傷害罪の示談|示談金の相場や流れを弁護士が解説【示談書雛形付】

  
弁護士法人デイライト法律事務所 弁護士  保有資格 / 弁護士・3級ファイナンシャルプランナー

暴行・傷害で取調べを受けています。

示談することによる不起訴処分・執行猶予は期待できますか?

 

弁護士の回答

起訴前に示談することができれば、不起訴処分の可能性が大きく高まります。

傷害罪は、個人的法益(身体)に対する罪であり、明確な被害者が存在する犯罪です。

その被害者が、加害者を許し、示談を成立させ、被害届けを取り下げるに至った場合、刑事上の罰則を科す必要性が小さくなるため、不起訴処分と判断される可能性が大きく高まります。

 

傷害罪の示談のメリット

早期に示談交渉を開始することには、以下のようなメリットがあります。

不起訴を獲得できる可能性

上述のとおり、起訴される前に示談が成立していれば、不起訴処分となる可能性が高まります。

 

執行猶予が付く可能性

では 、仮に起訴されるまでに示談が成立せず 、正式に刑事裁判となることが確定してしまったら 、示談交渉は無意味なものとなるのでしょうか。

結論から申し上げますと 、示談を成立させる意味が全くなくなってしまうわけではありません。

罪を犯し 、起訴されてしまった以上 、残念ながら有罪判決を回避することは難しくなったといえます。

傷害罪の法定刑は 、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金とされています。

罰金刑にとどまる場合もあれば 、実刑判決がなされる可能性もあり 、刑の幅は広いといえるでしょう。

被害者の怪我の程度が重大であれば 、場合によっては初犯であっても実刑判決が下される可能性もあります。

しかし 、示談が成立していれば 、本来なら実刑判決がなされ得る事案であっても 、執行猶予がつく可能性を高めることができます。

また 、もともと執行猶予付判決が見込まれるような事案であれば 、刑期や執行猶予の期間を短縮させることができるかもしれません。

このように 、起訴された後の示談成立も 、十分に意味はあるといえます。

もっとも 、起訴されてしまえばほぼ確実に有罪判決がなされ 、前科がつくことになってしまいます。

前科がつくことを避けるためには 、やはり起訴前に示談を成立させることが何より重要です。

逮捕・勾留される事件では 、1ヶ月以内で起訴されることになります。

在宅事件であっても 、長くとも数ヶ月程度で起訴されるケースが多いといえます。

起訴前の示談を目指すためには 、できる限り早い段階で示談交渉を開始すべきです。

 

 

傷害罪の示談の流れ

示談交渉は 、以下のような流れで進めていくことになります。


被害者の連絡先は 、捜査機関が把握していますが 、加害者に対して警察が被害者の連絡先を教えることはありません。

ですが 、弁護人を選任しておけば 、加害者には連絡先を教えないことを条件に 、弁護人限りで連絡先を教えてもらえる可能性があります。

弁護人が連絡先を把握し次第 、直ちに被害者に連絡を取り 、被害者に謝罪をした上で 、示談交渉を開始します。

示談が成立すれば 、弁護人が示談書を作成し 、被害者の署名・押印をもらい 、捜査機関に示談書を提出することになります。

 

 

傷害の示談書の書き方

オーソドックスな示談書の書式はこのようになりますので 、ご参照ください。

▼画像、クリックで拡大します。

実際には 、被害者の方が「こんな条件を入れてほしい」などといった希望をお持ちのこともあります。

そうした希望を示談書に記載することにより 、法的にどのような効力が生じるか 、法的に有効な形で示談書にどう反映していくか 、という点については 、慎重に検討していく必要があります。

 

 

傷害の示談金の相場

傷害の場合の示談金は 、慰謝料に加え 、治療費 、休業補償 、通院のために要した交通費なども加味した金額になります。

怪我の程度が重く 、被害者が仕事に行けなくなってしまった場合や 、後遺症が残ってしまったような場合は 、示談金が高額になる可能性もあります。

さらに 、過失の場合であればともかく 、故意の行為による傷害の場合 、2〜3割程度の上積みを求められる場合があります。

いずれにせよ 、被害者が受けた金銭的・精神的損害を可能な限り補填し 、誠心誠意謝罪をすることが 、示談成立のためには不可欠といえます。

 

 

傷害罪の示談金を払えない場合

上記のとおり 、事案によっては傷害の被害者に支払う示談金が高額になる可能性があります。

一括での対応が困難な場合もあるでしょう。

そのような場合 、示談交渉の中で 、分割での支払いをさせてもらえないか 、被害者に交渉することもあり得ます。

ですが 、多くの場合 、被害者は分割での支払いに難色を示されます。

分割にしてしまうと 、定期的に事件のことを思い出す機会が生じてしまう他 、加害者が確実に示談金を支払ってくれるかどうか不安を抱えながら過ごしていくことになり 、精神的な負担が増えてしまうからです。

自分一人での示談金の用意が難しければ 、親族などに援助してもらうことも検討すべきです。

 

 

まとめ

示談が成立すれば 、不起訴・執行猶予の可能性を高めることができます

しかし 、100パーセント不起訴になったり 、執行猶予がついたりするとは言い切れません。

同種の前科前歴が多数ある場合や 、多数人で一人に暴行を加えた・凶器を使ったなど 、犯行態様が悪質であり 、再犯防止の観点から不起訴とすることに問題がある場合 、本人の反省が認められない場合などには 、起訴され 、あるいは実刑判決が下される場合があります。

なぜ相手が怪我するほどの暴行を加えてしまったのか 、被害者が今どのような気持ちか 、どのような被害を生じさせてしまったか 、今後同様の被害者を生まないためにどのように過ごしていくべきか 、様々なことに思いをめぐらせ 、反省を深めていかなければなりません。

傷害事件を起こしてしまいお困りの方は 、刑事事件に注力する弁護士にぜひご相談ください。

 

 


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