不起訴はいつわかる? 検察庁から連絡がない理由について弁護士が解説

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA
  

警察から取り調べを受けたものの、その後検察庁からの連絡がないと、自分の処分がどうなったのかわからず不安なことと思います。

検察庁が容疑者に連絡してくるタイミングは事件によってまちまちですので、なかなか連絡がこないというケースもあるのです。

このページでは、検察庁からの連絡がない理由や、不起訴となったかどうかを知る方法について解説します。

不起訴とは

不起訴とは、検察官が捜査対象とした容疑者について、起訴しないという判断をくだすことをいいます。

起訴されないということは、刑事裁判にかけられないということであり、当然有罪判決を受けることもありません。

すなわち、刑事手続上はなんらの処分も受けずに事件が終結するということです。

不起訴処分となる理由はいくつかありますが、主なものでは、証拠が不足するなどで容疑が固まらなかった「嫌疑不十分」や、容疑者の反省や被害弁償等の状況を考慮し刑事処分を科すまでもないと判断される「起訴猶予」があります。

不起訴処分についてさらに詳しくお知りになりたい方は、こちらをご覧ください。

 

 

不起訴はいつわかる?

刑事事件の捜査には、逮捕・勾留によって容疑者の身柄を拘束して捜査を行う「身柄事件」と、取調べの必要が生じたときに都度容疑者を呼び出す「在宅事件」とがあります。

不起訴処分となったことが判明する時期は、事件が身柄事件と在宅事件のいずれであるかによって変わってきます。

 

身柄事件の場合

逮捕・勾留をともなう身柄事件であれば、不起訴処分の判明する時期は明確です。

勾留は、当初の勾留で10日間、延長も含めて最長で20日間という期間制限があるため、検察官は勾留の期間内に容疑者を起訴するかを決定しなければなりません。

したがって、勾留期限が切れる前には起訴するか否かの判断が告げられることになります。

ただし、処分保留のまま容疑者を釈放し、在宅事件として引き続き捜査が継続する(在宅事件に移行する)こともあります

この場合は、以下の在宅事件と同様の流れになります。

 

在宅事件の場合

身柄事件と異なり、在宅事件では、起訴・不起訴の判断がなかなか出ないことがあります。

これは、身柄事件の場合、検察官は容疑者を勾留している期限内に起訴・不起訴の判断をしなければならないのに対し、在宅事件では、容疑者の身柄を拘束しておらず、そのような期間の制約がないためです。

一応、在宅事件の場合であっても、いわゆる「時効」というものがあり、いつまでも無制限に起訴できるというわけではありません

しかし、勾留の期間が最長でも20日間であるのに対し、時効が成立するまでには、罪の重さによって変動はあるものの、最短でも1年を要します。

つまり在宅事件の場合は、極端な例では、時効が成立するまでの数年間にわたり、起訴・不起訴が判明しないということもあり得るのです。

もっとも、在宅で捜査が進む事件は比較的軽微な事案が多いと考えられ、半年から1年の間にはなんらかの結論が出ることが多いと思われます。

 

 

検察庁から連絡がない理由

検察官にとって、勾留期間の制約がある身柄事件は非常にタイトなスケジュール感で動かなければならないのに対し、在宅事件では、時効にさえかけなければいいので、ある程度余裕をもって判断することができます。

そのため、捜査を受ける側としては、いつまでも最終的な処分が決定せず不安を抱えて過ごさなければならないこともよくあります。

検察庁からなかなか連絡がこない背景には、次のような事情があると推測されます。

捜査に時間がかかっている

起訴・不起訴の判断は、検察官にとって、事件に対する終局的な判断です。

検察官が容疑者を起訴するのは、確実に有罪判決が得られる見通しが立った場合に限られます

裁判で有罪を立証するに足りる十分な証拠が収集できた場合、検察官は起訴に踏み切ることができますが、そうでない場合は、捜査を継続せざるを得ません。

もちろん、立件をあきらめて不起訴処分としてもよいのですが、在宅捜査であれば時間の猶予が年単位であるわけですので、検察官としては結論を急がずとも、時間をかけて捜査を進めることができるわけです。

身柄がとられないこと自体は好ましいことではあるのですが、身柄事件のような厳格な時間制限が課せられない反面として、捜査が長期化してなかなか終局判断が出ないことがあり得ます。

捜査が継続している場合、取調べのために捜査機関から呼び出されることがあります。

検察庁から呼び出された際の理由や対処法についてお知りになりたい方は、こちらをご覧ください。

 

不起訴になっている

検察官から連絡がない場合、捜査が継続している可能性のほか、すでに捜査が終結し、不起訴処分となっている可能性があります

起訴されると起訴状が送達されるのに対し、不起訴の場合、特に何かの通知がくるということはありません。

検察官によっては、容疑者に対して不起訴の連絡をすることもありますが、通知の義務があるわけではないので、連絡がないだけですでに不起訴になっているといこともあり得るのです。

刑事訴訟法上は、不起訴になった場合に、不起訴処分通知書を請求することができるとされています。

第二百五十九条

検察官は、事件につき公訴を提起しない処分をした場合において、被疑者の請求があるときは、速やかにその旨をこれに告げなければならない。

引用元:刑事訴訟法|電子政府の総合窓口

ただし、不起訴処分通知書は、不起訴処分が決まった後に請求できる証明書のようなものです。

請求できるのはあくまで不起訴処分が出た後ですので、不起訴となったことを知るための連絡文書として利用することはできません

 

 

検察庁から連絡がない場合も、弁護士に相談すべき?

検察庁から連絡がない場合、すでに不起訴の結果が出ている場合を除けば、事件は処分が決まっていない不安定な状態にあるといえます。

言い換えれば、その後の捜査の進展しだいで、起訴されることも不起訴で終わることも両方の可能性が考えられるということです。

この段階で弁護士に依頼しておくと、今後の見通しや取り調べ対応についての助言ができるほか、示談交渉など不起訴の確率がより高まるような弁護活動も可能です。

また、仮に起訴されたとしても、捜査段階から一貫して依頼していた弁護士であれば、一から事件記録を読み込まずとも事件の全貌を詳細に把握していますので、スムーズな裁判対応が期待できます。

このようなことから、起訴・不起訴がなかなか定まらず不安という方は、刑事事件に精通している弁護士にご相談なさることをおすすめします。

 

 

よくある質問

検察庁に不起訴か問い合わせるタイミングは?

検察庁に対する問い合わせのタイミングについて、なにかルールが決まっているわけではありません。

その意味では、いつ問い合わせても差し支えはないとはいえます。

もっとも、捜査が継続しているのであれば、取調べのために定期的に呼び出されるのが通常です。

呼び出しが途絶えた場合、捜査が終結している可能性がありますので、前回の取調べから2か月ないし3か月程度連絡がないようであれば、検察官に状況を確認してみてもよいでしょう

 

検察庁から一度も連絡がない場合はどうしたら良い?

検察官は、不起訴処分にするにしても、少なくとも1回は自身で直接容疑者を取り調べるものと思われます。

ですので、検察庁から1度も連絡がない場合、すでに不起訴になっているというよりは、他の事件の捜査との兼ね合いで、後回しになっている可能性が高いと推測されます。

捜査を受ける身からすると、自分の置かれた状況が判然とせず落ち着かないわけですが、検察官としては時効にさえならなければよいわけですので、捜査の進展を待つほかありません。

どうしてもご心配ということであれば、弁護士に状況を相談されてみるのもよいでしょう。

刑事事件の取り扱い経験が豊富な弁護士であれば、これまでの経験に照らして、断定はできないものの、処分の見込みをある程度想定してお話しすることができます

また、弁護士から検察官に対して状況確認をすることで、プレッシャーをかけるというわけではありませんが、より具体的に今後の見通しを聞き出せる可能性もあります。

 

 

まとめ

このページでは、不起訴がいつわかるのかを、刑事事件の手続きに沿って解説しました。

記事の要点をまとめると、次のとおりです。

  • 不起訴とは容疑者を刑事裁判にかけないという検察官の判断をいい、不起訴となったかどうかがわかる時期は、身柄事件と在宅事件で異なる。
  • 身柄事件では、勾留の期限である10日ないし20日の内には起訴・不起訴の判断が出るのに対し、在宅事件では、判断までに長ければ数か月から1年以上かかることもある。
  • 検察官は不起訴処分を下しても容疑者に連絡しないため、不起訴となったかどうかは、問い合わせなければわからない。
  • 不起訴の判断がなかなか出ず不安なときは、弁護士に相談することで見通しについて助言が得られるとともに、起訴・不起訴いずれの場合にも有益な弁護活動を期待できる。

 

 


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