警察の少年課からの突然の呼び出し!対応や注意点を解説

警察の少年課から呼び出しを受けると、多くの方が不安や戸惑いを感じるものです。
子どもが何らかの問題で少年課から呼び出しを受けた場合、保護者としてどう対応すべきか、どのような流れで事件が進んでいくのか、不安に思われることでしょう。
少年課からの呼び出しは、子どもの将来に大きく影響する可能性があるため、適切な対応が求められます。
少年事件は、本人や家族の将来に大きな影響を与える可能性があるため、冷静に向き合うことが重要です。
少年課の役割や、呼び出しの対応方法、少年事件の流れなどをあらかじめ確認しておくことで、過度に不安を抱えることなく、冷静な対応が可能となります。
この記事では、警察の少年課の役割、呼び出しの理由、対応方法、少年事件の流れ、注意点、弁護士に相談するメリットなどについて、弁護士が解説します。
目次
警察の少年課とは?
警察の少年課は、少年事件を専門的に扱う警察の部署です。
少年事件とは、20歳未満の少年が起こした犯罪や、将来犯罪を起こす可能性のある問題行動に関する事案を指します。
警察の少年課では、少年が起こした事件や問題行動について、必要な調査を行います。
少年法は、少年の健全な育成を図ることを目的としており、警察の少年課もこの理念に基づいて活動しています。
警察の少年課は、単に少年の犯罪行為を摘発し、処罰することだけを目的としているわけではありません。
少年課の大きな役割の一つは、少年の健全な成長や社会復帰を支援することにあります。
少年課は、少年の非行や問題行動の背景にある家庭環境や交友関係、心理的な要因などを丁寧に調査し、必要に応じて指導や助言を行います。
これは、少年が再び非行に走ることを防ぎ、社会の一員として自立できるようにするためです。
また、少年課は少年自身だけでなく、保護者や学校、地域社会と連携しながら、再発防止や更生のための環境づくりにも力を入れています。
摘発や処罰だけでなく、教育的・福祉的な観点から少年を支援することも、少年課の重要な使命となっています。
そのような活動の中で、必要が生じると、少年課は少年やその保護者を呼び出すことがあります。
突然このような呼び出しを受けた場合、何か変なことに巻き込まれたのではないかと、不安に思われるのは当然です。
警察の少年課から呼び出しがある理由としては、さまざまなものが考えられます。
なぜ少年課から呼び出しを受けるのか、警察の少年課から呼び出しがある理由を、詳しく見てみましょう。
警察の少年課が呼び出す理由は?
警察の少年課からの呼び出しには、いくつかの理由が考えられます。
たとえば、少年が何らかの犯罪行為や非行に関わった疑いがある場合などは、ひとつの理由として考えられます。
ただし、少年課から呼び出しがあるのは、そのような場合に限られません。
少年課から呼び出しがあったからといって、必ずしも逮捕されるわけではありません。
呼び出しの理由はさまざまであり、必ずしも重大な事件や犯罪に直結するものとは限りません。
そのため、少年課から呼び出しがあったからといって、過度に不安になる必要はありません。
呼び出しに対して適切に対応していくためには、まず、「なぜ呼び出されたのか」という理由をしっかりと確認し、把握することが重要です。
少年課からの呼び出される理由としては、たとえば以下のようなものが考えられます。

犯罪行為の疑いがある場合
警察の少年課から呼び出しがある理由の典型例のひとつが、少年が何らかの犯罪行為や非行に関わった疑いがある場合です。
少年によく見られる犯罪としては、たとえば、万引きや、喧嘩による傷害、バイクによる暴走行為などがあります。
これらの罪は、被害者や目撃者による通報によって発覚することがあります。
現場から逃走していても、証言や防犯カメラの映像などから身元が判明した場合、後日警察の少年課から呼び出されるという流れとなります。
非行の疑いがある場合
少年課から呼び出しがあるのは、犯罪の疑いがある場合に限られません。
犯罪以外の非行に当たる行為が発覚した場合にも、少年課から呼び出されることがあります。
非行とは、たとえば喫煙や飲酒、深夜徘徊などの、犯罪に至らない問題行為のことです。
これらの行為は、犯罪ではなく、成人であれば自己責任として許容されるものです。
しかし、少年の場合は、心身の発達が未熟であり、判断能力や自制心が十分に備わっていないことが多いという特徴があります。
このため、上記のような行為を放置しておくと、将来の健全な成長や社会生活に悪影響を及ぼすおそれがあります。
そこで、社会全体で少年を保護し、問題行動を早期に発見・是正するため、警察の少年課が介入して指導や助言が行われることがあるのです。
事情を聞きたい場合
少年に何らかの事情を聞きたい場合も、警察の少年課から呼び出されることがあります。
これは、上記のような、少年自身に犯罪や非行の疑いがあるケースとは異なります。
たとえば、別の少年が何らかの事件に関与している場合に、その少年の友人として事情を聞きたい、といったケースがあります。
また、少年が何らかの事件や事故を目撃しており、そのことについて話を聞きたいということもあるでしょう。
このような理由による呼び出しの場合は、少年自身に何か問題があるわけではなく、純粋に情報提供の依頼という趣旨での呼び出しとなります。
警察の少年課から呼び出しがあったときの対応法
警察の少年課から呼び出しを受けた場合、冷静かつ適切に対応することが重要です。
少年課からの呼び出しがある理由は、上記のようにさまざまです。
少年課から呼び出しがあったからといって、必ずしも少年自身に問題があるとは限りません。
少年課からの呼び出しに対応する際は、次のような点に注意するようにしましょう。

呼び出しの理由を確認する
まず、呼び出しの理由を確認しましょう。
少年課から呼び出しがあったということは、少年に犯罪の容疑があるのかもしれません。
あるいは、少年自身の問題ではなく、友人などの関係で話を聞きたいという可能性もあります。
理由がはっきりしないまま、漠然と「呼び出された」というだけでは、何の件なのかが当日になるまでわかりません。
どのような件で呼び出されているのか、どのような立場(容疑者、参考人、被害者など)で呼び出されているのかを、呼び出しの段階ではっきりさせておくことが大切です。
呼び出しの日時や場所を確認し、確実に応じる
少年課から呼び出しがあった場合、呼び出しの理由だけでなく、呼び出しの日時や場所といった形式的な事項について確認することも重要です。
呼び出しには強制力こそないものの、無視せずにきっちり対応する必要があります。
呼び出しに応じることで、先方の聞き取りたい事項に答えるだけでなく、どのような事情で呼び出されているのか、逆にこちらの疑問解消にもつながります。
より強い手段を取られることもないとはいえませんので、きちんと呼び出しに応じられるよう、いつ、どの警察署に行けばよいのかを確認することも大切です。
少年の言い分を確認する
警察から呼び出しの理由を聞き取ったら、その件について、本人がどのように認識しているかを確認しましょう。
警察側の説明と、本人の受け止め方や理解に食い違いがないかを把握することが重要です。
どのような経緯でその状況に至ったと考えているのか、警察の指摘内容についてどう思っているのか。
これらを冷静に聞き取ることで、今後の対応や弁護士への相談の際に役立ちます。
ただし、特に少年本人に何らかの犯罪の疑いがある場合などは、嘘をついたりごまかしたりすることもあります。
それは、ある意味自然な反応でもありますので、問い詰めるようなことは避けるべきです。
本人の認識を確認する際は、責めるのではなく、事実を整理する姿勢で臨みましょう。
弁護士に相談する
呼び出しに応じる前に、弁護士に相談しておくことも重要です。
特に、少年が容疑者として呼び出されている場合は、警察での供述が、その後の処分に影響を与えることもあります。
取り調べの際は、事実に基づいて誠実に答えることが重要ですが、自分に不利益な供述を強要されることはありません。
黙秘権は憲法で保障されている権利であり、少年にも適用されます。
供述をするのかしないのか、するとしてどの範囲で供述するのか、といったことを、あらかじめ弁護士と打ち合わせておくことが重要です。
少年課からの呼び出しは、子どもの将来に大きく影響する可能性があるため、真摯かつ慎重に対応することが大切です。
少年事件の流れ
少年事件の手続きは、少年の健全な育成と更生を重視した制度となっています。
このため、少年事件は、成人の刑事事件とは異なる特別な手続きで進行します。
ここでは、少年事件の基本的な進行過程について解説します。

① 捜査・調査
14歳を超えた少年が法律違反の行為をした場合、少年であっても刑法上の責任を問われます。
この場合、警察は通常の犯罪と同じように事件の捜査を行います。
一方、14歳未満の少年が同じような行為をした場合は、法律上は犯罪が成立しないとされています。
そのため、警察は「捜査」ではなく、「調査」という形で事実関係を確認します。
「調査」は、「捜査」とは性質が異なり強制力を持ちません。
少年への聞き取りなどは、本人の協力を得て任意で行われるもので、無理に取り調べたり、拘束したりすることはできません。
②家庭裁判所への送致
警察の捜査・調査を経た少年事件は、原則としてすべて家庭裁判所に送致されます。
これを「全件送致主義」といいます。
成人事件では検察官が起訴・不起訴を決定しますが、少年事件では、家庭裁判所が中心となって審判や処遇を決定する点が、大きく異なります。
③調査官の調査・観護措置
家庭裁判所に事件が送致されると、まず家庭裁判所調査官による社会調査が行われます。
調査官は、少年本人との面接や、関係者からの聞き取り、心理テストなどを通じて、非行の原因や少年の性格、生育環境、将来の可能性などを多角的に調査します。
また、必要に応じて「観護措置」が取られることがあります。
観護措置とは、少年を少年鑑別所に一定期間収容し、その行動や性格を専門的に観察・分析する制度です。
④少年審判の開始又は不開始
調査結果をもとに、家庭裁判所の裁判官は、少年審判を開始するか否かを判断します。
調査の結果、非行事実が認められない場合や、審判に付する必要がないと判断された場合には、「審判不開始」となり事件は終了します。
一方、少年に非行事実があり、審判に付すべきと判断された場合には「審判開始」が決定されます。
⑤処分
少年審判が開かれると、事件の内容や少年の生活状況、将来の展望などについて審理されます。
成人の刑事裁判と異なり、少年審判は非公開で行われ、少年の更生を主眼に置いた教育的な雰囲気の中で進行します。
審判の結果、保護観察や少年院送致、検察官送致(逆送)などの処分が決定されます。
また、非行事実が認められない場合や、性格や環境に問題がなく、特別な措置が不要と判断された場合には、不処分となることもあります。
⑥刑事裁判(検察官送致の場合)
検察官送致(逆送)された場合、事件は通常の刑事裁判の手続きに移行します。
刑事裁判の結果、有罪判決が確定すると刑罰が執行されますが、少年の場合は、特に改善更生の可能性が重視されます。
少年事件の流れや詳細については、以下のページをご覧ください。
警察の少年課から呼び出しがあったときの注意点
警察の少年課から呼び出しを受けた際には、いくつかの重要な注意点があります。
呼び出しを受けても、適切に対応することで、影響を最小限に抑えることができます。
少年課から呼び出しがあったときは、次のような点に注意するとよいでしょう。
呼び出しへの対応の基本
まず、呼び出しを無視しないことが基本です。
警察としても、少年をわざわざ呼び出すということは、それなりの理由があってのことです。
無視していればそのうち呼び出されなくなる、といったことは、基本的にありません。
呼び出しに応じない場合、逮捕状が発付されるなど、状況が悪化する可能性があります。
もし、都合が合わない場合は、理由を説明し、日程の調整を申し出るようにしましょう。
警察官の質問への対応
警察官の質問に対しては、虚偽の回答をしないことが重要です。
虚偽の供述をすると、後で矛盾や食い違いが生じてしまい、信頼を損なう原因となります。
答えたくない質問に対しては、嘘を付くのではなく、黙秘権を行使するようにしましょう。
保護者の対応姿勢
保護者としては、子どもを責めるのではなく、支える姿勢が重要です。
少年の更生には、家族の理解と支援が不可欠です。
家族だからこそ話しづらい、ということもあるかと思いますので、無理にすべてを聞き出す必要はありません。
本人が話したいときにはいつでも話ができる、という家庭環境を整えることが重要です。
少年事件への理解
少年事件は、少年の持つ特性に配慮し、成人の刑事事件とは異なる特有の手続きが定められています。
このような少年事件の特徴を理解しておくことは、少年課からの呼び出しに対応する上で役に立ちます。
少年法の理念は、「少年の健全な育成」です。
少年事件は、犯罪を摘発して処罰するのではなく、更生を支援するという視点で手続きが定められています。
このような少年事件の特性を理解した上で、適切な対応を心がけましょう。
少年課から呼び出しがあった保護者が弁護士に相談するメリット
警察の少年課から呼び出しがあった場合、保護者が弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に相談することには、次のようなメリットがあります。
専門家としてのアドバイスが得られる
弁護士は、少年事件に関する専門的な知識を持っているため、事件の流れや法的手続きについて、的確なアドバイスを提供できます。
少年法や刑事手続きは複雑であり、専門家のサポートがあることで、保護者は状況を正確に理解し、適切な対応を取ることができます。
少年に寄り添った支援が可能
少年事件を多く手がける弁護士は、少年期に特有の心理状態についても、深く理解しています。
弁護士は、単に法律的なアドバイスを行うだけでなく、少年本人の不安や戸惑い、将来への心配などに対して、寄り添った対応が可能です。
たとえば、少年は大人に比べて、自分の置かれた状況を正確に把握できなかったり、感情的に動揺しやすかったりする傾向があります。
弁護士は、こうした心理的な特性を踏まえ、少年が安心して話せるような雰囲気づくりや、分かりやすい言葉での説明を心がけます。
また、少年が自分の気持ちや状況をうまく表現できない場合でも、弁護士が丁寧に話を聞き取り、必要に応じて保護者や関係者と連携しながら対応を進めます。
少年の立場に立ったきめ細やかな支援が受けられることは、少年と保護者の双方にとって大きな安心材料となります。
保護者自身の精神的な負担を軽減する
弁護士に相談することで、少年本人だけでなく、保護者自身の精神的な負担も大きく軽減されます。
少年課からの突然の呼び出しは、保護者にとっても非常にショッキングな出来事です。
警察の少年課から突然の呼び出しを受けると、どう対応すればよいのか、強い不安や戸惑いを感じるのが自然です。
少年事件は、保護者にとって非常に大きなストレスとなり、精神的にも追い詰められてしまうことがあります。
そのような状況で、専門家である弁護士に相談することで、今後の流れや適切な対応方法について、具体的なアドバイスを受けることができます。
自分一人では判断が難しい場面でも、弁護士が寄り添いながら助言してくれるため、「どうしたらよいか分からない」という不安が和らぎ、精神的な負担の軽減につながります。
弁護士に相談しておくことで、保護者が一人で抱え込む必要がなくなります。
精神的な負担を大きく緩和できる点で、弁護士に相談することは、保護者にとっての大きなメリットとなります。
処分軽減に向けた付添人活動
弁護士によるサポートは、単なる助言だけにとどまりません。
弁護士は、家庭裁判所での審判手続において、少年の権利や利益を守るために、さまざまな活動を行います。
少年審判における弁護士は、「付添人」という立場になります。
たとえば、審判廷で意見を述べたり、証拠の提出や証人尋問を行ったり、少年や保護者への助言・サポートをしたりと、付添人の役割は多岐にわたります。
付添人は、審判廷で意見を述べることができ、弁護士の専門的な立場からの意見や主張は、審判の結果に大きな影響を与えることがあります。
重大な事件の場合、検察官送致(逆送)となる可能性もありますが、弁護士はそれを回避するための付添人活動を行うこともできます。
少年事件における弁護士の役割や相談のメリットについての詳しい解説は、以下のページをご覧ください。
警察の少年課からの呼び出しについてのQ&A
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警察からの呼び出しを受けると厳重注意を受ける?
呼び出しの目的は事情聴取であり、その結果によって警察の対応も異なってきます。
軽微な非行の場合は、口頭での注意で終わることもありますが、事案の内容によっては、家庭裁判所に送致されることもあります。
いずれにせよ、呼び出しには誠実に対応し、必要に応じて弁護士に相談することをお勧めします。
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警察からの呼び出しで前科がつきますか?
前科は、刑事事件で有罪となった記録のことをいいます。
前科となるのは、検察官送致(逆送)された後に刑事裁判で有罪判決を受け、その判決が確定した場合のみです。
少年事件の多くは家庭裁判所での審判となり、保護観察や少年院送致といった保護処分を受けることがあります。
このような処分を受けた経歴は、前科にはなりません。
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警察の少年課に呼び出されたら必ず応じる必要がありますか?
呼び出しそのものは、逮捕のように強制的な拘束力があるものではなく、あくまで任意の協力を求められているにすぎません。
とはいえ、正当な理由なく呼び出しを無視していると、逮捕状が発付される可能性もあります。
どうしても都合がつかない場合は、理由を説明し、日程変更を申し出ることは可能です。
呼び出しに応じるべきか判断に悩むときは、弁護士に相談してから対応することも選択肢の一つです。
まとめ
この記事では、警察の少年課からの呼び出しが来たとき知っておくべきことについて、警察の少年課の役割、呼び出しの理由、対応方法、少年事件の流れ、注意点、弁護士に相談するメリットなどを解説しました。
記事の要点は、次のとおりです。
- 警察の少年課は、少年による犯罪の捜査や非行少年の補導など、少年の健全育成を目的とした専門の部署である。
- 少年課からの呼び出しの理由には、犯罪行為の疑い、素行不良の調査、被害者や目撃者としての事情聴取などがある。
- 呼び出しを受けた場合は、理由を確認し、弁護士に相談した上で、保護者同伴で対応するのが望ましい。
- 少年事件は、警察から検察庁を経て家庭裁判所に送致され、家裁での社会調査や審判を経て処分が決定される特有の流れがある。
- 弁護士に相談するメリットとしては、専門的アドバイスの提供、取り調べへの立会い、証拠収集、家裁での意見陳述など多岐にわたる。
当事務所は、刑事事件のご相談の予約に24時間対応しており、LINEなどのオンライン相談を活用することで、全国対応も可能となっています。
まずは、お気軽に当事務所までご相談ください。
ご相談の流れは以下のページをご覧ください。
少年事件のよくある相談Q&A
なぜ刑事事件では弁護士選びが重要なのか









