メルペイはやばい?リスク・デメリットを弁護士が解説

監修者:弁護士 西村裕一
弁護士法人デイライト法律事務所 パートナー弁護士

メルペイは自分でしっかりと計画的に使用すれば、特にメルカリをよく利用するユーザーには便利なサービスです。そのため、絶対「やばい」というわけではありません。

しかし、メルペイの定額払いには年15%という比較的高い利率がかかります。

計画的に使用しなければ、支払い遅れにつながり、メルペイを使うことができなくなるだけでなく、ブラックリストに載ったり、他のクレジットカードが使用できなくなったりするリスクがあります。

この記事では、メルペイが「やばい」と言われるリスクやデメリット、メルペイのメリット、支払いが苦しい場合の対処法などについて、弁護士がわかりやすく解説していきます。

メルペイを安全かつ賢く利用するために、ぜひ本記事で正しい知識を身につけてください。

メルペイはやばい?

メルペイは、フリマアプリ「メルカリ」と連携したスマートフォン決済サービスであり、手軽に利用できる利便性から多くのユーザーに支持されています。

「後払い」や「定額払い」といった便利な機能がある一方で、ネット上には「メルペイはやばい」といった声も見受けられます。

他の金融サービスと同様に、メルペイの利用には便利な側面だけでなく、遅延損害金や手数料の発生、そして信用情報への影響といった、知っておくべきデメリットが存在します。

メルペイが「やばい」と言われる原因には、以下のようなリスクやデメリットがあるからです。

  • 高額な手数料が発生する
  • 遅延損害金の発生やブラックリストへの登録
  • ポイント還元がなく、クレジットカードでチャージできない
  • 詐欺の被害に遭うリスク

これらのリスクやデメリットについて、以下で詳しく解説していきます。

 

 

メルペイのリスクやデメリット

メルペイのリスクやデメリット

高額な手数料が発生する

メルペイの「メルペイスマート払い(定額払い)」とは、メルペイのあと払いを利用して、購入した商品を月々一定額で分割払いできるサービスです。

毎月の支払額を一定にすることができるため、高額な商品を購入する際、毎月の負担を軽減して、計画的な支払いを可能にすることができます。

しかし、メルペイの定額払いでは、利用金額に応じて年率15.0%という高い手数料が発生します。

この手数料は、クレジットカードのリボルビング払いと同様に、利用残高に対して日々計算されるため、支払いが長引けば長引くほど、支払い総額が当初の利用金額を大幅に上回ってしまう可能性があります。

利用者は、定額払いの利便性ばかりに目を向け、手数料の高さに気づかないまま利用を続け、「いつまでも支払いが終わらない」、「気づいたら支払い総額が高額になっていた」といった事態に陥るケースも少なくありません。

メルペイスマート払い(定額払い)を利用する際は、必ず手数料率を理解し、返済計画を慎重に立てることが不可欠です。

 

遅延損害金の発生やブラックリストへの登録

メルペイの「メルペイスマート払い」は、後払い決済サービスで、チャージが不要で、使った分だけを翌月にまとめて支払うことができます。

このように、メルペイスマート払いは、手元に現金がなくても商品を購入できる便利な機能ですが、支払い期日を過ぎると遅延損害金が発生します。

メルペイ利用規約によると、遅延損害金は年率14.6%と定められており、日割りで計算されます。

支払いが遅れれば遅れるほど、この遅延損害金は膨らみ、当初の利用金額に上乗せされて請求されることになります。

さらに、支払いの延滞は、単に遅延損害金が発生するだけでなく、メルカリやメルペイの利用が制限される可能性もあります。

具体的には、支払い期限日の翌日には後払い・定額払いの利用が停止され、翌月11日には後払い以外の決済やメルカリでの購入もできなくなる可能性があります。

最も重要なリスクは、支払いの延滞が信用情報機関に登録される可能性がある点です。

メルペイの「メルペイスマートマネー」のような貸金サービスや、一定期間以上のメルペイスマート払いの延滞は、法律に基づき指定信用情報機関に情報が連携されることがあります。

信用情報機関に延滞情報が登録されると、いわゆる「ブラックリスト」に載る状態となり、将来的にクレジットカードの新規作成、住宅ローンや自動車ローンなどの各種ローンの審査、さらにはスマートフォンの分割払いなど、様々な金融取引に悪影響を及ぼす可能性があります。

一度登録された延滞情報は、一定期間は消えることがないため、将来の生活設計に大きな影響を与える可能性があります。

 

ポイント還元がなく、クレジットカードでチャージできない

他の多くのキャッシュレス決済サービスが支払額に応じたポイント還元を提供しているのに対し、メルペイには日常的なポイント還元制度がありません。

この点は、ポイント還元によるお得感を重視するユーザーにとってはデメリットとなり得ます。

ただし、メルペイでは不定期でポイント還元キャンペーンを実施したり、値引きクーポンやポイント還元クーポンを配布したりしています。

これらを上手に活用することで、お得に利用することが可能です。

また、メルペイへのチャージは、クレジットカードからはできません。

銀行口座からのチャージまたはセブン銀行ATMからの現金チャージに限定されています。

他のキャッシュレス決済サービスではクレジットカードからのチャージが可能である者が多いため、この点はメルペイの利便性を損なう要因の一つと見なされることがあります。

ポイント還元やクレジットカードチャージがない点は、クレジットカードのポイントを貯めながらキャッシュレス決済を利用したいユーザーにとっては、デメリットとなるでしょう。

 

詐欺の被害に遭うリスク

近年、メルペイやメルカリを騙る詐欺メールやSNSアカウントが急増しています。

これらの詐欺は、利用者を偽のウェブサイトへ誘導し、個人情報やクレジットカード情報を不正に入手しようとするフィッシング詐欺が主な手口です。

巧妙に作成された偽サイトは、正規のメルカリ公式サイトと見分けがつきにくく、「未払金がある」「アカウントが停止される」といった緊急性を煽る文言で利用者を焦らせ、冷静な判断を奪う傾向にあります。

このような詐欺に遭わないためには、メルカリやメルペイからのメールやメッセージの送信元を常に確認し、不審な点があれば安易にリンクをクリックしないことが重要です。

また、個人情報の入力が必要な場合は、必ず正規のメルカリアプリやウェブサイトからアクセスするように徹底しましょう。

万が一、詐欺被害に遭ってしまった場合は、速やかにメルカリ運営事務局へ連絡するとともに、警察へ被害届を提出することを検討してください。

 

 

メルペイのメリット

メルカリの売上金やポイントを直接利用できる

メルペイの最大のメリットの一つは、メルカリで得た売上金やメルカリポイントを、そのまま日常の買い物に利用できる点です。

通常、フリマアプリの売上金を引き出すには手数料がかかる場合がありますが、メルペイを利用すれば、手数料を支払うことなく、売上金をそのままメルペイ残高として利用できます。

これにより、メルカリでの取引が、より実生活に直結した形でお得に活用できるようになります。

特に、本人確認を済ませていれば、売上金が自動的にメルペイ残高に移行されるため、チャージの手間を省き、スムーズな支払いが可能です。

このように、メルカリの売上金やポイントを直接利用できることは、メルカリを頻繁に利用するユーザーにとって、非常に大きなメリットといえるでしょう。

 

銀行口座登録なしでも利用可能

多くのキャッシュレス決済サービスが銀行口座との連携を前提としている中で、メルペイは銀行口座の登録なしでも利用できる点がメリットです。

具体的な利用方法として、セブン銀行ATMからのチャージや、コンビニでの現金チャージ、売上金でメルカリポイントを購入してiD支払いなどに充てる方法、売上金の振込申請期限内に売上金を振込申請する方法などがあります。

セブン銀行ATMやコンビニでの現金チャージに対応しているため、銀行口座を持たない方や、銀行口座の連携に抵抗がある方でも、気軽にメルペイを利用することができます。

セブン銀行ATMでのチャージは、「アプリでかんたん本人確認」を完了していれば誰でも利用可能で、最低1000円から99,000円まで1000円単位で入金できます。

これにより、クレジットカードや銀行口座がなくても、スマートフォン一つでキャッシュレス決済の恩恵を受けられる間口が広がります。

 

モバイルSuicaへのチャージ対応

メルペイ残高は、交通系ICカードであるモバイルSuicaにチャージすることができます。

これにより、メルカリの売上金やチャージした残高を、電車やバスなどの公共交通機関の利用に充てることが可能となります。

モバイルSuicaへのチャージは、Apple PayのWalletアプリを通じて簡単に行うことができ、1円単位でチャージ金額を指定できます。

このように、買い物だけでなく、日々の通勤・通学など、幅広いシーンでメルペイ残高を有効活用できるのは、非常に大きなメリットと言えるでしょう。

 

電子マネー「iD」での幅広い決済対応

メルペイは、コード決済に加えて、電子マネー「iD」での決済にも対応しています。

メルペイにおける「iD」とは、株式会社NTTドコモが提供する電子マネーサービスで、メルペイで決済を行う際に、スマートフォンの専用端末にかざすだけで支払いが完了するサービスです。

iDは、全国約135万ヶ所以上の店舗で利用できる汎用性の高い電子マネーであり、現金払いにおけるお釣りのやり取りや、クレジットカードにおける暗証番号の入力などを省略して、スマホひとつでスピーディーに支払いを完了させることができます。

これにより、メルペイのコード決済に対応していない店舗でも、iD決済に対応していればメルペイを利用できるようになり、メルカリの売上金やポイントを利用できる場所が大幅に拡大します。

このように、メルペイでiDを利用すれば、アプリを起動する手間も省けるため、よりスムーズでストレスフリーな決済が可能となる点は、メリットと言えるでしょう。

 

 

メルペイの支払いが苦しい場合の対処法

メルペイの支払いが苦しい場合の対処法

 

早期にメルペイに相談する

支払いが確定する前、あるいは支払い期日を過ぎてしまっても、すぐにメルペイに連絡し、相談することが非常に重要です。

支払いが困難であることを正直に伝えることで、支払い期限の猶予や、状況によっては支払い方法の変更などを検討してもらえる可能性があります。

メルペイの公式サイト上のヘルプセンターによれば、返済についての相談については、返済可能な日にちやその日に返済が可能な理由など必要事項を記入したうえで、メルペイに問い合わせることで、返済期限の延長などの対応をとってもらえる可能性があります。

一方的に支払いを滞納するのではなく、自ら積極的に相談することで、より建設的な解決策を見出せる可能性が高まります。

 

債務整理を検討する

メルペイの支払いだけでなく、他の金融機関や貸金業者からの借入もあり、返済に行き詰まっている場合は、債務整理を検討すべき段階に来ている可能性があります。

債務整理とは、法律に基づき、借金の減額、支払い猶予、免除などを債権者と交渉したり、裁判所の決定によって行う手続きの総称です。

債務整理には、以下の3つの方法があります。

  • 任意整理
  • 個人再生
  • 自己破産

まず、任意整理とは、裁判所を介さず、弁護士が代理人となり、債権者と直接交渉を行う手続きです。

将来発生する利息や遅延損害金をカットしてもらい、月々の返済額を軽減するために返済期間を延長してもらうことを目的とします。

一般的には、元金を3年から5年程度で無理なく返済する計画を立て、合意を目指します。

比較的早期に解決が見込め、手続きが柔軟である点が特徴です。

次に、個人再生とは、裁判所の監督のもとで進められる手続きで、借金総額を通常は5分の1から10分の1程度に大幅に減額してもらい、減額された借金を原則として3年かけて分割返済します。

多額の借金があるものの、自宅などの重要な財産を手放したくない場合や、自己破産による職業上の制限を避けたい場合に有効な選択肢となります。

そして、自己破産とは、借金問題の最終的な解決策として、裁判所に申し立てを行い、借金の支払い義務を全額免除してもらう手続きです。

裁判所が「免責」を認めれば、多額の借金であっても全てが帳消しになります。

しかし、自宅や車など一定以上の価値のある財産は処分する必要があり、一時的に就業が制限される職業があるなど、生活や社会的な立場に影響が出るデメリットも存在します。

メルペイの後払い決済による負債も、これらの債務整理の対象となります。

債務整理を弁護士に依頼すると、債権者からの直接の請求が一時的にストップするため、精神的な負担を軽減し、落ち着いて解決策を検討できます。

なお、債務整理の方法については、以下の記事で詳しく解説しておりますので、ぜひ参考にされてください。

 

債務整理に強い弁護士の無料相談を利用する

メルペイの支払いが苦しく、「債務整理をすべきか」、「どの方法が自分に合っているのか」といった判断に迷う場合は、債務整理に強い弁護士の無料相談を積極的に利用することをおすすめします。

多くの法律事務所では、借金問題に関する無料相談を実施しています。

無料相談では、現在のメルペイを含む全ての借金の状況、収入、家族構成、資産の有無などを詳細にヒアリングした上で、債務者の状況に合わせた最適な債務整理の方法を提案してくれます。

また、それぞれの方法のメリット・デメリット、手続きの流れ、かかる費用や期間についても具体的に説明を受けることができます。

借金問題は一人で抱え込まず、できるだけ早い段階で専門家の力を借りることで、根本的な解決を図ることができます。

法律事務所の無料相談を利用することで、費用をかけることなく自身の状況を客観的に把握し、今後の具体的な方向性を見出すことができるでしょう。

 

 

メルペイのリスクについてのQ&A

メルペイの後払いはやばいですか?

メルペイの後払いサービスであるメルペイスマート払いは、「やばい」と言われる原因は、利用状況によっては、以下のようなデメリットがあるからです。

まず、支払い期日を過ぎると年率14.6%という遅延損害金が発生します。

この遅延損害金は日割りで計算され、支払いが遅れるほど膨らんでいきます。

さらに、長期間の延滞は信用情報機関に登録され、将来のローンやクレジットカードの審査に悪影響を及ぼす可能性があります。

手元にお金がなくても買い物ができる手軽さゆえに、つい使い過ぎてしまうリスクも存在するため、自身の支払い能力を冷静に判断し、計画的な利用が不可欠です。

 

メルペイの定額払いはやばいですか?

メルペイの定額払いが「やばい」と言われる原因として、以下のようなデメリットが存在していることが挙げられます。

メルペイの定額払いは、月々の支払額を一定にできるため、一見すると計画的に見えるかもしれませんが、年率15.0%という高額な手数料が発生することになります。

この手数料は利用残高に対して計算されるため、支払いが長引けば長引くほど、支払い総額が当初の利用金額を大幅に上回ってしまうことになります。

手数料の仕組みを十分に理解しないまま利用すると、「いつまでも支払いが終わらない」、「気づいたら支払い総額が高額になっていた」といった事態に陥る可能性があります。

定額払いを利用する際は、必ず手数料率を確認し、無理のない返済計画を立てることが重要です。

 

メルペイを使いたくないのですが、どうすればいいですか?

メルペイを使いたくない場合、利用を停止するという方法があります。

まず、アプリからメルペイ残高を使い切るか、登録している銀行口座へ出金することができます(本人確認済みの場合)。

その後、メルペイの利用設定を解除することで、誤って利用してしまうことを防げます。

また、メルカリアカウント自体を削除することも可能ですが、その場合はメルカリのサービスも利用できなくなります。

もし、メルペイの支払いが残っている場合は、まずその残高をすべて清算する必要があります。

支払いが困難な場合は、放置せずにメルペイのカスタマーサポートに相談するか、債務整理を専門とする弁護士に相談することを検討しましょう。

 

メルペイの口座登録が怖いです。大丈夫ですか?

不正利用のリスクから銀行口座登録に不安を感じる気持ちは理解できますが、メルペイは二段階認証犯罪収益移転防止法に基づく本人確認など、さまざまな対策を講じています。

メルペイは、悪意のある第三者が、不正に入手した口座情報等をもとに、証券会社や決済事業者を通して金融機関の口座から不正に出金した場合には、顧客に対して全額補償することを公表しています。

また、利用者自身も、公式アプリや正規のウェブサイトからのみ登録手続きを行い、不審なメールやメッセージのリンクはクリックしない、定期的にパスワードを変更するなどのセキュリティ意識を持って利用することが重要でしょう。

 

 

まとめ

メルペイは、メルカリユーザーにとって売上金の有効活用ができる点や、銀行口座の有無にかかわらず利用できる手軽さ、そして多様な決済シーンに対応できる汎用性など、多くのメリットを有しています。

しかし、このような利便性の裏側には一定のリスクやデメリットが伴います。

メルペイの後払い決済や定額払いの利用は、安易に利用すると遅延損害金や高額な手数料が発生し、最悪の場合には信用情報に事故情報が登録され、将来の日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。

もし、メルペイの支払いが困難になったり、他の借金と合わせて返済に行き詰まったりした場合は、お一人で悩まず、債務整理に詳しい弁護士にお早めにご相談することをおすすめします。

デイライトでは、債務整理に詳しい弁護士による破産再生チームを設け、皆様の借金問題の解決に尽力しています。

借金問題については当事務所まで、どうぞお気軽にご相談ください。

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