
ご依頼者様 | Iさん |
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性別 | 女性 | ご年齢 | 30代 |
お住まいの地域 | 福岡県 |
※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
ご依頼時のご状況を教えてください
私が弁護士の先生に初めて相談したのは、もう数年前のことになります。
当時、私は多重債務に苦しんでいました。
最初は生活費が不足したことがきっかけで借金をするようになりました。
当初は、自分の収入の範囲内で無理なく返済できるだろうと考えていました。
しかし、数年借りては返しての生活を続けていても借金は減ることはありませでした。
生活状況の変化や、当時の仕事を退職したことにより、傷病手当を受け取りながらの生活になりました。
傷病手当では借金を返す余力もなく、いつの間にか借金は雪だるま式に膨れ上がり、気がつけば月々の返済すらままならない状態に陥っていました。
毎日は不安と後悔の念でいっぱいで、夜もほとんど眠れない日々が続いていました。
心は常に重く、未来に対する希望を失いかけていました。
この苦しみを誰にも打ち明けられず、家族にも友人にも相談できず、私は一人で全てを抱え込んでいました。
そんな絶望的な状況の中で、法律事務所の扉を叩くことは、私にとって計り知れないほどの勇気を要する行動でした。
正直なところ、初めて相談の電話をかけるときも、胸が張り裂けそうなほどの恐怖を感じていました。
「弁護士の先生に怒られるんじゃないか」「こんな情けない自分は見捨てられてしまうんじゃないか」といったネガティブな考えが頭の中を駆け巡り、体が震えるほどでした。
しかし、このままでは本当に立ち行かなくなるという切迫感が、私をその一歩へと突き動かしました。
ご依頼のきっかけを教えてください。
実際に事務所にお伺いした時には、想像していた法律事務所のイメージとは全く違って、その入りやすい雰囲気にまず驚きました。
もっと重苦しく、近寄りがたい場所だと思っていたのですが、清潔で落ち着いた空間が広がっていたのです。
さらに、対応してくださった先生が、私の想像をはるかに超えて非常に話しやすかったことに、二重の驚きを感じました。
まず、私の話を遮ることなく、じっくりと耳を傾けてくださったことに安心感を覚えました。
込み入った状況を説明するのは簡単ではありませんでしたが、先生は「それはどういうことですか?」「もう少し詳しく教えていただけますか?」と、私が言葉に詰まっても根気強く質問を投げかけてくださいました。
そのおかげで、自分でも整理できていなかった状況や感情を、一つひとつ言葉にして伝えることができました。
専門用語を並べ立てるのではなく、私が理解できるように平易な言葉で説明してくれたことも、非常に助かりました。
法律に関する知識がない私にも、今後の手続きの流れや、それぞれの選択肢のメリット・デメリットを丁寧に解説してくださったので、「今、何が起きているのか」「次に何をすべきなのか」が明確に分かり、漠然とした不安が解消されていきました。
そして何よりも、私の抱えている問題に対して、決して批判的な態度を取らず、常に寄り添う姿勢で接してくださったことが、私にとって大きな心の支えとなりました。
「こんなこと相談してもいいのだろうか」といった躊躇が一切なく、安心して胸の内を明かすことができました。
そんな先生の温かい対応や、事務所の雰囲気で、ここに依頼をしようと決めました。
実際の弁護士の対応はいかがでしたか?
当初、先生は私の状況を鑑み、「任意整理」という方法で借金問題を解決していく方向で進めてくださいました。
これは、裁判所を通さずに、弁護士が債権者と直接交渉し、利息のカットや返済期間の延長などを求める手続きです。
私にとっては申し訳なくもあり、怖くもある各債権者との粘り強い交渉を先生が続けてくださいました。
そして、ついに和解が成立したとき、私は心底ほっとしました。
「これでやっと、やり直せる」「自分の力で、この借金を返していける」と思っていました。
長年私の心に重くのしかかっていた借金の重圧から解放され、本当に救われた気持ちでした。
未来が再び開けたような、そんな感覚でした。
しかし、人生はそう簡単に思い通りにはいきません。
新たな生活が始まった矢先、職場でのハラスメントにより、休職を余儀なくされ、私の生活は再び不安定な状況に陥りました。
任意整理で合意した分割の支払いが、再び苦しくなり始めたのです。
支払いが遅れ始めた頃から、自分の中で「もう一度、現実をしっかりと見つめ直す必要がある」と強く感じていました。
再び、勇気を出して先生に相談させていただきました。
前回の経験があったため、以前のような恐怖心は薄れていましたが、それでも「また迷惑をかけてしまうのではないか」という申し訳なさはありました。
先生は、私の話を根気強く聞いてくださった上で、「破産」という選択肢について、非常に丁寧に、そして詳細に説明してくださいました。
破産の手続きについて、「生活を再建させるための、法的に認められた制度」なのだと、力強く、そして真剣な眼差しで語ってくださったのです。
この言葉を聞いたとき、私の心に深くのしかかっていた重い蓋が、少しだけ開いたような気がしました。
先生は、破産が個人の努力不足や怠慢の結果ではなく、予期せぬ事情や経済状況の変化によって誰にでも起こりうる現実であると、非常に理解のある姿勢で説明してくださいました。
そのおかげで、「自分だけが特別なのではないか」という孤立感が薄れ、精神的に大きな救いを感じることができました。
破産手続きの申立てから、裁判所による免責決定に至るまでの過程は、正直なところ、不安がないわけではありませんでした。
しかし、先生との万全の打ち合わせや的確なサポートがあったおかげで、手続きは驚くほどスムーズに、そして滞りなく進めることができました。
打ち合わせで何度か事務所をお伺いすることがありましたが、ドラマなどで出てくるような重苦しい雰囲気の事務所ではなく、事務所にお伺いすることに対して気が重いということは全くありませんでした。
提出しなければならない書類の準備は膨大で、また裁判所との複雑なやり取りなど、本来であれば私にとっては非常に面倒で、そして精神的に負担の大きい作業が多かったはずです。
しかし、先生が一つひとつ丁寧に対応してくださり、細部にわたるまで的確な指示とサポートをしてくれたことで、私は安心して全てをお任せすることができました。
そして、ついに免責が決定したとき、私は心の底から安堵しました。長きにわたる苦しみから解放され、文字通り肩の荷が下りたような感覚でした。
そして何よりも、この免責決定が「これで終わり」ではなく、「ここからが真の再出発だ」と、心から前向きに思えるようになりました。
私にとって、この借金問題は、単なる金銭的な問題ではありませんでした。
借金に苦しむ中で、私は自分の価値を疑い、人間関係にも自信を失い、生きることそのものが苦しいと感じるほどでした。
そんな絶望の淵にいた私に、先生は法的な解決策を提供するだけでなく、精神的にも深く寄り添い、支え続けてくださいました。
その温かい心遣いには、本当に感謝の言葉しか見つかりません。
今後は、堅実な生活を送り、二度と同じ過ちを繰り返さないよう、心に深く誓っています。
この経験を通して、お金の管理の重要性、そして困難に直面した時に助けを求める勇気の尊さを痛感しました。
もしあの時、弁護士の先生に出会えていなければ、私は今でも債務の重圧に押し潰され、身動きが取れない状態だったと思います。
自己破産という言葉に対して、偏見とネガティブなイメージしか持っていなかった私にとって、それが人生を救うための尊い制度であることを教えてくださったこと、心から感謝いたします。
本当にありがとうございました。