戸籍抄本をコンビニで取得!やり方・本籍地以外での取得方法


弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

戸籍抄本は、マイナンバーカード又は電子証明書が搭載されたスマホがあれば全国のコンビニで取得できます。  

役所の窓口が開いていない土日や夜間でも利用でき、手数料も窓口より安くなる自治体が多くあります。

ただし、「現在の住所」と「本籍地」が異なる場合は、事前に利用登録申請という手続きが必要となり、すぐに取れないケースがあるため注意が必要です。

この記事では、コンビニでの戸籍抄本の具体的なやり方(操作手順)をはじめ、本籍地以外での取得方法や、取れない原因について、弁護士がわかりやすく解説します。

戸籍抄本はコンビニで取得できる!条件と必要なもの

コンビニで戸籍抄本を請求する条件

 

戸籍抄本をコンビニで取得するための条件

次の3つの条件をすべて満たす場合には、戸籍抄本をコンビニで取得することができます(コンビニ交付)。

  1. ① マイナンバーカード(個人番号カード)を持っていること
    又は
    スマホ用電子証明書が搭載されたスマートフォンを持っていること
  2. ② 本籍地の市区町村が戸籍抄本のコンビニ交付に対応していること
  3. ③ コンビニの店舗が戸籍抄本のコンビニ交付に対応している(コンビニに設置されたマルチコピー機がコンビニ交付に対応している)こと

どれかひとつでも条件を満たさない場合、戸籍抄本をコンビニで取得することはできません。

 

「4桁の暗証番号」に注意

ユーザーがコンビニに行ってから「暗証番号が分からない」「ロックされてしまった」というトラブルが発生しています。

コンビニでの取得の際は利用者証明用電子証明書の暗証番号(4桁の数字)が必須です。

また、暗証番号を3回ミスすると、マイナンバーカードにロックがかかり、コンビニでの証明書交付サービスが利用できなくなります。

ロックを解除するには、役場での手続きが必要となるため間違えないよう注意しましょう。

 

 

戸籍抄本・戸籍謄本とは?

戸籍抄本とは

戸籍とは、日本国籍をもつ人(日本人)が生まれてから亡くなるまでの身分関係(出生、婚姻、離婚、認知、氏の変更などの個人の身分の変動のことです。)を登録した記録のことをいいます。

基本的に、ひとつの戸籍は一組の夫婦と未婚の子どもで構成されています。

 

戸籍抄本とは?戸籍謄本との違い

戸籍抄本(こせきしょうほん)とは、ある戸籍に入っている一部の人に関する内容のみを記載した書類(戸籍の一部分の写し)のことです。

例えば、夫婦と長男・長女の4人が記録されている戸籍がある場合、長男と長女に関する戸籍の内容のみが記載されているものは「戸籍抄本」にあたります。

戸籍抄本の正式名称は「戸籍個人事項証明書」です。

 

戸籍謄本とは?

これに対して「戸籍謄本」とは、戸籍に記載されている全員の身分関係を証明する書面のことをいいます。

戸籍謄本の正式名称は「戸籍全部事項証明書」といいます。

 

戸籍謄本と戸籍抄本、どちらが必要?

戸籍抄本は、年金の請求、国家資格の受験・国家資格の登録、生命保険・簡易保険の請求等で必要となります。

これに対して、戸籍謄本は、相続人の調査、公正証書遺言の作成、相続放棄、相続税の申告、相続不動産の登記等、相続に関する手続きで必要となります。

 

 

戸籍抄本を取得できるコンビニ一覧

戸籍抄本の取得できるコンビニとは?

戸籍抄本はすべてのコンビニで取得できるわけではなく、コンビニの店舗が戸籍抄本のコンビニ交付に対応していることが必要です。

戸籍抄本のコンビニ交付に対応している店舗とは、マルチコピー機(キオスク端末)が設置されているコンビニです。

 

セブンイレブン

戸籍抄本を取得できるセブンイレブンの店舗

戸籍抄本を取得できるセブンイレブンの店舗(マルチコピー機が設置されている店舗)は、「店舗検索」ページで調べることができます。

参考:店舗検索ページ

※ 取扱商品・サービスの絞り込み機能の「マルチコピー機」にチェックを入れて、店舗のある地域を絞り込みます。

 

ローソン

戸籍抄本を取得できるローソンの店舗

戸籍抄本を取得できるローソンの店舗(マルチコピー機が設置されている店舗)は、「店舗案内」ページで調べることができます。

参考:店舗案内ページ

※検索条件の「マルチコピー機」にチェックを入れて、地図から店舗の範囲を絞り込みます。

 

ファミマ

戸籍抄本を取得できるファミマの店舗

戸籍抄本を取得できるファミマの店舗(マルチコピー機が設置されている店舗)は、「店舗検索」ページで調べることができます。

引用元:店舗検索ページ

※「設備・取り扱いサービス」の「マルチコピー機」にチェックを入れて、店舗のある都道府県・市区町村を選択します。

 

その他

セブンイレブン、ファミマ、ローソン以外のコンビニのほか、一部のスーパーマーケットやドラッグストアでも、コンビニ交付に対応しているマルチコピー機が設置されていることがあります。

コンビニ交付に対応している(戸籍抄本を取得できる)店舗は、こちらのページでご確認いただけます。

参考:利用できる店舗情報|コンビニエンスストア等における証明書等の自動交付

 

 

簡単に取得!コンビニで戸籍抄本請求のやり方

コンビニで戸籍抄本を取得するやり方は、本籍地の市区町村に住所があるかどうかで変わります。

本籍地の市区町村に住所がある場合には、コンビニ交付の条件を満たしていればすぐに戸籍抄本を取得することができます。

具体的には、次の手順で取得します。

本籍地の市区町村に住所がある場合

 

①本籍地の市区町村がコンビニ交付に対応しているかを確認する

各市区町村がコンビニ交付に対応しているかどうかを、次のサイトで確認します。

参考:利用できる市区町村|コンビニエンスストア等における証明書等の自動交付

本籍地(住所)のある市区町村を選択すると、各市区町村の対応状況の詳細が表示されます。

各市区町村について表示される項目のうち「取得可能な証明書」の欄を確認します。

この欄の「戸籍」に丸印(「◯」)が付いている場合、その市区町村は戸籍抄本のコンビニ交付に対応しています。

 

②コンビニ交付に対応しているコンビニの店舗を探す

コンビニ交付に対応している(マルチコピー機が設置されている)コンビニの店舗の探し方は、「戸籍抄本を取得できるコンビニ一覧」のところで説明したとおりです。

 

③コンビニで戸籍抄本を取得する

マルチコピー機の設置されているコンビニの店舗へ行って、戸籍抄本を取得します。

具体的なマルチコピー機の操作方法は次のとおりです。

    1. ① メニューを選択
      マルチコピー機の画面で「行政メニュー」→「証明書交付サービス」の順にタッチ。
    2. ② カードをセットして読み取る
      マイナンバーカードまたはスマホ用電子証明書を搭載済のスマートフォンを置きます。
    3. ③ 証明書の種類を選択
      「お住まいの市区町村の証明書」を選びます。 ※本籍地が住所と同じ場合
    4. ④ 暗証番号を入力
      4桁の数字(利用者証明用電子証明書の暗証番号)を入力し、本人確認を行います。
      3回間違えるとロックされるので正確に入力しましょう。
      ※iPhoneの場合、暗証番号の入力の代わりに生体認証(Face IDまたはTouch ID)を利用できます。
    5. ⑤ カードを取り外す
      画面の指示に従い、カード又はスマホを忘れずに取り外します。
    6. ⑥ 「戸籍証明書」を選択して部数を入力
      一覧から「戸籍証明書」(※戸籍抄本もここに含まれます)を選び、必要な部数を入力します。
    7. ⑦ 最終確認と支払い
      表示された内容を確認して確定し、料金を投入口に入れます。
    8. ⑧ 印刷・受け取り
      戸籍謄本が印刷されます。

 

 

本籍地以外(住所と違う場所)の戸籍抄本を取得するやり方

本籍地の市区町村に住所がない場合には、事前にコンビニ交付の利用登録をする必要があります(下記②・③のプロセスが必要)。

本籍地の市区町村に住所がない場合

 

①本籍地の市区町村がコンビニ交付に対応しているかを確認する

確認の方法は「本籍地の市区町村に住所がある場合」のところで説明したとおりです。

参考:利用できる市区町村|コンビニエンスストア等における証明書等の自動交付

 

② コンビニ交付に対応している店舗を探す

コンビニ交付に対応している(マルチコピー機が設置されている)コンビニの店舗の探し方は、「戸籍抄本を取得できるコンビニ一覧」のところで説明したとおりです。

③ コンビニ交付の利用登録申請をする
コンビニ交付の利用登録申請をする方法として、(a)コンビニ等のマルチコピー機で申請する方法と (b)インターネット端末から申請する方法の2つがあります。

この記事では、(a) コンビニのマルチコピー機で申請する方法をメインに解説します。

 

コンビニ等のマルチコピー機で申請する方法
  1. ① メニューから「利用登録申請」を選択
    コンビニのマルチコピー機で「行政メニュー」→「証明書の交付」→「利用登録申請」の順にタッチします。
  2. ② 本籍地・筆頭者の入力
    画面の案内に従い、「本籍地の住所」と「戸籍筆頭者の氏名」を入力します。
  3. ③ カード情報の入力
    連絡先の電話番号・生年月日・カードの有効期限(西暦4桁)・セキュリティコード(顔写真の下にある4桁の数字)の情報を入力します。
  4. ④ 暗証番号を入力
    4桁の数字(利用者証明用電子証明書の暗証番号)を入力し、本人確認を行います。
    3回間違えるとロックされるので正確に入力しましょう。
  5. ⑤ カードを取り外す
    画面の指示に従い、カードを忘れずに取り外します。
  6. ⑥ 確定と「申請番号」の控え
    内容を確認して確定すると、申請番号が表示されます。申請番号をメモするか、マルチコピー機で印刷します(印刷は有料)。

 

インターネット端末から申請する方法

インターネット端末(ICカードリーダーを装備したパソコン)から申請を行う方法です。

この方法による場合には、事前にICカードリーダーを購入して自宅のパソコンに接続した上で、 戸籍証明書交付の登録申請サイトの利用登録申請画面から手続きを行います。

参考:戸籍証明書交付の利用登録申請

ワンポイントアドバイス:登録完了までは数日かかります!
利用登録申請を行っても、その場ですぐに戸籍抄本を取得することはできません。
申請から登録完了まで、通常5営業日程度(土日祝を除く)かかります。
急ぎで必要な場合は、登録完了を待たずに「役所の窓口」へ行くことを検討してください。

 

④ 利用登録の完了を確認する

以下の手順でコンビニ交付の利用登録が完了しているかどうかを確認します。

(1) 戸籍証明書交付の登録申請サイトの利用登録状況確認画面へアクセスします。

引用元:戸籍証明書交付の利用登録申請

(2) 利用登録申請の完了時に表示された申請番号(利用申請時にメモまたは印刷したもの)を入力し、「登録状況確認」をクリックします。

(3) 登録が完了している場合には、「利用登録完了」と表示されます。

 

⑤ コンビニで戸籍抄本を取得する

コンビニ交付に対応しているコンビニの店舗へ行ってマルチコピー機を操作します。

操作方法は、基本的に本籍地の市区町村に住所がある場合と同じです。

ただし、本籍地の市区町村に住所がない場合には、必要な証明書を選択する際に「お住まいの市区町村と本籍地が異なる方の戸籍関連証明書」を選択(※機種によって表示は異なる場合があります。)する必要がありますます。

 

 

戸籍抄本をコンビニで取得可能な時間は?

戸籍抄本をコンビニで取得できる時間帯は、原則として、年末年始を除く毎日6:30〜23:00の間です。

※本籍地の市区町村によって利用時間は異なる場合があります。

詳細は以下のウェブサイトから本籍地の市区町村を検索し、「提供時間に関する備考」欄をご確認ください。

参考:利用できる市区町村|コンビニエンスストア等における証明書等の自動交付

 

 

戸籍抄本をコンビニで取得する料金

戸籍抄本をコンビニで取得する場合の料金は、各市区町村によって異なります。

多くの市区町村では300円〜400円の間で設定されており、窓口で取得する場合(全国一律450円)よりも安く設定されているケースが多いようです。

 

 

コンビニで戸籍謄本が「取れない」原因と対処法

「戸籍謄本がコンビニで取れない」というトラブルが多く発生しています。

ここでは、その原因と対処法をご紹介します。

 

市区町村の対応状況

原因

そもそも、本籍地の市区町村が戸籍謄本のコンビニ交付に対応していない可能性があります。

対処法
  • 当該市区町村の窓口に電話をかけて確認する
  • 対応状況についてのまとめサイトで確認する

対応状況についてのまとめサイトはこちら

参考:コンビニ交付利用できる市区町村

 

マイナンバーカードに関するもの

原因
  • 誤ってマイナンバーカード以外のカードを使用している
  • マイナンバーカードの外部または内部が破損している
  • スマホの場合は電子証明書を搭載していない
対処法
  • マイナンバーカードを確認する
  • スマホの場合は電子証明書を搭載する

電子証明書の申請はこちら

参考:01 スマホ用電子証明書の利用申請を行う|マイナポータル

 

サービス提供時間に関するもの

原因

戸籍謄本をサービス提供時間(6:30〜23:00)外で取得しようとした。

対処法

サービス時間内に手続きをする。

 

事前の手続き漏れ

原因

本籍地のある市区町村に住所がない場合に、コンビニ交付の利用登録申請をしていない、または市区町村側での利用登録が完了していない。

対処法
  • 利用登録申請をする

利用登録申請はこちらをご確認ください。

参考:戸籍証明書交付の利用登録申請|証明書交付サービス<コンビニ交付>

 

マルチコピー機に関するもの

原因
  • 戸籍謄本の交付を受けたいのに「戸籍証明書交付の利用登録申請」を選択している
  • 本籍地のある市区町村に住所があるのに「他市区町村の証明書(お住まいの市区町村以外の証明書)」を選択している
  • 本籍地のある市区町村に住所がないのに「お住まいの市区町村の証明書」を選択している
  • マルチコピー機のカード置き場にマイナンバーカードがきちんと置かれていない。
  • マルチコピー機やカードリーダーが故障している、またはメンテナンス中である。
対処法
  • マルチコピー機の操作方法を店員の方に確認する

 

 

戸籍抄本とコンビニについてのQ&A

戸籍抄本をコンビニで取得する時間はどのくらいかかる?


マルチコピー機で戸籍抄本を取得する時間は5〜10分程度、コンビニ交付の利用登録申請にかかる時間は、およそ5日程度です。

 

マルチコピー機で戸籍抄本を取得する時間

戸籍抄本を取得するための準備がすべて整っている場合(本籍地の市区町村に住所がない場合には利用登録申請を済ませている状態)、コンビニのマルチコピー機を操作してから戸籍抄本1通(1枚)の取得(印刷の完了)までにかかる時間は、5分〜10分程度です。

※取得する戸籍抄本の通数や1通あたりの枚数が増えると、より多くの時間がかかります。

 

利用登録申請にかかる時間

本籍地の市区町村に住所がない場合、コンビニ交付の利用登録申請にかかる時間(利用登録申請を行ってから登録完了までにかかる時間)は、およそ5日程度です。

 

マイナンバーカードの取得にかかる時間

マイナンバーカードを持っていない場合、マイナンバーの取得にかかる時間(マイナンバーカードの申請を行ってから交付までにかかる時間)の目安は、およそ1ヶ月半〜2ヶ月程度です。

 

家族の戸籍抄本もコンビニで取得できますか?


同じ戸籍に載っている家族の分(例:未婚のお子様や配偶者)であれば、 メニュー選択でその家族を指定して戸籍抄本を取得できる自治体が多いです。

別戸籍の家族の分(例:結婚して戸籍が分かれた子供)は、たとえ家族であってもコンビニで戸籍抄本を取得することはできません。

この場合は、役所の窓口か郵送での請求が必要です。

 

 

まとめ

  • 戸籍抄本とは、戸籍に入っている一部の人に関する内容を証明するための書類(戸籍の一部分の写し)のことです。
  • マイナンバーカード(個人番号カード)を持っており、本籍地の市区町村が戸籍抄本のコンビニ交付に対応している場合には、マルチコピー機(キオスク端末)の設置されているコンビニの店舗で戸籍抄本を取得することができます(コンビニ交付)。
  • 戸籍抄本のコンビニ交付のやり方は、本籍地の市区町村に住所があるかどうかで異なります。
    本籍地の市区町村に住所がない場合には、事前にコンビニ交付の利用登録(申請から登録完了までには5日程度かかります。)を済ませる必要があります。
  • 利用登録等の事前の準備が済んでいる場合、戸籍抄本のコンビニ交付にかかる時間は5分〜10分程度です。
  • コンビニ交付を利用する場合、基本的には年末年始を除く毎日6:30〜23:00の時間帯で戸籍抄本を取得することができることから、戸籍抄本をたびたび取得する必要がある方にとっては便利な仕組みであるといえるでしょう。
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