます。

刑事事件で無実を証明することの詳細については、こちらをご覧ください。

 

夫との離婚を考えるときは離婚にくわしい弁護士に相談する

夫が逮捕されたとなると、もはやパートナーとして共に生きていくことは困難だと考えられる方もいらっしゃるかもしれません。

そのような場合は、刑事事件としての弁護ではなく離婚事件として弁護士に相談することになります。

離婚に当たっては、慰謝料や養育費など、できるだけ有利な条件で離婚を成立させたいと考えるのが通常です。

少しでも有利な条件で離婚を成立させるためには、離婚にくわしい弁護士に相談することをおすすめします。

離婚問題における弁護士選びの重要性については、こちらをご覧ください。

 

 

夫の逮捕についてのQ&A

夫が家に帰れるのはいつ?

夫が家にいつ帰れるかは、その後の捜査状況によって変わってきます。

最短であれば、逮捕されたものの勾留はされなかったというケースで、逮捕後72時間以内に釈放されることになります。

一方、勾留されそのまま起訴までされたような場合ですと、保釈請求が認められない限り判決が出るまで拘束が続きますので、帰宅が2ヶ月以上先になることもあります。

家族が面会できるのはいつから?

逮捕後72時間以内は家族であっても面会できないのが一般的であり、家族が面会できるのは勾留されて以降となります。

ただし、家族を通じて証拠隠滅のおそれがある場合などには、「接見禁止」といって、面会を禁じる処置が執られることがあります。

接見禁止で家族との面会も禁止された場合、面会は弁護士に依頼することになります。

 

 

まとめ

この記事では、夫が逮捕された場合の妻が取るべき行動や、逮捕後の流れ、逮捕のリスクや弁護士選びの重要性について解説しました。

記事の要点は次のとおりです。

・夫が逮捕された場合、弁護士に早期の面会を依頼することが重要である。

・逮捕の後の手続きでは、勾留されるのか、起訴されるのか、どのような判決となるのかという3点が重要なポイントとなる。

・夫の逮捕には、解雇や損害賠償による経済的なリスクがあるほか、経済的な面以外でも生活への影響が懸念される。

・被害者がいる事件では、被害者と示談することが重要な意味を持つ。

・夫が逮捕された場合、刑事事件にくわしい弁護士に弁護を依頼することが重要である。

当事務所は、刑事事件のご相談の予約に24時間対応しており、LINEなどのオンライン相談を活用することで、全国対応も可能となっています。

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