破産すると口座はどうなる?

破産すると口座は凍結されてしまうのでしょうか?
自己破産をすると、銀行の預貯金も全て失ってしまうのでしょうか。

また、自己破産した場合、銀行口座は利用できなくなるのでしょうか。

給与振込口座が指定されており、当該銀行との取引が停止されてしまうと会社に自己破産が知られてしまい、大変困ります。

ご質問に対し、当事務所の弁護士がご回答いたします。

銀行の預貯金であっても、一定程度は残すことができます。

また、口座を開設している銀行が債権者になっている場合には、当該銀行の預金口座は一時的に利用できなくなりますが、その他の銀行の預金口座については影響はありません。

破産をすると、信用情報に事故情報として破産したことが記載されることから、破産をすると、銀行口座を利用することができなくなるのではないかと不安に考えている方は非常に多いです。

また、破産すると、財産は全て失ってしまい、現在、預金している金銭も全て失ってしまうのではないかと勘違いしている方も多いです。

破産をするか否かを悩まれている場合、破産をするとどのような制限があり、また、破産をすると、どのような財産が処分されてしまうのかを、しっかりと理解をした上で、手続選択をする必要があります。

そして、銀行口座については、現代では、生活に欠かせないものになっていますので、破産を考えられている方は、この点について、しっかりと理解しておくことが望ましいでしょう。

 

銀行の預貯金も換価される?

破産をしても、必ずしも、全ての財産を失うわけではございません。

破産者の一部の財産については、自由財産として、破産手続を開始したとしても、保持し続けることができます。

もっとも、いかなる財産を保持し続けることができるかについては、地方裁判所ごとに運用が異なる部分があります。

福岡地方裁判所の運用基準(平成30年現在)では、「99万円に満までの現金」、「残高合計20万円以下の預貯金」については、原則として、配当に回されることはありません。

つまり、「99万円に満までの現金」、「残高合計20万円以下の預貯金」については、破産手続が開始されたとしても、保持し続けることができるのです。

また、その他の財産についても、破産をした場合であっても、保有し続けることが可能な場合があります。

福岡地方裁判所の換価基準については、こちらのページをご覧ください。

 

銀行口座は凍結される?

銀行が債権者の場合、当該銀行に弁護士から受任通知書を発送し、当該銀行が同書面を受領すると、銀行口座が凍結されてしまい、銀行取引ができなくなります。

つまり、通常、弁護士が自己破産を受任した場合、数日以内に各債権者に対し、受任通知書を発します。

そして債権者である銀行が受任通知書を受け取ると、当該銀行は、すぐに、当該銀行の預金口座を凍結させてしまうのです。

そのため、債権者に銀行がある場合には、事前に口座内の現金を引き出しておくこと、また、振替口座として指定されている場合や給与振込先口座として指定されている場合には、事前に変更手続をしておくことが大切になります。

なお、会社によっては、給与振込先口座を指定している場合があります。

その場合には、会社に事情を説明し、口座変更を依頼する必要があります。

しかし、会社に破産することを知られたくないと考えている方は多いと思います。

その場合には、残念ながら、一度、口座は凍結されてしまいます。

しかしながら、その場合であっても、永久に口座が凍結されてしまうことはありません。

通常は、銀行などの金融機関が債権者の場合、数ヵ月後には、保証会社などによって、代位弁済が行われます。

そして、この代位弁済が行われれば、当該銀行は債権者ではなくなりますので、口座凍結は解除され、これまでどおりに、預金口座を利用することができるようになります。

※なお、各金融機関によって、運用は異なります。

 

また、弁護士からの受任通知書の発送後であれば、原則として、債権者は債務者からの債務の返済を受けることができないので、凍結された預金口座に振り込まれた給与についても、債務の返済に充てることができません。

そのため、口座凍結後に給与等が振り込まれたとしても、当該銀行に対し、預金の払い戻しを依頼することで、預金を引き出すことが可能になります。

なお、各金融機関で払い戻しのために必要な手続や期間が異なりますので、このような事情がある場合には、専門の弁護士にご相談することをおすすめします。

仮に、債権者ではない銀行については、当然、口座凍結はされず、預金口座は利用し続けることができます。

破産をしたとしても、その情報が債権者ではない銀行に伝わることはありません。

そのため、これまでと同様に銀行取引(出入金、口座振替等)が可能です。

また、破産をしたとしても、他の銀行で、新たに口座を開設することも可能です。

もっとも、破産した場合、ブラックリストに載ってしまうため、新たに借金やローンを申し込むことは、一定期間制限されてしまいます。

とはいえ、通常の銀行取引(入出金、口座振替等)は引き続き可能ですので安心してください。

 

破産後ご自身の財産等がどうなるのか気になられる方はこちらもお読みください。

 

破産をする場合には、事前の準備が大切です。
自己破産にあたって、どのような準備が必要かを専門の弁護士にご相談されることをオススメします。

弁護士米盛太紀

 

 

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