刑事事件の弁護士費用とは?|相場や払えないときの対処法を解説

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA


刑事事件の弁護士費用とは

刑事事件の弁護士費用とは、刑事事件に関する様々な弁護士の活動に対して支払う報酬や実費等の総称をいいます。

弁護士費用を大別すると、下表のとおりとなります。

項目 内容
着手金 依頼時に支払う金銭
報酬金 終了時に出来高に応じて支払う金銭
実費 事件処理のために必要となる実費費用
例:切手代、交通費など
預り金 事件処理のために今後必要となる見込みの費用で事前に預かる場合に支払う金銭
例:保釈金を弁護士を通じて支払う場合

 

タイムチャージ制とは
タイムチャージ制とは弁護士の稼働時間を単位として弁護士の報酬を決める場合(例えば1時間あたり3万円など)を言いますが、日本の法律事務所で刑事事件の依頼を受ける場合、あまり採用されていないと思われます。
当事務所でも刑事事件において、基本的にタイムチャージ制は採用していません。
刑事事件はスピード解決が重要です。そのため、時間がかかるほど弁護士報酬が高額となるタイムチャージ制は依頼者の期待に沿わないと考えております。

 

 

刑事事件の弁護士費用の相場

弁護士費用は法律事務所によって異なる

弁護士の費用については、法律で一律の基準が設定されていません。

すなわち、弁護士費用は、個々の法律事務所がその基準を定めることになっています。

しかし、ある程度の傾向はあります。

ここでは、日弁連がまとめた報酬アンケート※が参考になるかと思います。

これは事案簡明な事件(複雑ではない簡単な事案)を受任した場合の報酬について弁護士にアンケートをしたものです。

アンケート結果によれば、着手金は20万円前後から30万円前後が多く、報酬金も20万円前後から30万円前後が多くなっています。

参考:市民のための弁護士報酬の目安 [日弁連|2008年度 アンケート結果版]

ただし、上記のアンケートは10年以上前のデータです。

現在はホームページ上に、着手金、報酬金ともに30万円から40万円程度と記載している法律事務所も多く、実際の相場感としてはこの額になるのではないかと思われます。

なお、当事務所の示談交渉の場合の弁護士費用については、こちらのページをご覧ください。

 

旧弁護士会基準

弁護士の報酬基準が自由化される前、弁護士会において、報酬基準が示されておりました。

現在は各法律事務所がそれぞれ設定できますが、この旧基準をそのまま踏襲している法律事務所も多いかと思われます。

そのため、参考として、旧報酬基準をご紹介します。

 

起訴前及び起訴後(第一審及び上訴審をいう。以下同じ)の事案簡明な刑事事件
報酬の種類 弁護士報酬の額
着手金 それぞれ20万円から50万円の範囲内の額
報酬金 起訴前 不起訴 20万円から50万円の範囲内の額
求略式命令 上記の額を超えない額
起訴後 刑の執行猶予 20万円から50万円の範囲内の額
求刑された刑が軽減された場合 上記の額を超えない額

 

起訴前及び起訴後の1以外の事件及び再審事件
報酬の種類 弁護士報酬の額
着手金 それぞれ20万円から50万円の範囲内額の一定額以上
報酬金 起訴前 不起訴 それぞれ20万円から50万円の範囲内額の一定額以上
求略式命令 それぞれ20万円から50万円の範囲内額の一定額以上
起訴後 無罪 50万円を最低額とする一定額以上
刑の執行猶予 20万円から50万円の範囲内額の一定額以上
求刑された刑が軽減された場合 軽減の程度による相当額
検察官上訴が棄却された場合 20万円から50万円の範囲内額の一定額以上

旧報酬基準は、事案簡明な刑事事件とそれ以外の刑事事件とで着手金が異なります。

これは、弁護士の労力がまったく異なるからです。

また、報酬金についても、その出来高(成功の度合い)に応じて、かなり幅があることがわかります。

 

示談交渉の弁護士費用

刑事事件において、不起訴は極めて重要です。

起訴されなければ、刑事裁判とはならないので、服役すること無く、前科もつかないからです。

そして、不起訴を獲得するためには、被害者との示談の成否が大きく影響します。

示談が成立し、被害者が処罰を望んでいなければ、検察官も起訴を見送ってくれる可能性があるからです。

したがって、刑事事件の専門性が高い弁護士に示談交渉を依頼することがポイントとなります。

もっとも、弁護士に依頼する場合、その費用が気になるところです。

示談交渉は、自らの犯罪を認めて被害者と交渉するため、通常は「事案簡明な刑事事件」と考えられます。

その場合、上記旧報酬規程を適用すると、着手金は「20万円から50万円」となっています。

そして、不起訴の場合の報酬金は同じ「20万円から50万円」です。

したがって、仮に依頼する法律事務所が旧報酬基準を使っている場合、弁護士費用としては、合計で「40万円から100万円」程度になります。

これに、被害者に支払う示談金の額を加算することとなります。

 

無罪のときの弁護士費用

起訴されてから無罪となった場合の弁護士費用についても、各法律事務所によって金額が異なります。

しかし、無罪を争う場合、通常、長期間、かなりの労力を費やすこととなります。

そのため、弁護士費用も高額化すると考えられます。

上記旧報酬規程の場合、無罪の報酬金は、「50万円を最低額とする」と記載されております。

そのため、実際には100万円を超える場合も多いかと考えられます。

 

 

私選弁護人と国選弁護人との費用の違い

私選弁護人の場合の弁護士費用は、上記のとおりとなります。

これに対して、国選弁護人の場合、弁護士費に支払う費用はゼロです。

すなわち、国選弁護人については、後述する資力要件などの条件を満たせば、基本的には国が負担してくれます。

したがって、依頼者の負担は原則としてありません。

なお、国がどの程度国選弁護人に支払うかはケース・バイ・ケースです。

一般的には、私選弁護人よりは安く、筆者の感覚としては、被疑者段階、被告人段階ともに、10万円程度になるかと思われます。

なお、被疑者段階では、接見に行った回数だけ報酬が高くなるというシステムです。

 

国選弁護人をつけることができる条件

国選弁護人は誰もが希望すれば選任できるというわけではなく、一定の条件があります。

国選弁護人をつけることができる条件は、被疑者の場合(起訴前)と被告人の場合(起訴後)とで異なります。

被疑者の場合:起訴前

被疑者の場合(起訴前の捜査段階)、次のすべての要件を満たす必要があります。

  • 死刑又は無期もしくは3年を超える懲役・禁錮刑に該当する犯罪の被疑者※
  • その事件について勾留状が発せられている、または勾留請求がなされている
  • 未だ釈放されていない
  • 私選弁護人がいない状態
  • 預貯金などの資力が50万円を下回る場合

※例えば、殺人罪、強盗罪、窃盗罪、傷害罪、強制性交等罪など

 

被告人の場合:起訴後

起訴後については、重大な事件ではなくても、本人(被告人)の預貯金などの資力が50万円を下回る場合、国選弁護人をつけることが可能です。

ポイント

国選弁護制度の大きな問題点は、起訴前の場合、一定の重大犯罪しか認められていないという点です。

刑事事件において不起訴を目指す場合、捜査の初期段階からのきめ細やかな弁護活動が重要となります。

 

 

弁護士の費用は安いほうがいい?

弁護士に依頼する際、「費用」だけを考えると、低額な方が良いと思われるでしょう。

しかし、弁護士を選ぶ場合、費用の他にも、専門性や信頼感などの重要な評価要素があります。

専門性

刑事事件において適切に弁護活動を行うためには、関係する刑罰法令や判例に関する専門知識が必要となります。

また、捜査機関とのやり取りや示談交渉は刑事弁護の重要なポイントとなりますが、これらについて豊富な経験を有する弁護士はノウハウを持っています。

そのため、刑事事件でお困りの方は、刑事事件を専門とする弁護士に依頼されることをお勧めいたします。

 

信頼感

刑事事件に直面されている方は、現在、不安な日々を過ごしていらっしゃるかと思います。

そのような不安を解消するために重要なことは、その弁護士を信頼できるということです。

いくら専門性が高くても、例えば、その弁護士が傲慢であったり、対応が冷たいなどの問題があれば、信頼感をもつことはないでしょう。

弁護士の刑事事件に対する姿勢が真剣で、誠実な人柄であれば、信頼感を持つことができます。

 

弁護士を選ぶ上で重要なこと

弁護士を選ぶ上で、最も重要なことは、まずはその弁護士の法律相談を受けてみることです。

明朗会計の法律事務所であれば、法律相談のときに、依頼されたときの着手金や報酬金等の弁護士費用の見積もりを出してくれると思います。

また、実際に法律相談を受けてみると、その弁護士が刑事事件に詳しい否かがわかります。

相談の内容にもよりますが、単に質問に対して答えるだけではなく、相談者が望む結果を獲得するための方法や戦略を提示してくれれば、刑事事件のノウハウを持っていると考えられます。

さらに、直接弁護士と接することで、信頼できそうか否かを感じ取ることができるでしょう。

 

 

刑事事件の弁護士費用を払えないとき

刑事事件の弁護士費用をご自身で支払うことが難しい場合、次の方法を検討されると良いでしょう。

親族等に相談してみる

ご両親やご兄弟などのご親族に相談されるという方法が考えられます。

ご親族の資力や関係性にもよりますが、ご親族の中には弁護士費用を立て替えてくれるケースがあります。

 

弁護士費用を分割できる?

着手金や報酬金は基本的に一括払いとなっています。

しかし、一括でのお支払いが難しい場合、分割での支払いが可能か否かを相談されてみてはいかがでしょうか。

状況にもよりますが、法律事務所の中には、分割でのお支払いに応じてくれる場合もあると思われます。

 

無料相談を活用する

刑事事件を専門とする弁護士の場合、初回は無料の法律相談を実施している場合もあります。

弁護士費用の問題でご依頼が難しくても、法律相談だけでも受けられることをお勧めいたします。

疑問点を解消できたり、今後の捜査や刑事裁判の注意点について助言を得ることができるため有益と考えます。

 

 

刑事事件の被害者の弁護士費用

刑事事件の被害者が加害者に対して、損害賠償を請求するために弁護士に依頼されるというケースもあります。

この場合、示談交渉のみか、民事裁判まで行うかで必要となる弁護士費用は異なってきます。

上述のとおり、現在は弁護士報酬が自由化されているため、法律事務所によって弁護士費用が異なります。

そのため、一概には言えませんが、あまり複雑でない事件の場合、示談交渉の着手金で20万円から30万円程度、裁判まで行うとさらに追加で数十万円の着手金を支払うケースが多いと考えられます。

報酬金としては、経済的利益(加害者から受け取る賠償金)の16パーセントから20パーセント程度となるケースが多いでしょう。

 

 

まとめ

以上、刑事事件の弁護士の費用について、相場、国選との違いなどを解説しましたがいかがだったでしょうか?

弁護士費用は依頼者の方にとっては気になる支出です。

しかし、弁護士を選ぶ上では、金額だけではなく、弁護士の専門性や信頼感なども重要な要素となります。

また、明朗会計の法律事務所では、ご相談時にご依頼時の見積もりを出してくれます。

そのため、まずは法律相談を受けて見られることをお勧めいたします。

この記事が刑事事件でお困りの方にとってお役に立てれば幸いです。

 

 

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