遺言執行者の報酬とは?相場や決め方を解説


弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

遺言書の内容を実現するために必要な各種手続きを遺言執行者に依頼した場合には、その対価として報酬が支払われます。

遺言執行者の報酬は法令等で一律に決まっているわけではありません。

一般的には、相続財産(遺産)の総額の0.5%〜3%程度が報酬の相場と言われています。

もっとも、依頼する専門家や遺産の内容によって大きく変動するため、事前に相場や決め方を理解しておくことが重要です。

この記事では、相続に強い弁護士が、遺言執行者の報酬の相場、決め方・計算方法、注意点等について、わかりやすく解説します。

遺言執行者の報酬とは?

遺言執行者の報酬とは、遺言執行者が遺言の内容を実現するための手続きを行う対価です。

遺言執行者は、以下のような業務を行います。

  • 相続人・遺産の調査
  • 預貯金の解約・名義変更
  • 不動産の相続登記
  • 遺産の分配

これらの業務の対価として、報酬が支払われます。

なお、報酬は原則として相続人ではなく相続財産(遺産)から支払われます。

 

遺言執行者の報酬の種類

民法で定められている遺言執行者の報酬には、大きく以下の2種類があります(民法第1018条第1項)。

  • 遺言書で定められている報酬
  • 家庭裁判所によって定められた報酬

このほかに、相続人と遺言執行者との協議によって報酬が定められる場合もあります。

具体的な報酬の決め方については、この記事の「遺言執行者の報酬の決め方や計算方法」の項目で解説します。

 

 

遺言執行者の報酬の相場とは?【専門家別に解説】

遺言執行者に支払う報酬の相場は、誰に依頼するかによって異なります。

また、相続財産や相続人の状況によっても変動します。

なお、この項目で解説するのはあくまでも一般的な相場であり、各専門家や金融機関等によって金額設定は大きく異なる場合があります。

実際に依頼する際には、事前に見積もりをもらって金額感を確認することが大切です。

 

弁護士が遺言執行者となる場合の報酬相場

弁護士が遺言執行者になる場合の報酬は、おおむね遺産総額の1〜3%程度が相場です。

多くの弁護士事務所では、「(旧)日本弁護士連合会報酬等基準」を参考に報酬を決めています。

この規程は2004年3月に廃止されましたが、現在でもこの基準をベースとして利用している事務所は多いです。

(旧)日本弁護士連合会報酬等基準 (抜粋)
5 遺言執行 基本 経済的利益の額が

  • 300万円以下の場合:30万円
  • 300万円を超え3000万円以下の場合:2% + 24万円
  • 3000万円を超え3億円以下の場合:1% + 54万円
  • 3億を超える場合:0.5% + 204万円
特に複雑又は特殊な事情がある場合 弁護士と受遺者の協議により定める額
遺言執行に裁判手続きを要する場合 遺言執行手数料とは別に、裁判手続きに要する弁護士報酬を請求できる。

例えば、遺産総額が5000万円であれば、100万円前後が一般的な報酬の目安となります。

弁護士に依頼する場合には、遺言執行だけでなく、相続放棄や相続人間のトラブル対応や交渉の代理、複雑な遺産分割の整理など、相続全般に関する対応をまとめて任せられるというメリットがあります(ただし別途料金は発生)。

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司法書士が遺言執行者となる場合の報酬相場

司法書士が遺言執行者になる場合の報酬相場は、おおむね遺産総額の0.5〜2%程度です。

具体的には、次のような金額帯です。

遺産総額 遺言執行者の報酬
500万円以下 20〜30万円
500万円超5000万円以下 遺産総額×1.0〜1.2% + 20〜30万円
5000万円超1億円以下 遺産総額×0.7〜1.0% + 30〜40万円
1億円超3億円以下 遺産総額×0.7%〜0.8% + 40〜60万円
3億円超 遺産総額×0.4〜0.5% +150万円

例えば、遺産総額が5000万円であれば、70万円〜90万円程度が一般的な報酬の目安となります。

司法書士は登記の専門家であり、不動産の相続登記に強みがあります。

ただし、相続人間のトラブル対応や交渉の代理などについては基本的に対応できないため、その点には注意が必要です。

 

行政書士が遺言執行者となる場合の報酬相場

行政書士が遺言執行者になる場合の報酬相場は、おおむね遺産総額の0.5〜1.5%程度といわれていますが、各事務所によって金額設定が大きく異なる傾向にあります。

下表は行政書士の報酬について、3つの具体例を示したものです。

遺産総額 行政書士A 行政書士B 行政書士C
1000万円以下 20万円 相続財産の2%+24万円
(最低報酬30万円)
一律遺産総額の1%
(最低報酬30万円)
1000万円超3000万円以下 相続財産の1.2%+10万円
3000万円超5000万円以下 相続財産の1%+54万円
5000万円超1億円以下 相続財産の1%+20万円
1億円超3億円以下 相続財産の0.7%+50万円
3億円超 相続財産の0.4%+140万円 相続財産の0.5%+204万円

例えば、遺産総額が5000万円であれば、50万円〜70万円程度になることが多いでしょう。

行政書士は相続登記や相続人間のトラブルに対応することができないため、必要に応じて他の専門家と連携することになります。

 

税理士が遺言執行者となる場合の報酬相場

税理士が遺言執行者になる場合の報酬相場は、おおむね遺産総額の0.5〜2%程度といわれていますが、各事務所によって金額設定は大きく異なる傾向にあります。

下表は税理士の報酬について、3つの具体例を示したものです。

遺産総額 税理士法人A 税理士法人B 税理士法人C
1000万円以下 30万円 50万円〜110万円 5億円まで一律
相続財産の0.5%
(最低報酬50万円)
1000万円超3000万円以下 50万円
3000万円超6000万円以下 70万円
6000万円超1億円以下 90万円
1億円超3億円以下 90万円〜250万円 110万円〜286万円
3億円超 250万円〜 286万円〜

遺産総額が5000万円であれば、50万円〜100万円程度が一般的な報酬の目安となります。

税理士も相続登記や相続人間のトラブルに対応することができないため、必要に応じて他の専門家と連携することになります。

 

信託銀行が遺言執行者となる場合の報酬相場

近年は、信託銀行などの金融機関が遺言執行者になるケースも増えています。

このようなケースでは、一般的に最低報酬が100万円前後に設定されていることが多いです。

信託銀行は、遺言書の作成、保管、遺言書の執行をパッケージにしたサービスを提供しています。

また、申込時の支払い基本手数料を抑えて遺言執行時の報酬を高く設定するパターンと、申込時の基本手数料を高く設定して遺言執行時の報酬を抑えるパターンの2種類を用意しているケースが多いです。

以下は、基本手数料を抑えて設定する場合の遺言執行報酬の3つの例です。

信託銀行A 信託銀行B 銀行C
基本手数料 30万円 30万円 30万円
最低報酬額 110万円 165万円 121万円
遺言執行の報酬 相続財産が5000万円以下 相続財産の2.2% 相続財産の1.8% 相続財産の2.2%
5000万円超1億円以下 相続財産の1.65% 相続財産の1.65%
1億円超2億円以下 相続財産の1.1% 相続財産の0.90% 相続財産の1.1%
2億円超3億円以下 相続財産の0.88%
3億円超5億円以下 相続財産の0.66% 相続財産の0.5% 相続財産の0.55%

金融機関が遺言執行者となる場合には、財産管理の透明性が高い、金融資産の手続きに強い、全国対応が可能、などのメリットがあります。

その一方で、最低報酬が高めに設定されているため、小規模な相続では割高になるというデメリットがあります。

金融機関は実務上、遺言執行業務を司法書士や税理士に外注することが多いためです。

 

親族が遺言執行者になる場合の報酬相場

遺言執行者は必ずしも専門家である必要はありません。

そのため、一部の相続人や信頼している親族などが遺言執行者に指定されることもあります。

親族が遺言執行者になる場合、無報酬で行うケースも多く見られます。

もっとも、遺言執行には多くの時間と労力がかかるため、一定の報酬(数万〜数十万円)が支払われることもあります。

 

 

遺言執行者の報酬の決め方や計算方法

報酬の決め方は3つ

遺言執行者の報酬の決め方

遺言執行者の報酬の決め方についての決まったルール(法令等)はありません。

実務上は、以下のいずれかの方法によって決められます。

 

遺言書で定める方法

まずは、遺言書で遺言執行者の報酬額を定める方法があります。

遺言執行者の報酬額が遺言書で定められている場合、相続人は原則としてその遺言書に従う必要があります。

遺言書で報酬額を定める方法には、次のようなものがあります。

遺言書に具体的な報酬額を記載する方法
例: 遺言執行者の報酬は50万円とする
報酬額の計算方法を記載する方法
例:遺言執行者の報酬は遺産総額の1%とする

報酬の計算方法については後ほど解説します。

なお、遺言執行者は遺言書に記載されている報酬額に不満がある場合、就任を拒否することができます。

 

相続人との協議で決める方法

遺言書で報酬額が定められていない場合、まずは遺言執行者と相続人全員との話し合い(協議)によって報酬を決めることができます。

法律(民法)で規定されている報酬額の決め方は、①遺言書で定める方法と②家庭裁判所が決定する方法の2つです。

しかし、実務上は相続人と遺言執行者との協議によって決めても良いとされています。

専門家が遺言執行者となる場合には、事前に見積書を提示するなどして協議するケースが一般的です。

 

家庭裁判所が決定する方法

遺言書に報酬額が定められておらず、相続人との話し合いもまとまらない場合には、遺言執行者が家庭裁判所に申立てを行い、報酬を決めてもらうことができます(遺言執行者に対する報酬付与の審判)。

家庭裁判所は遺産の規模や総額、内容、相続手続きの複雑さ・難易度等のさまざまな事情を総合的に考慮して、相当な報酬額を判断します(民法第1018条第1項)。

 

報酬の計算方法

代表的な遺言執行者の報酬の計算方法として、次のようなものがあります。

 

① 定率方式

遺産総額に一定割合をかける計算方法で、

遺産総額 × ◯%

といった形で計算します。

例えば、「遺産総額×2%」で計算することとしたケースで遺産総額が5000万円の場合、報酬は100万円(5000万円×2%=100万円)です。

 

②財産比例方式

遺産総額に応じてかける割合を変動させる計算方法です。

例えば、

  • 3000万円以下:2%
  • 3000万円超~3億円以下:1%
  • 3億円超:0.5%

といった形で計算します。

遺産総額が大きい場合に、報酬が高額になりすぎることを防ぐために採用されます。

また、専門家に依頼する場合はこの計算方法が採用される場合が多いです。

上の例で、遺産総額が2500万円の場合、報酬は50万円(2500万円×2%=50万円)です。

遺産総額が1億円の場合、報酬は100万円(1億円×1%=100万円)です。

 

③ 固定報酬方式

固定報酬として一定額を設定する方法です。

例えば、

  • 遺言執行報酬:30万円
  • 遺言執行報酬:50万円

といった形で固定額の報酬を設定します。

遺言執行の内容が比較的シンプルな場合(遺産が少額の場合、相続人が少ない場合など)には、この方式が採用されることがあります。

 

④複合方式

上で解説した①と③、または②と③の組み合わせによって計算する方法です。

固定の基本報酬に、遺産総額にある割合をかけた金額を足し合わせて計算します。

例えば、

基本報酬:30万円 + 遺産総額 × 1%

といった形で計算します。

この例で遺産総額が3000万円の場合、報酬は60万円です(30万円+3000万円×1%=60万円)。

 

報酬が高くなりやすいケース

遺言執行者の報酬を決める際には、遺産の内容(遺産の総額、数、複雑性)、相続人の人数、相続人間の関係性など、さまざまな事情が考慮されます。

以下のようなケースでは手続きの負担が大きく、報酬が高くなりやすい傾向にあります。

  • 相続人の数が多いケース
  • 複数の不動産が含まれるケース
  • 相続人が対立しているケース
  • 海外資産があるケース

 

 

遺言執行者の報酬は誰が負担する?

遺言執行者の報酬は「遺言(書)の執行に関する費用」に含まれ、相続財産(遺産)の中から支払われます(民法第1021条)。

根拠条文

民法第1021条本文
遺言の執行に関する費用は、相続財産の負担とする。

原則として、特定の相続人が個人的に費用を負担することはありません。

遺言執行者は特定の相続人のために業務を行うのではなく、遺言の作成者(亡くなった方)の最期の意思を実現するために業務を行うからです。

したがって、相続財産(遺産)から遺言執行者の報酬を差し引いた上で、残りを相続人や受遺者(遺言書によって財産を受け取る人のことです。)に分配することになります。

ただし、遺言執行者が報酬を受け取るのはすべての業務を完了した後です(支払い時期については次の項目で解説します)。

また、報酬額が相続財産(遺産)を超える場合、遺言執行者は相続財産(遺産)を上回る部分の支払いを相続人や受遺者に請求することはできません。

あくまでも遺言執行に関する費用(報酬を含みます。)は「相続財産の負担」と規定されているためです。

 

 

遺言執行者の報酬はいつ支払う?

遺言執行者の報酬は、遺言執行業務がすべて完了した後に支払われるのが原則です。

遺言執行者は、遺言執行業務を完了しなければ報酬を請求することができません(民法第1018条第2項、第648条第2項)。

ただし、遺言書に報酬の支払時期についての指定がある場合(例えば「相続開始後ただちに支払う」「業務着手前に支払う」などの指定がある場合)には、その遺言書の指定に従います。

また、相続人全員が合意している場合にも、支払時期を自由に決めることができます。

特に、遺言執行の手続きが長期にわたる場合には、途中で報酬の一部を支払う旨の合意をすることがあります。

 

 

遺言執行者の報酬に納得がいかない場合はどうすればいい?

遺言書に報酬額が明記されているケース

遺言執行者がまだ就任していない場合

遺言書に報酬額が明記されているケースで遺言執行者がまだ就任していない場合、相続人は遺言書に従わないという選択をすることが考えられます。

具体的には、相続人全員で遺言に従わないことに合意し、遺言執行者なしで遺産分割協議によって遺産を分配することができます。

この場合には、遺言執行の業務が発生しないため報酬も発生しない、という整理になります。

ただし、遺言書の内容によっては遺言執行者の選任が法律上必須となるケースがあり(死後認知、推定相続人の廃除・廃除取消、一般社団法人の設立等)、これらのケースでは原則どおり遺言書に従う必要があります。

 

遺言執行者が就任している場合

遺言書に報酬額が明記されているケースで遺言執行者がすでに就任している場合には、報酬額に納得がいかなくても遺言書に従う必要があります。

遺言書の制度は、遺言の作成者の最期の意思を可能なかぎり尊重することを目的としているからです。

それでも報酬額が不当に高いと感じられる場合、相続人は以下のような対応をすることが考えられます。

 

①まずは遺言執行者に説明を求める

遺言執行者には相続人に対して業務の処理状況や結果等を説明する義務があります(民法第1012条第3項、第645条)。

そのため、遺言執行者の報酬額の妥当性について疑問がある場合には、実際の業務量や遺産の内容(数、複雑性等)について説明を求めることが重要です。

実務では、遺言執行が完了した際に「遺言執行報告書」や「収支報告書」が作成されることが多く、これらの資料を確認することによって報酬の妥当性を判断できる場合もあります。

 

②不当利得返還請求や解任申立てを行う

遺言執行者の実際の業務量に対して報酬が不当に高額な場合や、遺言執行者が業務を怠っている場合などには、遺言執行者に対する不当利得返還請求(民法第703条)や遺言執行者の解任申立て(民法第1019条)等を行うことが考えられます。

もっとも、これらの手段によっても遺言書に記載された報酬額を変更できるわけではない、という点には注意が必要です。

 

遺言書に報酬額が明記されていないケース

遺言書に報酬額が明記されていないケースでは、報酬額の決め方について遺言執行者と相続人の間で争いになる場合があります。

このような場合には、以下の対応が考えられます。

 

相続人と遺言執行者で協議する

実際の業務量や遺産の複雑性などを考慮しつつ、相続人と遺言執行者との間で報酬額についての話し合いを行います。

話し合いにあたり、相続人は遺言執行者に対して業務内容や結果等に関する説明を求める(民法第1012条第3項、第645条)ことができます。

協議によって双方が納得できる金額に調整できれば、トラブルを大きくせずに解決できる可能性があります。

遺言執行者の報酬をめぐる問題は法律的な判断が必要になる場合もあるため、相続に強い弁護士に相談することも有効な方法です。

 

家庭裁判所に判断を求める

協議によって報酬が決まらない場合、遺言執行者は家庭裁判所に申立て(報酬付与の審判)をすることができます。

家庭裁判所は、相続財産(遺産)の内容、相続人の人数、遺言執行業務の具体的な内容、難易度等、一切の事情を考慮して、適正な報酬額を判断します。

家庭裁判所が判断した報酬額は法的な効力を持ちます。

 

 

遺言執行者の報酬の注意点

遺言執行者の報酬の注意点

将来のトラブルを防止するためには遺言書に報酬額を明記

遺言執行者の報酬に関するトラブルを防ぐためには、遺言書に報酬額(計算方法を含みます。)を明記しておくことが大切です。

遺言書に報酬の記載がない場合には、遺言執行者と相続人との間で報酬額をめぐる争いが生じることがあります。

遺言書に報酬額の定めがある場合には原則としてその定めに従うことになるため、遺言書に報酬額を明記しておくことで相続時のトラブル防止につながります。

ただし、相場とかけ離れた金額を設定してしまうと、かえって相続人の不満やトラブルの原因になる可能性があるため、注意が必要です。

 

遺言書で報酬額が定められていない場合は事前に協議

遺言書で報酬額が定められていない場合には、遺言執行者と相続人の間で事前にしっかりと協議して決めることが大切です。

弁護士等の専門家に依頼する場合には、事前に見積もりをもらうようにしましょう。

合意した内容については、後のトラブルを防ぐため書面にして確認することを強くおすすめします。

 

遺言執行者の報酬とは別に実費がかかる

遺言執行の過程では、報酬とは別に次のような実費が発生することがあります。

  • 戸籍謄本の取得費用
  • 郵送費
  • 交通費
  • 遺言書の検認にかかる費用
  • 遺産の管理費用
  • 不動産登記の登録免許税

遺言執行者がこれらの費用を建て替えた場合には、報酬とは別の「実費」として扱われ、相続財産(遺産)の中から支払われます。

そのため、遺言執行者の報酬額だけでなく、実費がどの程度かかるのかについても確認しておくことが大切です。

 

 

遺言執行者の報酬についてのQ&A

遺言執行者の報酬は協議するのですか?


遺言執行者の報酬について必ずしも協議するとは限りません。

報酬の決め方には、①遺言書で定める方法、②相続人との協議で決める方法、③家庭裁判所が決定する方法、の3つがあります。

報酬が遺言書で定められている場合(「遺言執行者の報酬は○万円とする」などの記載がある場合)には、原則として遺言書に従うことになるため、協議は行いません。

これに対して、遺言書に定めがない場合には、遺言執行者と相続人との協議によって報酬額を決めるケースが多いです。

協議がまとまらない場合などには、家庭裁判所に申立てを行い、報酬額を決めてもらうことができます。

 

遺言執行者の弁護士報酬は司法書士よりも高いですか?


一般的には、弁護士が遺言執行者となる場合の報酬は司法書士よりも高くなる傾向があります。

その理由は、弁護士の方が相続手続きに関する広く深い知見を持っていることにあります。

相続手続きは法律に基づいて行われるため、法律の専門家である弁護士はほぼすべての相続手続きに対応することができます。

例えば、弁護士は、遺言の執行だけでなく、次のような法律トラブルにも対応することができます。

  • 相続人との交渉の代理
  • 相続人間の紛争への対応
  • 遺留分侵害額請求への対応

そのため、弁護士は遺言の執行を行う際にも、トラブルになる可能性を見すえた対応をすることが可能です。

これに対して、司法書士は取り扱うことのできる法律事務の範囲が法律で限定されており、基本的に上記のようなトラブルに対応することができません。

以上のような理由で、一般的に遺言執行者の弁護士報酬は司法書士よりも高くなることが多いです。

もっとも、報酬体系は各弁護士・各司法書士によって異なり、必ずしも司法書士の報酬が弁護士より安いとは限りません。

遺言執行者を専門家に依頼する場合には、事前に見積もりをもらって比較・検討することが大切です。

 

 

まとめ

  • 遺言執行者の報酬は、遺言の内容を実現するために必要な手続きを行う対価として支払われる費用のことです。
  • 遺言執行者の報酬は、①遺言書で定める方法、②相続人との協議で決める方法、③家庭裁判所が決定する方法、のいずれかによって決定されます。
  • 遺言執行者が弁護士や司法書士などの専門家である場合、遺産総額の0.5%〜3%程度が一つの目安とされることが多いです。

ただし、遺産の内容や手続きの難易度によって報酬額は変動します。

  • 遺言執行者の報酬は原則として相続財産(遺産)の中から支払われ、特定の相続人が個人的に負担することはありません。
  • 遺言執行者の報酬をめぐるトラブルを防ぐためには、遺言書で報酬額や計算方法についてあらかじめ定めておくことが望ましいといえます。
  • 遺言執行者の報酬について、「相場が適正か不安」「誰に依頼すべきか迷っている」「相続トラブルを防ぎたい」という方は、弁護士に相談することで適切な判断が可能になります。

当事務所では、相続に強い弁護士が状況に応じた最適なアドバイスを行っていますので、ぜひお気軽にご相談ください。

 

 

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