破産すると妻・夫に迷惑がかかる?【弁護士執筆】


執筆者:弁護士米盛太紀

Q:破産の場合、妻(夫)にどのような影響・迷惑がありますか?

A:ケースにもよりますが、原則として配偶者に影響はありません。

デイライト法律事務所の破産再生チームには、このようなご相談が多く寄せられています。

◎ 私が破産すると妻(夫)の財産まで処分されてしまうのですか

◎ 夫に迷惑がかかるのは申し訳ない

基本的には、破産をしてもご家族に影響はありません。

もっとも、ケースによっては、ご家族に影響がでてしまう場合もあります。その場合には、破産ではなく個人再生や任意整理の可能性も検討します。

独りで悩まずに、お気軽にご相談ください。

 

破産するとどうなるの?

破産と聞くと、例えば、

借金取りからの過酷な取り立てがなされるのではないか?

住居(賃貸住宅)を明け渡さなければならないのではないか?

本人だけでなく家族も様々な制限を受けるのではないか?

などの漠然とした不安を感じる方は多くいらっしゃいます。

実は、破産をしても上記のような心配はありません。

破産手続は、破産者が所有している財産を換価し、債権者に配当する手続です。そして、その後に続く免責許可決定によって、債務の支払が免除されます。

ここで、ポイントは、換価される可能性の財産は、原則として破産者の所有している財産に限られるということです。

つまり、破産をしても、原則として、配偶者やご家族の財産は処分されませんし、破産の効果(資格制限など)も破産者のみに生じます。

また、破産者の財産についても、全ての財産を処分・換価するのではなく、法律上、広く自由財産(換価されずに保有し続けることが可能な財産)が認められています。

破産者のどのような財産が処分されるかについて、福岡地裁の換価基準は、こちらのページをご覧ください。

資格制限についても、全ての職業・資格が生涯続くのではなく、一部の職業・資格のみが一時的に制限されるのみです。

資格制限については、こちらのページをご覧ください。

 

 

配偶者に影響があるケースとは

では、どのようなケースで破産によって、配偶者の財産が処分されてしまうのか、また、配偶者に影響がある場合はどのようなケースか、以下、解説します。

確実に配偶者にも影響があるケース

①破産者名義になっている場合

車不動産や自動車を所有しており、その不動産や自動車があなた(破産者)名義になっている場合、ほぼ確実に処分・換価されてしまいます。

結婚後に購入した不動産や自動車は、夫婦の共有財産になることが原則です(民法762条2項)。

そうだとすると、不動産や自動車の価値の半分については、配偶者にも権利があり、全てを破産者の財産とみなされ、不動産や自動車が処分されてしまうのはおかしいのではないかとも考える方もいるかもしれません。

しかし、破産法上、不動産については登記、自動車については登録をしなければ、配偶者であったとしても、所有権(共有持分権)を破産管財人に主張することができなくなるという効果があるので、破産者の単独名義となっている場合には不動産や自動車は換価されてしまうのです。

なお、福岡地裁の換価基準については、こちらをどうぞ

 

②配偶者が保証人になっている場合

あなたの借金を配偶者が保証(連帯保証や連帯債務など)している場合、ほぼ確実に配偶者に影響があります。

なぜならば、あなたが破産すると、債権者は、保証人に対して保証債務の履行を求めてくるからです。その場合、債権者から残債務を一括請求される可能性があります。

そうした場合には、配偶者(保証人)も任意整理をする必要があるでしょう。

 

③破産者が保証人になっている場合

逆に、あなたが保証人で、配偶者が主債務者の場合にも、配偶者の債務にも影響があります。

そのような場合、債権者から法定の要件を満たす新しい保証人に代えることを請求されることが考えられます(民法450条2項)。

また、保証人を付ける義務があるとされているにも関わらず保証人が付けられないときに期限の利益が喪失する場合(民法137条3号)や、契約上、保証人が破産したときには期限の利益が喪失するとされている場合もあります。

そうした場合には、②の場合と同様に、配偶者(主債務者)も任意整理をする必要があるでしょう。

 

④その他の場合

破産の効果は、原則としてあなたのみに生じます。

ただし、本人の財産かどうかは単に名義だけにとどまらず実質的に判断されますので、家族名義の財産であっても実質的にみて本人の財産だと判断されると処分の対象となる場合もあります。

例えば、明らかに夫の稼ぎで購入した妻名義の財産については処分の対象となる可能性もあります。

そのような場合には裁判官の裁量によって判断されますので、ケースバイケースで変わってくることがあります。

 

 

誤解されていること

◎ 戸籍に記載される?

◎ 家族が代わりに借金を背負う?

◎ 海外旅行に行けなくなる?

◎ サラ金業者から嫌がらせを受ける?

◎ 家財道具を没収される?

弁護士米盛太紀このような質問をたびたび受けたり、噂として耳にするものですが、根拠のない全くのウソです。

戸籍には記載されません。

保証をしていない限り、家族が代わりに借金を背負うことはありません。

海外旅行にもいけます。

サラ金業者からの嫌がらせは聞いたことがありません。

原則として家財道具は没収されません。

また、破産していない家族の資格、信用情報には一切影響を与えません。

したがって、あなたが破産したことで、配偶者や子の資格・職業が制限されたり、クレジットカードが解約されるといったことはありません。

 

 

家族に影響がない場合は家族にバレずに破産することができる?

家族に知られずに破産をすることができるか否かはケースバイケースです。

ご家族に破産手続が知られる可能性については、こちらをご覧ください。

 

お悩みの方は弁護士へご相談ください

以上、あなたの破産によって、配偶者に与える影響について解説してきました。

確かに、上述のケースによっては、配偶者に迷惑をかけることがあります。

しかし、多くの場合は、破産によって配偶者やご家族に影響はありません。また、破産によって家族に影響がでるようなケースでは、個人再生や任意整理を検討し、ご家族に影響がない手続を選択することがあります。

ご家庭がある方で、破産について不安を感じる方が多いのは、破産に対する誤解が多いからです。

破産について、きちんと説明すれば、ご家族も安心していただけると思います。

当事務所では、破産手続について、ご希望があれば、ご家族に同席していただき、手続についてくわしくご説明しています。

債務整理については、当事務所までお気軽にご相談ください。

 

 

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