破産の管財事件において予納金はいくら必要?

福岡の裁判所における予納金基準について

破産するためには弁護士費用等の一定の金銭が必要となります。

また、管財事件においては、弁護士費用のほかに、裁判所に「予納金」を納める必要があります。

さらに、破産申立てに関与する弁護士は、管財事件になることが予想される案件(※)については、予想される管財費用を弁護士預り金として準備した上で申立てを行うように、裁判所から指導されています(破産レター(4))。

※管財事件になる場合の基準についてはこちらをご覧ください。

そのため、予納金の額がいくらになるかは、破産を検討する上でとても重要です。

この予納金について、弁護士等の申立人代理人が予想を立てることができるように、各裁判所が一定の基準を設けています。

下記は、福岡地裁の破産係が示している予納金の基準です。

福岡の裁判所へ申立てを検討されている方はご参考にされてください。

【管財事件における予納金基準について】

第1 自己(準自己を含む)破産申立事件の予納金

    1. 原則的な基準額
      申立時の手持現金の全額とする。

 

    1. 管財事件とすべき事件を申立時の債権者数に応じて、次の(1)ないし(3)に分類し、1の額が当該分類に規定されている基準額を下回る場合においても、当該分類に規定されている基準額とする。
      1. 債権者数50名未満の管財事件
        基準額20万円
        ただし、官報公告料は別途納付させる。
      2. 債権者数50名以上200名未満の事件
        基準額50万円
      3. 債権者数200名以上の事件
        基準額150万円

 

    1. 次の事由が予測される場合の基準額は、必要に応じ、2に定める額を適宜増額することができる。
      1. 否認権訴訟等で費用・労力を要することが予測されるような場合
      2. 売却すべき不動産が多数ある場合
      3. 売掛金の回収先が多数あり、又は回収作業が困難である場合
      4. 什器備品や車両等、売却すべき高価な動産が多数ある場合
      5. 遠隔地に支店や不動産が存在する場合
      6. 仕掛品の処理や原状回復費用の支出が至急必要な場合
      7. その他管財業務として特に労力を要する可能性が予測される場合

 

    1. 相互に関連性がある複数の事件について、同一の破産管財人を選任する場合等、上記1ないし3の基準によることが相当でないと認められる事件においては、個別事情を勘案の上、各事件について上記1ないし3と異なる予納金額を定めることができる。

 

  1. 上記1ないし4については、弁護士代理人申立事件において、破産手続開始決定前に、必要と見込まれる官報公告料のみを予納させ、その余の現金については代理人である弁護士が破産手続開始決定後に、直接破産管財人の寄託金口座に振り込む方法により納付することを妨げない。

第2 債権者申立事件の予納金

基準額は、債務者が法人の場合200万円、債務者が自然人の場合150万円を目安とし、事案の内容に応じて検討する。

第3 免責申立てに関する予納金

    1. 自己破産申立ての場合は不要とする。

 

  1. 債権者申立ての場合の基準額は5万円とする。

第4 破産債権の特別調査に関する予納金

4000円
ただし、官報公告の方法を選択した場合の官報公告料は、別途納付させる。

裁判所以上が福岡地方裁判所が示している予納金についての基準となります。

上記基準から、どんなに手持ちの現金がなくても、最低でも予納金は20万円が必要ということになります。

そのため、ご覧になられている方の中には、「予納金を納めることが難しいため破産は無理」と感じられる方もいらっしゃるかと思います。

しかし、予納金については、弁護士の関与のもと、積立てを検討する、なるべく少額で済むように裁判所にかけあってもらう、などの対応も考えられます。

また、裁判所によって、予納金基準が異なる可能性もあります。

まずは破産問題にくわしい、地元の弁護士にご相談されることをお勧めします。

 

 


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