戸籍抄本をコンビニで取得できる?やり方や手数料のまとめ


弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

戸籍抄本はコンビニで取得できる場合があります。

この記事では、戸籍抄本をコンビニで取得できる場合や、取得のやり方、取得の手数料などについて、弁護士がわかりやすく解説します。

戸籍抄本とは

戸籍とは?

戸籍とは、日本国籍をもつ人(日本人)が生まれてから亡くなるまでの身分関係(出生、婚姻、離婚、認知、氏の変更などの個人の身分の変動のことです。)を登録した記録のことをいいます。

基本的に、ひとつの戸籍は一組の夫婦と未婚の子どもで構成されています。

 

戸籍抄本とは?

「抄本(しょうほん)」とは、「一部分の写し」という意味です。

戸籍抄本(こせきしょうほん)とは、ある戸籍に入っている一部の人に関する内容のみを記載した書類(戸籍の一部分の写し)のことです。

例えば、夫婦と長男・長女の4人が記録されている戸籍がある場合、長男と長女に関する戸籍の内容のみが記載されているものは「戸籍抄本」にあたります。

 

戸籍抄本の正式名称は「戸籍個人事項証明書」

戸籍抄本の正式名称は「戸籍個人事項証明書」です。

以前は戸籍が紙で管理されており、紙の戸籍に記録された一部の人の内容を証明する書類(戸籍の一部の写し)の正式名称は「戸籍抄本」でした。

現在では戸籍の管理は電子化(コンピュータ化)されており、これにともなって、戸籍の一部の写しの正式名称は「戸籍個人事項証明書」に変わりました。

名称は変わりましたが、戸籍抄本と戸籍個人事項証明書に記載されている内容は基本的に同じです。

現在でも「戸籍個人事項証明書」は「戸籍抄本」と呼ばれることが多いため、この記事では「戸籍抄本」と呼びます。

 

 

戸籍抄本をコンビニで取得できるの?

次の3つの条件をすべて満たす場合には、戸籍抄本をコンビニで取得することができます(コンビニ交付)。

  1. (1) マイナンバーカード(個人番号カード)を持っていること
  2. (2) 本籍地の市区町村が戸籍抄本のコンビニ交付に対応していること
  3. (3) コンビニの店舗が戸籍抄本のコンビニ交付に対応している(コンビニに設置されたマルチコピー機がコンビニ交付に対応している)こと

どれかひとつでも条件を満たさない場合、戸籍抄本をコンビニで取得することはできません。

 

本籍地以外のコンビニでは戸籍抄本を取得できない?

戸籍は本籍地の市区町村の役場で保管・管理されているため、戸籍抄本を取得したい場合には、本籍地の市区町村から取得する必要があります。

戸籍抄本のコンビニ交付を利用する場合には、事前に利用登録申請をすることによって、本籍地以外のコンビニからも戸籍抄本を取得することができます(ただし、前提として上で説明した3つの条件を満たしていることが必要です)。

 

 

戸籍抄本を取得できるコンビニ一覧

戸籍抄本の取得できるコンビニとは?

戸籍抄本はすべてのコンビニで取得できるわけではなく、コンビニの店舗が戸籍抄本のコンビニ交付に対応していることが必要です。

戸籍抄本のコンビニ交付に対応している店舗とは、マルチコピー機(キオスク端末)が設置されているコンビニです。

 

セブンイレブン

戸籍抄本を取得できるセブンイレブンの店舗

戸籍抄本を取得できるセブンイレブンの店舗(マルチコピー機が設置されている店舗)は、「店舗検索」ページで調べることができます。

参考:店舗検索ページ

※ 取扱商品・サービスの絞り込み機能の「マルチコピー機」にチェックを入れて、店舗のある地域を絞り込みます。

 

ローソン

戸籍抄本を取得できるローソンの店舗

戸籍抄本を取得できるローソンの店舗(マルチコピー機が設置されている店舗)は、「店舗案内」ページで調べることができます。

参考:店舗案内ページ

※検索条件の「マルチコピー機」にチェックを入れて、地図から店舗の範囲を絞り込みます。

 

ファミマ

戸籍抄本を取得できるファミマの店舗

戸籍抄本を取得できるファミマの店舗(マルチコピー機が設置されている店舗)は、「店舗検索」ページで調べることができます。

引用元:店舗検索ページ

※「設備・取り扱いサービス」の「マルチコピー機」にチェックを入れて、店舗のある都道府県・市区町村を選択します。

 

その他

セブンイレブン、ファミマ、ローソン以外のコンビニのほか、一部のスーパーマーケットやドラッグストアでも、コンビニ交付に対応しているマルチコピー機が設置されていることがあります。

コンビニ交付に対応している(戸籍抄本を取得できる)店舗は、こちらのページでご確認いただけます。

参考:利用できる店舗情報|コンビニエンスストア等における証明書等の自動交付

 

 

戸籍抄本をコンビニで取得するために必要なもの

戸籍抄本をコンビニで取得するために必要なものは、基本的にマイナンバーカードのみです。

マイナンバーの通知カード(顔写真のついていない紙製のカード)では手続きをすることができませんので、ご注意ください。

なお、市区町村によっては、住民基本台帳カード(住基カード)でコンビニ交付を利用できる場合があります。

もっとも、対応している市区町村は非常に少なく、今後も減少が予想されることから、戸籍抄本のコンビニ交付を利用したい場合にはマイナンバーカードの取得をご検討ください。

マイナンバーカードの取得方法に関する詳細は「マイナンバーカード総合サイト」をご確認ください。

参考:マイナンバーカード総合サイト

 

 

コンビニで戸籍抄本を取得するやり方

コンビニで戸籍抄本を取得するやり方は、本籍地の市区町村に住所があるかどうかで変わります。

本籍地の市区町村に住所がある場合

本籍地の市区町村に住所がある場合には、コンビニ交付の条件を満たしていればすぐに戸籍抄本を取得することができます。

具体的には、次の手順で取得します。

①本籍地の市区町村がコンビニ交付に対応しているかを確認する

各市区町村がコンビニ交付に対応しているかどうかを、次のサイトで確認します。

参考:利用できる市区町村|コンビニエンスストア等における証明書等の自動交付

本籍地(住所)のある市区町村を選択すると、各市区町村の対応状況の詳細が表示されます。

各市区町村について表示される項目のうち「取得可能な証明書」の欄を確認します。

この欄の「戸籍」に丸印(「◯」)が付いている場合、その市区町村は戸籍抄本のコンビニ交付に対応しています。

②コンビニ交付に対応しているコンビニの店舗を探す

コンビニ交付に対応している(マルチコピー機が設置されている)コンビニの店舗の探し方は、「戸籍抄本を取得できるコンビニ一覧」のところで説明したとおりです。

③コンビニで戸籍抄本を取得する

マルチコピー機の設置されているコンビニの店舗へ行って、戸籍抄本を取得します。

具体的なマルチコピー機の操作方法は次のとおりです。

  1. (1) 「行政メニュー」→「証明書交付サービス」の順でメニューを選択します。
  2. (2) マイナンバーカードまたは住基カードの読み取りをします。
  3. (3) 必要な証明書の選択をします。
    ※本籍地の市区町村に住所がある場合には、必ず「お住まいの市区町村の証明書」を選択します。
  4. (4) マイナンバーカードの暗証番号(マイナンバーカードの交付手続きの際に設定した4桁の数字)を入力します(本人確認)。
  5. (5) マイナンバーカードを取り外します。
  6. (6) コンビニで取得できる証明書の一覧が表示されますので、「戸籍証明書」(※)を選択し、必要部数を入力します。
    ※「戸籍証明書」には戸籍謄本や戸籍抄本が含まれます。
  7. (7) 画面に表示される発行内容を確認して確定します。
  8. (8) 料金を支払います。
  9. (9)戸籍抄本(戸籍証明書)が印刷されます。

 

本籍地の市区町村に住所がない場合

本籍地の市区町村に住所がない場合には、事前にコンビニ交付の利用登録をする必要があります(下記②・③のプロセスが必要)。

①本籍地の市区町村がコンビニ交付に対応しているかを確認する

確認の方法は「本籍地の市区町村に住所がある場合」のところで説明したとおりです。

参考:利用できる市区町村|コンビニエンスストア等における証明書等の自動交付

② コンビニ交付に対応している店舗を探す

コンビニ交付に対応している(マルチコピー機が設置されている)コンビニの店舗の探し方は、「戸籍抄本を取得できるコンビニ一覧」のところで説明したとおりです。

③ コンビニ交付の利用登録申請をする

コンビニ交付の利用登録申請をする方法として、(a)コンビニ等のマルチコピー機で申請する方法と (b)インターネット端末から申請する方法の2つがあります。

この記事では、(a) コンビニのマルチコピー機で申請する方法をメインに解説します。

コンビニ等のマルチコピー機で申請する方法
  1. (1) コンビニ交付に対応しているコンビニ(マルチコピー機が設置されているコンビニへ行き、マルチコピー機のメニューを「行政メニュー」→「証明書の交付」→「利用登録申請」の順に選択します。
  2. (2) 本籍地を入力します。
  3. (3) 戸籍筆頭者の氏名を入力します。
  4. (4) 連絡先の電話番号、生年月日、マイナンバーカードに記載されている有効期限(西暦の4桁)を入力します。
  5. (5) マイナンバーカードに記載されているセキュリティコード(マイナンバーカードの顔写真の下に記載されている4桁の数字)を入力します。
  6. (6) マイナンバーカードをセットして暗証番号を入力します。
  7. (7) マイナンバーカードを取り外します。
  8. (8) 申請内容を確認して確定します。
  9. (9) 申請番号が表示されますので、申請番号をメモするか、マルチコピー機で印刷します(印刷は有料)。
インターネット端末から申請する方法

インターネット端末(ICカードリーダーを装備したパソコン)から申請を行う方法です。

この方法による場合には、事前にICカードリーダーを購入して自宅のパソコンに接続した上で、 戸籍証明書交付の登録申請サイトの利用登録申請画面から手続きを行います。

参考:戸籍証明書交付の利用登録申請

④ 利用登録の完了を確認する

以下の手順でコンビニ交付の利用登録が完了しているかどうかを確認します。

(1) 戸籍証明書交付の登録申請サイトの利用登録状況確認画面へアクセスします。

引用元:戸籍証明書交付の利用登録申請

(2) 利用登録申請の完了時に表示された申請番号(利用申請時にメモまたは印刷したもの)を入力し、「登録状況確認」をクリックします。

(3) 登録が完了している場合には、「利用登録完了」と表示されます。

⑤ コンビニで戸籍抄本を取得する

コンビニ交付に対応しているコンビニの店舗へ行ってマルチコピー機を操作します。

操作方法は、基本的に本籍地の市区町村に住所がある場合と同じです。

ただし、本籍地の市区町村に住所がない場合には、必要な証明書を選択する際に「お住まいの市区町村と本籍地が異なる方の戸籍関連証明書」を選択(※機種によって表示は異なる場合があります。)する必要がありますます。

 

 

戸籍抄本をコンビニで取得可能な時間は?

戸籍抄本をコンビニで取得できる時間帯は、原則として、年末年始を除く毎日6:30〜23:00の間です。

※本籍地の市区町村によって利用時間は異なる場合があります。

詳細は以下のウェブサイトから本籍地の市区町村を検索し、「提供時間に関する備考」欄をご確認ください。

参考:利用できる市区町村|コンビニエンスストア等における証明書等の自動交付

 

 

戸籍抄本をコンビニで取得する料金

戸籍抄本をコンビニで取得する場合の料金は、各市区町村によって異なります。

多くの市区町村では300円〜400円の間で設定されており、窓口で取得する場合(全国一律450円)よりも安く設定されているケースが多いようです。

 

 

戸籍抄本とコンビニについてのQ&A

戸籍抄本をコンビニで取れないのはなぜ?



戸籍抄本をコンビニで取れない場合には、次のような原因が考えられます。
(1) マイナンバーカード(個人番号カード)の状態
  • マイナンバーカードの外部や内部が壊れている
  • マルチコピー機のカード置き場にマイナンバーカードがきちんと置かれておらず、カードの読み取りができない
(2) 本籍地の市区町村の対応状況
  • 本籍地の市区町村が戸籍抄本のコンビニ交付に対応していない
  • 本籍地の市区町村のサービス提供時間外である
(3) コンビニの店舗・マルチコピー機の状況
  • コンビニの店舗に設置されているコピー機がコンビニ交付に対応していない
  • マルチコピー機のメンテナンス中である・故障している
(4) 操作方法等の問題
  • コンビニ交付の利用登録申請を行っていない・利用登録が完了していない(本籍地の市区町村に住所がない場合)
  • マルチコピー機のメニュー選択を誤っている(例:戸籍謄本の交付を受けるのに「戸籍証明書交付の利用登録申請」を選択している、本籍地の市区町村に住所があるのに「他市区町村の証明書(お住まいの市区町村以外の証明書)」を選択している)

 

戸籍抄本をコンビニで取得する時間はどのくらいかかる?


マルチコピー機で戸籍抄本を取得する時間は5〜10分程度、コンビニ交付の利用登録申請にかかる時間は、およそ5日程度です。

 

マルチコピー機で戸籍抄本を取得する時間

戸籍抄本を取得するための準備がすべて整っている場合(本籍地の市区町村に住所がない場合には利用登録申請を済ませている状態)、コンビニのマルチコピー機を操作してから戸籍抄本1通(1枚)の取得(印刷の完了)までにかかる時間は、5分〜10分程度です。

※取得する戸籍抄本の通数や1通あたりの枚数が増えると、より多くの時間がかかります。

利用登録申請にかかる時間

本籍地の市区町村に住所がない場合、コンビニ交付の利用登録申請にかかる時間(利用登録申請を行ってから登録完了までにかかる時間)は、およそ5日程度です。

マイナンバーカードの取得にかかる時間

マイナンバーカードを持っていない場合、マイナンバーの取得にかかる時間(マイナンバーカードの申請を行ってから交付までにかかる時間)の目安は、およそ1ヶ月半〜2ヶ月程度です。

 

 

まとめ

  • 戸籍抄本とは、戸籍に入っている一部の人に関する内容を証明するための書類(戸籍の一部分の写し)のことです。
  • マイナンバーカード(個人番号カード)を持っており、本籍地の市区町村が戸籍抄本のコンビニ交付に対応している場合には、マルチコピー機(キオスク端末)の設置されているコンビニの店舗で戸籍抄本を取得することができます(コンビニ交付)。
  • 戸籍抄本のコンビニ交付のやり方は、本籍地の市区町村に住所があるかどうかで異なります。
    本籍地の市区町村に住所がない場合には、事前にコンビニ交付の利用登録(申請から登録完了までには5日程度かかります。)を済ませる必要があります。
  • 利用登録等の事前の準備が済んでいる場合、戸籍抄本のコンビニ交付にかかる時間は5分〜10分程度です。
  • コンビニ交付を利用する場合、基本的には年末年始を除く毎日6:30〜23:00の時間帯で戸籍抄本を取得することができることから、戸籍抄本をたびたび取得する必要がある方にとっては便利な仕組みであるといえるでしょう。

 

 


[ 相続Q&A一覧に戻る ]

なぜ遺産相続のトラブルは弁護士に依頼すべき?

続きを読む

まずはご相談ください
初回相談無料