不起訴処分とは?弁護士が分かりやすく解説!

弁護士法人デイライト法律事務所 弁護士  保有資格 / 弁護士・3級ファイナンシャルプランナー

不起訴処分とは

刑事事件が発生すれば、捜査機関は真相解明のために捜査を行います。

捜査の結果、検察官は、刑事事件を起こしたと疑われている者(「被疑者(ひぎしゃ)」といいます)について、裁判所に有罪判決を求めて訴えを起こすかどうか、すなわち「起訴」するかどうかを決定します。

反対に、「不起訴処分」とは、起訴をしないこと、すなわち、検察官が裁判所に対し訴えを起こさないと決定したことを指します。

不起訴処分となった場合は、捜査機関による捜査がそこで終了となり、裁判を受けることもなくなります。

つまり、逮捕・勾留されている場合は、不起訴処分となった時点で釈放され、前科がつくこともなく、普段どおりの生活に戻ることができます。

起訴・不起訴の流れ

 

 

不起訴処分と無罪はどう違うの?

不起訴処分と無罪判決の共通点・相違点を表にすると、以下のようになります。

不起訴処分 無罪判決
共通点 前科がつかないが、前歴は残る
相違点 ・刑事裁判自体が開かれない
・罪を犯したことが明らかな場合でも不起訴となる可能性あり
・刑事裁判の中で言い渡される
・罪を犯した事実がないか、証拠上認定できない場合にのみ言い渡される

 

罪を犯していても「不起訴処分」となる可能性

「不起訴処分」と「無罪」は、似たような言葉にも思えますが、異なる点も数多くあります。

両方とも、「前歴は残ってしまうが、前科はつかない」という点では同じですが、不起訴処分は刑事裁判を行う前に検察官により決定されます。

すなわち、不起訴処分となった場合、そもそも刑事裁判自体が開かれないということになります。

後述のとおり、「不起訴処分」は実際に犯罪行為を行なってしまい、そのことが証拠上明らかである場合でもなされる可能性があります。

これに対し、「無罪」は、検察官が刑事裁判を行うことを裁判所に請求した後、裁判において言い渡される「判決」の一つです。

刑事裁判の被告人が犯罪行為を行なったという事実がないことが明らかであるか、もしくは検察官が提出した証拠からは被告人が犯罪行為を行なったことを認定できないと裁判所が判断した場合に、裁判所によって無罪判決が言い渡されるのです。

 

不起訴になると前科はつかないが前歴は消えない!

上記のとおり、不起訴処分となった場合、刑事裁判は行われません。

そのため、刑事裁判において有罪判決を受けた記録である「前科」はつかないということになります。

しかし、捜査機関による捜査の対象となった記録である「前歴」は残ります。

警察に発覚していない場合は、そもそも捜査の対象ともなっていないため、前歴も一切残りませんが、警察から連絡を受け、取調べなどを受けた時点で、捜査の対象となっており、前歴が残ってしまうのです。

前歴は、日常生活を送っていく上で具体的なデメリットはほとんどありません。

他方、前科がついてしまうと、刑罰の内容や職業によっては、資格を制限されてしまう可能性があります。

罪を犯してしまい、捜査機関から取調べを受けることとなってしまったものの、前科がつくことだけは避けたいとお考えの場合は、不起訴に向けた活動を行うことが必要不可欠といえます。

 

 

不起訴処分の種類

実務上、不起訴処分は、「証拠上、犯罪事実を認定できないとき」か、「起訴を猶予すべきとき」になされることが多いといえます。

不起訴処分の種類

「証拠上、犯罪事実を認定できないとき」

「証拠上、犯罪事実を認定できないとき」といえる1つ目のパターンは、被疑者が犯罪行為を行なった者でないことが明らかであるときです。

「嫌疑なし」と表現されますが、具体的には、真犯人が逮捕されたときなどがこれにあたります。

もう1つのパターンは、被疑者が犯罪行為を行なったものであることを認定する証拠が十分ではないときです。

「嫌疑不十分」と表現されますが、具体的には、真犯人は出てきていないものの、犯行当時のアリバイがあり、被疑者が犯人ではない可能性を排除できないときなどがこれにあたります。

 

「起訴を猶予すべきとき」

実務上、最も不起訴となることが多いケースは、「起訴を猶予すべきとき」であると考えられます。

刑事訴訟法248条によれば、罪を犯したことが強く疑われ、それを証明する証拠が揃っている場合であっても、「訴追を必要としないとき」には、検察官は起訴を猶予することができます。

第二百四十八条
犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。

引用元:刑事訴訟法 | e-Gov法令検索

具体的には、被害の程度が軽微であるときや、示談が成立しており、被害者が刑事処罰を求めていないときなどがこれにあたります。

起訴猶予処分とするための考慮要素

  • 犯人の性格、年齢、境遇
  • 犯罪の軽重及び情状
  • 犯罪後の情況(示談の有無など)

 

不起訴処分を得るには

嫌疑なし、嫌疑不十分の場合

自身に何の心当たりもないにもかかわらず、犯罪行為を行なったとの疑いがかけられてしまった場合は、無実であることを主張し、嫌疑なしか、少なくとも嫌疑不十分での不起訴処分を狙っていくことになるでしょう。

この場合は、犯罪が起きた当時の自身のアリバイを示すなどして、事件との関わりがないこと、無実であることを示していく必要があります。

一度犯罪の嫌疑がかかってしまった以上、警察などによる捜査の対象となりますので、警察署や検察庁から呼び出しを受け、供述調書を作成することになります。

このとき、警察官によって作成される供述調書に、自身にとって不利なことが書かれないよう、細心の注意を払っておかなければなりません。

取調べを受けることが決まった場合、刑事事件に強い弁護士を選任しておくことで、取調べにどう対応していくべきかについてきめの細かいアドバイスを受けることができ、自身に不利な事実を認める供述調書を作成されるリスクを最小限にとどめることができるかもしれません。

正式に弁護人として依頼するかどうかはともかく、相談だけでも早期に行っておくべきといえます。

無実を証明し、県議なし・嫌疑不十分での不起訴処分を勝ち取りたいとお考えの方は、こちらをご覧ください。

 

起訴猶予の場合

他方で、犯罪行為を実際に行なってしまった場合は、起訴猶予処分となることを狙っていくことになるでしょう。

既に見たとおり、検察官が「訴追を必要としない」かどうかを判断する際の考慮要素は、「犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況」と定められています。

しかし、「犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状」のみで起訴猶予となる可能性は、さほど高いとはいえません。

確かに、年齢がまだ若く、犯罪に走ったとしてもやむを得ないような事情があり、被害が比較的軽微な場合は、検察官が不起訴にする可能性はゼロではありません。

しかし、検察官が起訴猶予処分を決定するにあたり、これらの事情よりも検察官が重視するのは、「犯罪後の情況」である可能性が高いです。

犯罪後の情況として最も重要なのは、被害者との間で示談が成立しているかどうかといった点です。

示談が成立していれば、被害者は加害者のことを許しており、刑事処罰を求めないという意思を有していることが明らかになります。

被害者が適切な示談金を受け取るなどして、加害者のことを許しているのであれば、検察官が起訴をして加害者に対し刑事処罰を与える必要性は減少するといえます。

そのため、検察官が起訴をするよりも先に、被害者との間で示談を成立させることが、起訴猶予処分を得るためには極めて重要です。

加害者は、被害者と直接に示談交渉を行うことはできませんので、被害者との間で示談交渉を行うのであれば、刑事事件に強い弁護士を早期に選任し、弁護士を通じて連絡を取る必要があります。

示談交渉について、詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

まとめ

以上、不起訴処分について解説いたしましたが、いかがでしたでしょうか。

自身が犯罪行為を行なっていない場合は、嫌疑なし、嫌疑不十分を理由とする不起訴処分を勝ち取るため、徹底的に戦う必要があります。

他方、罪を犯してしまった方が起訴猶予処分を得るためには、弁護士を選任し、示談交渉をはじめとする適切な弁護活動を受けることが効果的であるといえます。

いずれの場合も、刑事事件に強い弁護士を選任しておくことで、不起訴処分に向けた強力なサポートを受けることが可能です。

お困りの際は、ぜひ一度、刑事事件に強い弁護士にご相談ください。

この記事が皆様のお役に立てば幸いです。

 

 

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