不渡りになるとアコムから借入れはできない?弁護士が解説


不渡りになるとアコムから借入れをすることはできないでしょう。

借金の返済を滞納したことを、手形・小切手で決済できない状態を示す”不渡り”と表すことがあります。

不渡りになった場合、信用が低下してしまいますので、消費者金融から新たに借入れをすることは非常に厳しいです。

この記事では、不渡りになった場合にアコムから借入れできるのか、アコムの審査基準、生活が苦しい場合の対処法について、弁護士が解説しています。

この記事を読むことで、不渡りを起こすリスク、すでに不渡りを起こして借金問題に困っている人の対処法の理解が深まると思います。

不渡りになるとアコムは利用できない?

不渡りになった場合、アコムから新たにお金を借りることができるのでしょうか。

「新規にアコムから借り入れをする場合」と「アコムと取引がある場合」の2つのケースに分けて解説していきます。

 

新規にアコムから借り入れをする場合

アコム以外で借金をしていて、その借金を滞納している状態であれば、新たにアコムからお金を借りるのは難しいと考えておきましょう。

アコムに限らず、消費者金融やクレジットカード会社などは申込みの際に一定の審査を行います。

審査では「将来的に返済を滞納する恐れがないか」を重点的に調査されますが、その際、信用情報機関に登録された個人の信用情報を徹底的に調べられます。

信用情報機関には、各種ローンの申し込み履歴や借入・返済履歴などが登録されています。「入金状況」や「お支払いの状況」を確認すれば、借金の返済状況が一目でわかってしまいます。

「この利用者は借金を滞納しているにもかかわらずお金を借りようとしている」ことがバレてしまうと、信用性を疑われて審査落ちする可能性が高くなるでしょう。

特に不渡りが長期に渡り、滞納期間が61日以上または3ヵ月以上になった場合には、いわゆるブラックリストに載ってしまいます。

信用情報に傷がつくと返済滞納の可能性が高いとみなされるため、基本的にローン審査には通りません。

信用情報機関や登録された原因によっても異なりますが、基本的に不渡りとなっている借金を完済して5年程度は新たにローンを組めなくなるでしょう。

もし「信用情報ブラックでも借り入れできます」などとうたっている業者がいれば、闇金の可能性が高いのでくれぐれも気をつけてください。

 

アコムと取引がある場合

すでにアコムからお金を借りている場合には、利用限度額内であれば追加融資を受けることもできるかもしれません。

ただし、消費者金融やクレジットカード会社は定期的に信用情報をチェックしています。

定期審査の際に信用情報に傷がついていると、支払い能力に疑いを持たれて利用停止処分になる可能性があります。

また、すでにアコムから利用限度額までお金を借りている場合には、増額の申し込みの際に新たに審査が必要になります。

増額の再審査では、新規申し込みの審査と同様に個人の信用情報が確認されます。

返済を滞納して、不渡りとなって、ブラックリストに載っていると、増額申し込みの審査に落ちる可能性が高いと考えておきましょう。

 

 

アコムの貸付の審査基準

アコムでは「20歳以上で安定した収入と返済能力があること」を申し込みの条件にしていますが、審査基準の詳細については公表していません。

参考:お借入可能か簡単3秒診断|アコム

多くの消費者金融でも審査基準の詳細は公表されていないため、審査が厳しいか緩いかは申し込んでみないと判断できないことになります。

一般的には、年齢や職業、年収や他社からの借り入れ状況などを総合的に判断して貸付の可否を決定すると考えられます。

まだ若く公務員などの安定した職業に就いていれば、審査落ちする可能性は低くなるでしょう。

一方で、高齢でパート・アルバイトなど今後の収入が安定しない可能性が高いケースでは、審査落ちする可能性が高くなります。

また、安定した収入の条件を満たしていても信用情報に傷がついている場合には、信用性を疑われて審査落ちする可能性も十分に考えられます。

 

 

不渡りを出した者が借り入れをするリスク

借金を滞納して不渡りになってしまった場合、滞納分を返済するために新たに借金をすることを考えるかもしれません。

しかし、借金の返済のために借金をすることには、次のようなリスクがあります。

不渡りを出した者が借り入れをするリスク

 

返済窓口が増えて管理が大変になる

返済日や返済額が異なる複数の業者からお金を借りていると、返済管理が大変になります。

どこから、いくらお金を借りているかが把握できないと、多重債務者になり借金の返済が困難になる可能性が高いです。

返済を管理できなくなると滞納する数も増えていき、いずれ長期に渡り滞納してしまう業者も出てくるでしょう。

その状態までいくと、もはや借金全額の返済は困難になり、取り返しがつかないことになる恐れがあります。

 

借金総額が増えて返済しきれない恐れがある

借金がまだ返し終わってないにもかかわらず別の業者から新たにお金を借りると、借金の総額が増えて返済が困難になる可能性が高いです。

借金の返済に間に合ったとしても、新たに借金をすることになるので実質的に借金は減っていません。返済日を先送りにしているだけで、根本的な問題解決にはなっていないのです。

また、借金を滞納している以上、新たな業者からお金を借りる際の審査で不利な条件になる可能性が高いです。

金利が高く設定された状態で借金をすると、その分利息負担が大きくなり返済が長期化する可能性が高いでしょう。

借り入れ先が増えるごとに利息負担は増えるので、雪だるま式に借金総額は増えていきます。

新たな借金を増やすことは自分の首をしめることになるので、別の解決方法を探しましょう。

 

財産の差し押さえや自己破産につながるリスクも

多重債務者となり借金の返済が困難になると、裁判を起こされて財産を差し押さえられる可能性が高まります。

裁判を起こされて判決が出てしまうと債権者はいつでも強制執行の手続きを取れるようになるので、近い将来、強制的に財産を差し押さえられる可能性が高いです。

複数から借り入れをしている場合には、各業者から差し押さえを受ける恐れがあります。給与口座や毎月の給与そのものを差し押さえられると、苦しかった生活がさらに苦しくなるでしょう。

特に、給料の差押えを受けると、勤務先にも借金の存在が知れてしまい、勤務先にも居づらくなってしまいます。

最終的には自己破産するしか道がなくなってしまい、長期に渡ってカードを作れなくなったり、各種ローンを組めなくなったりします。

取り返しがつかなくなる前に、早めの対策を心がけましょう。

なお、多重債務者になるリスクについては以下の記事もご覧ください。

 

 

生活が苦しい場合の対処法

毎月の返済でどうしても生活が苦しい場合には、以下の対処法を検討してみましょう。

生活が苦しい場合の対処法

家計を見直し、支出を減らす

毎月の生活費が足りないと思う場合には、まずは家計を見直して支出を減らせないか検討してみましょう。

人によって抑えられる項目は異なりますが、たとえば以下のような支出を減らせないかチェックしてみてください。

【固定費】

  • 家賃
  • 電気、ガス、水道、光熱費
  • スマホ、インターネットの通信費
  • 生命保険・火災保険・学資保険などの保険料
  • 子どもの習い事などにかかる教育費
  • 各種サブスクリプションサービス  など

【変動費】

  • 外食費
  • 毎月の飲み会代
  • お酒、タバコなどの嗜好品
  • 被服費、美容院代
  • 旅行費  など

毎月の支出で少しでも減らせる部分があれば、減った分を借金の返済に回せます。

収入を増やすことが難しくても、支出を減らすことで収入を増やすことと同じ効果を得られるのです。

嗜好品や自分の趣味などをいきなり全て絶ってしまうのは現実的ではありません。借金の返済で辛い思いをしているにもかかわらず、過度な節約をすると途中で節約を断念してしまう恐れもあります。

まずは全体の収支状況を把握するために、スマホのアプリなどを利用して家計簿をつけてみましょう。そのうえで、無理のない範囲で支出を減らせないか検討してみましょう。

 

公的支援や税金の減免制度を利用できないか検討してみる

毎月の生活費が足りないのであれば、国や各自治体が実施している生活困窮者向けの貸付制度や給付金制度の利用を検討してみましょう。

また、生活状況次第では住民税や国民年金、国民健康保険などの減免措置を受けられる可能性もあります。

公的支援制度なら、消費者金融よりも低金利でお金を借りれる可能性があります。利用条件を満たせば無利子でお金を借りれる場合もあるでしょう。

返済期限も長めに設定されていているケースが多く、給付金であれば返還の必要すらありません。

公的支援制度にはさまざまなものがありますが、たとえば以下のようなものが挙げられます。

  • 社会福祉協議会の生活福祉金
  • ハローワークの求職者支援資金融資
  • 各自治体の母子父子寡婦福祉資金貸付金
  • 生活保護  など

貸付条件は各支援制度によって異なるので、詳しくは社会福祉協議会や各自治体の窓口に問い合わせてみましょう。

 

債務整理を検討する

さまざまな対策を施したにもかかわらずそれでも生活が苦しい場合には、債務整理をして借金の減額・免除をめざしましょう。

債務整理とは、借金問題を解決するための手続きのことです。主に次の3つの種類があります。

手続き 概要 メリット
任意整理
  • 借金業者と交渉し毎月の返済額を調整する手続き。
  • 利息、遅延損害金のカットや返済回数の調整により毎月の返済負担を減らせる
  • 裁判所を通さない手続きなので、比較的簡単に借金を整理しやすい
  • 家族や会社にバレずに手続きを進められる
自己破産 裁判所に申し立てて、借金の返済を免除してもらう手続き。 税金などの一部の借金を除き、元本を含む借金全額をゼロにできる。
個人再生 裁判所に申し立てて、元本を含む借金総額を大幅に減額してもらう手続き。 借金総額を大幅に減額できるうえ、さまざまな理由で自己破産できない場合でも手続きを進められる



どの手続きを選択すべきかは、借金総額や返済状況、収支状況や今後の返済見込みなどから判断する必要があります。

各手続きのメリット・デメリットをしっかり把握して、自分に合った手続きを選択しましょう。

自己破産しかないと考えていても、弁護士に相談すれば任意整理を行うことで生活苦を十分に改善できるケースも多いです。

債権者から裁判を起こされると任意整理が難しくなる可能性があるので、借金返済が苦しくなったら早めに弁護士に相談することを心がけましょう。

なお、債務整理のメリットやデメリットをくわしく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

 

 

不渡りとアコムについてのQ&A

不渡りが発生した場合、自己破産をした方がよいのですか?

不渡りになってしまったからといって、必ずしも自己破産したほうがよいとは限りません。

1度の借金滞納であれば、すぐに返済することでブラックリストに載るのを回避できます。

また生活が苦しいのであれば、家計の見直しや公的援助制度などを利用することで、生活苦を改善できる可能性があります。

弁護士に相談して債務整理をするにしても、状況次第では自己破産ではなく任意整理などを行うことで問題を解決できるケースも多いです。

借金の返済を滞納している以上、生活が苦しくなっているのは間違いないので、自己破産すべきかを迷う前にまずは専門家の意見を聞いてみることをおすすめします。

 

不渡り後、どのくらいの期間影響が残りますか?

借金返済を滞納すると、返済日の翌日から遅延損害金が発生します。

すぐに返済すれば遅延損害金の額も少額で済み、そのまま借り入れを継続できますが、滞納期間が61日以上または3ヵ月以上になると、ブラックリストに載ってしまいます。

ブラックリストに登録されると、滞納分を返済してからおおよそ5年程度は信用情報に傷がついたままとなります。

滞納が事実であれば信用情報を自分から削除することはできないので、長期に渡ってクレジットカードが使えなくなったり、住宅ローンなどを組めなくなります。

登録期間は信用情報機関や登録原因によっても異なりますが、不渡りによる影響を最小限に抑えたいなら、ブラックリストに載る前に適切な対策を施すことが重要になります。

なお、ブラックリストについてくわしく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

 

 

まとめ

不渡りになると、アコムから借入れをすることはできないでしょう。

また、不渡りになっている状態で、借金返済のために借金をすることは、返済管理ができなくなり完済がますます困難になるだけです。

不渡りの期間が長くなると、裁判を起こされて、最終的には財産を差し押さえられてしまうリスクもあるので、できるだけ借金総額を増やさないような対策を検討しましょう。

借金が増えすぎて、手がつけられなくなる前に、早めに自分の生活を見直し、債務整理も含めた対策をとることが必要です。

早めに借金問題に精通した弁護士に相談するようにしましょう。

デイライトでは、借金問題の経験豊富な弁護士で構成された破産再生チームを設けて、借金問題に困っている方を全力でサポートしています。

借金問題は放置していても解決しません。一人で悩まずぜひお気軽にご相談ください。

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