被疑者の権利とは?取調べ時に知っておくべき3つの権利

被疑者(ひぎしゃ)とは、警察や検察などの捜査機関から犯罪の疑いをかけられ、捜査の対象となっている人のことです。
被疑者には、不当な拘束や取調べから身を守るため、憲法・刑事訴訟法により「黙秘権」「弁護人選任権」「接見交通権」といった権利が保障されています。
この記事では、被疑者の権利について、刑事事件に強い弁護士がわかりやすく解説します。
黙秘権とは?取調べで言いたくないことを拒否できる権利

「黙秘権」この言葉を耳にしたことのある方も多いと思います。
黙秘権とは、捜査機関の取調べに対して、言いたくないことはいわなくてもよいという権利のことです。
つまり、取調べの間、終始黙っていることもできますし、答えたくない質問にだけ答えないということもできるのです。
黙秘権は憲法38条で認められている権利ですから、黙秘権を行使して、質問に答えなかったことを直接的な理由として不利益を課されることはありません。
黙秘権を使えば起訴されないわけではない
ただし、捜査機関は、被害者の証言などの他の証拠を取得することが当然できますので、黙秘権を行使していれば、起訴されないということは決してありません。
黙秘権の行使が効果的なケース
黙秘権を行使することが効果的な場合としては、犯罪の故意の有無が問題となっているような事件において、被疑者の自白以外からは故意を認めることが難しいのではないかと考えられるような場合が挙げられます。
このような場合、捜査機関は故意が認められるような供述調書を作成したいと考え、取り調べにおいてあらゆる角度から誘導を行います。
知らず知らずのうちに故意を認めるような内容の供述調書になっていたということを避けるために、黙秘権を行使するべきなのです。
反対に、事実関係に争いがないような事件では、しっかりと反省を深めた上でその内容を供述調書に残してもらうことで、最終的な刑事処分に有利になる可能性があります。
このように、事件によって黙秘権を行使すべきか否かは異なりますので、しっかりと弁護人と相談して決める必要があります。
弁護人選任権とは?弁護士に依頼して弁護活動を受けることができる権利

弁護人選任権とは、その名のとおり、刑事事件において法律の素人である被疑者が弁護士に依頼して弁護活動を受けることができる権利のことです。
憲法37条3項によって弁護人選任権が認められているのは起訴された後の被告人だけですが、刑事訴訟法第30条によって、起訴前の被疑者についても弁護人選任権が認められています。
「国選弁護人」と「私選弁護人」の違い
弁護人は、国選弁護人と私選弁護人に大きく分けることができます。
| 項目 | 国選弁護人 | 私選弁護人 |
|---|---|---|
| 費用 | 原則として国が負担 | 自己負担(委任契約による) |
| 選任方法 | 裁判所が指名(選べない) | 自分で選べる |
| 選任時期 | 逮捕・勾留後など条件あり | いつでも可能(逮捕前も可能) |
被疑者として逮捕された場合、一定の要件(犯罪の種類や被疑者の資力等)を満たす場合には国選弁護人を選任することができます。
国選弁護人の報酬は基本的に国が負担しますので、費用の心配をする必要はほとんどありません。
もっとも、国選弁護人を誰にするかは国(裁判所)が指名することとなっていますので、自分で弁護人を選ぶことは出来ません。
他方、私選弁護人は、自ら弁護士と委任契約を締結して弁護活動を依頼する場合の弁護人のことを指します。
国選弁護人と私選弁護人の違いについて、詳しくは以下をご覧ください。
接見交通権とは?警察官の立ち会いなしで弁護士と面会できる権利

弁護人選任権で弁護人を頼んでも、何もできなければ意味がありません。
弁護人は被疑者と、警察官等の立ち会いなく、接見、つまり、面会をすることができます。
身柄拘束を受けている被疑者の一般面会は、時間が指定される上、土日や夜間には面会することができません。
しかも、面会する場合には、警察官等の立ち会いのもとで行われます。
しかし、弁護人の場合には、2人きりで面会をして、弁護人に相談することができます。
このように、身柄拘束されている被疑者にとって、弁護人の接見は、非常に重要な役割を果たします。
そして、取調べの相手は、数多く取調べを行っている、プロである警察官や検察官です。
したがって、被疑者の早い段階から弁護人を選任して、適切な弁護活動を行ってもらう必要があります。
刑事事件
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